異世界はガウストとともに。   作:naogran

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国王が毒を盛られた事を知った雄也と冬夜は、アルフレッドの馬車に乗って城を目指す。

アルフレッド「兄上に毒を盛ったのは、ミスミド王国との交易を反対する貴族達の仕業だろう。」

冬夜「ミスミド王国?」

雄也「どんな国なんですか?」

アルフレッド「獣人の王が治める新興国だ。兄上はミスミド王国との同盟を考えている。もし兄上が亡くなれば王位は一人娘のユミナ王女に移る。身内をユミナ王女と結婚させて政権を握ろうとしている者の仕業に違いない。」

雄也「要するに、奴らはこの国の権力を奪おうと企んでるに違いない。っと言う事ですね?」

アルフレッド「うむ。その可能性がある。」

冬夜「成る程・・・それで、僕は何を?」

アルフレッド「急ぎ、兄上の毒を消してほしい。エレンに掛けたあの魔法リカバリーで。」


4話「婚約、そして押し掛け。」

そして城に到着した。城に入る3人。

 

雄也「これが城の中かぁ〜。やっぱ広いな〜。」

 

ライザーク「権力を奪おうとしてる奴は誰だ?」

 

すると目の前に、1人の男が現れた。

 

雄也「誰だ?」

 

アルフレッド「っ!バルサ伯爵!」

 

バルサ「これはこれは公爵殿下。丁度良かった。公爵殿下の命を狙った輩は先程取り押さえたばかりですぞ。」

 

アルフレッド「な、何だと!?」

 

バルサ「犯人はミスミドの大使だったのです。即刻首を刎ね・・・」

 

アルフレッド「ならん。全ては兄上が決める事だ。」

 

バルサ「そうですか?獣人如きには勿体無いお言葉で・・・」

 

そう言い残して去って行った。

 

雄也「憎たらしい奴だな・・・」

 

ライザーク「同感だ。見てるだけでイライラする・・・」

 

冬夜「スリップ。」

 

バルサ「うわぁぁ!」

 

雄也・ライザーク「プークスクス。」

 

階段でバルサを転ばせた。雄也とライザークが密かに笑った。

 

 

 

 

 

 

国王の部屋では、国王の「トリストウィン・エルネス・ベルファスト」が、ベッドの上で苦しんでいる。妻のユエル、娘のユミナ、将軍のレオン、魔術師のシャルロッテが見守っている。

 

ユミナ「お父様・・・」

 

ユエル「あなた・・・」

 

レオン「陛下・・・」

 

するとそこに、雄也と冬夜とアルフレッドが入って来た。

 

アルフレッド「兄上!」

 

ユエル「アルフレッド様、その者達は・・・?」

 

アルフレッド「話は後で。冬夜殿頼む。」

 

冬夜「はい。」

 

そして、国王の応急処置を始める。

 

冬夜「リカバリー!」

 

リカバリーを発動。

 

シャルロッテ「リカバリー!?如何なる状態異常をも回復させると言う失われた無属性魔法か!?」

 

トリストウィン「・・・ん?」

 

そして、国王の毒が取り除かれた。

 

ユエル「あなた!」

 

ユミナ「お父様!」

 

トリストウィン「・・・・・先程の苦しみが嘘のようだ。」

 

アルフレッド「良かった・・・」

 

雄也「ふぅ・・・」

 

トリストウィン「アルフレッド、その者達は?」

 

アルフレッド「エレンの目を治した望月冬夜殿です。彼なら兄上を救ってくれると思いお連れしました。そして彼は伊狩雄也殿です。望月冬夜殿の仲間です。」

 

トリストウィン「そうか。助かったぞ。礼を言う。」

 

冬夜「どうも・・・」

 

雄也「初めまして・・・」

 

ユミナ「望月冬夜様・・・」

 

レオン「良くぞ陛下を救ってくれた!気に入ったぞ!はははは!」

 

国王を助けた冬夜の肩を叩く。

 

冬夜「痛いですって・・・」

 

シャルロッテ「レオン将軍、その辺で。それにしてもリカバリーが使えるとは・・・実に興味深いですわね。」

 

冬夜「ええ!?」

 

シャルロッテ「私はシャルロッテ。宮廷直属の魔術師です。それで、他に使える属性魔法は何ですか?」

 

