カオス・ストラトス   作:caose

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 歌は例のあれです。


少女歌う

そして他の場所では。

 「へえ~~、ちょっとはやるじゃないの~~?」

 そう言っているのは紅い長髪の少し垂れ目の少女が上空でISを纏っていた。

 その下には箒やマシュ、レイン、ロランが共に戦っていたが4対1で

紅い長髪の少女が優勢であった。

 彼女の機体は4本のサブアームがアンロックユニットに装備され

それぞれにナイフ、マシンガン、バスターソード、バズーカを装備し自身の両腕にはブレードが装備されていた。

 その姿はまるで・・・三面六臂の修羅の様でありながらサキュバスの様な妖艶さも併せ持っていた。

 するとアリーナにて・・・爆発の音が聞こえた。

 「「「「!!!!」」」」

 それを聞いて何だと思っていると少女は・・・こう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 「あれは・・・やっちゃったねえ月光。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「何してんだ・・・・『月光』。」

 一夏は目の前にいる少女・・・月光に向けてそう聞くと月光は目を閉じた状態でこう言った。

 「お久しぶりですね一夏さん、あれからもう幾月経っていますが

他の皆様にはお会い出来ましたか?」

 「ああ、夜架にはだったけど未だアイツには」

 「そうですか・・・まあ良いでしょう、直ぐに出会えますわ。」

 「月光・・・どうしてお前がこんな事を」

 「分かっているでしょう一夏さん、私達がどんな存在かを。」

 「!!」

 一夏はそれを聞いて目を大きく見開くが月光は更にこう続けた。

 「私達の体は戦うだけに改造されて全てを失いました、ある者は常識を。」

 それは夜架、人を殺すことに対する恐怖を消された。

 「ある者は自身の過去を。」

 それは今は語るべき時でない少女

 「そして私は姉を・・・家族を全て失いましたわ。」

 それは絆、拠り所など既に戦場でしかない事を本能で察した。

 「だからこそ私達は戦場に身を投じました、

これこそが私達の本願であるからです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「違う・・・そんなの間違っているぞ月光!」 

 「?」

 月光は何故と思っている中で一夏はこう続けた。

 「俺も君も確かにあの場所で失ったものがある!けどそれでも

俺達は生きていかなきゃいけないんだ!!死んだ人たちが願う事は

生きている人達の幸福だと俺はそう思っている!?例え偽善と言おうが俺は」

 「其れは貴方が考えている事だけですよね一夏さん。」

 月光はそう言うとこう続けた。

 「貴方の言っていることは一般論であり私達は全員が全員そうではありません。死んだ者達が思っていることは私達からすればただ一つ・・・後悔と怨念です。」

 「後悔と怨念」

 「そうです、今でも耳に聞こえてきますよ?あの声が。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何でお前が生きているんだ?

 お前が死ねばよかったんだ。

 生きたい・・・死にたくない。

 殺せ・・・殺せ・・・コロセ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ***・・・御免ね

 

 

 

 

 

 

 

 

 「アアアアアアアアアアアアアアア!!」

 「「「「!!!!」」」」

 突然の悲鳴を聞いて一夏だけではなく下にいる刃更達ですら驚いていると月光は大声でこう続けた。

 「何で!何で!!何で私は生きているの!!?

こんなバケモノみたいな体にされて未だ生きている私は何なの!!

私は一体誰なのよ!?」

 そう言って目を大きく一夏に向けて見開いた月光の両目は・・・

人間ではなかった。

 瞳孔が完全に黒くなっておりよく見たら金色になっている所があった。

 然し一夏はそれを見てもなお驚かずにこう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「君はバケモノなんかじゃない。」

 「・・・嘘です。」

 「俺から見たら君は綺麗だと思うぜ?あの時月明かりで見た君が

凄く綺麗だったのは覚えているからな。」

 「・・・そんなの出鱈目です!」

 「出鱈目なんかじゃねえ!俺は本心で」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「来ないでー------!!」

 月光がそう言った瞬間に月光は二丁の大型ガトリング砲を腰に納めると

パステロッテからある刀をコールすると一夏はそれの内容を見て驚いていた。

 

 

 

 

 

 

