異世界はガウストとともに。   作:naogran

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31話「製作者、そして剪定の儀式。」

レスティア王国へ訪れた雄也と冬夜。2人はヒルデガルドの家族に会いに行った。

 

レイド「父上の突拍子の無さは今更ですが、今回はまた極め付けですな。」

 

騎士王のレイド・ユナス・レスティア。ヒルデガルドの父。

 

レイド「まあ、ヒルダの結婚自体は何も反対はしませんよ。」

 

エステル「良かったわねヒルダ。幸せになるのですよ。」

 

王妃のエステル。ヒルデガルドの母。

 

ラインハルト「おめでとうヒルダ。公王陛下、妹を宜しくお願い致します。」

 

王子のラインハルト。ヒルデガルドの兄。

 

ヒルデガルド「父上・・・母上・・・兄上・・・私、必ず幸せになります!」

 

雄也「結婚は正式に認められたな。」

 

ライザーク「そうだな。」

 

ギャレン「で、じゃの。事を早急に進めたのは実は訳があってな。近々倅が王位をラインハルトに譲り、退位しようと思ってるのじゃ。が、その式典で使う宝剣に少し問題が起きての。」

 

冬夜「宝剣・・・ですか。」

 

ヒルデガルド「王家に古くから伝わる聖剣です。」

 

雄也「余程の代物なんだな。」

 

その宝剣を1人の騎士が持って来て見せた。

 

レイド「聖剣レスティア。国名を与えられた我が国の象徴とも言える剣です。」

 

聖剣レスティア。だが刃が折れている。

 

雄也「刃が折れてる・・・」

 

ギャレン「この聖剣レスティアは、余程の事が無い限り封印を解く事はない。王位継承の儀式や国を挙げての戦いの時とかじゃ、最近では3年前のヒルダの騎士叙勲式典で使われたのが最後じゃった。王位を譲る事を決めたその式典の準備の為に、久し振りに封印を解いてみたらこの有様だ。何故折れたのか判らぬ。判らぬが、これでは式典が行えぬ。」

 

レイド「最悪レスティアに似せた紛い物でやるしかないと残念に思っていた所、ヒルダから公王陛下と公爵の話を聞きまして。」

 

ギャレン「このような素晴らしい剣を自ら作る方ならば、レスティアの修復も出来るのではないか。そう思いブリュンヒルドへワシが出向いた訳じゃよ。まあそれも序でで、ワシの興味はお前さんにあったがの。ヒルダが夢中になる男がどれ程の者か見極めてやろうとな。」

 

ヒルデガルド「お、お祖父様!?」

 

雄也「成る程。本命はそっちって訳だったか。」

 

ラインハルト「ここ数ヶ月、口を開けば公王陛下の事ばかり。戴いた剣を眺めてはため息をつき、旅の商人や吟遊詩人にはブリュンヒルドの事を根掘り葉掘り聞いて一喜一憂。あんな姿を見ていれば僕だって気が付くよ。」

 

ヒルデガルド「あ、ああ兄上まで!?」

 

冬夜「ふむ・・・かなり古い物っぽいが・・・」

 

雄也「触っても?」

 

ギャレン「構わんよ。」

 

聖剣レスティアを持って見る。

 

雄也「・・・成る程。冬夜。」

 

今度は冬夜に持たせる。

 

冬夜(魔力の残滓を感じるな。)

 

雄也「これは何か特殊な付与効果があるとか?」

 

ギャレン「流石じゃの。確かに持つ者に回復の効果を与える力を持っておった。その剣を持っていると、多少の傷ならばすぐ治り、重症でも少しずつではあるが回復していくのじゃ。」

 

雄也(ヒーリング付与か。)

 

冬夜「しかしそれも失われていると。」

 

ギャレン「国一番の梶職人も匙を投げおった。まずこの剣の材質自体見た事が無いと行っておったしの。回復の効果も無くなり、もうどうしようもないかと思っておったんじゃが・・・」

 

雄也「ん?刃に刻まれてる文字があるけど、何だこれ?」

 

ギャレン「さあの。王家には何も伝わっとらん。古代パルテノ語のようじゃが。」

 

冬夜「じゃ、ちぃっと確認してみます。」

 

雄也「俺も解析しよう。」

 

ギアレットハンターで刻まれてる文字を解析する。

 

冬夜「リーディング/古代パルテノ語。」

 

解読魔法で文字を解析する。書かれてる文字は・・・

 

 

 

 

 

 

レジーナ・バビロン作。

 

 

 

 

 

 

冬夜「にゃろう・・・」

 

雄也「アイツか・・・」

 

ヒルデガルド「どうしました冬夜殿?雄也殿?」

 

冬夜「いや・・・この剣なんだけど・・・どうもフレームギアを作った人の作品らしいんだよね・・・」

 

レイド「何と・・・!!」

 