興味を持ったシャルロッテが冬夜を寄り詰める。

 

冬夜「えっと・・・まあ、色々と・・・」

 

シャルロッテ「色々?詳しくお話しをお伺いしたいものです。」

 

冬夜「ま、またの機会に・・・」

 

雄也「照れてる?冬夜照れてるのか?」

 

冬夜「照れてないって!」

 

ユミナ「あの!お父様を助けていただきありがとうございました!」

 

冬夜「いえ、気にしないで下さい。元気になられて良かったです。」

 

ユミナは、冬夜をジッと見詰めている。

 

冬夜「ん・・・?な、何でしょうか・・・?」

 

 

 

ユミナ「年下はお嫌いですか?」

 

 

 

冬夜「はい?」

 

雄也「まさかの急展開?」

 

トリストウィン「ミスミドが私を殺して何の得がある?私を邪魔に思う、別の者の犯行だ。」

 

アルフレッド「私もそう思いますが、証拠があっては・・・」

 

トリストウィン「証拠だと?」

 

レオン「はい。陛下が大使から贈られたワインを飲んだ直後に倒れられた現場を、多くの者が見ております。」

 

冬夜「ワインを飲んで倒れた・・・?成る程。」

 

雄也「・・・あ、大体分かった。」

 

トリストウィン「取り敢えず大使に会おう。呼んで来てくれ。」

 

レオン「はっ!」

 

 

 

 

 

 

その後大使が城にやって来た。

 

オリガ「オリガ・ストランド、参りましてございます。」

 

大使の正体は、雄也と冬夜がこの前会ったアルマの姉のオリガであった。

 

冬夜「アルマのお姉さん!?」

 

雄也「あれま久し振り!?」

 

オリガ「あ、あなた達は・・・!?」

 

トリストウィン「ほう。君達は大使と知り合いなのかね?」

 

雄也「以前、大使の迷子になった妹さんを助けた事があって、そこで知り合ったんです。」

 

冬夜「それより、王様が倒れた現場はその時のままですか?」

 

レオン「ん?あぁ。誰も触らぬようにしてある。」

 

冬夜「では、そこに連れて行ってもらえますか?雄也、手伝ってくれる?」

 

雄也「ああ。お安い御用だ。」

 

 

 

 

 

 

早速その現場へ招かれた。

 

ライザーク(豪華なご馳走があるな。)

 

雄也(パーティーの真っ最中だったのかもな。)

 

レオン「これが王が飲んだワインだ。」

 

トリストウィンが飲んだワインを見せた。

 

冬夜「ちょっと良いですか?サーチ、毒物!」

 

サーチの魔法を発動する。そして。

 

冬夜「大体分かりました。雄也。」

 

雄也「ああ。レオン将軍、国王陛下達をここに連れて来て下さい。」

 

レオン「ああ。」

 

雄也「それと、バルサ伯爵も追加で。」

 

 

 

 

 

 

全員を現場に呼んだ。

 

バルサ「一体何の用だ!こんな所に呼び出して!・・・っ!?へ、陛下!?」

 

トリストウィン「心配を掛けたようだな。」

 

バルサ「な、何よりでございます・・・」

 

元気になってるトリストウィンを見て驚きを隠せなかった。

 

シャルロッテ「それで冬夜さん、雄也さん、皆を集めてどうするつもりですか?」

 

雄也「では始めましょう。冬夜、やってくれ。」

 

冬夜「うん。・・・皆さんは、国王陛下が倒れた時、この現場に居合わせていた。間違いありませんね?」

 

シャルロッテ「確かに居ましたけど・・・」

 

冬夜「つまり・・・犯人はこの中に居ます!」

 

この中に犯人が居る。

 

冬夜(決まった~!一度言ってみたかったんだよなー!)

