原作未プレイが幻想入り   作:セメダイン広住

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一話 ようこそ幻想郷へ

 

「...ぜぇ...ぜぇ...」

森を歩きだして一時間程経った

大体3、4㌔ほど歩いているはずなのだが...

 

「全く森から出られない...」

ずっと直進しているはずなのに一向に道に出ることすら出来ていない

しかもその森には見たことない植物...特にキノコがわんさか生えている

「薄暗い森...キノコ...フッ」

 

「まるで魔法の森ってか?...ハァ」

 

どうやら俺は大分疲れているようだ。

早くこの森から抜け出さなければ

取りあえず誰かに会えればいいのだが...

 

 

「...ん?...誰かいる?」

自分の進行方向...100m程先に誰かが歩いている

まさかこんな薄暗い森に人が と思ったが恐らく相手も同じ事を思うだろう

取りあえず、あの人に此処が何処か聞くべく俺は走り出した

 

近づくに連れ、その人の容姿が鮮明に見えてくる

女性らしい、金髪だ しかも ショートカット そして服装がある東方キャラのそれ

 

(...アリス?)

 

いやコスプレだ、そうに違いない

最近のコスプレイヤーは雰囲気を出すためにこんな森で撮影をするのか

そうだ、本物のアリス・マーガトロイド だなんて絶対にありえない。創作の人物?だ存在するはずがない

なんて事を考えながら走るうちにそのアリスのコスプレをした人と十分会話が出来る距離に近づいた

 

俺「あの~すみません」

 

俺が声を掛けるとその女性は少々びっくりした様だが俺の方に振り向いて言った

 

???「あら?何かしら?」

 

俺「ここが何処か聞きたいんですが...」

 

 

???「何処って...魔法の森だけど?」

 

 

...一瞬耳を疑った 目の前の女性はあたかも平然に此処を 魔法の森 と言い放った

 

俺「は?...え?魔法の森?」

 

???「そうだけど?...その様子だとあなたもしかして外来人?」

外来人...まさか此処は本当に幻想郷なのか?

いや、ありえない...これは何かのドッキリか?

頭が混乱している まさか本当に幻想入りしてしまったのか?混乱している頭を必死に働かせ、俺は目の前の女性にまた質問をする

 

俺「...魔法の森って事はもしかして此処は幻想郷ですか?」

 

???「あら、外来人のくせに幻想郷を知ってるのね」

 

即答された...確定だ、此処は幻想郷だ

となればこの目の前の女性は...

 

俺「もしかして、アリス・マーガトロイドさん...ですか?」

 

???「...驚いた、何で私の名前を知ってるのよ」

 

感動だ...まさか幻想入りして直ぐにアリスさんに会えるとは

まさか本当に幻想郷が存在するとは...

俺が幻想入りと言う事実に感動していると、アリスさんが質問をしてきた

 

アリス「外来人...なのよね?ちょっと詳しく話を聞かせて欲しいのだけれど」

 

俺「あっ勿論です」

 

アリス「そう、じゃあ歩きながら詳しく聞かせて頂戴」

 

 

そして俺は、アリスさんと歩きながら此処に来た時の事と外の世界に幻想郷の住民を題材にしたゲームがあることなど洗いざらい話した

 

 

アリス「ふーん...東方projectねぇ~」

 

俺「まぁ、すぐに信じて貰えないのはしょうがないですよね、俺も未だに幻想入りしたなんて信じられませんし...」

 

アリス「あ、いや 別に信じて無いわけじゃ無いのよ?現に幻想郷の事や私の名前を知っていたし」

 

俺「幻想郷の事は大体知ってますよ

変な言い方ですけどアリスさんの事も」

 

アリス「ふーん じゃあ試しに私の秘密を言ってみなさいよ」

 

...アリスさんの秘密?

唐突な質問に一瞬戸惑ったが大丈夫だ

約7年間はまり続けた知識は伊達ではない

アリスさんの秘密...旧作か?

旧作...ハッ

 

俺「神綺さん...?とか...ですか?」

その名前を口にした瞬間、アリスさんは まさか此処でその名を聞くとは と驚いた表情をみせた

 

アリス「...そう、何でもお見通しなのね」

 

露骨に声のトーンが下がっている。

地雷を踏んでしまった様だ。

 

俺「あぁ!デリカシーが無かったですよね、すみません」

 

アリス「いや、別に良いのよ 私から振った話題だし」

 

 

やってしまった...初めて会った幻想郷の住民をキズ着けてしまった

アリスファンがもしこれを見ているのなら俺は殺されるだろう

取りあえず話題を変えなければ

 

俺「あの、アリスさんって魔法使い何ですよね?出来れば簡単な魔法で良いので見せて欲しいな...なんて」

 

人(妖怪)の過去を蒸し返した上にあげくの果てに魔法を見せてくれなんて強欲過ぎるぞ俺

 

アリス「んー..そうね興味深い(外の世界)話も聞けたし簡単な魔法くらいならいいわよ」

 

優し過ぎる...事が一段落したら絶対に菓子折りか何かをプレゼントしよう

 

そして、アリスさんは何やら呪文の様なものを唱え、目の前に魔方陣が現れる その魔方陣から見覚えのある2体の人形が出てきた

人形「シャンハーイ!」

人形「ホウラーイ!」

 

アリス「上海!蓬莱!行くわよ!」

 

2体の人形は絶妙なコンビネーションで目の前に大きな弾幕を作り出した

 

そしてその弾幕を近くの木に放った

 

上海「シャンハーイ!」蓬莱「ホウラーイ!」

 

ドォォオオン!

 

地面が震える程の轟音と共に目の前の木々が跡形もなく消えた

 

俺「す、凄い」

 

アリス「ふぅ...まぁ、ざっとこんなものかしらね」

 

スペルカードを使わないでこの威力...

アリスさん...強すぎます

そして、目の前にいるのは本当の アリスさんだと改めて確信し本当に幻想郷に来れたのだと感動して涙が出てきた

 

アリス「っと やっと道に出たわね」

 

先程アリスさんの人形達によって消し飛ばされた木々の向こうには森ではなく道が見えた(勿論コンクリート製ではない)

 

アリス「ほら、もうすぐよ」

 

俺「あ、ハイ」

取りあえず歩いている様に思っていたがちゃんと案内をしてくれていたのか、と思うと本当に優しい人?だと改めて思う

 

アリス「この道を右に真っ直ぐ進めば博麗神社があるからそこに行って霊夢に今後の事とかを話してくるといいわ 私は別の用事があって一緒に行ってあげられないけど頑張ってね」

 

俺「あ、アリスさん...ありがとうございました!」

 

アリス「フフ また今度会ったらまた外の世界の事とか聞かせて頂戴ね」ニコッ

 

俺「も、勿論です!」

天使の様な笑みを浮かべたアリスさんは俺とは別の方向に足を進めて行った

 

そして、アリスさんが見えなくなり一息着いた俺はアリスさんに言われた通り博麗神社を目指し歩きだした

 


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