私の小説投稿開始から一周年記念です。連載は終了しましたがエクストラ回を投稿しました。
この回は、いわゆるショートストーリーの詰め合わせのようなものなので、時間軸がバラバラなのであしからずです。
あの日々の思い出 某日
これはまだ、マシロが海猫荘に来る前の出来事です。
あの雨の日の晩のことです。軍人とカナ達はゲーム部屋に設けられたふかふかソファーに3人で座ってアニメ観賞をしていました。
「くぅ~やっぱり、○ェ○○・ゼロは何度見ても名作だなぁ!」
このゲーム部屋を作った際にショッピングモールからゲーム機やテレビを持ち込んだが、ついでにBlu-rayも大量に拝借した。
昨日は1日中大雨で外に出れそうにないので室内でカナ達と遊んでいたが、流石に2日目となるとカナ達も外で遊べずにつまらなさそうだ。
なので今日は我ら人間の文化や叡知、芸術の結晶とも言える日本のアニメを二人と見てもらおうと思ったのだ。
それで今は○ェ○○・ゼロを見ている訳である。
『問おう、あなたが私のマスターか?』
○イバーさんの登場シーンのこのセリフ、何度見ても好きですね。
「はぁ、カッコいいよねこのセリフ!一度でいいから言われてみたい‥‥」
「(゜ー゜)」‥‥。
この軍人の発言をカナはしっかり聞いていた。
後に彼女が成長して言葉を発するようになった時、軍人の事をマスター呼ぶようになったのはこの事が原因であるが、そうなることはこのときはまだ知る由もなかった。
今2話を見ているのだが、この回にはキャスターの召喚がある。
この場面ではキャスターは生け贄?の少年を助けてあげるのだが、
『怖がらなくてもいいんだよ、坊や』
これにははらはらしながら見ていたカナ達はほっとした様子だった。
『立てるかい?』
「(/。\)」ホッと‥‥
「(/▽\)♪」良かった♪
『さぁ坊や、あそこの扉から部屋の外に出られる。1人で行けるね?』
『うん』
少年は扉を開ける。そこには外の光が‥‥
少年が助かる希望を抱いたその瞬間に後ろからキャスターの使い魔が少年を襲う!
『ぎゃああああああああ!!』
「Σ( ̄ロ ̄lll)」ぎゃああ!
「(。´Д⊂)」そ、そんな‥‥
彼女達は完全に怯えてしまった。
ソラに至っては完全に泣き出してしまった。
そういえばこの反応は前にも見たことがあります。
前に桐音ちゃんとも一緒に見たのだが、あの時彼女はあまりの衝撃で泣き出してしまい、
「え、映像の暴力だ~!」
って言ってました。
うん、確かにキツいシーンだと思います。
しかし、この残酷なシーンはもはやアニメ、架空のものではない。実際に深海棲艦によってこんな死に方をしている人々もいる。
なので深海棲艦はこのキャスターのようなイメージを持たれている。
しかし、
「(´д`|||)」びくびく
「( TДT)」心臓が痛い‥‥
うぐっ‥‥、これが悪魔だと?天使の間違いではないのか?
世の人々が悪魔と呼んでいる深海棲艦が人の作ったアニメを見て怯えてるますよ。見ていてかわい‥‥おほん!可哀想になってきました。
「よしよし、怖かったね。」
私はカナ達を落ち着かせるべく、とりあえずなでることにした。
「(´;ω;`)」ふるふる(震えてる)
「(/。\)」落ち着いてきた
ふぅ、落ち着いてくれたようだ。この子ら好きだよねなでなで。もしかして‥‥、深海棲艦の弱点は頭なのでしょうか?というよりも私の方も依存症になりつつありますね。
「もう夜も遅いし、この辺で仕舞いにしようか。」
「(..)」こくこく
「(/-\)」‥‥zzz
□□□□□□□□
雨の音が聞こえる。激しく降り続けておりその降りつける雨粒が風によって勢いがますあの激しい音が先程から鳴り続けている。
一向に弱まる気配のないその雨から明日も雨であることを予想させる。
雷かな?遠くからゴロゴロと鳴っているのが聞こえる。
いよいよ激しくなってきたな。
「ふふ。」
雷で思い出した。私はこれまで雷で怖いと思ったことはないが前におばさんの家にお泊まりに行った時だ。
今日みたいに夜中に大雨で雷が鳴り響いた晩のことです。
「お、お姉ちゃん‥‥」
「どうしたの桐ちゃん?」
桐音が枕を持ってやった来た。
「その‥‥雷怖いから‥‥、一緒に寝てもいい?」
あの頃の桐音ちゃんは可愛かったな。
雷が怖くて眠れないと訴えていた時のある顔、そして、ちょうどそのタイミングで大きくなった雷音。
「ひぃ!」
涙目の我が従姉を見て可哀想になったものだ。
今にしてみればかなり可愛かったな。
もし日本に帰れたらこの話を桐音ちゃんにしてやろう。
「うん?」
あれ?なんか音がしたような。ギギィ ギギィって。
何の音だろう。あれ、なんかどんどん近づいて来てるような。
ギギィ ギギィ ギギィ
待って、なんか怖い!
