異世界はガウストとともに。   作:naogran

8 / 31
ミスミド王国とベルファスト王国を繋ぐ任務を終えた冬夜達がゲートを使って屋敷に帰って来た。

全員「ただいま〜!」

ライム・ラピス・セシル「おかえりなさいませ。」

冬夜「ただいま。ライムさん、ラピスさん、セシルさん。」

雄也「留守番ご苦労様。」

セシル「旦那様達に会えなくて寂しかったです〜。」

冬夜「あははは・・・」

お土産を受け取って、小声で話す。

ラピス「先にゲートで帰していただきありがとうございました。」

冬夜「でないと常に護衛してるのユミナにバレちゃいますからね。」

雄也「バレたらもう終わりだからな。」

ユミナ「お土産沢山買って来ましたよ!」

リンゼ「さぁどうぞ!」

ライム「ありがとうございます。我が一族の誇りに掛け、後生大事に致します。」

冬夜「んな、大袈裟な・・・」

雄也「未来に残すのかよ・・・」






その後部屋のベッドで寝転がる。

冬夜「はぁ・・・疲れた~・・・」

琥珀「色々あり過ぎましたね・・・」

冬夜「本当しばらく大冒険は控えようかな・・・」

そのまま眠った。






そして夕方になると、眠ってた冬夜が起きた。

冬夜「・・・風呂でも入るか。」

部屋を出て、風呂へ向かう途中。

雄也「よう冬夜。」

冬夜「雄也。どうしたの?」

雄也「俺今から風呂入って疲れを溶かしたいんだ。それにさっきまで昼寝してたからな。冬夜は?」

冬夜「僕も風呂へ向かう途中だよ。」

雄也「そうか。じゃあ行くか。」






その後風呂前まで到着した。

冬夜「じゃあ入るか。」

雄也「ああ。」

ドアを開けた。するとそこに。

エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ「え?」

何と着替え中のエルゼ達が居た。

冬夜「あれ・・・?」

雄也「うげっ!」

着替え中のエルゼ達を見て、雄也はすぐに逃げ、冬夜はそのまま見てしまった。

エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ「きゃあああああああ!!!!」

冬夜「うわあああああああ!!!」

騒ぎ声を聞いた琥珀が目を覚ました。しかし欠伸をしてからまた寝た。






その後冬夜、何故か雄也もエルゼ達から説教を受ける事に。

エルゼ「確かに鍵を掛け忘れたのは私達が悪かったかもしれないけど!」

八重「もうちょっと注意して欲しかったでござるよ!」

冬夜「てっきり皆もう上がったかと思ってて・・・」

雄也「ってか何で俺まで・・・」

顔を上げると、エルゼ達の腹とかが見えた。

雄也「・・・・・」

冬夜(ぐふふふ・・・・)

雄也はまた顔を下に向けて、冬夜は微笑む。

リンゼ「反省してます!?」

冬夜「え?・・・あ!はい!」

雄也「俺も反省してる!」

ユミナ「私としては、こう言う事は手順を踏んでからに欲しかったですけど・・・」

しかし冬夜はエルゼ達の足を見てまた微笑む。

八重「本当に反省してるでござるか!」

冬夜「はい!」

雄也「だから早く解放してくれ!!」

叫び声を聞いたライザークが少し笑う。

ライザーク「雄也と冬夜の奴、何かやらかしたな?」


8話「日々の暮らし、そしてイーシェンへ。」

後日、冬夜と雄也が中庭に居た。

 

冬夜「マジック!」

 

魔法を雄也に浴びせた。

 

雄也「これで無属性魔法が使えるのか?」

 

冬夜「やってみてよ。自分の似合う魔法を思い浮かべて?」

 

雄也「まぁ、やってみるか。」

 

両目を閉じて、頭の中で思い浮かばせる。

 

 

 

 

 

 

雄也「・・・スピナー!」

 

 

 

 

 

 

すると周りが光輝き、雄也が回転して竜巻が起こった。

 

雄也「おおおおおおお!!!」

 

そして、すぐに止まった。

 

雄也「凄えぞこれ!まさかの回転魔法とはな!サンキュー冬夜!手伝ってくれて!」

 

冬夜「喜んでくれて良かった。さてと。」

 

そこに白い棒を数本、黒いロープを持って来た。

 

冬夜「モデリング!」

 

すると黒いロープが円の形になった。

 

雄也「何やってんだ?」

 

冬夜「ちょっとね。」

 

ライム「旦那様、雄也様、オルトリンデ公爵殿下がいらっしゃいましたが。」

 

冬夜「こんにちは。」

 

雄也「公爵様。」

 

アルフレッド「やぁ。何だいそれは?」

 

冬夜「自転車を何台か作ろうと思って。速く走れて便利なんですよ。」

 

雄也(まさかの自転車?)

