千冬による拳骨制裁の後一夏とロランは正座で山田先生に怒られていた。
「いいですか2人とも!!まだ15,6歳の男女が・・・
あのようなところでごにょごにょとするのはまだ早いんです!!将来の事もちゃんと考えてくださいね!!分かりましたか!!??」
「「・・・はい、すいませんでした。」」
ちなみにこの2人頭の上にたんこぶ(一夏には2個)が乗っている。
すると刃更が3人分の飲み物を持ってやってきたのだが刃更はこの状態がなんなのかと聞くと一夏は刃更のすぐ近くまで顔を近づけてこう言った。
「なんであの時いなかったんだよ!!おかげで色々とヤバかったって言うか
この頭見てどう思うよ!!」
「・・・熊みたいだな。」
「そうじゃねえだろ!!」
一瞬熊の着ぐるみを着た一夏が怒っているように見えたのだが
本人はお構いなしだった。
「こっちは女性権利主張団体の奴に絡まれたと思ったら
今度はロランに(性的に)絡まれた挙句千冬姉の拳骨喰らわされたんだぞって
何で消えたんだよ!!。」
「・・・気を使ってやったろ?」
「気を使わなくていいわあ!!」
端から見れば漫才みたいな感じだが割かし真面目な事なのであった。
すると刃更は一夏そっちのけで千冬達に聞いた。
「そう言えば何で織斑先生達がこんなところにいるんですか?」
「無視すんな嗚呼!!」
一夏はまだ熊の衣装で怒っていた。
「私たちは臨海学校の準備でな。水着を買いに来ていたんだ。
さっさと終わらすぞ。」
千冬はため息交じりにそう言うと山田先生は刃更とロランを連れ出しながら
こう言った。
「あ、ちょっと私買い物忘れてたんですよ。刃更君、荷物持ちを手伝ってください。ロランツィーネさんも付き合ってくださいね。」
そして残ったのは一夏と千冬だけになると千冬は山田先生の企みを知ると
小さく笑いながらこう言った。
「全く山田先生は気を遣ってくれるな。・・・一夏。」
「ん、何でしょうか?織斑先生。」
「ここでは普通に千冬姉でいい。折角の兄弟水入らずなんだ。
フランクに対応しろ。」
「わかったよ。千冬姉。」
一夏は千冬の言葉の真意が分かった所で千冬は2着の水着を出した。
「それで一夏・・どっちがいい?」
「何で俺に!!??」
「こう言うのは異性に聞いたほうが良いだろ。」
一夏は内心「(響さんに聞きゃいいだろ。)」と思っているのだが
何せ自分の恋愛ごとには2,3足踏みなおすため中々そう言う勇気が
踏み出せないでいるのだ。
因みに水着はスポーティーでありながらメッシュ状にクロスしたセクシーな黒水着と一切の無駄を省いた白水着(どちらもビキニ)を出しているのだが
一夏は千冬にこう聞いた。
「千冬姉、臨海学校って他にも人がいるの?」
「いや我々だけだ。」
そう返すと一夏はある水着を選んだ。
「それじゃあく黒。」
「ほおう、白を選ぶと思ったのだがな。」
「そりゃ他に人いるんだったらだけどさ、いないんだったらいっそ息抜き感覚でそれなりのモノ選んだほうが良いでしょ。」
「・・・全くお前はそうやって普通に言うからああいう輩まで来るんだろうな。」
千冬は一夏の人を見る目が高くなっていたことに少し安心感を得ると
一夏は水着を選んでいた。
「何やっている?」
「・・・あったあった。」
「・・・はっ!!」
一夏が出したのは蒼いビキニの水着だが如何せん胸が零れ落ちそうな
面積のタイプであった。
「い、い、一夏それをどうする気だ・・・。」
「え、これで響さんと海に行けばいいんだよ。これなら水着が取れた時に響さんと自然に密着・・・。」
一夏が言い終わる前に何やらハンガーが一夏の頬を掠めたのだ。
そして一夏は千冬の方を見ると目が真っ赤な感じでこう言った。
「次そのセリフはいたら・・・ワカルヨナ?」
「ハイオネエサマ。」
一夏は機械のような口調でそう答えた。
結果千冬は一夏が選んだ黒を買った後一夏にこう言った。
「一夏・・・私はまだ伯母さんにならないからな。」
「何でだよ!!」
そう言うと一夏は刃更とロランがいる場所へと向かうと千冬はさっきの店に入りなおすと・・・一夏が勧めた水着を結局買った。
千冬よ、幸せをつかみなさい。