学園黙示録~魔法を持って行く物語   作:武御雷参型

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完成したので投稿します。


第九話

何処かの教室でチョークが落ちる音が響く…………そして、校内は静けさから一変して何処の教室からも雪崩の如く、生徒達が我先にと逃げ出して行く。

 

「ヴィータ、ザフィーラ。直ぐに扉のほうについて」

 

「どう言う事だ?」

 

空の言葉に判らずザフィーラは質問をする。

 

「もしかしたらゾンビ共がこっちに来るかも知れない。それに、極力生かしておく人間は生かしておきたい」

 

「ふっ、了解した」

 

「判ったよ」

 

そう言うと二人は前方の扉と後方の扉のところに付く。

 

「さて、僕もデバイスを起動させておくかな? レイラ起きてる?」

 

『なんだか久々の感じなのは私だけなのかな?』

 

「いや、違うと思うぞ。まぁメタな話は置いといて、そろそろ僕達も戦闘準備をしないとね」

 

『了解』

 

そう言うと空は光に包まれ四散すると、ディバイダー996を展開した状態になった。

すると、技術室の扉が開こうとするが、鍵が掛かっている為開かなかった。この時、空達は気をいっそう引き締まる。

 

『えっ? どうして誰も居ない技術室が開かないんですか!!』

 

『知らないわよ!! さっさと開けなさいよこのデブチンが!!』

 

『アフンッ!! イエス、マムッ!!』

 

この会話を聞いていた空達はゲンナリしていた。

 

「(如何しますか?)」

 

ザフィーラから念話が来る。

 

「(決まっている。開けてあげて)」

 

「(判りました)」

 

そう言うと扉の鍵を開け、二人をいれ直ぐに扉の鍵を閉める。

 

「うわっ!!」

 

「キャッ!!」

 

二人は地面に転がり、ごろごろと転がっていく。

 

「少しは静かにしろ」

 

ヴィータはそう言うと転がりは行って来た二人を見る。

 

「もう少し丁寧に扱いなさいよ!!」

 

「うっせーな。黙れって行ってるだろうが、タコ!!」

 

「誰がタコよ!! そっちこそチビが何言ってるのよ!!」

 

「誰が、誰がチビだ。ゴラァァァ!!」

 

「ああ、もう!! 黙れ!!」

 

「「ビクッ」」

 

空の叫びで黙る二人。また、ザフィーラは普通に窓から外を見ており、もう一人の少年はガクガクと震えていた。

 

「少しは黙ってくれないかな? 君はこの状況を判っているのかな? かな? それと、ヴィータ、俊輔君に報告するよ?」

 

「…………」ガクガクガクガクガクガクガクガク

 

「………」

 

ヴィータは震え、もう一人の子は静かになる。

 

「ザフィーラ、どう?」

 

「もう少しで敵が来る。そろそろ迎撃準備をした方が良いと思うぞ」

 

「そう………ヴィータ。デバイス許可するから敵を殲滅して。それから此処に近づく奴らだけで良いから。良いね? ザフィーラは素手で戦う事は許せないから、デバイスってあったよね?」

 

「あるが」

 

ザフィーラはそう言うとガントレット型のデバイスが展開される。

 

「それで攻撃して。少しは違うと思うから」

 

「判った」

 

そう言うとヴィータとザフィーラは技術室から出て行き、ゾンビ否奴らを攻撃し始めて行った。

 

「ねぇ、アンタって2年B組みの山城空よね?」

 

「ええ、そうですが? それがどうかしましたか?」

 

空はそう言うと、相手の子を見るが見覚えが無いので判らなかった。

 

「なら、山本俊輔って知っているわよね?」

 

「ええ、知っていますが? それがどうかしましたか?」

 

「なら、今すぐにでも良いから会わせて!!」

 

相手の子は必死になって空に食いつく。

 

「良いのですが、先に奴らを如何にかしないといけません。ですから……」

 

そう言うと空は996を構える。

 

「奴らを潰しましょう!!」

 

 

 

 

時を遡り、俊輔達四人は走りながら状況を説明している最中であった。

 

「と言うことは、孝が見たのは教師が教師を喰っていたと言うことか?」

 

「ああ、そう言うことだ」

 

孝の説明で俊輔はシグナムとシャマルに指示を出す。

 

「シグナムはレヴァンティンを展開、シャマルはシグナムと一緒に行って屋上を目指してくれ。俺達も何人かと合流後に直ぐに屋上に向う」

 

「判りました。では、御武運を」

 

「また後でね」

 

「おう」

 

そう言ってシグナム達は別れていく。

 

「おい、俊輔。あの女性達の説明をしてくれ」

 

「そうだったな。あいつらは俺の家族だ。他にもあと二人? いや、一人と一匹だな」

 

俊輔はシグナム達の説明をする。

 

「そうか………でも、見たこと無いぞ?」

 

「そりゃそうだろうな。さっき帰って来た所らしいからな」

 

「そうか………」

 

孝はそう言って黙る。

 

「もう少しでクラスだ。急ぐぞ!!」

 

「おう!!」

 

二人は走るスピードを上げていき、教室内に入っていく。

 

「おい、小室!! それと山本今日はお前も一緒になって授業を妨害しに来たのか!?」

 

教師が俊輔と孝に声を掛けるが、二人は無視して孝は麗に向かい、俊輔は永の方に向かって行く。

 

「俊輔、どうかしたのか?」

 

「ああ。だから孝と俺、永、麗で屋上に向う」

 

「何があったか簡潔に教えてくれないか?」

 

「判った、でも此処ではなくて移動しながらでも良いか?」

 

「了解した」

 

永と俊輔は麗と孝の元に向かって行く。

 

「どう言う事よ!! 説明しなさいy(バァァァンッ!!)ッ!?」

 

麗が孝に説明を求めようとした瞬間、孝は麗の頬を叩く。

 

「今はそう言う事を言ってられる状況じゃない!! 黙って付いて来い」

 

孝はそう言うと麗の手を引っ張っていく。その後に俊輔と永が付いて行く。

 

 

そして、廊下に行くと永が徐にロッカー内にある箒を取り出し先端を取り外すとそれを麗に渡す。孝はその横に置かれていた野球部員のバットを手に取る。

 

「永は如何するつもりだ?」

 

「俺は空手の上段だぜ? この腕さえあれば十分だ」

 

俊介の質問に永はそう答える。

 

「それよりも先に警察に連絡しようよ!!」

 

麗はそう言うと懐から携帯を取り出し、電話を掛けた。しかし、その瞬間絶望の顔に変わる。

 

「どうかしたのか?」

 

「う、うそ…………」

 

麗はそう言うと携帯を孝に渡す。

そして聞えて来たのは機械音声の女性の声だけであった。

 

 

 

 

 

 

 

《これは録音です。ただいま、110番通報が集中している為、回線が込み合っています。そのままでお待ちになるか、後ほど、掛け直すかしてください。繰り返します――――――――――――》




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