 

アルフレッド「そ、そうか。」

 

冬夜「何か御用ですか?」

 

アルフレッド「いやぁ、ミスミド国の件でお礼を言おうと思ってね。所でその自転車とやらはどれくらいで出来るのかね?」

 

冬夜「うーん・・・初めて作るので30分くらいですかね?」

 

雄也(短っ!)

 

アルフレッド「成る程・・・」

 

 

 

 

 

 

その30分後、自転車が完成した。アルフレッドが早速試乗する。

 

アルフレッド「お、おぉっ!おぉ、おぉぉおおお!」

 

しかしバランスを崩して倒れてしまった。

 

ライム「大丈夫でございますか!?」

 

アルフレッド「手出しはするな!これは私の馬だ!」

 

冬夜「いや僕の・・・」

 

雄也「馬かよ・・・」

 

アルフレッド「私1人の手で乗りこなしてみせる!」

 

再び試乗する。

 

雄也(シュール過ぎる・・・)

 

ユミナ「叔父様!?」

 

エルゼ「何それ?」

 

リンゼ「乗り物?」

 

八重「何と奇妙な・・・」

 

 

 

 

 

 

冬夜が数台自転車を作り、エルゼ達も自転車の試乗をしてみる。

 

エルゼ「きゃぁっ!」

 

バランスを崩して倒れた。

 

エルゼ「いたたた・・・意外と難しいわね。」

 

雄也(まあこの世界には自転車の概念が無えからな。)

 

八重「では次は拙者が!」

 

そして冬夜はリンゼにやり方を教えてる。

 

雄也(ああ、この異世界が俺達の世界の物に徐々に侵食されてく・・・)

 

ユミナ「どうですか冬夜さん!もう庭を回る事が出来ますよ!」

 

雄也「上達早!」

 

冬夜「ユミナは呑み込みが早いな!」

 

ユミナの頭を撫でる。それを見たリンゼがペダルを漕ぐ。

 

リンゼ「見て下さい冬夜さん!私もこんなに!」

 

冬夜「おお!」

 

ライザーク(あら、リンゼのライバル心に火が点いたか。)

 

エルゼ「ごめん!もうちょっと乗せて!」

 

八重「ちょ、え?」

 

無理矢理自転車を強奪して、綺麗に走り出す。

 

リンゼ「お姉ちゃん!?」

 

エルゼ「意外と簡単に乗れるわねこれ!」

 

リンゼ「・・・」

 

雄也「ライバル心に火が点くと上達が早くなるのか?」

 

ライザーク「なんちゅうスキルだよ。」

 

冬夜「流石エルゼ!やっぱこう言うの得意なんだね!」

 

エルゼ「まあね〜!」

 

リンゼ「私だって!」

 

ペダルを漕いでエルゼを追い抜く。しかしそれに負けじとエルゼもリンゼを追い抜く。

 

 

 

冬夜「2人共途端に上手くなったなぁ・・・」

 

ユミナ「冬夜さんのお陰と言いますか、冬夜さんのせいと言いますか・・・」

 

冬夜「え?」

 

雄也(自覚無し野郎め。)

 

 

 

八重「そう言う事でござったか!エルゼ殿、リンゼ殿早く拙者も乗せてほしいでござる!」

 

 

 

雄也「そうだ!冬夜、ちょいと頼み事があるんだが。」

 

冬夜「何?」

 

そこで雄也の頼みで、冬夜がある物を作った。

 

 

 

一方エルゼとリンゼは競争してる。すると誰かが追い越した。

 

アルフレッド「どうやら私が一番のようだね!ハーハッハハ!」

 

冬夜「一番はしゃいでる・・・」

 

 

 

するとアルフレッドの横を誰かが追い越した。

 

雄也「ヒャッホー!!!」

 

何とスノボーに乗ってる雄也だった。

 

アルフレッド「何!?」

 

雄也「最高だぜこのホバーボード!」

 

冬夜「もっとはしゃいでる・・・」

 

するとエルゼとリンゼが互いにぶつかった。

 

リンゼ「きゃあ!」

 

エルゼ「きゃああ!」

 

しかしスケボーに乗った雄也が2人を救った。

 

雄也「おい大丈夫か?」

 

エルゼ「ありがとう雄也・・・」

 

