カオス・ストラトス   作:caose

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 何事も初めてのことは苦労と戸惑いがある。
 それは人を殺してもそう。
 だが忘れるな。
 命の重さを忘れれば人ではなく鬼となる。


初陣は人を変える。

 作戦が決まりその後来た666部隊の本隊と共に一夏たちは研究施設が隠されている山に向かった。

 防人が彼らに与えた陣形はこうだ。

 防人・一夏は東側

 カズキ・斗貴子は西側

 剛太・秋水・桜花は南側に配置した後攻撃。

 敵が防人たちの方に向ければそのまま攻撃。

 666部隊に向かったら桜花・斗貴子が援軍として向かい、残りは基地に突入するという作戦である。

 そして彼らが配置についたのは17:00(日本時間1:00)。

 その間彼らは個別で持っている携帯食料を食べながら無線(バーロット大尉が今回のために用意した特殊通信用の物)を出しながら作戦の確認とパターン別の攻撃方法を考えているとアイリスディーナのところのチームにいる一人の男が聞いてきた。

 「隊長。この作戦旨く行っても行かなくても我々はお役御免でしょうか?」

 「ん。どうしたウォルター中尉。その顔にも似合わず小さいことを聞くなー。

 ま、どちらに転んでも我々666部隊最後の任務となるだろう。」

 この男ウォルター・クリューガーは彼女の補佐であると同時に副隊長でもあるのだが実年齢よりも老けて見られることがあり29歳なのに40以上じゃないかと言われるほどの男である。

 「成功すれば我々は1軍人としてまた大手を振れるが失敗すれば我々の居場所はもうなくなりバーロット大尉は捕まる。そうなればこの国は取り返しのつかないことになる。ならばその禍根を未来ではなく今我々が絶たなければならない。」

 アイリスディーナはウォルターに言ったのは未来に恥じない生き方をするのだということを諭し彼はその言葉を聞いた後そこから去るもその顔には迷いなどなかった。

 

 そして作戦時間まで5分を切った後防人は一夏にこう言った。

 「一夏敵は俺が倒すからお前は援護射撃をしてくれ。」

 「はい。」

 そう言った後時間が1分前になりそれぞれ自分の武器を持って準備した。

 一夏は今回初陣であることと多対1を想定して銀鴉を装備していた。

 そして銀鴉を相手の足元に照準を定めた後作戦時間に入り一夏は機体にある実弾を打った。

 