 「『雪片弐型』・・・雪片ってまさかそれ」

 「ええそうですわ一夏さん、このISは元々織斑千冬のISをベースにした発展機『白式』ですわ。」

 そう言って腰から剣を抜いた。

 それは銀色に輝くまさに雪片と同じく白い剣であった。

 「この剣の名前は『アガートラーム』、嘗てはケルト神話にて

使われた義手を剣として今私が所属する組織が造りなおした聖剣です。」

 月光がそう言うと一夏に向けてこう言った。

 「さあ一夏さん、舞歌いましょう。私達の舞踏でこの戦場彩りましょう。」

 そう言うと一夏もバイザーを展開してこう言った。

 「月光、お前の中にある悪夢は・・・俺が晴らす!」

 そう言って互いに歌が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 【作業用BGM 「クロスアンジュ天使と竜の輪舞」から「永久語り~光の歌~」

        歌う人  「魔法少女 リリカルなのは」のフェイトと

「ガンダムビルドダイバーズ」から「サラ」Ver】

 すると月光も歌い出した。

 【作業用BGM 「クロスアンジュ天使と竜の輪舞」から「永久語り~風の歌~」

 歌う人  「戦乱カグラ」から『閃光』と「戦記絶唱シンフォギア」から

「セレナ・カティツヴァイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして・・・「永久語り」にへと至った。

 互いに銀と金の光を纏った一夏と月光は互いに剣と拳のみで鎬を削っていた。

 そして互いにぶつかり合えば火花は散り、衝撃波で窓が割れたりしていた。

 そして衝撃波はエネルギー波となって辺りの電子機器を干渉している為

2人は上空に舞い上がりながら攻撃を続けた。

 其の儘2人は機体を上に向けた儘剣戟と拳戟が交錯し合いその光は空に輝く

星の如き輝きであった。

 「一夏。」

 箒が上空にいる一夏を見てそう呟くが彼女だけではなかった。

 「一夏。」

 唯依が。

 「一夏さん。」

 マシュが。

 「一夏。」

 鈴が。

 「一夏。」

 ロランが。

 「一夏。」

 レインが。

 「一夏君。」

 楯無が。

 「一夏。」

 刃更が祈っていた。

 彼が戻って来ることを。

 そして・・・彼女も同じであった。

 「一夏。」

 千冬も同じであったがIS学園にいる人たちだけではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 某国

 「・・・一夏?」

 夜架がそれを感じて。

 

 

 

 

 

 

 

 何処かの異空間

 「・・・織斑一夏?」

 少女は感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 幾度も交える火花であったが・・・終了の時が来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『月光、早急に戻りなさい。《ブリッツア》が引き上げるって言っているから

戻りなさい、貴方にはまだやる事が残っているわ。』

 「分かりました***さま。」

 そう言うと月光は攻撃を終了して一夏に向けてこう言った。

 「一夏さん、私達はまた出会いましょう。それまでご自愛のほどを♪」

 (´∀`*)ウフフと笑いながら飛び去って行くのを見て一夏はこう思っていた。

 「俺は・・・弱い・・・・!」

 あの時からと思いながら戻ることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして全員が戻ってIS学園の後片付けをしている中で葉がこう言った。

 「じゃあな、今日は楽しかったぜ?まあ色々あっちまったが其れなりに

楽しめたぜ。」

 そんじゃなあと言って葉を見送った一夏は空を見上げていた。

 自身の弱さに目を向けてどうするべきかと・・・自問自答をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何処かのホテル

 「それじゃあアイツは死んでくれたしアタシらの仕事にも

色々とできやすくなったし良い事尽くめね~~。」

 《ブリッツア》がそう言いながらワインを飲んでいると黒髪の女性が

月光に向けてこう言った。

 「今回はよくやってくれたと言いたいけどあの戦闘は余計ね、

彼に出会ったからって理由で作戦を壊しては元も子もないわ。」

 「・・・申し訳ありません***様。」

 「まあ良いわ、次の作戦はちゃんとお願いね。次は女性権利主張団体が

何かやらかすって話だから今のうちに養生する事、良いわね。」

 「はい、おやすみなさい。」

 月光はそう言って自室に戻っていくと月光は歌を口ずさみながら

こう思っていた。

 「(貴方は隠している、自分の本性を。それを解き放てば

私だけを見てくれる・・・私だけを見て一夏・・・ワタシダケヲ。)」

 にこりと・・・暗い笑みを浮かべながら口遊むその姿はまるで・・・

悪魔のようであった。




 5巻目終了です。

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