リンゼ「雄也さん、これは?」

 

雄也「ホバーボードだ。冬夜に作ってもらったんだ。浮遊して走行する事が出来る。まあこれ、俺じゃないと扱えない奴だからなぁ。」

 

アルフレッド「もう1台作ってはくれないか?スゥシィ用に小さい物を。無論材料費は全て負担する。」

 

冬夜「じゃあ今から買いに行って来ますね。」

 

八重「えぇ!?拙者の腕前も見てほしかったでござる・・・」

 

そこにホバーボードに乗った雄也が冬夜に近寄る。

 

雄也「おい冬夜、買い物付き合ってやるぜ。」

 

冬夜「ありがとう。じゃあ行こうか。」

 

 

 

 

 

 

アルフレッド「うぉぉおおおお!」

 

エルゼ「私がナンバー1よ!」

 

八重「待つでござる!」

 

 

 

 

 

 

その頃冬夜と雄也は材料を買いに街に来た。

 

冬夜「スゥの性格って、絶対公爵様に似たよな〜。」

 

雄也「確かにそうだよな。でも自転車をプレゼントすれば、スゥも喜ぶだろうぜ?」

 

冬夜「そうだね。」

 

???「おらこっち来い!」

 

冬夜・雄也「ん?」

 

裏路地から男の声が聞こえた。聞こえた方を見ると、2人組の男が1人の子供を何処かへ連れて行ってた。

 

ライザーク「何だありゃ?新手の誘拐犯か?」

 

雄也「何かありそうだな。行ってみようぜ。」

 

冬夜「うん。」

 

 

 

 

 

 

裏路地では。

 

男B「このクソガキが!」

 

1人の子供を突き飛ばした。

 

男A「また俺たちの縄張りで仕事しやがったな?」

 

男B「てめぇのお陰で警邏が厳しくなっちまったじゃねぇか!」

 

ナイフを持って脅す。

 

 

 

 

そして冬夜達3人が覗く。

 

雄也(ほう、新手のチンピラか。しかもスリ2人組か。)

 

冬夜(マズイ事になってるね。)

 

ライザーク(あぁ。彼奴らからあの子を助けねえとな。)

 

雄也(冬夜、あの子を釣って良いか?)

 

冬夜(うん。思いっ切りやって良いよ。)

 

雄也(じゃあ、ハンティング開始と行きますか。)

 

ギアレットハンターを取り出す。

 

 

 

 

子供「止めて!勝手にスリしたのは謝るから!」

 

男B「もう遅ぇんだよ。」

 

 

 

すると釣り針が子供に引っ掛かった。そして何処かへ釣られた。

 

 

 

子供「うわああ!!」

 

男B「何だ!?」

 

男A「おい!どうなってんだ!」

 

雄也「いやぁ〜!大物ゲット!」

 

男2人「ああ?」

 

後ろに振り向くと、冬夜と雄也が立っていた。雄也の横に子供が居た。

 

男A「何だてめぇら?」

 

雄也「何って、釣りだよ釣り。お前らが良い獲物を持ってるから横取りしただけさ。」

 

男B「そのガキは俺達のもんだ!返せ!」

 

冬夜「おっと。その前にこの子に謝って下さい。そうすればあなた達に返してあげますよ。」

 

男A「巫山戯やがって!」

 

ナイフを持って急接近した。

 

雄也「やれ。」

 

すると男Aが真横に吹き飛ばされた。

 

男A「ぐはっ!!」

 

男B「おいどうした!?ぐはっ!」

 

すると男Bも真横に吹き飛ばされた。

 

子供「・・・?」

 

男A「・・・てめぇ何をしやがった!」

 

ライザーク「俺がやったんだよ。」

 

そこにライザークが姿を現した。

 

子供「っ!?」

 

男A「おい!何だ此奴!!」

 

雄也「俺の使い魔さ。頼りになる相棒だ。」

 

男B「使い魔だと・・・!?」

 

ライザーク「さぁどうする?この子に謝るか、それとも俺達の裁きを喰らうかどっちか選べ。」

 

男A「五月蝿え!!使い魔が何だ!!やっちまえ!!」

 

男B「死ねーーー!!!」

 

雄也「懲りねえな。おい。」

 

冬夜「うん。」

 

ライザーク「おう。」

 

懐からガンブレードを出してトリガーを引いた。

 

男A「ぐああああ!!」

 

弾丸が男Aに命中した。

 

ライザーク「どるあああああ!!!」

 

男B「ぐああああ!!」

 

