アンケート、待ってます‼
空達は艦橋を後にし、士官室へと向かっていた。
「空君。僕達って士官室で休むんだよね?」
「そうだよ……何か問題でも?」
コータが口を開くと、少し不安な様子の声音であった。
「いや、僕達が士官室なんて贅沢なことしても良いのかなって………」
「ああ、そう言う事ですか。問題ないですよ。僕達専用の士官室が用意されています。俊輔君は艦長室ですけどね。それと、部屋割りですが……孝君と冴子さん。永君と麗さん。コータ君とあさみさん。僕は静香先生とありすちゃんと一緒に休みますので」
「待った。シグナムさん達はどうなるんだ?」
部屋割りを聞いた孝達であったが、俊輔の守護騎士達が部屋割りの中に入っていない事に気付き、空に質問する。
「ああ、シグナムさん達はシグナムさん達で部屋を渡しているので、問題ないですよ。それから、一つ、皆さんに注意事項を伝えます。まず始めに、この艦内は自由に動いてもらっても構いません。ですが、機関室と弾薬室には絶対に入らないで下さい」
「空さん、それはどうしてですか?」
空の注意事項にあさみが手を上げて質問する。
「この戦艦の機関は原子炉で動いています。その為、格納容器外部は放射能で汚染された地区になりますので、入らない様にしてください。まぁ、入れませんけど」
空の説明に、全員が絶句する。まさか、自分達が乗る艦が原子炉搭載なんて考えもしなかったからである。
「それじゃぁ、誰が原子炉を見ているんですか?」
「そこは、特殊な機構をしたアンドロイドたちがやってくれています。なので、僕らが入る必要も無いのですよ。それから、弾薬庫に付いてですが、この艦の弾薬庫には主砲の砲弾からミサイルまで備蓄されています。その為、弾薬庫の扉には武装したアンドロイドたちが待機しているので、知らせてくれますが入らない様にしてくださいね」
空の説明に全員は首を強く振るのであった。
「さて、この先が士官室となっています。それと、各部屋に一人ずつ、アンドロイドが支給されていますので、何か用事があればアンドロイドに言って下さい。それで問題は無いと思いますので………皆さんに忠告です。アンドロイドと言っても人間に近いAIが組み込まれています。人間と同じように感情を持っていますし、一見、人間の様にしか見えません。なので、淫らな事はしない様にしてください。まぁ、皆さんがそんな事をしないと判っていますが、一応、伝えておきます」
空は説明しながら士官室へと向かっていた。
「さて、ここからが士官室となっています。手前から、僕と静香先生、ありすちゃんが使う部屋。隣は孝君と冴子さん。その隣がコータさんとあさみさんです。では、皆さん、ゆっくりと休んで下さいね」
空の説明された部屋に各自、入って行く。すると、全員がイメージした士官室とは異なり、どこぞの高級ホテルを思わせる部屋の造りとなっていたのである。
空は静香とありすを部屋の中に招き入れた。すると、扉の内側で待機していたアンドロイドが一礼し、空達を歓迎した。
「お初にお目に掛かります。私が皆様のサポートをするアンドロイド“ミホ”と言います。よろしくお願いします」
「僕は山城空で、こちらが鞠川静香先生。その隣にいるのが、稀里ありすちゃんだ」
空によって自己紹介された二人はミホに一礼する。
「はい、覚えました。これから、よろしくお願いします」
ミホはそう言うと微笑む。その姿は人間そのものであった。
一方、孝と麗が部屋に入ると、そこに待ち構えていたのは、目元がキツメの女性であった。
「お初にお目に掛かる。私は“マホ”と言う。これから、よろしくお願いする」
「あっ、うん……俺は小室孝だ。こっちが、毒島冴子さん」
「毒島冴子だ」
孝と冴子はマホに一礼する。
「覚えたぞ。これから、よろしく頼む」
マホはそう言うと、微笑むがその姿に孝は少し見惚れてしまい、それを見た冴子が孝の首元に日本刀の刃を当てていると言う事件が発生したのであった。
永と麗が部屋に入ると、そこに待っていたのは、くまのぬいぐるみを抱え込む少女であった。
「私は“アリス”。こっちは、ボコ。よろしく」
「僕は井豪永で、こっちは宮本麗だ」
「宮本麗です。よろしくね、アリスちゃん」
「ん………よろしく」
アリスは顔を少し赤くさせ、ボコに隠れる様に返事をするのであった。その可愛さゆえに、麗は堪らずアリスを抱きしめた。
「きゃぁぁ‼ 可愛い‼」
「麗、落ち着け。アリスちゃんが困ってるぞ」
「………大丈夫。麗さんって柔らかい」
「アリスちゃんも柔らかいよ‼」
この部屋は、ある意味でカオスな空間になる予感がするのであった。
コータとあさみが部屋に入ると、そこに待ち構えていたのは、堂々と椅子に座って干し芋を食べている少女(?)であった。
「あっ、来たね~。私の名前は“アンズ”って言うよ~。まぁ、よろしくねー」
「あっ、はい……僕の名前は平野コータです」
「私は中岡あさみです」
「平野君に中岡さんねー。干し芋、食べる?」
こっちはこっちで、アンドロイドに振り回されそうな予感しかしない部屋となるのであった。
艦長室に一人の女性が待機状態で待っていた。彼女の名は………ナノハ。かの有名な白い悪m「作者さん? それ以上、言ったらOHANASHIなの」あっ、はい。すみませんでした‼ だから、デバイスを仕舞ってください‼ と言うか、アンドロイドなのに、魔法が使えるの?
「そこは問題ないの。って、私は誰と話してるんだろ?」
ナノハはそう言うと、再度、待機状態となるのであった。
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