あの後のことを説明しよう。
ISを作った天災篠ノ之 束が強襲してきたせいで起きたサイレンを消し、脱出路に行っていた研究者はデータを整理し、一夏は唯依達と家に戻って少し早いが昼ごはんの準備をしている。(なお斗貴子は一夏たちの警護として一緒にいる。)
そして応接間には佑唯と防人、千冬、そして今回の騒動の主犯篠ノ之 束がそれぞれ面と向かい合えるようにしている。
正直に言えば重苦しい雰囲気であるが当の篠ノ之 束は何のそのという態度でお茶を飲みながら茶菓子をほうばっていた。
そしてどれくらいの時間がたったか佑唯が口を開いた。
「それで君の目的は何だい。篠ノ之 束君。観光なら車を出すが。」
「あ、何言ってんのおっさん。私が何でそんなこと言わなければならないの?
それに束さんは目的があったから来ただけで君たち凡人には関係・・・」
「束。いいからその目的を言え。」
「わかったよちーちゃん。しょうがないな。」
佑唯の言葉に対し暴言を吐いた束を千冬が戒めその目的を聞いた。
「束さんの目的はね、ここ最近ISコアに奇妙な反応があるのがここ2,3回あったからね。それの正体を突き止めにきたんだよ~。終わり。」
束はふざけながらも目的を口にすると全員の顔色が青く変色し束を除く全員が心の中でこう思った。「(「やべーぞ。それって一夏の事だーー!!)」
そして束を除く3人は部屋から出て小声で話し合った。
「佑唯さん。彼女の目的って一夏なんじゃ…?」
「防人君。そこは断言できるところだよ。」
「どうします皆さん消しますか?今なら私が奴を・・・」
「いや何言ってんの千冬さん。それをしたら間違いなく問題になるから。佑唯さんどうします?いずれ奴は正体を掴みますよ。」
「こうなったら方法は2つ。1つはのらりくらりとかわして時間を稼ぐか。本当のことを言うかのどちらかですね」
「本当のことを話すとあいつ一夏を捕まえて何かしそうな予感がする。」
「なら前者の方法で行くか。佑唯さん俺腹芸できないんで後はよろしくお願いいたします。」
「私も一緒にいよう。あいつは私の言うことなら聞いてくれるかもしれん。」
とりあえず方針が決まりさて実行しようと思ったら「あ、千冬姉、防人さん。佑唯さん。ご飯の準備が出来たらしいですよー。」と今回の騒動の大本である一夏が3人に声をかけると3にんは(「うわー!!何出てんだーーー!!」)と心の中で絶叫した。
すると束がその声を聴くと扉を開けて「いっくーーん!!」と走りながら
ジャンプしてきた。
「うわっ束さん。何でいるの?」
「わーいいっ君だー。久しぶりだね。あれ少し背が高くなった。それにすこしかっこよくなったね。束さん嬉しいよーー」
束はハイテンションになりながら一夏を見ていると右手の指につけている指輪に目を向けた。
「あれあれ~。何でいっくんISの待機状態を持っているの~?」
それを聞いた瞬間3人は汗をだらだらとかきはじめた。
「ちょっと見せてね~」というと束はどこからか現れた立体スクリーン型のキーボードを打つとそこにはISのデータと共にプログラムが出てきた。
すると束はもう一つのデータを出すといつもの顔つきでこう聞いた。
「ねえ。いっくんってIS動かせるの?」と聞いたのだ。
そして全員があきらめムードになり千冬が束に一夏のことを話した。
「すごいよすごいよすごいよ!!!いっくんがISを動かせるなんてすごいよ!!!どうやって動かしたの。機体はその時どうだった。体に変化はないの?ねえねえねえ!!」と一夏に対して矢継ぎ早に質問するため一夏は少し混乱していた。
すると千冬が「束、いい加減にしろ。一夏がびっくりするだろう。それに検査は何も問題がなかったのだ。今はそれが問題なんだ。」と助け船を出して答えた。
そして束はとんでもないことを言った。
「そうだ。いっくんの為にISを作るよ。ねえねえどんなのがいい?高機動?高火力?特殊装備?何でも言っていっくんのために作っちゃうよー。」
とんでもないことだ。彼女が作るISは悪手だ。
そんなものを持っていればあらゆる国家、組織に狙われる可能性は一夏が能力者であることも考慮するとやばいが100倍増えるのだ。
それだけは何としてでも回避したいと考えた防人は佑唯と協力してあることをしようと話した。