尾鰭の往復ビンタで男Bを突き飛ばした。

 

冬夜「安心して?ゴム弾だから。」

 

ライザーク「安心しろ、峰打ちだ。」

 

そして男2人はそのまま倒れた。雄也が紙に『俺達スリです。』を書いて、男2人に貼り付けた。

 

雄也「さてライザーク。この2人を表の道まで運んでくれ。」

 

ライザーク「おう。」

 

尾鰭に引っ掛けて、男2人を表の道まで運ぶ。

 

冬夜「大丈夫か?」

 

子供「っ?」

 

雄也「もうあんな奴らとお遊びするんじゃねえぞ?」

 

冬夜「じゃあね。」

 

子供「あ、あの!助けてくれてありがとう・・・」

 

冬夜「そう思うならもうスリは止めな。次は捕まるかも・・・」

 

すると”グゥー”と言う音が聞こえた。

 

雄也「何だ?」

 

冬夜「お腹空いてるの?」

 

子供「もう3日食べてない・・・」

 

雄也「おいおい大丈夫か?冬夜、この子に美味い物を食わせようか。」

 

冬夜「そうだね。おいで。何か食べ物買ってあげるよ。」

 

子供「本当!?」

 

すると子供の帽子が取れた。

 

雄也「え?」

 

 

 

その子供の髪は長かった。何と女の子だった。

 

 

 

冬夜「女の子だったんだ!?」

 

少女「そうだよ。レネって呼んで!」

 

雄也「マジかよ・・・」

 

ライザーク「お〜い!運んでやったぜ〜!ん?・・・え!?女だったのか!?」

 

雄也「俺達も初めて知ったぞ。」

 

 

 

 

 

 

その後レネは、美味い串焼きを頬張る。

 

冬夜「レネは何処に住んでるんだ?」

 

レネ「決まってない。公園で寝る事もあるし、路地裏の時もある。」

 

雄也「ホームレスか。」

 

冬夜「両親は?」

 

レネ「父ちゃんは1年前に魔獣討伐に行ったまま帰って来なかった・・・母ちゃんは私を生んですぐ死んだって・・・」

 

冬夜「そっか・・・」

 

ライザーク「辛い過去を持ってんだな・・・分かるぞその辛い気持ち・・・」

 

悲しむレネに、冬夜が頭を撫で、雄也がレネの左肩に手を置く。

 

冬夜「レネ、うちで働く気はある?」

 

レネ「え?」

 

冬夜「住む所も食べ物も心配しないで良い。」

 

雄也「条件としてちゃんと働いてもらう。勿論必ず給料は出す。どうだ?」

 

レネ「働かせてくれるの?本当に!?」

 

冬夜「ただし2度とスリはしない事が条件だけど。守れる?」

 

雄也「約束を守れば、すぐに雇ってやる。」

 

レネ「うん!約束する!」

 

雄也「よし!商談成立だな。」

 

 

 

 

 

 

お屋敷に戻ってレネを雇う。

 

冬夜「うん、良く似合ってる。」

 

メイド服を着たレネが1回転する。

 

レネ「そ、そうかな・・・」

 

雄也「ああ。可愛いぞ。」

 

ライム「これからお前はこの家の使用人なのです。お客様の前では冬夜様のことは旦那様と呼ぶように。」

 

レネ「はい!ライムさん!」

 

セシル「じゃあレネちゃん、お仕事覚えに行こうか。」

 

レネ「うん!行ってくるね、旦那様!」

 

冬夜「頑張れよー!」

 

レネ「はーい!」

 

セシルに付いて行った。

 

雄也「これでもう金と飯に困らなくなったな。」

 

ユミナ「不思議な子ですね。」

 

冬夜「そう?」

 

八「で冬夜殿、雄也殿、自転車の材料は・・・?」

 

冬夜・雄也「あ、忘れてた・・・」

 

 

 

 

 

 

後日。スゥシィを連れてミスミド王国にやって来た。

 

スゥ「ここがミスミドか!賑やかじゃのう!」

 

ユミナ「ありがとうございます冬夜さん、雄也さん。スゥの我儘を聞いてもらって。」

 

冬夜「まぁ、ゲートを使えばすぐだしね。」

 

雄也「折角だから連れて行こうと思ってな。」

 

スゥ「冬夜が作ってくれた自転車でこの街を走ってみたいのう。」

 

冬夜「目立つからダメ。」

 

雄也「目立ちたがり屋?」

 

ユミナ「冬夜さん!雄也さん!」

 

冬夜「ん?」

 

雄也「どうした?」

 

