「あああああああああ!!!!!!」
突然簪が悲鳴を上げた途端ロランは簪のIS「打鉄弐型」が破壊された時に出来た破片が少しずつ水のように変わっていくのを見た。
「な、何なんだこれは?」
打鉄弐型の流動体になった破片が簪に集まると唯一残っていた
1基の荷電粒子砲「春雷」が「山嵐」を取り込み始めると簪のISが
別の何かになり始めたのだ。
そしてそのナニカが収まると簪のISは別の物に変わっていた。
アンロックユニットは「打鉄」と同じように見えるがミサイルポッドが無くなり代わりに幾つかの砲門が出来上がっていた。
両腕、両脚は「打鉄弐型」と同じだがそれぞれに排熱用の穴が幾つか存在し、
最も変わっていたのは薙刀が柄の長い巨大な両刃双剣になっていたのだ。
すると刃更のデータからあるデータが出た。
機体名「暮鉄」
「暮鉄・・・だと?」
ロランは簪が何か動きがあると感じ武器を構えると
ロランは簪の顔を見てゾッとした。
何せ今の彼女の目は・・・生気すら感じないからだ。
すると簪が双剣を構えると・・・1瞬でロランの目の前に現れて袈裟切りしたのだ。
「ぐああああああ!!!」
ロランはその1太刀で壁まで飛ばされるとシールドエネルギーが一気に
8割も削れたのだ。
一夏はその攻撃にある剣術を思い出した。
「(今のは一閃二断ってなんで簪があれ使えるんだよ!!あれを使えるのは千冬姉と束さんしかいないぞ!!)」
この剣術は元々篠ノ之流剣術であり現状使えるのが師範である箒の父親を除けばそれだけしかいないのだ。
刃更も簪の変わりように驚いていると一夏の「黒式」から通信が流れてきたので通話するとその人間は・・・
「ハーーイ、いっ君その問題はこの私篠ノ之 束が解説しよう!!」
「・・・何で俺の心の声が分かるんですかって言うか・・・まさかあんたじゃないですよね!?」
「おいおいいっ君、私があんな不細工作るわけないじゃん。束さんもちーちゃんの偽物が出てきて激おこぷんぷん丸何だからね。」
口調からして本当なのかと疑問視するが一夏は取り敢えず置いといて現在の簪の状態について説明を求めた。
「束さん、じゃああれ何なのかわかるんですか?」
「あれはVTシステムって言うやつだけど知ってるでしょその危険性。」
「!!ヴァルキリークラスのIS操縦者の動きを再現するシステムってあれってあまりの危険な代物だから製造禁止になったやつでしょ!!!!」
「その通り!!長い間鍛えて磨かれた技をそんなシステムでやったらどんな人間も脳みそや体に限界が来るってものだから破棄されたけどこいつは恐らくそれを脳にダイレクトに伝えて自分が獲得したわざと誤認させることが出来るんだと思うんだ。でもこのままじゃその内脳みそがショートして良くても廃人、最悪死んじゃうかもね。』
一夏はその言葉にゾッとした。
ならば簪を一刻も助けなければいけないがどうするのかを聞こうとすると簪がロランのすぐ前に来てその双剣を振りかざそうとすると一夏はビット「電羽」を使って
一斉掃射すると簪は直ぐに避けるとアンロックユニットの砲門から多数の
小型荷電粒子砲が現われて一斉掃射したのだ。
「あれってそれかよ!!」
一夏はそれに驚くとその閃光が「電羽」ごと破壊されると確信して少しでもダメージを減らすため武器全てに「守の岩戸」を展開して食い止めようとすると閃光が
一夏を貫通することはなかった。
何と目の前に「ワールド・ゲート」が展開されていたのだ。
「大丈夫か一夏!!」
「刃更!!」
「速く自分の相棒を!!」
「分かった!!」
一夏はイグニッション・ブーストでロランと簪の間に入ると簪はそれを察知するともう一度剣を振り上げると今度は刃更が攻撃した所右腕に当たり氷結したので簪はそれを見た後もう一度ロランの方を見ると既にいなくなっていたので周りを見渡すとロランをお姫様抱っこして刃更の方にへと向かう一夏の姿があった。
すると簪の機体からある文字が出てきた。
『東城 刃更 攻撃したため敵機と認定・・・排除する』
一夏はロランを降ろすとロランは少し顔を赤くしながらお礼を言った。
「ありがとう一夏、たすかったよ。」
「礼は刃更にしてくれよ。こいつがいなければ俺もやられていたよ。」
「いや俺はサポートしただけだから気にすんなよ。・・・でありゃ何なんだ?」
一夏はロランと刃更に事の次第を説明した。
「それじゃあ今の簪はあのISに操られてるってことかよ!!」
「ああ、それも早めに対処しなければ簪の命もヤバい。」
「ならば早急に対処しなければな。」
「だが手負いが1人いるなかどうするんだよ一夏?」
刃更はロランが戦える状態じゃないことを言うと
ロランは口をとがらせてこう言った。
「手負いだからって甘く見ないでほしいな。私はまだ戦えるぞ。」
「それでも2,5人だから少しきついな。・・・」
「じゃあ・・・もう1人いればどうだ。」
すると簪のいる場所に火球が迫ってきたので簪はそれを叩き斬ると一夏達の所に両肩にいぬの顔をした砲口を搭載した黒に近い灰色のISが現われた。
「よっ、新入生加勢に来たぜ、」
「「レイン先輩!!」」
それは「ヘル・ハウンド2,5」を纏ったレイン・ミューぜルがそこにいた。
そして一夏はレインに説明した後レインは3人にこう言った。
「よし、ロラン・一夏は援護射撃、あたしと刃更が斬り込む。奴が弱った所をロランのシード・ショットで止めを刺す。・・・それじゃお前ら・・・死ぬんじゃねえぞ。」
「「「はい!!!」」」
今ここに偽戦乙女に戦いを挑む4人の騎士がいた。
次は千冬たちサイド