カオス・ストラトス   作:caose

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 その罪の重さ、如何程の重みか?


残酷な結果と罰

 セシリアとの戦いを終えた刃更はビットに戻ると

そこには織斑 千冬と山田先生がいた。

 「あのー、何かありましたか?」

 刃更はそれとなく千冬たちに聞くと千冬が前に立ってこう言った。

 「ああ大丈夫だお前じゃない。オルコットについてお前に言わなければいけないことがある。」

 「何でしょうか?」

 千冬の言葉に刃更は耳を傾けた。

 そして千冬は1呼吸して刃更にこう言った。

 「どうもオルコットはインチキをしていたんだ。」

 「インチキ?どんなことをしたんです?」

 刃更は千冬にその内容を聞いた。

 「それについては・・・山田先生頼む。」

 「あ、はい。刃更君、オルコットさんは機体のリミッターを解除していたんです。それも武器のエネルギーを大幅に上げて。」

 「え、でもISのリミッターってそんなに簡単に出来るもんなんですか?」

 刃更の問いに山田先生はこう答えた。

 「ええ、専門知識を少し持っていれば代表候補生クラスなら

みんな出来ることですよ。」

 「そんなことができるタイミングは只1つ、機体の整備の時だけだ。」

 山田先生が答えた後千冬が行った時間帯を答えた。

 「そして整備室の監視カメラを調べたところオルコットが映っていてな。ご丁寧に使ったPCを初期化しただけではなく物理的に破壊したからサルベージできるかどうか分からない状況らしいがこの映像と機体情報があれば言い逃れできまい。」

 そして千冬がさらにこう言った。

 「先程IS学園はこの情報を至急イギリス大使館に報告し抗議文を送る事になった。

データも送れば文句つけようはないだろう。」

 「それとオルコットさんについてですが今報告がありました。機体の凍解が終わったあと失神したオルコットさんは学園の地下にある懲罰部屋に連行しました。

 あ、大丈夫ですよ。ISは切り離していますし手錠と足枷、拘束具を付けていますので暴れる心配は皆無ですよ。」

 千冬は対外的なことで締めた後山田先生がオルコットの現状を報告した。

 「それと序だが今回の騒動の元となったクラス代表だが・・・織斑は辞退したいと言ってきたがお前は既に生徒会に入っているからなー。学園の規定上生徒会所属者はクラス代表にはできなくなっている。」

 「え、なんでですか?」

 刃更は千冬の言葉に疑問をぶつけると千冬はこう返した。

 「普通の学校ならまだしもIS学園の生徒会には機密情報も存在しているから口外して有利にならない為らしい。」

 千冬の答えに刃更は確かにと思った。

 この学校は下手すれば国家並みの情報や戦力を持っているため生徒会権限でそれが閲覧されるとそれでどのようなアクシデントが起きるかわからないのだ。

 「それじゃ、代表は一夏で大丈夫ですね。」

 「ああ、それは当日の朝礼で発表するよ。それじゃ我々はまだ仕事があるからこれで失礼する。」

 「あ、それと東城君。そのISは後で登録しなきゃいけないから明日の朝9時楯無さんと教員室へ来てくださいね。」

 「わかりました。」

 そう言うと千冬たちはオルコットの後始末にへと行き2人がいなくなると刃更は機体を待機状態にした。(白いダガーナイフ)

 「これからよろしく頼むぜ。相棒。(もうあんなことが繰り返さないように)。」

 刃更の気持ちに反応したかどうかわからないがその時ナイフの柄にある宝石のような石が薄く輝いたように見えた。

 

 懲罰部屋とは主に重大違反した生徒(スパイやテロ行為)を1次的に収容し本国の人間が来るまで放置させる場所である。

 部屋の中は簡素でベッドとトイレがある程度である。

 そしてそんな部屋にセシリア・オルコットがそこにいた。

 「んんん・・・」

 セシリア・オルコットは起きた瞬間保健室とは違う場所だということに気づいた。

 「ここは一体?・・・何ですのこの格好は!!」

 「やっと目が覚めたわね。」

 セシリアは自分の格好が囚人のようであることに驚くとその部屋の前に自分の先輩でもある「サラ・ウェルキン」が読書しながら簡単な椅子に座っていた。

 「サラ先輩!?これは一体何ですの?」

 「あなた・・・まだ自分がやったことを自覚してないの!!??」

 先輩がサラに問い詰めた瞬間サラは怒りを燃やしながらそう言うと更に続けた。

 「今回あなたのせいでイギリスの機体の性能がある意味各国に流れたせいで欧州連合全体で行われている統合防衛計画『イグニッション・プラン』から外されるという事態になっているのよ!!おまけにあなたがベラベラと喋った日本に対する悪口が何故か世界中のネットワークで公開されて我が国の信頼が落ちただけではなくイギリス王室にまで泥を塗っているのよ!!!どうするのよ今回のことで軍からISの防衛費を削るか停止するかの瀬戸際よあんたどう責任取るのよ!!!!!」

 「あ・あああああああ・・・・・」

 サラの言葉にセシリアはもう何も言えず何も答えられなかった。

 自分が蒔いた種が国を最悪滅ぼしかねない事態に発展しているからだ。

 「今回の責任はセシリア・オルコット個人で済むレベルじゃないわよ。最悪あなただけではなくオルコット家そのものを失いあなたも社会的に抹殺される程度じゃすまないわよ。」

 「そ、そんな。サラ先輩どうか本国にご慈悲を掛けるよう尽力してくれませんか?そうしたら何かしらの御礼は必ず致しますから!!どうか、どうか!!!」

 セシリアはサラに助力を請おうとするもサラは冷たいまなざしでこう言った。

 「さよならセシリア・オルコット。あなたが敗北してその腐った根性が治らなかったのが・・・残念だわ。」

 「サラ先輩!サラ先輩!!サラ先輩ーーー!!!」

 セシリアの言葉はサラには聞こえず懲罰部屋で反響されるだけだった。

 




 因みにあの女の言葉は天災兎がISコアを通じてコピーしたものである。

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