 

雄也(おい、何呑気に探偵気分を堪能してんだよ。)

 

アルフレッド「冬夜殿、どうかしたのかね?」

 

冬夜「あ!すみません・・・」

 

バルサ「何を今更・・・犯人なら此奴だ!」

 

隣に立ってるオリガを犯人だと決め付ける。

 

雄也「まぁ待って下さい伯爵。ここでオリガ大使を犯人と決めるのは早計です。」

 

冬夜「国王陛下がこの席でグラスに入ったワインを飲み倒れたのを、多くの人が見ていたんですよね?レオン将軍。」

 

レオン「ああ。間違いない。」

 

バルサ「つまり此奴が送ったワインに毒が入っていたと言う事だ!」

 

オリガ「毒など入っていない!」

 

雄也「オリガ大使の言う通り。最初から毒は入ってません。」

 

バルサ「じゃあ誰が毒を入れたんだ!」

 

冬夜「では、一から事件を検証してみたいと思います。」

 

ユミナ「検証?」

 

冬夜「はい。ここは事件が起きた時のままの状態になっています。」

 

雄也「その検証の為、毒の入っていないワインを用意。」

 

毒が無いワインを用意した。

 

雄也「俺と冬夜は酒が飲めないので、レオン将軍、1杯どうぞ。」

 

グラスにワインを注いで、レオンに渡す。

 

レオン「よく分からんが、いただこう。」

 

ワインを飲む。

 

レオン「うむ。良い味だ。」

 

冬夜「毒が入っていない事を確認していただいた所で、トレーに置かれていた国王の別のグラスに注ぎます。」

 

別のグラスにワインを注ぐ。

 

冬夜「国王陛下はまだ体調が優れないようですので、代役は・・・そうだ!バルサ伯爵にやっていただきましょう!」

 

バルサ「なっ!?いや・・・私は・・・」

 

冬夜「大丈夫、ワインに毒が入ってない事は確認済みですから。」

 

トリストウィン「伯爵どうした?」

 

バルサ「あぁいや・・・その・・・」

 

冬夜「王と言う大役に緊張されてるようですね〜。」

 

雄也「では、誰か飲ませてくれませんか?」

 

レオン「だったら、俺が飲ませてやるよ!」

 

バルサ「や、止めろ!」

 

ワインを無理矢理飲ませた。

 

バルサ「うわぁぁ!助けてくれ!毒が!毒が回る!死ぬ!」

 

雄也「大袈裟な猿芝居だなぁ。」

 

冬夜「バルサ伯爵、グラスの毒は拭き取ってありますよ。」

 

バルサ「・・・何!?」

 

冬夜「それで、何でグラスに毒が入ってるって思ったんです?」

 

アルフレッド「どう言う事だね?」

 

冬夜「つまり毒はオリガさんが送ったワインにではなく、国王陛下のグラスの中に塗られていたんです。」

 

アルフレッド「グラスに!?」

 

オリガ「卑劣な!」

 

冬夜「毒を検知する魔法で、それはすぐ分かりました。国王の使うグラス全てに毒を塗っていたようですね。」

 

雄也「そして毒が塗られたグラスにワインを入れると、塗られた毒が一気にワインの中に染み込んだって言う訳です。」

 

ユエル「何と恐ろしい・・・」

 

冬夜「呆気なかったですね。」

 

雄也「トリック解明。」

 

バルサ「っ!!」

 

ユミナ「素晴らしい・・・」

 

冬夜「ん?あ、あの・・・どうかしましたか・・・?」

 

ユミナ「聡明な方でもあるのですね。」

 

雄也「落ちたな。」

 

バルサ「捕まってたまるか!」

 

逃げようとしたが。

 

 

 

 

 

ライザーク「おっと!ここを通りたければ慰謝料を払え!」

 

 

 

 

 

目の前にライザークが塞いだ。

 

ライザーク「フフッ。」

 

バルサ「な、何だ此奴は!?」

 

雄也「俺の使い魔です。凄く頼りになる奴ですよ。」

 

バルサ「使い魔だと!?」

 

ライザーク「雄也!此奴をどうする?」

 

雄也「陛下に頼んで、牢獄にでもぶち込んでおこうか。」

 

バルサ「くそっ!!」

 

ライザークを払い除けて再び逃げ出す。

 

雄也「ライザーク!!」

 

ライザーク「どりゃああああ!!!」

 

強烈な尾鰭ビンタでバルサ伯爵を突き飛ばした。

 

バルサ「うわあああああああ!!!」

 

突き飛ばされたバルサ伯爵が壁にぶつかって気絶した。

 

ライザーク「ごちそうさん!」

 

こうしてバルサ伯爵が逮捕された。

 

 

 

 

 

 

トリストウィン「そなた達には大変世話になった。余の命を救ってくれた恩人に報いたいのだが・・・」

 