ユミナ「彼処にアルマさんが。」

 

冬夜「え?」

 

雄也「アルマ?」

 

目の前にアルマが居た。

 

冬夜「アルマーー!!」

 

雄也「おーーい!!」

 

アルマ「あっ!冬夜さん!雄也さん!」

 

雄也「ようアルマ。」

 

冬夜「やぁ!偶然だね!」

 

アルマ「はい!3人共ミスミドに来てたんですね!」

 

ユミナ「アルマさんもお買い物ですか?」

 

アルマ「はい。ユミナさん達も?」

 

ユミナ「えぇ。スゥ、こちらはアルマさん。この子はスゥシィ。」

 

アルマ「宜しくお願いします。」

 

スゥ「うむ。こちらこそ宜しくじゃ。」

 

冬夜「あっ!」

 

ユミナ「どうしました冬夜さん?」

 

ライザーク「また新手の誘拐犯か?」

 

冬夜「いや、あれ!」

 

 

 

 

 

 

何とリオンとオリガの2人を見付けた。

 

 

 

 

 

 

アルマ「お姉ちゃん!?」

 

ユミナ「デートですかね?」

 

冬夜「多分ね。」

 

雄也「かもな。」

 

アルマ「追い掛けないと!」

 

冬夜「え?尾行するの!?」

 

スゥ「面白そうじゃ!妾も!」

 

冬夜「スゥ!?」

 

雄也「おい行くぞ!お2人さん!」

 

 

 

 

 

 

2人を尾行する事になった。

 

オリガ「それである所にウサギとカメがいたらしくって・・・うふ!何でだか分かりますか?」

 

リオン「はい、分かります。」

 

 

 

 

雄也(ウサギとカメの話してる・・・)

 

ユミナ「初々しいですね!」

 

ライザーク「良い感じだな。」

 

スゥ「あれは何をしているのじゃ?」

 

冬夜「手を繋ぎたいけど繋いで良いものか悩んでるんじゃ・・・」

 

スゥ「手ぐらい好きに繋げば良いのにのう。」

 

雄也「確かに。」

 

ユミナ「そうですね。なぜ男性はさっと手を握ってくれないのでしょう。ね、冬夜さん。」

 

冬夜「え?それは恥ずかしいからだって。」

 

雄也・ライザーク(いい加減自覚持てよこのハーレム野郎が。)

 

アルマ「あ、お店に入りますよ!」

 

雄也「喫茶店か。」

 

 

 

 

喫茶店の中。

 

オリガ「バナナ好きだったんですね。」

 

リオン「あー、へー。」

 

 

 

 

喫茶店の外。

 

ユミナ「流石に入るとバレてしまいますね。」

 

スゥ「冬夜、何とかならんのか?」

 

冬夜「何とかならない事もないけど・・・これ以上覗き見するのはさぁ・・・」

 

雄也「これじゃあストーカー行為だな。」

 

アルマ「お姉ちゃんの人生における一大事かもしれません。妹としてここは知っておくべきかと。」

 

冬夜「はぁ・・・ロングセンス。」

 

雄也(出た。)

 

スマホを使って2人の会話を聞く。

 

 

 

 

オリガ『後数日でリオン殿もベルファストに帰られてしまうのですね。』

 

リオン『でもこれからベルファストとミスミドは友好的な関係を結ぶ訳ですし、こちらに来る機会も多くなりますよ。』

 

オリガ『ふふふ、その時は教えて下さいね。』

 

 

 

 

雄也(ってかこれ盗撮だろ完全に・・・)

 

アルマ「お姉ちゃん嬉しそう。」

 

ユミナ「これはかなり脈があるんじゃないでしょうか!」

 

スゥ「良いのぅ!妾もデートと言うものをしてみたいのぅ!」

 

ユミナ「スゥにはまだ早いです!私だってまだちゃんとしたデートはしていないのに!」

 

スゥ「あ!なら妾とユミナ姉様でデートすれば良いのではないか?」

 

雄也(百合かよ・・・)

 

ユミナ「それはデートとは違います!」

 

スゥ「冬夜も一緒ならどうじゃ?」

 

冬夜(重い・・・)

 

頭にスゥの頭が乗ってる。

 

するとリオンとオリガが喫茶店から出た。アルマが追い掛けるが、途中で誰かにぶつかって倒れた。

 

アルマ「きゃっ!」

 

男性「おっとすまんな。怪我はないか?」

 

アルマ「すいません、急いでいて・・・」

 

冬夜「アルマ、大丈夫か?あ!」

 

男性の顔を見て冬夜が驚いた。

 

 

 

 

 

 

ジャムカ「おっ!」

 

 

 

 

 

 

何とジャムカ獣王陛下だった。

 

雄也(ジャムカ獣王陛下!?)