私は恐る恐る起き上がる。すると閉めていたはずの部屋のドアが開いてる。今日は雨で月が出てない。だから部屋は真っ暗で見えづらい。
今何か影が動いた。何か‥‥いるの?
ギギィ これはもしや足音?
ちょうどその時だった。
ゴゴーン!!
雷が落ちた。その光で何かが見えた。
黒い‥‥髪の長い‥‥
しかし、それは雷に反応して大きく動いた。その姿はまるで軽くお化けを連想させてしまい私は思わず、
「うわわわわわ!!?」
叫んでしまった。
一方で影もほうも、
「Σ( ̄ロ ̄lll)」
かなり驚いたようで飛び上がっていた。
私は部屋の明かりをつけた。
影と音の正体はカナだった。
「(´д`|||)」がくがく がくがく
「か、カナ?どうしてここに?」
あれ、枕を持っているな。もしかして‥‥
怖いから一緒に寝たいとか?
「(..)」こくこく
えー?
怖い話とか聞いた晩とかに眠れなくなるとかあるけど、見たのは健全なアニメだよ?
どうしてこうなる?
「(´;ω;`)」うるうる
「はぁ、いいよ、おいで。」
私が言うとカナはすぐに飛び付いてきた。
「おおっと!まったく。」
本当は怖いのは建前で一緒に寝たいだけなんじゃ?
「ふふ、そう言えば久しぶりだね。」
ソラが来てからは彼女達の部屋を作ったのでそこで寝かせていた。だからカナと一緒に寝るのはソラが来る前以来だ。
「おやすみ‥‥って、もう寝てるし。」
「(-.-)zzz zzz」すー すー
その寝顔はどこか安心しきったものでした。
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これはマシロの好みチェックをした数日後の事です。
マシロは辺りをキョロキョロ見渡していた。誰もいないこと、特に軍人がいないことを確認して使われてない客室に入りました。
この部屋には前に軍人にバレないようにこっそりと持ってきたあるものを隠しているのだ。
それは度が入っていないメガネだった。
あの時、店舗にあったこれを見た時になぜだか無性に懐かしく感じて気になってしまったのだ。
そのためか試しにかけてみたくて手に取ったが丁度お香に気を取られていた軍人がマシロに声をかけたのであわてて隠してしまいそのまま持ってきてしまったのだった。
なので今日はあの時かけられなかったメガネをかけて見ようと思ったのだ。そうすれば何故こんなにメガネに懐かしさを感じるかわかると考えたのである。
マシロはメガネをかけた自分を部屋の備え付けの鏡で見てみた。そこにはメガネをかけた自分がいるだけだった。特に何も感じる事はなかった。
しかし、何故か引っ掛かっていた。
マシロは考えた。一体このもやもやの正体はなんなのかを‥‥
ときに人間は生まれてきた時に胎内記憶を持って生まれて来ることがある。生まれてから親の胎内にいる時の中での記憶や胎外で何が起こったかぼんやりと覚えていてたまにそのエピソードを聞かせてくれる子供もいる。
これはもしかして可能性の話であるが、
彼女は施設の水槽の生まれであり、仮にその水槽が胎内だとする。彼女の水槽内の成長ぶりを毎日のように視察に来ていた深海棲艦がいて、彼女がメガネをかけていたとしたら‥‥
彼女のもやもやの正体は、ぼんやりと頭に残るメガネをかけた深海棲艦の存在がいたという胎内記憶であり、彼女はそれに引っ掛かっていた。まぁ、これはあくまでも仮説である。
しかし、そんな胎内記憶なんてことや、メガネの深海棲艦の存在なんて当時のマシロには知るよしもなかった。
次第に彼女の思考はメガネに対する懐かしさに対する調査からメガネそのものに移っていた。
「(///∇///)」
メガネをかけ方を工夫してみたり持ってきた帽子をかぶってみたりと彼女はメガネを使ったおしゃれをしてみては鏡を見て微笑んでいた。
そのまま気分が乗ってきてポーズを決めたりなんてしてると‥‥
カシャッ
部屋の扉、少し空いたところからソラがカメラを持っていた。それで用がすんだソラはすっときびすを返した。
「(///□///)」カーーー
み、見られた!いや撮られた!?
