学園黙示録~魔法を持って行く物語   作:武御雷参型

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何とか完成したので投稿しますが、次回も何時更新できるか判らないです。すみません。


第七話

一方、アポロニアスは俊輔から転送されたデバイス二機の待機状態の変更作業を行っていた。

 

「フゥ~、もう少しで完成するな。これを見たら俊輔もビックリすじゃろうな………そうだ!! もっと驚く顔が見たいからあえて、この機能も入れて置くかのう」

 

アポロニアスはそう言うとフォーカと神楽が輝きを出していき、そして、辺りを真っ白な光で満たした瞬間、デバイスは消え、代わりに一冊の本が現れた。その本の表紙には金の剣十字があしらわれており周りはこげ茶色をしていた。

 

「さて、これで一応完成かのう? しかし、起動状態を確認しなくてはのう………夜天の書起動」

 

アポロニアスの声に反応して夜天の書が起動し、目の前に五人の人が現れた。

 

「我ら夜天の主の下に集いし騎士」

 

「主ある限り、我らの魂尽きる事無し」

 

「この身に命ある限り、我らは御身の下にあり」

 

「我らが主、夜天の王の名の下に」

 

「「「「「我ら、ヴォルケンリッターなり」」」」」

 

「ほう、成功じゃのう」

 

「「「「「んなっ!!?」」」」」

 

アポロニアスがそう言うと目の前の五人は目を丸くして驚きを出していた。

 

「さて、先に君達に行って置こうかのう。ワシはおぬし達の主ではない。これから君達に本当の主の下に行って貰う」

 

「それはどう言う事ですか?」

 

「君は確か湖の騎士シャマル君だったね。理由は簡単。君達にはこの少年の助けになってもらいたいのだ」

 

アポロニアスはそう言うとモニターを展開しそこに俊輔を映し出した。

 

「この少年の名前は山本俊輔。もう間も無くこの少年の命は消えるであろうな」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

この言葉に騎士達は驚きを隠せなかった。

 

「どうにかならないのかよ!!」

 

「鉄槌の騎士ヴィータか。そうだね。だって、この少年のデバイスは此処にあるからね」

 

そう言うと目の前に刀とビー玉が現れる。

 

「これってなのはのレイジングハートじゃないのか?」

 

「それにこの刀って質量兵器みたいな感じがする」

 

「気にしたら負けじゃ。それは横に流して、レイジングハート似はフォートレスカノンの待機状態じゃ。質量兵器顔負けの刀は神楽と言ってレヴァンティン似の機体じゃ」

 

「ほう、どこが似ているのか教えてもらえないだろうか?」

 

レヴァンティンと聞いた瞬間シグナムが反応した。それに答えてアポロニアスも意気揚々と答えていく。

 

「それはのう、カートリッジの装填、排出場所が似ている。それに、蛇腹剣にもなれる。しかしのう、弓状にはならんがのう」

 

「そうか………使っている者を見てみたいものだな」

 

シグナムは変なスイッチが入ったのか、可笑しなテンションになっていた。

 

「それで、ヴォルケンリッターとその管制人格よ、お主は新たな主の下に行く気は無いかのう?」

 

『………』

 

しかし、シグナムたちは答えられなかった。新たな主の下に行くと言う事は前の主である『八神はやて』の事を忘れてしまうのではないかと心配しているからである。それを感じ取ったアポロニアスはシグナムたちに聞えるように言った。

 

「前の主の事は忘れないがのう」

 

『!?』

 

この言葉にシグナム達は豹変し、新たな主『山本俊輔』の元に行く事に決意したのである。しかし、この事は俊輔には知らされていなかった。

 

 

 

 

翌朝、俊輔は桜吹雪が舞い散る道を空、孝、永、麗の四人と一緒に登校していた。しかし、孝に到っては寝不足なのか、時折大きな欠伸をしていた。

 

「如何したんだよ、孝。もしかして寝不足か?」

 

「ああ、どうも寝られなくてな。ついつい、夜更かししてしまったんだよ」

 

「それはご苦労さん。もう少ししたら学校だし寝てたら?」

 

「「「いやいや、どうしてそうなる!!」」」

 

俊輔と孝の会話に麗、空、永は揃って突っ込みを入れる。

 

「「だって、授業なんて眠いじゃん」」

 

しかし、ツッコミを入れられた俊輔、孝も負けずにハモって対抗した。

 

 

 

俊輔サイド

 

この時期って言ったら原作開始か………なんとしても永やあさみさん達を助けないとな。

 

「さて、そろそろ教室だし別れるか。空、行くぞ」

 

「はい!! じゃぁ、またね孝、麗、永」

 

俺と空は隣の教室に向かって行く。そう、もう間も無く始まる世界の終わりが近付いてきていたのを俺と空は感じ取っていた。

 

「空、ちゃんと持ってきただろうな?」

 

「はい、大丈夫です」

 

空はそう言うとかばんからレイラを見せる。

 

「それにしても大丈夫なのですか?」

 

「ん? 何がだ?」

 

「えっ、だって俊輔さんのデバイスが無いじゃないですか。如何するんですか?」

 

そう、俺の手元にはまだ神楽、フォーカが帰ってきていない。何時のなったら返してくれるのかまだはっきりと判っていない。

 

「まぁ、もう少ししたら帰ってきたりしてな」

 

「そうですね」

 

「「あはははははははは………ハア~」」

 

そう言って俺達はハモって笑うしかないんだ。

 

『呼ばれてないけど、じゃじゃじゃじゃ~ん』

 

「「ギャァァァァァ」」

 

『アベルベルア!!』

 

急にアポロニアス様が出てきたのでつい、空と一緒に殴ってしまった。俺達は悪くはないからな。

 

『殴るとは酷い物じゃのう、俊輔よ』

 

「あんたが普通に出てきたら殴りませんよ」

 

「そうです。自業自得ですよ、アポロニアス様」

 

俺と空の攻撃にアポロニアス様も応えたらしく、少しだけ悲しそうな顔になっていたが、無視だぜ。

 

「それで、結界を張ると言う事は返してくれるんですか? 神楽とフォーカを」

 

『そう焦る物ではない。まぁ、見てくれ』

 

アポロニアス様が出したのはなんと、一冊の本であった。

 

「この本ってまさか!!」

 

 

 

 

 

 

俊輔は驚いていた。目の前には夜天の書があるからである。

 

「どうして夜天の書があるんですか? 神楽とフォーかは?」

 

『ここに入っておる』

 

「「ヘッ?」」

 

俊輔達は可笑しな声を出していたのであった。




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