冬夜「どうかお気になさらず。僕達はたまたま公爵の所を訪ねただけですから。」

 

雄也「国王陛下、これからもお体を大事にして下さい。」

 

トリストウィン「ありがとう。」

 

すると、ユミナが立ち上がった。

 

ユミナ「お父様、お母様!私決めました!」

 

トリストウィン「どうしたユミナ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユミナ「こちらの望月冬夜様と結婚させていただきたく思います!」

 

 

 

 

 

 

 

 

雄也・冬夜「ブーーー!?」

 

突然の結婚宣言で冬夜と雄也が吹いた。

 

冬夜「は・・・はい・・・?」

 

雄也「何・・・だと・・・?」

 

ユミナ「望月冬夜様と結婚させていただきたいのです!お父様!」

 

トリストウィン「うむ。その理由を聞かせてもらって良いかな?」

 

ユミナ「冬夜様は周りの人を幸せにしてくれます。そのお人柄もとても好ましく、この人と一緒に人生を歩んでみたいと初めて思えたのです。」

 

雄也(まあ、あれだけのチート級の魔法を持ってるからな。でも大丈夫か?そう言っても国王陛下が反対するんじゃ・・・)

 

トリストウィン「そうか。お前がそう言うなら反対はしない。幸せになりなさい。」

 

ユミナ「っ!・・・はい!」

 

雄也・ライザーク「えーーー!?」

 

アルフレッド「これはめでたい!」

 

ユエル「今夜はお祝いね!」

 

冬夜「ちょ!ちょっと待ったー!!」

 

ユエル「あら、どうかなさった?」

 

冬夜「いやいやいや!納得するの早過ぎません!?何処の馬の骨とも分からん奴と!」

 

雄也「そうですよ!俺も冬夜と同じ馬の骨とも分からない奴ですよ!ここで即認めるなんて、もうちょっと考えてから認めて下さいよ!」

 

トリストウィン「その辺は間違いない。ユミナが認めたのだから君は悪人ではない。」

 

冬夜「何で言い切れるんですか!?」

 

雄也「何か理由があるんですか!?」

 

ユエル「ユミナはね、魔眼の持ち主なのよ。」

 

雄也「魔眼?」

 

トリストウィン「ユミナの魔眼は人の性質を見抜く看破の魔眼。だから大丈夫だ。」

 

雄也「はぁ・・・そうだユミナ、冬夜は良いとして、俺をどう思ってるの?」

 

ユミナ「あなたもお人柄も好ましい方です。」

 

雄也「良かった・・・嫌われてなかった・・・」

 

冬夜「大丈夫じゃないですって!そもそもユミナ姫は幾つです?」

 

トリストウィン「12だな。」

 

冬夜「12って、まだ結婚とかには早過ぎるんじゃ・・・」

 

トリストウィン「王家の者は大概15までには婚約して相手を決める。私も妻と婚約した時は14だったな。」

 

ユエル「ええ。婚約するには丁度良い時期ですわ。」

 

冬夜「・・・・・」

 

ユミナ「冬夜様は、私の事がお嫌いなんですか・・・?」

 

冬夜「いや、嫌いじゃ・・・ないです。」

 

ユミナ「でしたら問題ありませんね?」

 

冬夜「でも僕の国では男は18、女は16までは結婚出来ないんですよ!」

 

ユエル「冬夜さんはお幾つ?」

 

冬夜「もうすぐ16になります。」

 

雄也「俺は16です。」

 

トリストウィン「よし。では2年後までにユミナの事を知ってもらえれば問題は無い。」

 

冬夜「え?」

 

トリストウィン「2年間ユミナの事を知って、その上で結婚は考えられないと言うなら諦めよう。どうかね?」

 

冬(2年経った所でユミナ姫は14なんですけど・・・)

 

ユエル「決まりね!ユミナ2年で冬夜さんの心を射止めなさい。」

 

ユミナ「はい!お母様!」

 

冬夜(えぇ・・・)

 

ユミナ「これから宜しくお願いします!」

 

冬夜「は、ははは・・・」

 

雄也(急展開が来ちまったな。)

 

 

 

 

 

 

その後城にある部屋で、冬夜がベッドに俯せで寝転んでる。

 

冬夜(はぁ・・・悪い夢でも見ているようだ・・・)

 