「失礼だが束君。その話はまたの機会にしないか?」
「あっ何あんたまた束さんに何かあるの。言っとくけど束さんはあんたの言うことは聞かないよ。」
「わかっているさ。だから折衷案を出したくてね。」
「折衷案?」
「そ、一夏君はISに乗ってまだ日が浅く、経験が足りない。だから彼の経験が積んでからのほうが彼のためになると思うんだ。」
「それにお前が作ると現行のISを凌駕すること間違いない。まずはISの基礎を学んでからのほうが良いしな。」
佑唯の出した案は確かに現状の中でもちゃんとした案であり本人を考慮したものであることから千冬も賛成した。
それを聞いた束は「わかったよ。ちーちゃんがそういうなら乗るよ。」と嫌々ながら同意した。
そして防人はもう一つの提案をした。
「それともう一つ。今回の事件の発端ともなったISのコアネットワークについてだがあんたが何度も来ると怪しまれるから安全性を考慮して俺たちだけのコアネットワークシステムを作りたいからそちらの保有するISコアの設計データの一部を開示してもらいたい。それをすればこんな事件は起きないし。一夏の安全を確保するためには必要なことなんだ。だから頼む。開示してくれ。」
束はそれを聞いた後面白いことを考えたように閃いた。
「いいよ。でも条件として1つ。いっくんに危険が起きないようにすること。もし破ったら容赦しないよ。」と低い声で防人に警告した。
そして防人は「約束しよう。」と答えた。
その後昼食を食べた後一夏たちはさっきの練習の続きと武装の練習を行った。
「じゃあ一夏君。武装のテストを始めるよ。まずは銃剣だ。」
そう言うと一夏はさっき見た映像を思い出してそれを念じた。
すると右腕に淡い光の粒子が出て光った瞬間銃剣が出てきた。
「それが君の武器だ。今から的が出るからそれめがけて撃ってね。」
そういうと目の前に的が現れたので射的と同じ要領で打つと幾つか外れるも何とか10個中4個当たった。
「じゃあその銃剣だけど。下が剣になっているでしょう。そのまま使えるから覚えといてね。じゃ、等々本番でもある君だけの換装武器を紹介するよ。」
すると一夏が出たアリーナからなにやらポッドのようなものが出てきた。
「それが君の専用武器(雲鴉)だよ。」
一夏はその武器を背中につける(実際はアンロックユニットだが)と先程よりも機体が早くなったのに驚いた。
「その武器にはスラスターがあってね。機動力を下げないようにするためさ。さてと
テスト開始だ。」
すると周りにいくつもの的が現れた。
その後一夏は能力を発動して後ろの的に向けるとポッドが離れて後ろと前に向くと中から2本の砲身が現れ的にめがけて撃った。
その様子を見て束はびっくりして佑唯に聞いた。
「ねえねえもしかしてあれってインターフェイスシステムがあるの?」
「そうだよまだ未完成だけどね。」
「凄いよ。あれって第3世代の思想だよ!!」
ISの第3世代の設計思想は多数の単一能力の使用だがまだどこも着手していないのでそれに驚愕していたのだ。
「一夏は元々空間把握能力が高いからあれが一番合うんだろうな。」
防人がそう付け加えた。
その後も色々な武器を使用すると気づけばもう夕方になっていた。
「じゃー束さん行くね~。いっくん楽しみに待っててねー。バイビー。」とペロペロキャンディ型のロケットに乗ってどこかへ飛んで行った。
一夏たちは明日唯依達が京都案内するというのでその準備をし防人は斗貴子と新幹線に乗って日本支部に帰っているとき防人は帰る前に渡されたISのコアデータの入ったディスクを見た後ある資料を見た。
それはアメリカが極秘裏に結成したとあるエイリアンと協力して戦う組織のデータがあった。
防人はこれが新たな嵐にならないように祈りながら読んだ。
その組織の名は「NEST」と言う名前だった。
換装武器とはISパイロットの適性やポジションによって臨機応変に対応するという
武器であり4専用機と同じようなやり方ができる。
近接格闘「斬集」武器(日本刀*2 苦無型ナイフ*2)
遠距離「豪炎」 (小型機関銃*1{右} ミサイルパック*1{左} 大型ライフル又はバズーカ*1)
特殊兵装「銀鴉」 (有線ポッド*4)
「黒雷」 (電子阻害機 折り畳み式クロー*1 防音銃*1)