 

ライザーク(何やってんだ!?)

 

 

 

 

 

 

再び2人の尾行をする。

 

ジャムカ「あれはオリガとベルファストの若い騎士か。ははは、成る程そう言う事か。」

 

冬夜「そう言う事です。って言うか何でこんな所に居るんですか?」

 

雄也「何故獣王陛下まで尾行してるんですか?」

 

ジャムカ「気晴らしに城下に出るのはワシの趣味だ。」

 

冬夜「また大臣さん達にどやされますよ?」

 

雄也(バカ殿かよ・・・)

 

2人は会話を続くばかり。

 

ジャムカ「情けねぇなー。ワシが若い頃はもっと男がグイグイと。」

 

雄也「呑気に何言ってんすか?」

 

するとその時。4人の男達が店のりんごを崩した。

 

雄也(おっと、また新たなチンピラか。)

 

ライザーク(店荒らしとは、懲りねえ連中が絶えねえもんだ。)

 

リオン「止めろ!」

 

男A「何だてめえは?」

 

リオン「その人を放せ!1人に寄って集って恥ずかしくはないのか!」

 

 

 

 

スゥ「おぉ!」

 

アルマ「格好良い!」

 

ユミナ「さっきまでのヘタレとは思えませんね!」

 

雄也「ヘタレって・・・」

 

 

 

 

男A「このやろー!やっちまえ!」

 

他の3人もナイフを出した。

 

 

 

 

冬夜「マズい!」

 

ジャムカ「行こう!」

 

雄也「いや、俺にやらせてくれ。」

 

冬夜「雄也?」

 

雄也「彼奴らに、この前覚えた俺の無属性魔法の実験台にさせようってな。」

 

冬夜「分かった。無理はしないでね。」

 

雄也「ああ。彼奴らにゲロ吐かせてやる。」

 

 

 

 

男A「うおおおおおお!!!」

 

ナイフを振り上げる。

 

男A「ぐあっ!!」

 

しかし、仮面を被った謎の男が飛び蹴りして飛ばした。仮面の男の正体は、勿論雄也である。

 

男B「何だてめぇ!」

 

仮面の男「おいお前ら!俺の実験台になれよ!そしてゲロ吐かせてやる!」

 

男B「くっ!先に此奴をやれ!」

 

仮面の男(雄也)「さあ、実験を始めようか。」

 

一斉に仮面の男(雄也)に襲い掛かる。

 

仮面の男(雄也)「スピナー!」

 

すると高速回転し、竜巻を起こした。

 

男C「な、何だ!?」

 

仮面の男(雄也)「実験開始!」

 

高速回転しながら移動し、男達を竜巻の中へ飲み込んだ。

 

男達「うわあああああああ!!!!」

 

 

 

 

 

 

スピナーを止めて着地した。男達は落ちて気絶した。

 

ライザーク「ちょっとやり過ぎじゃねえのか?」

 

雄也「これくらいやらねえとスカッとしねえんだよ俺は。ほらゲロ吐け。ゲロを。」

 

気絶してる男の腹を軽く蹴る。するとゲロ吐いた。他の気絶してる男達にもゲロ吐かせる。

 

ライザーク「お前、此奴らよりチンピラじゃね・・・?」

 

リオン「あの・・・雄也殿ですよね?」

 

雄也(うげっ!)

 

リオン「そんな格好してるのは雄也殿しか居るませんし、後声とか・・・」

 

雄也(オーマイゴット!)

 

オリガ「リオンさん!ご無事でしたか!?ん?」

 

そこにオリガが駆け付けた。仮面を被ってる雄也を見た。

 

オリガ「雄也殿!?」

 

雄也「Oh No!ここは逃げるが勝ち!」

 

しかしリオンに肩を掴まれてしまった。

 

リオン「ちょっとお話があるんですがねぇ。」

 

仮面を外した雄也。

 

雄也「はぁ・・・大体リオンがハッキリしないのがいけねえだろ?オリガ大使の事本気で好きじゃねえんだよな?」

 

リオン「そ、そんな訳ないでしょ!本気ですとも!」

 

雄也「本気でお付き合いしたいと思ってる訳だよな!」

 

リオン「勿論です!」

 

 

 

 

 

 

雄也「・・・と彼はこう申しておりますが、オリガ大使どう思いますか?」

 

