『やあ刃更君気分はどうだい!?』
「・・・何のようなんですかって聞くよりもその前にですが良いですか
斯波さん。」
『何だい刃更君?』
「・・・何でI俺の携帯の電話番号知ってるんですか?」
刃更は何やら辛気臭そうにそして何よりも・・・嫌そうな表情でそう聞いてきた。
現在夜の9時で刃更は澪との特訓を終えて宿題をひと段落させた時に電話が来て
その相手が斯波だったことに嫌そうな表情をすると近くで本を読んでいる楯無が
聞き耳を立てていた。
『ああこれね、柚希ちゃんから電話番号聞いて僕が連絡したの。』
「じゃあ本人で良いんじゃないんですか?何で斯波さん何ですか?」
『彼女だと君と話すときに温情をかけるかもしれないしそれにさ、僕も今回の件でちょっとだけど思うところがあるからね。』
「思うところ・・・一体何なんですか?」
刃更がそう聞くと斯波はそれがね~~と言ってこう続けた。
『どうも今回の一件何だか裏があるんだよねえ、そもそもこの抹殺依頼は
君も知ってるだろう?ストラーダ猊下を??』
「ストラーダ猊下・・・ええ知ってます、元々俺をその人の元に送って
エクソシストにさせようとしていたんですよね?」
『そ、だけど里の一件で爺様達が無断で君と迅さんを追放しちゃって然も君たちはその後すぐに堕天使側に保護されちゃったものだから天界や教会の上層部・・・
バチカン市国から色々と怒られてしまったからねえ。その一件で本当ならこの一件は悪魔側と堕天使側の許可もいるんだけどどうも爺様達はそれを無視して勝手に
やっているっぽいんだよねえ。』
「あの人たち・・・全然懲りてないんですかね?」
『懲りてないからこうしてるんでしょ?それとだけど今回の抹殺依頼には
ストラーダ猊下のサイン入りなんだよ、だから爺様達はそれを免罪符として
僕達を派遣させているんだ。だけど君の言葉が真実となるとストラーダ猊下も偽物か若しくはストラーダ猊下のサインは本当だけど・・・』
「ストラーダ猊下にその決定権が無い、ですか?」
『ご名答だよ刃更君~~、元々ストラーダ猊下はエクソシストの養成学校の
生徒たちから絶大な人気があるんだけど多分ストラーダ猊下は自分のサインとその決定権を持つ人間の名を連名で出したって線が濃厚だろうねえ。』
「斯波さん、それはアザゼルさんもそう言っていましたが事は
それだけじゃないかもしれません。」
『?』
一体何だと思っていると刃更はこう答えた。
「この事は悪魔の上層部・・・枢機院が関わっているんじゃないかって
事です。」
『はあ!?何で悪魔迄関わってんのさ!』
「悪魔側からすりゃあ澪は人間のハーフ、純血を重んじる枢機院からすれば澪は冥界において爆弾になる存在なんです。」
『成程ね、人とのハーフなら調和の対象としてプロパガンダに利用される。
そうなったら自分たちの存在意義がなくなることだと思い込んでるんだろうねえ。互いに利益があるって言ってもストラーダ猊下は根っからの悪魔根絶派で
強硬主義な性格だけどどうやって彼を?』
誘導したんだいと多分と刃更はこう答えた。
『教会側で前に堕天使が襲ってきましたよね?』
『うん、その時に聖剣を奪われて・・・まさか。』
「はい・・・恐らくですが未だに繋がっている連中がいてそいつらが
リークしたかと。」
『全く、教会も教会だけど爺様達も全然分かってなかったようだね。
取りあえずだけどそっちで正確なことが分かったら連絡してくれる?』
斯波の言葉を聞いて刃更はどうするべきかと思っていた、何せ相手は鬼才と
呼ばれていて戦闘だけではなく知識における戦闘においても一流だ。
この何考えているか分からない男に情報を渡していいのかと思っているが
取りあえずの所自分の範疇を超えていると思ってこう返した。
「取りあえずはアザゼルさんの許可を頂いてからで良いですか?俺一人では何をどうしたら良いか検討がつきませんから。」
その言葉を聞いて斯波は暫くしてこう答えた。
『了解、こっちも色々と整理したいことがあるから取りあえずの所は
戦いに向けての場所は君が指定した場所で良いかな?こっちは色々と
探していたんだけど僕達との戦いに丁度いい場所が無くて困ってたんだよ。』
「分かりました、それじゃあ学園島に向かうためにですが明後日補給船が
来ますからそれに乗ってください。アザゼルさんが許可を出してくれると
思いますんで。」
『そうだねえ、僕たちは色々と武器を持ってくるにはあそこは
ちょっとだけど・・・難関だからね。』
「でしたら・・・2日後に。」
『それじゃあねえ。』
そう言って斯波がじゃあねえと言って電話を切ると楯無がこう聞いた。
「刃更君、場所はあそこ?」
「はい・・・すみませんが夜の見回りについてですが。」
「分かってるわ、そっちのほうは私達がやるから・・・気を付けてね。
私達は貴方達の味方だって事を。」
「・・・ありがとうございます楯無」
それを聞いて楯無がむっと頬を膨らませると刃更はハイハイと言って
こう答えた。
「ありがとうな・・・刀奈。」
「どういたしまして刃更君♪」
そう言って手に持っている扇子を広げると書かれていたのは・・・これ。
『武運長久』と
次回は戦闘。