それから1か月後の2月某日
一夏は唯依と一緒に卒業後にIS学園の寮に入るためその準備をしていると一夏の携帯が鳴り始めた。
連絡相手はあの防人だった。
「え、防人さんどうしたんだろう。」
一夏は電話に出ると防人は慌てているかのようだった。
「一夏!今すぐテレビを見ろ!!大変なことになっているぞ!!!」
「テ、テレビがどうかしたんですか?」
「一夏ー!大変直ぐに来て!!」
一夏は防人がこう言う風にしゃべるので何なのかと思っていると唯依が大声で呼んできた。
「じゃ防人さん。あとで。」
一夏はそういうと電話を切ると唯依の声が聞こえたテレビのある部屋に行った。
するとニュースキャスターが大慌てでこう言った。
「繰り返しお伝えします!!男性初のIS操縦者が現われました!!!」
「へ!?」
ニュースキャスターの言葉に一夏は驚いた。
何せ自分の事を知っているのは篁家とそのスタッフ、姉と響さん、そして当時いた赤穂元副総理しか知らないことなのだ。どこからか漏れたのかと思ったが画像を見ると別の男性が出た。
そこにいたのは黒茶色の髪をして顔にいくつかの傷跡を持った自分と同じくらいの年頃の青年だった。
「彼が世界初の男性IS操縦者(東城 刃更)君であります。現在彼は政府使用の車で家に向かっているところです。さてこの東城 刃更君は・・・」
佑唯はテレビを消すと一夏に向かってこう言った。
「一夏君いろいろ思うところがあるかもしれないけどこうなった以上君のことも公表しなければならない。既に各テレビ局や報道陣が御剣本社が所有するホールで記者会見するからこっちはISを大至急準備してるからすぐに君持って・・・聞いてる?」
佑唯は一夏に事の重大さを説明した後一夏がうつむいているので確認すると一夏は叫ぶように言った。
「よっしゃーーー!!!仲間が出来たーーー!!!」
「「「「そっちかよ!!!」」」」
その内容に全員ツッコミを入れながら転び落ちそうだった。
まあ確かにほぼ女子高な場所にたった1人で突っ込まれるのは心が持つかどうかわからないわけではない。
一夏は唯依の手を取って小躍りしているところを見た後こう思った。
「(これなら大丈夫かってどんだけ嬉しいんだ?)」
一方首相官邸では現在の首相である大高 弥三郎の前にある男たちが来たのだ。
彼らは一夏がISに乗れることを知っている人たちでもある元首相田部 緊道、
元副首相赤穂 酒匂 元官房長官久我 俊樹津が来たのだ。
彼らはかつて来る日が来るまで自分達だけの秘密にするようにと当時の資料を持っておりそれを大高総理に見せるために来たのだ。(大高は少し前にこのことを聞いている。)
「いやいや先輩方に来られるとやはり緊張しますな。」
「大高首相これが例の資料です。」
「ではご拝見します。」
大高は田部達を中に入れると彼らはその資料を大高に渡しそれを拝見した。
「やれやれこの年になって忙しい案件が出るとは・・・
それで発見した2名については?」
「既に徳地君が警察庁に伝えていて警備部隊を割り振っています。」
「彼らが通っている学校には卒業まで自宅待機させることで何とかする模様です。」
大高は少し愚痴ると一夏達のこれからを聞いてみると赤穂と久我がそれに答えた。
「間もなく記者会見が始まります。その後が大変です。」
「いつの世も我々政治家に安寧の時はないのですね。」
大高はため息交じりに行った。
いつの世も政治家に平平凡凡は存在しない。