当時のマシロの思いはこんなのであっただろう。
顔を真っ赤にして慌ててソラを追いかけるのだった。
その後、マシロとソラの追いかけっこが始まるのだが、軍人にケンカと思われ二人とも捕まってしまいソラはカメラを没収された。もちろん、その写真は軍人の手に渡ったのは言うまでもないだろう。
これはかなり後の話だか、彼女は深海棲艦陣営にもどった後、自分のルーツを求めて回った時にメガネをかけた深海棲艦を手がかりにしていたそうです。
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軍人のアルバムにはたくさんの出来事が写真で納められている。しかし、その中でもソラの写真は少ない。
それには理由がある。それは‥‥
「(/.\)」zzz zzz
彼女は寝ていることが多い。
のんびり屋さんでもふもふ好きなソラはふかふかな布団やもふもふなぬいぐるみに包まれて眠ることが何よりも好んでいた。
そのためかたまに起きるトラブルなどの時も彼女は寝ていたため関わっていなかったり、イベントの時もいなかったり等とだから写真に写ることが少ない。
そんなよく眠る彼女だがその日は誰よりも早く目が覚めた。
いつもなら彼女は二度寝をするところだが彼女は外の空気でも吸うことにした。
日はまであがってなくて薄暗い。少しぶるとなったが悪くかった。すると後ろから軍人がやって来た。
「あれ?ソラ?珍しいね、こんなに早く起きてるなんて。」
「(/▽\)♪」
軍人を見てソラはいつもの朝の抱擁をする。これが朝の挨拶兼軍人養分の摂取の時間です。
「おはようソラ♪」
軍人もソラの要望に答える。
寝癖を手ぐしで撫でてあげる。この子は寝癖はあるけど髪はサラサラなんだよな‥‥
そうこうしていると朝日が昇ってきた。
「おお、今日は一段と綺麗だな。」
「(/△\)」おー!
大量の雲の隙間隙間から太陽が見え隠れし、その光が雲の上から伸びるように見える。
「これは‥‥薄明光線ってやつかな?」
薄明光線とは、太陽が雲に隠れているとき、雲の切れ間あるいは端から光が漏れ、光線の柱が放射状に地上へ降り注いで見える現象のことであり、本来とは異なり今のように雲の上へと上空へ伸びるケースもあるそうです。
その綺麗さに普段日の出なんて見ないソラも思わず見とれています。
「(///△///)」ほぁー
「これはね、別名天使の階段とも言うんだよ。もしかしたら、今日は私の天使と一緒に見てるから出てきたのかな?」
軍人が少しふざけてみせる。
しかし、ソラは軍人に天使と呼ばれたことに少し心が踊っていた。
それからソラは軍人とコーヒーを飲みながらしばらくその光景を楽しんでいた。カナ達が起きるまでまだ時間がある。それまで軍人は一人占めだ。
朝早起きすることでソラは、綺麗な日の出を見られ、軍人に天使と呼ばれ、しばらく独占でき朝から得をするのであった。
この早起きによって三文の徳ならぬ早起きは三個の徳を経験したソラはそれからは少し起きるのが早くなったが‥‥
「(/。\)゜゜゜」zzz zzz
やはりそこはソラ、相変わらずスロー生活を過ごし続けます。
もしかしたら潜水艦の一周年の時にも投稿するのでこれからも潜水艦シリーズ及び本編なども応援よろしくお願いいたします!