カオス・ストラトス   作:caose

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 理由ある戦争は人を狂わす。
 理由なき戦争は人を修羅に落とす。
 どちらにしても戦争は人の心に多大な影響を残す。


革命の砲火

マクシミリアン准将とバーロット大尉による共同声明から一夜が明けドイツの各所で革命軍とダモン派の軍から徴用した兵による戦いが行われていたが後にある1人の兵士がこう言った。

 「あの戦いはただの害虫駆除と言ってもいいくらいしょぼい物だった。」

 その理由はダモン派と革命軍の練度の差によるものだった。

 バーロット派に入っていた人たちは彼女が軍学校で教える傍らあらゆる相談を受け支持を自然に集め卒業後は各方面に入った後スパイやテロリストの確保・制圧などをこなし高い実力を誇るものが多いのに対しダモン派の人間は彼に媚を売ったり彼に裏金を渡し高い役職就いてもお荷物以外の何物にもなく平均以下の才能に反比例した所に就かせ当時いた人たちを解任・異動などをさせ役立たずが多く存在するためこの様な時において一目散に逃げたりしていたのだ。(しかしすぐに革命軍に捕まるのだが。)

 そういう事情もあり彼の権限で基地における重要な役職に就いた人間たちがいたところは悉く制圧されたのだ。

 さらに言えば革命軍は地方基地のトップとも取引して武器やISなどを手に入れ本部にいる反ダモン派のグループとも接触しダモン派を一網打尽にさせる(生死は問わず)ようにしたのだ。

 最後に重要なのは各地にいる民衆はと言うとあの放送の後退役軍人は革命軍から武器を貰い警察と共に政府施設を占拠しそこから革命軍に通信しダモンと懇意している政治家を捕まえ(抵抗するものは思いっきり殴り飛ばして失神させた)たりしている。

 

 一方ダモンは基地司令部にある地下の作戦会議室で彼の派閥全員(揃えるだけ)が沈痛な顔色で現在の状況を把握していた。

 「空軍より連絡。我出撃拒む。」

 「陸軍から通信があり各地の基地で民衆と革命軍が激突し戦闘は我がほうが不利。」

 「海軍からも空軍と同じように。」

 「IS部隊が一斉蜂起。この基地に向かっている模様。」

 「基地司令部付近より伝達。敵勢いすさまじく防衛は不可能。至急援軍を請う。」

 どれももはや旗色が悪いしか言いようがない情報だった。

 彼らは最早どうにもできないとしか言いようがないという状況だろう。

 そしてダモン自身もこのままでは殺されると確信しているのだがこの状況をどうするかと考えている間に更に最悪な情報が飛んできた。

 「大変です!軍施設内部で攻撃あり。

革命軍は内部にも味方を配置していた模様!!」

 もはや一刻の猶予もないと思った彼らだが突然ダモンだ立ち上がった。

 「ダモン中将どちらへ?」

 「トイレだ。」

 そういうと彼は会議室から姿を消すと残った彼らはあることを考えていた。

 「ダモン中将を奴らに引き渡そう。」

 「それはいい。我々は脅されていたということにすればいい。」

 「しかしそれで奴らは納得するのか?」

 「革命軍の目的はダモン中将だ。奴さえ何とかすれば我々の身は保証されるよ。」

 そういっている間に1人の人間がこういった。

 「なあ、なんか匂わないか?」

 そういうと少し匂った瞬間1人が痙攣をしたまま倒れた。

 「まさか毒ガス!!」

 「おい開けろ!!開けてくれ!!!」

 「助けてくれ!!!!」

 ドアを何度叩いても全然開かないのだがそれはあらかじめダモンは部屋を出た後見張りの兵を全員防衛に使い鍵を閉めた後あらかじめ持っていたガス発生機を発動させたのだ。

 そしてその後彼は自分が作った抜け穴を使って脱出しようとしたのだ。

 「(全く奴らメ。目をかけていた恩を忘れるとは使えん連中だ。こうなったら一度スイスに行ってほとぼりが冷めるまで別荘に行くしかないな。その後どこかの国に亡命してもう一度栄華を極めてやる。)」等と考えながら彼は地下から地上につながる軍の墓地に出たところそこには周りには戦術機とを纏った第666部隊と空にはISを纏った部隊が囲っていた。

 ダモンはあまりのことに声を上げられなかったが少しして大声で聞いた。

 「なぜここが分かった!!知っているのは私だけのはずだ。」

 「簡単だダモン将軍。ここの出入り口は元々ヒトラーが脱出する際に作っていた通路をお前が使うと踏んでいたからだ。」

 「それとお前だけだといったがこの通路は基地再建の際に知っている古残の兵士が多くいてな。お前のような輩が出てくることは分かっていた。」

 バーロット大尉とマクシミリアン准将の説明を聞いた後ダモンは逃げようとすると先程の通路から銃声が聞こえてきたのに気付いた。

 「観念しろゲオルグ・ダモン。貴様にはアラスカ条約に伴う人体実験、賄賂、横領、人身売買など数々の罪がある。おとなしくしてもらう。それとも個々の人間全員とやりあうか?」

 バーロット大尉の言葉と同時に全員が銃を構えるとダモンは崩れるように倒れ観念した。

 後にダモン派の人間の内本人を除いた全員がガスで死んだため捕らえた科学者と共に裁判にかけ終身・死刑が確定し彼らに協力した議員IS委員会の職員も同じ末路をたどった。

 各国はドイツの起こした人体実験が他国の人間で行っていることに対し賠償金や何かしらの罰を求め

その結果ドイツが保有するISコア・疑似ISコアを全て各国に分配されドイツは軍事兵器の変換を余儀なくされた。

 これがドイツ軍部革命と呼ばれる事件の顛末である。




 転換点とは意外な場所で起きる。
 そしてそこから人は想像力をもって未来を切り開く。

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