俊輔に待ったを掛けたのはなんと憂国一心会会長である高城総一郎本人であった。この時、紫藤側から一発の銃声がするが、総一郎が刀を一振りすると銃弾が真っ二つになっていた。
「さて、君に質問がしたい。これはどう言う事かね?」
「如何とは?」
総一郎の質問に俊輔は惚けながら答える。
「ふざけるのは感心しないな。では、質問を変えよう。君は此処にをしに来た?」
「………簡単ですよ。私はこの抗争を止めたいだけだ。そして、もし私に刃向うのであればそれなりの覚悟は持って頂きたい」
俊輔は殺気を出しながら言う。この殺気に憂国一心会の面々はそこまで驚いてはいなかったが、紫藤側では怯えが出てきていた。
「で、答えは如何なんでしょうか? 貴方方はそこまで敵対心と言う物を感じられない。ですが、向こうさんはそうも行かないようですね?」
俊輔はそう言うと総一郎から視線を外し紫藤側を見る。
「ヒッ!!?」
紫藤側は急に俊輔が見てきたので気が動転して、発砲をする。それが切っ掛けにより、紫藤側の全員が俊輔に向けて銃弾を放っていく。
「はぁ~、少しは頭を使ったら如何かな? 勝てない相手に勝負を掛けるなんて三下のやる事だぞ?」
俊輔は呆れてその場を動かなかった。そして、銃弾は俊輔に当ると思われた瞬間、俊輔が動いた。
「と言うわけで、貴方方は此処で私刑にあって貰います。まぁ、安心して下さい。死にませんので」
俊輔はそう言うと上空に飛び、そしてロングレンジレール砲を構える。
「さて、見ていて下さいね。私を敵に回したらこうなるってね!! フォーカ、カートリッジロード!!」
俊輔の言葉のあとにレール砲の後方から空の薬莢が排出される。
「エクサランスカノン、フルバースト!!」
フォーカから放たれた砲弾と言うよりも魔導砲は紫藤側に向かっていきそのまま着弾して爆煙を辺りに撒き散らした。
俊輔サイド
「少しやり過ぎたか? まぁ、俺に対して放ってきたから良いんじゃね? なぁ、フォーカ、神楽」
『そうね。でも少しやり過ぎよ』
『そうです。貴方は少し周りの事を考えて下さい』
「ヘイヘイ、でも、死んでないから良いんじゃね?」
『『そうだね』』
「で、そこで見ている貴方は如何でしたか? 高城総一郎さん?」
俺は一旦地上に降り立ち、後方を見ながら言う。そして、そこには総一郎さんと配下の皆さんが絶賛俺に対して警戒心を強くしていた。
「ほう? 私の名前を知っているとは。君にはある意味で助けられたのかな?」
「如何でしょうかね? 自分でもわかりません。ですが、今後ももし抗争的なものがあれば自分は何時でも現れますよ。どんな時だってね? では、夜遅いので帰ります」
「待ちたまえ。君、その仮面を取って貰えないだろうか? もしかしたら知っている子かも知れないんでね」
正直、外しても良いんだが、めんどくさいからやめとこ。
「すみませんね。この仮面ははずすことが出来ないんですよ。それでは、今度こそ」
俺はそう言ってその場から帰って行く。
「さて、少しお前達の待機状態も変更しようかな?」
『それはどう言う事?』
『私達のどこがいけないんですか!!?』
「いや、お前達に不満はないけど、正直、今のままだと神楽が危ない」
『???』
俺の言った事に神楽は良く判っていない様であった。
「まぁ、要するに、今後外を出ようにも神楽は目立つ。だから、いっその事にお前達の待機状態を変更しようと考えた。そう言うことだ。お判りか?」
『『ああ、なるほどぉ~で?』』
関西人が嫌いな聞き方をしてくるな。
「だから、それを今からアポロニアス様に言おうと思っていてな」
『『そう言うことね』』
漸く納得したな。メンドーだな。
〔アァァー。念話テスト中、念話テスト中。アポロニアス様、聞えてますか?〕
〔聞えておるぞ~。で、何のようじゃ?〕
〔はい、今回頂いたデバイスの件なんですが、待機状態の変更をお願いしたいのです〕
俺はアポロニアス様に本題を切り出す。
〔ほう、で、どういう待機状態が良いのだ? 今すぐにでもしても良いぞ〕
〔はい、出来ればフォーカ、神楽の両方を収納できるようにして欲しいです〕
〔………難しいのう? 何かこう、具体的なものは無いかのう?〕
具体的なもの…………!!? あったぞ!!
〔ありました。では、リリカルなのは系であれば何でも良いです!!〕
〔了解した。では、直ぐにでも転送してくれ。ではな〕
そこでアポロニアス様に言われた通りにフォーカ、神楽を転送魔法で送った。
「さて、明日からはどうやって行きましょうかね?」
俺は独り言を良いながら家に帰宅して行った。
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