カオス・ストラトス   作:caose

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 欲望とは人それぞれ。
 だがその欲望は、大きければ大きいほどその代償は大きいのだ。


世界一を決める戦いとその裏側

 西暦2005年10月某日

 東京某所にある巨大施設において、今世界一を決める戦いが始まっていた。

 「さあー、今ここに第一回モンド・グロッゾにおいて最も重要な戦い

総合戦闘部門決勝戦が始まろうとしています。実況アナウンサーは私、服部 源一郎が

そしてナレーターの(北道 勝男が)そして最後に軍事ジャーナリストでいらっしゃいます斎藤 武人でお送りいたします。皆さんどうかよろしくお願いいたします。(よろしくお願いいたします){よろしく}しかしお二人とも今日のこの戦いは見ものですねー。(はい何と言っても我が国の人間が、若干18でここまでの戦いに勝利したことですよ。これからの日本を担う若者にエールを送る意味では、最高のものですよ。)

{ですが北道さん、私はどちらと言えば反対なんですよねー。ISって言うのはねー

どれだけ競技用にしてもね結局は兵器としか見ていないんですよねー。それをまだ

未成年にしかも女の子にそれをやらすのってどうかと思うんですよ。大体軍が・・・}はい、ピットでは準備できたというのでそろそろ試合を始めようと思います。」 

 試合の解説者は、先ほど紹介したジャーナリストが政治的なことを口出ししそうだったので、途中で切り上げ、選手を紹介し始めた。

  「はい、今ピットから2機の機体が出て来ました。まず第一ピットから

出てきたのは、今大会最年少若干18歳にて決勝まで来た若き乙女、織斑 千冬選手

そして第四ピットから出てきたのは、イタリア空軍において入隊1年目でこの大会に選抜されたエリートパイロットアリーサ・ジョゼスターフ選手両者まだうら若き乙女達であるのにこのりりしさ。二人はこの試合をどう戦い、ブリュンヒルデの称号を手にするのでしょうか?それでは試合開始のゴングが・・・【ウーーー】試合開始!!!」

 一方第一ピットの裏側では、2人の男たちがなにやら意味深な顔で会話をしていた。

 「市川知事彼らから連絡があって、間もなく作戦を開始するとの報告が、(あー、わかった。しかしあの馬鹿どもめ、人1人の命よりも例の計画を大事にするとは

近頃の女共は一体何をしたいんだか。)先生、ごくろうお察し上げます。

(ありがとう、五十嵐君。)」

 はてさて、何の話かというと30分前の事・・・

  「(何、織斑 千冬氏の弟が誘拐された!それで要求は?)はい要求は

織斑 千冬を試合から棄権させろと(くそイタリアの連中そこまでして

優勝したいのか!)無理もないありません。この試合で優勝したらISの養成所建設の際には、各国から莫大な支援金が出ますからね。」

  そうこのモンド・グロッゾはただの世界大会ではなく、IS養成所と国連軍に供給されることになるISのセレクションも兼ねているためみな躍起になるのだ。

  「(直ぐに機動隊に出動要請、それと織斑 千冬氏にこのことを報告が【ちょっと待って下さい。】あ、何なんだって君は【久しぶりですね先生】琴野 百合子)」

  この緑の服を着て、如何にも政治家ですとアピールをするようなこの女性の名は、琴野 由紀子と言ってかつて市川 隆一郎とは先の選挙で大敗を期しており以来

犬猿の仲として有名になっている。

  「(何かね琴野君私は今、忙しいのだが【先生は今織斑 千冬氏を呼んでどうするつもりでしょうか?】決まっている彼女には悪いが、この試合を棄権させようと思う。

人命第一だからな。【あら、何を言っているんですか先生?】何、

【たかが男が1人死ぬぐらいでこの試合を棄権させるなど馬鹿のやることですよ】貴様それでも国に選ばれた議員か、人間を何だと思っている!!)琴野議員先生に対する暴言に対して今すぐ謝罪して下さい。【ナニヲ言っているのかしら、私は

≪女性権利主張団体≫のメンバーなのよそんな男の言うこと誰が聞きますか。】貴様!!

(待て五十嵐君)先生!!(琴野君、君がどうしようが勝手だがね私には、1億人の都民を守る責任があるのだ。君が何と言おうと私は織斑君に【それは無理よ。ここから

待機所の電話は出来ないようにしているから】(何!)

【それじゃ先生ごきげんよう】」

  琴野は市川に対して暴言や人間の命を何とも思わない言葉を聞いた後五十嵐に電話でできないのかと聞くと固定電話は使用不能でありどこも繋がらないことに驚愕すると同時に1つの真実を掴んだ。「(待てよ。重要人物にはSPがいたはずだ。それをものともしないということは・・・あの女グルったな!)」

  物的証拠がない以上彼女を問い詰めれない自分に腹を立てると同時に何もできないという虚無感に際悩まれるとき市川は携帯をポケットから出して誰かに電話をかけた。

  「(すまんが頼む。)先生どちらに連絡を)?」

 五十嵐は、市川に対して誰にこのような状況に電話したのか気になって聞いたのだ。

 そして市川は五十嵐に対してこう答えた。

 「(あー私の友人が自衛隊に入っていてね、そいつを通じたらとある部隊が演習をしていると報告が入ってねそいつらがやるらしいんだ。)え?でも自衛隊の部隊って

戦力の過剰投入じゃないんですか?」

  五十嵐が言うのももっともだろう。なんせ自衛隊の部隊を誘拐犯相手にしようするのはどうかという一般的に見てもオーバー過ぎると思ったんだろうが、市川の言葉には続きがあった。

  「(いや、3人だけなのだが新しいパワードスーツの実験も兼ねてらしいんだ。)

はいっ?たった三人ってどこのなんなんですか。」

  市川が言った人数の少なさに五十嵐は驚きどこの連中なのかと聞いた。そして帰ってきた答えは「(国連軍だ。)」と答えた。

 「国連軍でしたらほっとしますよ。それに機動隊が出張ったら何が起きるかわかりませんしね。」と五十嵐は胸を撫で青しながら答えたが。

  そして市川は、窓から見える景色を見て独り言のようにつぶやいた。

 「(あとはたのんだぞ。)」




 出会いはすぐそこまで来ている。
 そしてその出会いは人は、運命と呼ぶ。

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