カオス・ストラトス   作:caose

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 続きです


過去語り2

『があああああああああああ!』

 「何だ一体・・・清斗お前何がぐあああああああああああ!」

 『?!』

 大人の人の断末魔の声で全員が振り向くとその先にいたのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぐうううううううううううう!」

 全身が黒いオーラに覆われ狂気の瞳になっている清斗の姿がそこにあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「清斗兄!」

 幼い高志は清斗を見て大声でそう言うが清斗はそれを聞いて・・・ぎろりと

高志に向けて睨むと高志は麻痺したかのようにびくっとしたと同時に清斗が

襲いかかるがその間に高志の母親が短剣で守った。

 「母ちゃん!」

 「高志!にg」

 高志の母親が言い終える前に母親は・・・清斗に斬られて絶命した。

 「かあちゃあああああああん!」

 「子供たちから離れろーー!!」

 そう言って教師が前に立ちふさがると他の大人達も何処からとも現れてそれぞれ武器を持って立ち向かうも全員成すすべなく・・・全滅した。

 「ぐおあああああああああああ!」

 清斗の雄たけびと共に大人たちがそして・・・避難させていた子供たちまでもがその犠牲となった。

 そしてその中で清斗は刃更と柚希を見つけてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あの時の俺は柚希を守ろうと必死でした、何が何でもと思って立ち塞がって

そして俺は・・・バニシング・シフトを使ってしまいました。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バニシング・シフトの膨大な力は辺り一帯を飲み込んだ、森も大地もそして・・死体さえも。

 光が消えて残ったのはボロボロになって全身傷だらけになった刃更と

倒れた刃更に声をかけている柚希と地面に突き刺さった・・・

ブリュンヒルドしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「それからは俺は覚えていませんが俺がもう一度目が覚めた時には既に・・・

座敷牢の中でした。」

 「ちょっと待ってよ刃更!里を救ったのはアンタなのに何で座敷牢に?!」

 可笑しいわよと澪がそう言うと刃更はこう答えた。

 「簡単だ、俺のバニシング・シフトで清斗さんもそこで死んでいた皆までも

消しちまったんだ。長たちは残された遺族たちの言葉を汲んで俺を座敷牢に

送ったらしいが親父の話だと違うらしい。」

 「違うって・・・何がですか?」

 万理亜がそう聞くと刃更はこう答えた。

 「俺の力、バニシング・シフトは元々対悪魔対策の切り札として

使われるはずだったことと俺が消した中には精霊も混じっていましてそれの影響で精霊までもが怒っていたらしくそれでだそうです。」

 「・・・どういう意味かしら?」

 楯無がそう聞くと恐らくはと万理亜がこう答えた。

 「精霊までも消してしまったという事は精霊との繋がりも

消してしまったのでしょう、本来勇者達は精霊との契約で戦う者達もいますので

精霊がいなくなると」

 「その通りだ万理亜、精霊が消えちまうと勇者の戦力がガタ落ちになっちまう。それで俺を人身御供として精霊の怒りを鎮めさせようという魂胆だったんですが

それは水の泡となりました。」

 「何でなの刃更?」

 簪が聞くと刃更はこう答えた。

 「俺の中に・・・『ファントム』が生まれたからです。」

 「『ファントム』・・・聞いたことが無いわね?万理亜は??」

 澪がそう聞くと万理亜は首を横に振ってこう答えた。

 「私もありませんが一体どういうの何ですか刃更さん?」

 万理亜の言葉に刃更はこう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「人の絶望を糧にして成長する精霊の対極・・・『邪霊』だよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 邪霊

 それは精霊が自然エネルギーから生まれた超常的現象とするならば邪霊は

人間の中にある悪意や憎悪、後悔と言った負のエネルギーから生まれる存在。

 そしてそれに魔力持ちの魔力を組み合わせることで生まれるのが『ファントム』

 その人間の闇が形作られる生命体である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 5年前

 「何で俺・・・只俺は皆を」

 10歳の刃更にとって今の状況は酷であった、助けたはずが自分は幽閉され然も

助けた存在からも罵倒された。

 「俺の妻の子供の遺体を消しやがって・・・この悪魔が!」

 「子供を返してよ!」

 「親父を返せ!」

 「この人殺し!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「俺は何のために・・・いるんだろう・・・・」

 力なくそう呟く中刃更の中で声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーニクメ 

 「!誰だ!?」

 ーーニクメ

 「何処にいる!」

 ーーお前は悪くない

 「何処にいるんだ!?」

 ーー悪いのはお前に力を使わせた役立たずどもだ 

 「役立たず・・・違う!皆は俺の」

 ーーお前をこんな所に閉じ込める連中が仲間なのか?

 「それは・・・何か理由があって」

 ーー理由などない、役立たず共はお前の事が羨ましいから虐げるのだ。

 「違う・・・俺は皆を・・・消して」

 ーー消さなければ里は滅んでいた

 ーーお前は本来称賛されるべき選ばれた存在だ

 ーーだが奴らはお前を嫌った

 ーー憎め、お前はここの連中に思い知らせるんだ。

 ーー里を壊して連中を殺せ!

 「嫌だ・・・俺は殺したく」

 ーー憎しみを強く持て!そして俺を使って力の儘に破壊しつくせ!!

 「嫌だ・・・俺は・・・」

 ーー何を迷う!憎しみを強く持て!!そしてこの里の全ての命を消し尽くせ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーー憎め 東丈 刃更!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「あの時精神的に参っちまって俺はどうすればいいのか分からなくなり始めて

暫くすると・・・ある人が現れたんです。」

 「ある人ってだ~~れ~~?」

 本音がそう聞くと刃更は重く口を開いてこう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「俺の師匠にして白の魔法使い・・・自分の事をこう呼ばせてたんです・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・『ウィザード』って。」




 多分次回で終わります。

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