謎の転校生
さらに1ヵ月過ぎて6月一夏は刃更からある情報を聞きそれについて考えていた。
「(学年別個人トーナメントか・・・)」
学年別個人トーナメントとは学年別全クラスにおける強制参加の
トーナメント戦である。
然も1週間もやるためその間の授業は休みになる代わりに宿題が多いため生徒はそれで苦労している。
だがこのトーナメント戦はあらゆる国家や企業などが出席し1年生の先天的才能を評価し、2年生はそれから1年がたったことによる成長能力の評価、そして3年は実践能力の
評価と国家の代表になれるか否かを見極めるというものだ。
だが一夏が考えているのはクラス対抗戦で現れた「羽々斬 夜架」について
考えていた。
「(『私は人の心がもうなくなっている。』か・・・。)」
嘗てナスターシャが夜架から聞いた言葉を思い出しながら彼女だけではなく
残りの2人も同じ気持ちであったことに一夏はこう思っていた。
「(だったらその心、取り戻してやる!あいつらのためにも・・・
俺自身のためにも。)」
そして次の日・・・
「やっぱりハヅキ社製のがいいなあ。」
「え、そう??あそこってデザインだけじゃない。」
「それならミューレイでしょ。特にスムーズモデルなんか性能的にいいしさ。」
「でもそれってすごい高いんでしょ?」
クラス中の女子はISスーツのカタログを見て談笑していた。
「そういえばさ、織斑君と東城君のISスーツってみたことない奴だけど何処製の?」
「俺のは御剣グループが作ったやつだ。」
「俺のはGUOがオーダーメイドで作ったやつらしいぜ。(本人曰くお前の体の傷を隠すためのやつ)」
「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検知することにより操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達しそれによりISは必要な動きを行うことが出来ますし、小口拳銃の銃弾ぐらいなら衝撃までとはいきませんが完全に受け止めることが出来ますよ。」
山田先生がISスーツの説明をしながら教室に入ると全員がこう言った。
「山ちゃん詳しい!」
「山ピー見直した!」
「え、山ちゃんに山ピーって教師にあだ名で呼ぶのはちょっと・・・」
「えー、いいじゃん。マーやんは真面目っ子だねー」
「それじゃ、マヤマヤは?」
「あのですから・・・」
「じゃー。ヤマヤ?」
「それだけはやめてくださいーー!!」等と教師というより友達感覚でしゃべるため山田先生は泣きべそかく寸前である。
「諸君席に着け。」
千冬が入ると全員がさっきの騒動が嘘のようにおとなしくなった。
「今日から本格的な実践訓練に入る。訓練機ではあるがISを使用するため各人気を引き締めて当たるようにしろ!!それとISスーツは届くまで学校が指定したもので行うから忘れないようにしろ。忘れたものは学校指定の水着で、それすらも忘れたものは・・・まあ下着でいいだろうと言うところだが男子がいるからふざけて
忘れたりしたら・・・ワタシとコジンジュギョウダ・・・。」
「「「「「はい!!」」」」」」」
千冬が最後に警告すると全員顔を真っ青にして返事した。
「下着でって・・・」
「忘れる奴いるのかよ・・・」
一夏と刃更がそういうと千冬は目を細めてこう言った。
「因みに山田先生は去年だけで2回忘れているぞ。」
「「おい!!」」
千冬の言葉に一夏と刃更が突っ込むと山田先生は顔を真っ赤にして俯いていた。
「それと山田先生は使い物にならないので皆に報告がある。」
誰のせいだよと心の中で思っている人間もいたりする。
「今日は転校生が来ている・・・入れ。」
「失礼します。」
又もや転校生が現われたことに全員が動揺している中その人間を見た瞬間ざわめきが止まったのだ。
その入ってきた人間は・・・男なのだから
男装少女登場!!