学園黙示録~魔法を持って行く物語   作:武御雷参型

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お待たせしました。書き上げる事が出来ましたので投稿いたします。
オリジナル要素しかないです。それと、俊輔君のキャラが崩壊してますwww


第三十五話

「東署には誰もいません」

 

シグナムの言葉に由香里は怒りをあらわにする。

 

「なんでよ‼ 絶対に誰かはいる筈よ‼」

 

「諦めて下さい。この状況下です。誰もいる筈はありません。もしいたとしても…………あの化け物たちの様になっているだけです」

 

「そんな…………」

 

由香里は突き付けられた事に衝撃を受け、膝から崩れ落ちた。

 

「そこで提案があります」

 

「…………なに? 私達も化け物の様になれっていうの‼」

 

シグナムからの提案に由香里は語気を荒くして反論する。

 

「違います。ショッピングセンターに戻り、戦力を上げるのです。幸い、我らの主もそこにおられます。もし、あなたが我々と一緒にショッピングセンターに戻ると言うのであれば、護衛として働かして頂きます」

 

シグナムは「どうしますか?」と言い由香里の言葉を待った。

 

「もし、戦力が上げれたとしてもこの状況で、無事な場所なんてあるの?」

 

「それは判りません。ですが、どこか無事な場所は必ずあるでしょう。我々はそれを見付けるだけです」

 

「…………判ったわ。あなた達と一緒に戻りましょう」

 

由香里の返事にシグナムは頷いた。

 

「ヴィータを殿として私が先頭に立つ。アインスとザフィーラは由香里さんを護衛してくれ。シャマルは周辺の警戒に当たれ」

 

シグナムの指示でそれぞれが動き始める。

先頭に立ったのがシグナム。その後方で左右に立つアインスとザフィーラ。シャマルは上空へ上がると、周辺に奴らがいないかの確認。そして、ヴィータは最後尾で殿を務める。

 

「では、主のいるショッピングセンターに行くぞ」

 

シグナム達は、俊輔がいるショッピングセンターへと戻るのであった。

 

 

 

 

一方、俊輔達は老人夫婦の輸血について話し合っていた。

 

「先生、一つ聞かせて………どうして私達なの?」

 

「えっ………それは………しょ、処置しないといけない人がいるから、助ける。それが常識でsy「じゃぁ、輸血した後はどうするのです? 定期的に輸血をする必要がある……と言う事は必然的に毎回、私達が取りに行くと言う訳? それに、どこで輸血パックを取りに行くんです?」それは………」

 

静香の言葉に沙耶が噛み付く。

静香は沙耶の的確な言葉に、口を閉ざしてしまう。

 

「私達は、他人を助けられるほどの力があるんですか? 私達が誰も死なないと言う、明確な理由でもあるんですか?」

 

「それは………そうだけど…………でも困っている人がいたら、それを助ける。何か間違ってると言うの‼」

 

「静香先生の言葉は正しいわ………でもね、先生。今の状況で正しい事は判る筈でしょ‼」

 

「じゃぁ、どうしろっていうの‼ 沙耶さん‼ 私は先生であり、医者でもあるの‼ 助けられる命があるのに助けない。それは私にとって曲げられない事なの‼」

 

沙耶と静香の口論は激しさを増すばかりであった。

 

「二人とも落ち着けって。落ち着いt「黙れやぁッ‼ ボケェェェッ‼」……俊輔……」

 

二人の口論を止めたのは俊輔であった。俊輔の怒声に二人の口論は、止まる。

 

「今はそんな話をしている場合か‼ 沙耶‼ 今の状況で言えば、お前の言い分は間違っていない。だけどな、ここの場所で生活しているのは俺達だけなのか‼ あぁ? 判ってるんだろうが‼ 状況が刻々と変わっていっている事が‼ このチームの頭脳だろうが‼ その頭脳がそれに気付かない訳ないよな? それとも何ですか? 気付きませんでした~とでもホザク気か? 静香先生。アンタの考え方は俺は賛同したい。だけでな。今の状況で、誰が取りに行く事が出来るんだ? アンタ一人で行く気か? 武器も持たないアンタが…………ここは冷静になって話し合えばいいだろうが‼ そんな事も出来ないんか‼ このすっ呆け共が‼ ハァハァハァ……………孝、永。後は頼んだ」

 

俊輔のマシンガンの如く発せられた言葉に、全員が呆けてしまい、俊輔はどこかへと向かって行くのであった。

空が静かに俊輔の後を追って行った。その際、孝だけに聞こえる様に耳元で呟いた。

 

「今の状況を打破できるのは、貴方だけです。お任せします。それに………もしかしたら俊輔君は血清を取りに行く気かも知れないので………お願いします」

 

空は孝だけに聞こえる様に呟くと、俊輔を追いかけるのであった。

 

 

 

 

「やっちまったぁぁぁ‼ 俺が冷静になってなくてどうするんだよ‼」

 

俊輔は誰もいない場所に行くと、壁に手をついて先程の言葉に後悔をしていた。

 

「何が冷静になって話し合うだよ………冷静になってないのは俺じゃないか………それに沙耶にも静香先生にもきつく当たってしまった…………仕方がねぇ。俺が取りに行くか」

 

「どこに行く気ですか?」

 

俊輔が一人で取りに行こうとすると、そこに待ったを掛けた人物がいた。

 

「空………どうしてここに来たんだ? 孝達の所にいなくても良いのかよ?」

 

「アナタが勝手に一人で取りに行くであろうと考えた結果です。まさしくその状況ですけどね」

 

「まぁな…………あそこまで言ったんだ。俺が取りに言った方が安全だろ?」

 

「確かに…………ですが生きて戻れる保証はあるんですか?」

 

「……………」

 

空の言葉に俊輔は何も答えられなかった。

 

「俊輔君。ここは二人で行った方が確立が上がります。それに戦車持って行く気でしょ?」

 

「バレテたか………まぁ、その方が早いと思ってな」

 

「貴方の考え位、判りますよ。一緒に暮らしてたんですから」

 

「付いて来てくれるのか?」

 

「もちのロンです」

 

「じゃぁ、行きますか‼」

 

二人は静かにショッピングセンターを抜けだすと、戦車を置いている場所へ向かい、ティーガーにエンジンを掛け、病院へと向かうのであった。




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