一夏と刃更がお互いの剣を打ち合った後一夏は遠距離戦に切り替えようとすると刃更は既に振り返って一夏の所まで来ていた。
「なっ!?」
驚いた一夏は銃剣「無炎」をブレードモードに戻そうとするも間に合わないと悟り緊急用にしか使わない腕部チェーンブレイドを出して刃更のお持つ西洋剣「ブリュンヒルド」を受け止めた。
すると当たった場所から火花が散った瞬間それぞれの銃から銃声が聞こえた。
「「くそ!!」」
よく見ると刃更の機体の右肩辺りに銃弾が当たった跡があり一夏の左肩には氷が張っていたのだ。
一夏は左肩を見た後刃更に聞いた。
「その銃って氷結できる奴か?」
「ああ、こいつは当たった所に魔術で作った特殊なレーザーを使って相手を凍らせることができる奴だ。」
刃更は武器の説明をすると一夏はそれに納得した。
「(なるほどな、刃更のISは自分で〈絃神島製〉って言っていたから当然か。」
絃神島は人類以外に獣人や精霊、悪魔、天使、堕天使などといった種族が存在し入り乱れたところであるため
魔術が本土よりも発展していると防人から聞いているからだ。
「だけどそれならこっちもそれなりの対応ができるってものだ。」
「何?どういうことだ。」
一夏はそう言うと刃更はそれを疑問に思って聞いた。
「答えはこうさ。」
すると一夏は腕部チェーンブレイドで凍った所に当てた瞬間氷が砕けたのであった。
「っな!!」
刃更は驚くもその前に何があったのかを一夏に聞いた。
「一夏、さっきお前がそれを砕く前に薄い膜みたいのが出たがそれは何だ?」
「これが俺のIS「黒式」の第3世代技術〈守の岩戸〉。こいつは接近兵装でしか展開できない代わりに
特殊な膜を展開して本来よりも固い物を壊すことができるってやつさ。」
「そうかよ。」
刃更はそれを聞いた後銃を閉まった。
そして背面部に搭載されているパネルらしきものが展開された。
一夏はそれがビットであると考え自分もビット「電羽」を展開した。
そして一夏は銃剣「無炎」を1丁閉めた後右腕部にチェーンブレイド、左に銃剣「無炎」をガンモードに切り替えた後ビット「電羽」4基をそのビットらしきものに当てた瞬間自身が撃ったビットのレーザーが何回かに曲がった後一夏自身に戻ってきたのだ。
「がはっ!」
一夏が何故と思いもう一度撃つとさっきと同じように戻ってきたのを今度は躱した後一夏はそのビットがレーザー兵器を無力化させる奴だとわかりビットを戻した。
「よく分かったな一夏、こいつはシールドビット〈ワールド・ゲート〉っていってなさっきのように防御もできりゃお返しができるってやつだ。」
刃更はそのビットについて説明すると一夏は銃剣「無炎」をブレードモードに戻した後刃更は西洋剣「ブリュンヒルド」を持ち直した。
「となると決着は・・・」
「ああお前が思うとおりだぜ一夏。」
お互いがそう言うとそれぞれ得物を相手に向けた後2人はこう言った。
「「ガチンコ勝負!!」」
そしてお互い再び先程と同じように・・・そして今度は離れずの攻防だった。
一夏は篁流と篠ノ之流を混ぜた剣技を・・・刃更は一夏の次の剣技を予測しようとしそれを剣で受けながら攻撃していた。
「「うおおおおおおおおおお!!!!!!」」
お互いの機体の装甲が当たり、砕かれながら戦いあうのを観客席にいた生徒たちは目を皿にして見ていた。
無論それは箒や唯依、楯無も同じ気持ちだった。
「凄い・・・」
箒はそう言いながらなぜ刃更はあれほどの実力がありながらも大会に出ていなかったのかが気になって仕方なかった。
「(過去のことを詮索するのは私も嫌いだが、それでも一夏は私が目指している剣技が・・・刃更も持っていたということだ。今度教授してもらお。)」
「一夏の腕は知っていたが刃更もそれに着いて来てる。」
唯依は一夏と4年近くは一緒に修行していたこともありそれなりに把握していたが刃更も同じように強いということに驚いた。
しかし唯依は心の中でこう思った。
「(勝ってくれ、一夏!!)」
想い人が勝利するようにと両手を重ねるように祈っていた。
「こりゃ私とんでもない子を教育しちゃったかしら。」
楯無は刃更の成長速度に驚きを隠しきれなかった。
「(刃更君の戦い方は実戦をベースにした奴だって確信したからああしたけど
まさかここまで強くなるとはねー。)」
楯無は刃更の能力の高さに驚くもこう思った。
「(けどここまでのようね。)」
すると刃更が一夏の攻撃の当たる回数が増えてきたのだ。
そしてとうとうお互いの最後の1振りが襲った。
「「これでどうだーー!!」」
そして振った後最後まで倒れなかったのは・・・
『勝者 織斑一夏』
僅かなシールド残量の差で一夏が勝利すると一夏はそのまま後ろ向きに倒れた後刃更に聞いた。
「つえーな刃更。」
「お前が言うかよ一夏。」
一夏と刃更はそれぞれ称え合っている中一夏が立ち上がった後刃更に向かって手を差し出した後こう言った。
「またいつか勝負しようぜ。」
「その時は・・・勝つ。」
刃更が一夏の手を握りしめた瞬間観客席から大きな拍手が鳴り始めた。
「次はセシリアだな。」
「ああ、あいつは1発必ず殴り倒す。」
そういって刃更は次の戦いを考えていた。
次はセシリア対刃更