ライザーク「元気出せよ。結婚なんてめでたいじゃねえか。」

 

冬夜「もう止めてくれよ・・・」

 

するとスマホに着信音が鳴った。

 

冬夜「もしもし。」

 

神様『冬夜君、婚約おめでとう!』

 

冬夜「何で知ってるんですか?」

 

神様「面白い事になっておるのう!」

 

冬夜「面白くないですよ・・・」

 

雄也「その声、神さんか?」

 

神様『おお!その声は雄也君かぁ!久し振りだのう!』

 

雄也「ああ久し振り。元気そうだな。」

 

冬夜『でも、大体この歳で結婚とか考えられませんよー・・・』

 

神様「固いのう。そっちの世界は一夫多妻が普通なんじゃから。どんどん嫁にしていけば良いんじゃよ!」

 

雄也「ワオ、ハーレム設定。」

 

冬夜「勝手な事言わないで下さいよ・・・」

 

神様『まぁとにかく応援しとるよ!君には幸せになってほしいからのう、ではまたな!』

 

冬夜「はぁ・・・一夫多妻制なんだ・・・」

 

雄也「そうなったら、色々大変だろうな。下手したらビッグダディになりそうだな。」

 

 

 

 

 

 

その後銀月に戻った。ユミナも一緒に。

 

八重「冬夜殿が結婚でござるか・・・」

 

ライザーク「まあな。」

 

リンゼ「ビックリですね・・・」

 

雄也「そのヤンデレみたいな目は何だ?」

 

エルゼ「ったく、何やってんのよ・・・」

 

冬夜「自分でも何が何だか・・・」

 

ユミナ「ユミナ・エルネア・ベルファストです。今日からこちらでお世話になります。」

 

八重「今日から一緒に暮らすでござるか?」

 

ユミナ「お父様の命なのです。」

 

エルゼ「お姫様なのに、大丈夫・・・なんですか?」

 

ユミナ「敬語はお止め下さい。世間知らずではありますが、足手まといにならないように頑張ります!まずはギルドに登録して依頼をこなせるようになりたいと思います。」

 

5人・ライザーク「えっ!?」

 

冬夜「ちょ!姫様!?ギルドで依頼を受けるって意味分かってる?」

 

ユミナ「分かっています!後、姫様も止めて下さい!ユミナと呼んで下さい。旦那様。」

 

4人・ライザーク「だ、旦那様・・・」

 

冬夜「だ、旦那様は止めて!」

 

ユミナ「では、ユミナっと。」

 

冬夜「では・・・ユミナ・・・」

 

ユミナ「はい!」

 

エルゼ「って言うか、ユミナが冬夜と結婚したら、次の王様って冬夜になるの?」

 

冬夜「僕が王様?ないないない、ありえないよ。」

 

ユミナ「私達の間に生まれた子が継ぐと言う方法もありますし・・・」

 

 

 

 

 

 

冬夜「6人揃って!」

 

5人・ライザーク「ん?」

 

冬夜「えっ!?」

 

 

 

 

 

 

 

その後ギルドのクエストで森の中を歩く。

 

冬夜「いきなりキングエイプ討伐って・・・」

 

ユミナ「私の実力を知ってもらうにはこれが一番かと思います。」

 

エルゼ「まっ、危なくなったら冬夜が守ってあげれば良いのよ。」

 

雄也「無理だったら俺もフォローしてやるから心配すんなって。」

 

冬夜「はぁ・・・」

 

ユミナ「これでも魔法と弓による射撃術を学んでおりました。そこそこ強いつもりですよ。では早速!闇よ来たれ。我が求むは誇り高き銀狼シルバーウルフ!」

 

リンゼ「これは、召喚魔法!」

 

魔法陣からシルバーウルフが出て来た。

 

ライザーク「おお!凄え!シルバーウルフだ!」

 

雄也「何か可愛い。」

 

ユミナ「じゃあ、皆お願いね。」

 

シルバーウルフが捜索開始する。

 

ユミナ「彼らが見付けてくれると思います。」

 

冬夜「へぇ。召喚魔法って便利なもんだな。」

 

ユミナ「私で良かったらお教えしますよ!」

 

冬夜「じゃあ、この依頼が終わったらお願いするよ。」

 

ユミナ「はい!」

 