 

 

 

 

 

リオン「え?・・・え!?」

 

後ろに振り向くと、オリガが頬を赤くしている。

 

オリガ「よ、宜しくお願いします・・・」

 

リオン「お付き合いしていただけ・・・」

 

オリガ「はい。」

 

リオン「・・・・やったぁぁあああああ!」

 

アルマ「お姉ちゃんおめでとー!」

 

そこにユミナ達が走って来た。アルマがオリガに抱き付く。

 

オリガ「アルマ!?どうしてここに!?」

 

ユミナ「やりましたね!」

 

スゥ「良かったのぉ!」

 

冬夜「上手くいったな!」

 

リオン・オリガ「雄也殿、一体これはどう言う・・・」

 

雄也「あぁ・・・ノーコメントで。」

 

こうしてリオンは、オリガに告白する事に成功した。

 

 

 

 

 

 

リオン「そう言えば、オリガ殿はお幾つ何ですか?」

 

オリガ「うふ!うふふふふ!」

 

 

 

 

 

 

スゥとアルマ達と別れてお屋敷に戻って来た。

 

冬夜「ただいま。」

 

ユミナ「ただ今戻りました!」

 

雄也「いい加減入口から帰ろうぜ〜?毎回ゲートなんて。」

 

ライム「おかえりなさいませ。旦那様にお客様です。」

 

冬夜「お客?」

 

雄也「誰だ?」

 

そのお客の姿が奥から出て来た。

 

 

 

 

 

 

冬夜・雄也「ポーラ!」

 

 

 

 

 

 

ライザーク「此奴あの時の!?」

 

冬夜「お前まさかミスミドから1人で歩いて来たのか?」

 

???「そんな訳ないでしょ?私のお供が付いて来たのよ。」

 

雄也「リーン!?何でお前が!?」

 

冬夜「シャルロッテさんまで!?」

 

ライザーク「何でここに!?」

 

リーン「ちょっと調べ物にね。」

 

シャルロッテ「私はここまでの案内に。」

 

ユミナ「冬夜さん、こちらはどなたですか?」

 

冬夜「ああ、ユミナは初めてだったか。この人はミスミドの妖精族の長で、名前はリーン。」

 

雄也「まあこう見えて、俺らより遥かに年上。」

 

年上を聞いて、リーンが少し怒った。

 

ユミナ「妖精族・・・でも・・・」

 

リーン「ああ。翅は光魔法で見えないようにしてるの。こっちの国じゃ目立つから。」

 

ユミナ「まぁ!そうだったんですね!」

 

冬夜「でも何でウチに?」

 

リーン「王宮で聞いたのよ。聞きたい事があってね。今から数か月前あなた達が倒したって言う水晶の魔物について。」

 

冬夜「え?」

 

雄也「水晶の魔物・・・彼奴か!」

 

数ヶ月前、冬夜達が地下に遭遇した水色の物体の事を思い出した。

 

 

 

 

 

 

部屋で話を聞く。

 

エルゼ「ねぇ、あの子誰よ?」

 

リンゼ「妖精族の人らしいよ?」

 

エルゼ「あんな偉そうなのが?妖精族って、もっと可愛気のある人達だと・・・」

 

リーン「コホン。」

 

エルゼ・リンゼ「っ!?」

 

冬夜「それで、話を聞かせてくれる?」

 

リーン「ミスミドの西側にあるレレスと言う村から急使が来たの。数日前から空中に奇妙な亀裂があるってね。」

 

冬夜「亀裂?」

 

雄也「空中に?」

 

リーン「興味を持った私は戦士団一小隊と共にその村に向かったわ。だけど。」

 

 

 

 

 

 

村に着くと、既に火事となっていた。火の中から謎の物体が現れた。

 

 

 

 

 

 

リーン「それで怪物の事を調べてみたら、あなた達も倒したって言うから驚いたわよ。しかもシャルロッテから聞いたわよ。あなた無属性魔法も全て使えるらしいわね。」

 

冬夜「話したんですか!?」

 

シャルロッテ「すいません、師匠には逆らえないんです・・・」

 

冬夜「師匠?」

 

リーン「幸せ者ねぇ私の弟子だなんて。隠し事していてもお仕置きだけで済むのだから。」

 

シャルロッテ「はい、幸せです・・・」

 

雄也(何のお仕置きだ・・・?)