 一方山には2台のカーメルが見張りをしているのだが暇なのかやる気がなかった。

 「あーあ。何でこんなところで見張りなんだか。」

 「我慢しろよ。終わったらあいつらをまた好きに出来るんだからよ。」

 「おめー今度はどいつにする?俺はそろそろあの銀髪を喰いたいなーって思うんだがよ?」

 「確かにあいつはそろそろ食べごろだしな。一緒にヤッチマウカ。」などと

下衆なことを言っていた時何かがこっちの足元に来て当たった。

 「グワーッ!!な、なんだ一体?ナニが・・・」という間に銃声がした途端それが銃弾だとわかった時には彼の体は粉々になった。

 「キリクーー!!くそ何が起こって・・・」と言ったとたん警報と同時に正面を向くとそこには長刀を持った細身な体をした戦術機がいた。

 「ウ、うわーーーー!!!」

 男は悲鳴を上げて下がろうとしたとき別方向からの攻撃で車輪がやられた途端その剣がまっすぐ自分の方に向かいそしてそれ事頭を貫通して絶命した。

 「ううっ。」

 一夏はそれを見た後吐き気を覚えると防人が新たに使う機体

「J-09式戦術機{陽炎}」の音声マイクを使いこういった。

 「一夏。これが戦場だ。躊躇すると次はお前になるかもしれないから

気を付けろよ?」

 防人はそう言った後カーメルを格納するハッチから侵入し作戦を開始した。

 カズキたちもそれぞれの場所から侵入すると格納庫につき彼らは機体を破壊した。

 中には乗り込んでいる者もいたがその人たちは機体ごと焼かれたり爆発に巻き込まれるものもいたりして阿鼻叫喚の世界だった。

 そして彼らは別れてそれぞれの地点から内部に入り作戦を開始していると通信が来た。 

 「こちら防人。アイリスディーナ中尉何かあったか?」

 「こっちは内部に入り職員の非常通路を封鎖した。あとはトラックの運送路の封鎖だ。すべてが終わり次第そちらに援軍を回す。」

 「幸運を」

 そう言った後通信を終わらして防人は一夏と行動すると突然2人の間に防火シャッターが下りた。

 「一夏。大丈夫か?」

 「はい。大丈夫です。」

 「すぐにそっちに・・・」

 「いたぞあそこだ!!」と警備兵が来て

壁を盾にするように銃撃を開始すると防人も同じようにして応戦した。

 「一夏!!すぐ終わるからお前はほかを当たってくれ。生存者がいたら救出。

いいな。」

 「はい!!」

 一夏はそう答えると別の通路に向かった。

 そして暫くすると部屋から何か声がした途端銃声の音が聞こえたので一夏は銃剣を出してドアを破壊した。

 そこにいたのはイカ臭いにおいのする部屋に下半身丸出しの男が2人と白い液体が体中につき胸に穴が開いた少女がいた。

 「てめーら。何してんだよ!!!」と一夏は彼らを払いのけその少女のところに行くと出血がひどく少女は何かを一夏に言った。

 「タ・・助けて・・・あいつら・・・・コロシテ‥・・・皆をタスケテ」

 それは懇願だった。

 最後の瞬間まで彼女は一夏にそう言いそのまま息を引き取った。

 「おいお前何なんだよこんなことをしてただで済むと思うなよ!!!ダモン将軍の力でお前らなんか全員…」と研究者の1人が言っていたら一夏はその男の下半身に向かって発砲した。

 「ギャーーーー!!!!!!」

 男はあまりの痛みに悶絶していると今度は足に向かって発砲した。

 男はもう声にならないぐらい絶叫し鼻水と涙を流していると一夏は男の前に来て銃剣の剣の部分を展開した。

 「や、やめてくれ・・・タスケテ」

 「お前今まで言った子たちに何をした?」と言いながらそれを男の胸めがけて振り下ろした。

 何度も何度も振り下ろし男が死ぬまでそれが続いた。

 そしてもう一人の方は小水を出して腰が抜けたのか這いつくばったいると一夏はその男の手を右、そして左と撃ち始めた。

 「ウぎゃーー!!!」

 男は悲鳴を上げると一夏を見た途端震え始めた。

 機体は黒から血の朱になり銃剣も朱くなっていた。

 そして一夏はそれを男めがけてまた振り下ろした。

 

 防人は既に警備部隊を倒し一夏のいる地点に向かうとそこは悪夢のような場所だった。

 周りは飛び散った血と人間だった何かが2つ。

 そして死んでいるであろう女の子を抱きかかえながらISと仮面を外して泣いている一夏がいた。

 「ごめん・・・ごめんよ・・・ごめんよ。」と何度も謝っていた。

 自らの罪を懺悔するかのように、力ない自分を責めるように泣いていた。

 防人はその光景を見ることしかできなかった。

 

 時間がたち研究員(生存している)全員を捕縛したという報告を受けた後収容されている場所を発見するとそこに一番近いのが防人と一夏だったため一夏は少女の死体を研究者の死体からはぎ取った白衣で体を覆わせてからその場所に向かった。

 その場所はまるで収監場所のようになっており大きな檻と小さな檻があった。

 大きな檻には何人かの子供たちがおり防人がその檻のカギを破壊して開けまわると声が聞こえた。

 すると一夏はその声を聴いて驚いていた。

 それはいつも千冬が口ずさむ歌。

 子守歌として使っていた歌と似ているからである。

 その声を聞こえる場所にある小さな檻のかぎを壊して開けるとそこには少女がいた。

 銀色の髪を鈴とは違う感じのツインテールにした少女がそこにいた。

 一夏はISを解除して彼女を抱きしめこういった。

 「よかった。・・よかった。・・生きててありがとう。」

 一夏の言葉を聞いて少女はそのまま一夏の胸の中で泣きながら喜んでいた。




 J-09「陽炎」
 「マブラブオルタネイティブ」に出てくる「陽炎」そのまま
 この機体は撃震の後継機であるとともに新しくISのPIC技術を転用させて
作られた機体。
 これによりスラスター製造費やガス代などの心配や引火などといったデメリットを防ぐことに成功した。
 またこの機体は紫焔の換装装備を取り付けられるため更なる汎用性を
期待されている。

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