ライザーク「良いな召喚魔法。俺と手合わせ出来るかもな。」

 

雄也「それ効率良いな。」

 

するとシルバーウルフの遠吠えが聞こえた。シルバーウルフが戻って来た。その後ろから数体のキングエイプが追い掛けて来た。

 

雄也「お!来たぞ!」

 

ライザーク「お客様をご案内しねえとな!」

 

シルバーウルフがジャンプして退却した。それをキングエイプが追い掛けると、落とし穴に嵌った。

 

冬夜「今だ!」

 

ユミナが弓矢を放ち、キングエイプに命中した。

 

 

 

八重「はっ!!」

 

刀でキングエイプを斬り裂いた。

 

 

 

リンゼ「炎よ来れ、渦巻く螺旋ファイヤーストーム!」

 

落とし穴に嵌ったキングエイプを燃やした。しかしまだ数体居る。

 

 

 

冬夜「スリップ!」

 

1体のキングエイプを滑らせた。その隙にユミナが弓矢を放った。

 

 

 

エルゼ「ブースト!!」

 

ブーストを解放して、キングエイプの顔面にパンチした。そしてシルバーウルフが噛み付いた。

 

 

 

別のキングエイプが雄也に襲い掛かるが、右を通り過ぎた。

 

雄也「バックハンド!」

 

しかし雄也が左を向いてキングエイプを睨む。

 

雄也「よっと!」

 

そしてギアレットハンターから釣り糸を射出して、キングエイプの口に引っ掛けた。

 

雄也「スピンローリング!」

 

回転してリールを巻く。キングエイプが引っ張られてる。

 

雄也「ライザーク!!」

 

ライザーク「おう!ライトニングシャワー!!」

 

キングエイプにライトニングシャワーをぶつけた。

 

 

 

そして別の2体のキングエイプが、リンゼとユミナに襲い掛かる。

 

ユミナ「雷よ来たれ、白蓮の雷槍サンダースピア!」

 

リンゼ「炎よ来たれ、紅蓮の炎槍ファイアースピア!」

 

雷と炎の槍をキングエイプに直撃させた。1体は痺れ、1体は燃やされた。

 

 

 

全てのキングエイプの討伐が完了した。

 

冬夜「ふぅ〜、終わったね。」

 

雄也「いやぁ〜面白かった。」

 

ユミナ「あの、どうでしたか?」

 

エルゼ「うん、実力的には問題ないわね。」

 

リンゼ「魔法も中々のものです!」

 

八重「後方支援は助かるでござるなぁ!」

 

冬夜「はぁ・・・ユミナが入ると女の子が4人に男2人か。」

 

雄也「確かに。」

 

エルゼ「何か問題でも?」

 

冬夜「3人共気が付いてないかも知れないけど、ギルドとかで目立つんだよ?それに対する僕と雄也への視線が痛い・・・」

 

八重「何ででござる?」

 

冬夜「そりゃやっかみも受けるよ。エルゼにリンゼ、八重も皆特に可愛いんだからさ。」

 

雄也「そうそう。俺達には可愛いお嬢ちゃん達が付いてんだよ〜。」

 

可愛いと言われたエルゼとリンゼと八重が真っ赤になった。

 

エルゼ「何言ってるのよ冬夜!雄也!冗談ばっかり!可愛いとか・・・」

 

ライザーク「チョロいな。」

 

するとユミナが冬夜の服を引っ張る。

 

ユミナ「冬夜さん!私は?私は可愛いですか?」

 

冬夜「可愛いと思うけど?」

 

ユミナ「えへへ。」

 

冬夜「?」

 

雄也(冬夜のあの反応、鈍いらしいな。)

 

クエストを終えてギルドへ帰る。

 

 

 

 

 

 

その後、銀月に戻って召喚魔法を教えてもらう。魔法陣から謎の生命体が現れた。

 

???『我を呼び出したのはお前か。』

 

冬夜「よし召喚出来た。」

 

雄也「禍々しいなこいつ。」

 

ユミナ「本番はここからです。召喚獣と契約して初めて成功です。」

 

???『我と契約だと?随分と舐められたものよなぁ。』

 

現れたのは、白い虎だった。

 

ライザーク「虎!?」

 

ユミナ「この威圧感、白い虎・・・まさか白帝!?」

 

冬夜「白帝って?」

 