 

リーン「因みにこれがその魔物よ。空中の亀裂から現れたらしいわ。」

 

目撃した魔物の絵を見せた。

 

冬夜「僕達が戦った奴と形が違う。此奴ら何者なんだ?」

 

リーン「昔フレイズと言う名の悪魔がこの世界を滅ぼし掛けた、と言う話を聞いた事があるわ。その悪魔は半透明の体だったとか。」

 

冬夜「そのフレイズとやらが、この水晶の魔物だと?」

 

リーン「それは分からないわ。」

 

冬夜「僕達だけで考えても仕方が無いか。」

 

リーン「そうね。所で私ミスミド大使としてこの国に滞在する事にしたのよ。ちょくちょく遊びに来るから宜しくね。」

 

雄也「おいおいマジかよ・・・」

 

リーン「それと冬夜、あなたゲートが使えるそうね。」

 

冬夜「まぁ、一度行った所にしか行けないのが難点だけど。」

 

リーン「無属性魔法リコールがあるわ。他人の心を読み取る魔法なんだけどそれを併用すれば読み取った記憶からその場所へと飛べるはずよ。」

 

冬夜「へぇ〜、それは便利だ!」

 

雄也「益々便利と化したなおい。」

 

リーン「その魔法とゲートを使って、連れて行ってもらいたい所があるのよ。」

 

冬夜「何処に連れて行けって言うのさ。」

 

 

 

 

 

 

リーン「遥か東方、東の果てイーシェンへ。」

 

 

 

 

 

 

雄也「イーシェンだと?八重の故郷の?」

 

リーン「その国にあるって言う古代遺跡を調べてみたくてね。」

 

冬夜「フレイズと関係ある遺跡なのか?」

 

リーン「いえ全く。単に興味あるだけよ。」

 

冬夜「そんな理由!?」

 

雄也「聞いて損した!」

 

シャルロッテ「師匠は好奇心のままに動く自己中妖精なんです。」

 

リーン「んん?」

 

シャルロッテ「ごめんなさい嘘です!」

 

雄也「シャルロッテさん大変だな〜。」

 

リーン「所であなた、イーシェンの生まれでしょう?この子の心を読み取ればイーシェンに行けるわね。」

 

八重「ちょ、待つでござる!心を読み取るって拙者の心をでござるか!?」

 

リーン「心配しないで。リコールは見られたくない記憶まで読まれないから。」

 

八重「し、しかし・・・」

 

リーン「リコールの発動には相手に接触する必要があるわ。接触には何てったって口付けが一番ね。」

 

八重「く、口付け・・・」

 

リーン「冗談よ。」

 

ライザーク(腹立つなこの小娘・・・)

 

 

 

 

 

 

外は夕方になった。

 

リーン「はいはい。こっちへ来て向かい合う、そして両手を握る。」

 

冬夜と八重が両手を握り合う。エルゼとリンゼは怒ってる。

 

雄也(嫉妬率上昇中。)

 

リーン「はい2人共おでこくっ付けて。八重はイーシェンの風景を思い浮かべる。冬夜唱えて。」

 

冬夜「リコール。」

 

 

 

 

すると和風の風景が頭に浮かんだ。

 

 

 

 

冬夜「見えた。」

 

2人はまだ握り合ってる。

 

リーン「コホン。」

 

するとすぐに両手を離した。

 

リーン「ゲートを開いてほしいんだけど良いかしら?」

 

冬夜「わ、分かってるよ!」

 

シャルロッテ「わ、私は王宮の仕事が残っているので!」

 

リーン「そ、ご苦労様。」

 

冬夜(逃げたな・・・)

 

ライザーク「それより冬夜、ゲート試してくれ。」

 

冬夜「うん。ゲート!」

 

 

 

 

 

 

そして、頭の中に浮かんだ通りの場所にゲートが繋がった。

 

冬夜「見えた通りの場所だ。」

 

ライザーク「ここか〜。」

 

リンゼ「ここが・・・」

 

八重「間違いござらん。拙者の生まれ故郷イーシェンでござる。」

 

雄也「ここがイーシェンか。」

 

遂にイーシェンに来れた。

 

「END」




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重;赤崎千夏
       ユミナ:高野麻里佳
        スゥ:山下七海
       リーン:上坂すみれ
        琥珀:甲斐田ゆき

     ライザーク:梅原裕一郎

    アルフレッド:楠大典
       オリガ:井上喜久子
       アルマ:井上ほの花
      ジャムカ:稲田徹
       リオン:斉藤壮馬
       ライム:西村知道
       ラピス:茜屋日海夏
       セシル:米澤円
        レネ:青山吉能
         男:内野孝聡
           浦野わたる

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。