ユミナ「召喚出来る最高クラスの獣・・・魔獣ではなく神獣です!」

 

雄也「神獣!?何たるチート!」

 

冬夜「っで、神獣との契約ってどうやって結ぶの?」

 

白帝『お前の魔力の質と量を見せてもらう。生半可な魔力では使い物にならんからな。』

 

冬夜「魔力?」

 

白帝『・・・奇妙だな・・・精霊、いやそれよりも高位の力を感じる・・・面白い。さぁ、我に触れて魔力を注ぎ込め。』

 

冬夜「よく分からないけど、触れれば良いの?」

 

頭に触れて、衝撃波を発動した。

 

白帝『これはなんだ・・・!』

 

ユミナ「凄い・・・!冬夜さん!」

 

冬夜「え?」

 

すると白帝が泡吹いて倒れた。

 

雄也「泡吹いたよ此奴・・・」

 

ライザーク「しょぼい神獣だなぁ・・・」

 

 

 

 

その後起き上がった。

 

白帝『望月冬夜殿。主に相応しきお方とお見受け致しました。どうか私と主従の契約を。』

 

冬夜「どうすれば良いの?」

 

白帝『私に名前を。それが契約の証になります。』

 

冬夜「名前かぁ・・・うーん・・・琥珀ってのはどうかな?」

 

白帝『琥珀?』

 

地面に琥珀と言う漢字を書いた。

 

冬夜「琥で虎、珀で白。そして横にあるのが王と言う意味なんだ。」

 

琥珀『王の横に立つ白き虎・・・まさに私に相応しい名前!』

 

雄也「おお気に入ったか。」

 

ユミナ「白帝と契約してしまうなんて・・・」

 

琥珀『少女よ。私はもう白帝ではない。琥珀と呼んでくれんか?』

 

ユミナ「あ、・・・はい!琥珀さん・・・」

 

琥珀『主よ。私が常にこちらに存在する事を許可していただきたい。』

 

冬夜「大きな虎が街中とか歩き回るのはちょっと・・・」

 

ライザーク「確かに、でかい奴が近くに居るとちょっと気不味いかもな。」

 

琥珀『ふむ・・・・』

 

すると琥珀が突然消えた。

 

 

 

 

琥珀「この姿なら目立たないと思いますが!」

 

 

 

 

子供の姿に変身したのだった。

 

雄也「ちっちぇ!!」

 

ライザーク「声まで変わったぞおい!」

 

琥珀を持ち上げる冬夜。

 

冬夜「た、確かに・・・」

 

琥珀を持ち上げる雄也。

 

雄也「うわ、もふもふしてる・・・」

 

するとユミナが琥珀を抱いた。

 

ユミナ「キャーー!可愛い!」

 

琥珀「ちょっこら離さんか!何なんだお主は!」

 

ユミナ「あ、私はユミナと言います!冬夜さんのお嫁さんです!」

 

琥珀「主の奥方!?」

 

冬夜「まだお嫁さんじゃないって・・・」

 

雄也「お嫁さん(仮)だ。」

 

冬夜「仮って・・・」

 

そこにエルゼ達が来た。

 

エルゼ「どうしたの?」

 

するとエルゼが琥珀を抱いた。

 

エルゼ「何よこの猫!」

 

琥珀「虎です!」

 

今度はリンゼが琥珀を抱いた。

 

リンゼ「モフモフですー!」

 

今度は八重が琥珀を抱いた。

 

八重「可愛過ぎる猫でござるよ!」

 

琥珀「虎なのー!主何とかして下さい!」

 

冬夜「耐えろ、その内収まる。」

 

琥珀「そんなあああああああ!!!」

 

雄也「一気に人気者になった琥珀。」

 

ライザーク「でも前の姿の方が強そうだったのにな〜。」

 

こうして冬夜は琥珀を召喚する事が出来、エルゼ達の人気者になったのであった。

 

「END」




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重;赤崎千夏
       ユミナ:高野麻里佳
        琥珀:甲斐田ゆき

     ライザーク:梅原裕一郎

    アルフレッド:楠大典
   トリストウィン:中田譲二
       ユエル:かかずゆみ
       オリガ:井上喜久子
       バルザ:石井康嗣
       レオン:安元洋貴
    シャルロッテ:桑原由気

        神様:立木文彦

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