雄也「多分5000年以上は経っていると思う。魔力が枯渇してる可能性がある。封印が原因で、魔力を大気から吸収出来ず徐々に傷んだんじゃないかと思う。」

 

レイド「5000年?し、しかしこの剣は我が王家の始祖が使っていたもの。そんなに経っているとは思えんが・・・」

 

ライザーク「なぁ。レスティアが建国されたのは何年前だ?」

 

ラインハルト「約300年程前ですね。正確にはまだ291年ですけど。聖剣を手にし、その力でここらの争いを終わらせて、騎士王国を建国したと伝えられています。」

 

ライザーク(おい雄也。コイツは多分『蔵』からの落とし物だ。)

 

雄也(俺も思った。んで、落ちてる所を偶然始祖の騎士が拾ったって事か。)

 

冬夜「まあ、そこまで判れば直せますよ。問題無いです。前と同じ付与も付けられますし。」

 

聖剣レスティアをあっと言う間に修繕した。

 

冬夜「完成です。これで元通りですよ。」

 

レイド・ラインハルト「おお・・・!!」

 

レイド「ありがたい!これで式典も滞りなく進められる!」

 

ラインハルト「式典の場でヒルダの婚約発表もしましょう!」

 

レイド「感謝しますぞ!」

 

婚約者7人目、無事に決定した。

 

 

 

 

 

 

あれから数日後。ヒルデガルドが冬夜の婚約者となりブリュンヒルドに住む事になった。

 

ヒルデガルド「冬夜様!雄也様!」

 

何処かへ向かう冬夜と雄也を見掛けた。

 

ヒルデガルド「何処かへ行かれるのですか?」

 

冬夜「ちょっと冒険者ギルドまでね。ブリュンヒルド支部が出来たって言うから様子見に。」

 

ヒルデガルド「あの、付いて行っても良いですか・・・?」

 

冬夜「いいよ。一緒に行こう。」

 

 

 

 

冒険者ギルド・ブリュンヒルド支部。

 

受付嬢「いらっしゃいませ。初めての方ですか?」

 

雄也「いや、ちょいと見学に来た。」

 

冬夜「支部長は居るかな?」

 

2人がゴールドギルドカードを受付嬢に見せた。

 

受付嬢「ごっ・・・!公王陛下に公爵様・・・!?はわわ・・・!!しよっ、少々お待ち下さい!!」

 

 

 

 

支部長の部屋へ招かれた。

 

冬夜「あれ?レリシャさんが支部長なんですか?」

 

エルフのレリシャ。彼女がここブリュンヒルド支部の支部長を拝命している。

 

レリシャ「ええ。私がブリュンヒルドのギルド統括者となりました。」

 

雄也「こりゃまた、異例の出世だな。」

 

レリシャ「ギルドマスターは、それぞれ拠点になる支部を選べるのですが、私はまだ決めて無かったのです。ここが開設されると聞いて、これ幸いと乗り込んで来た訳です。」

 

雄也「我先にと名乗り出たって訳か。」

 

レリシャ「はい。それと公王陛下に於かれましては、そちらのレスティアの姫との婚約が成されたとか。おめでとうございます。」

 

冬夜「あー・・・ありがとうございます。」

 

ヒルデガルド「あっ、ありがとうございます!」

 

レリシャ「しかし、ユーロンの事件は参りました。あの国にあったギルドの殆どが壊滅。再建を進めてはいますが、かなり時間が掛かるでしょうね。」

 

ライザーク「そりゃあそうだよな。あのフレイズの襲来があったもんな。」

 

雄也「それで、フレイズの出現情報はあれから出てないのか?」

 

レリシャ「今の所、何処の支部からも報告はありませんね。フレイズの特性や弱点などは、ギルドを通じて情報共有されています。今後は下級種相手であれは、腕の立つ冒険者達で充分対抗出来るはず。このまま細かく注意していくしかないでしょうね。」

 

冬夜「ギルドの運営の方はどうですか?」

 

レリシャ「まあぼちぼちですね。問題は上級者向けの依頼が無いって事ですかね。それだけ平和って事なんでしょうけど。」

 

冬夜「まあここら辺は魔獣も出ないしな・・・」

 

雄也「とは言え、平和も俺達にとって必要なものだし。」

 

 

 

 

”ガシャン!!!”

 

 

 

 

突然、外から大きな音と声が聞こえた。

 

冬夜「何だ?」

 

レリシャ「冒険者同士の諍いでしょうね。」

 

雄也「一気に平和じゃなくなったな。」

 

窓から外を見る。

 

ヒルデガルド「むぅ。1人であんな大勢で恥ずかしく無いのでしょうか。」

 

ライザーク「余程自分達が弱いって証拠だろうな。しかも相手は女だぞ?大丈夫なのか?」

 

レリシャ「しかし実力ではあの女性の方が上のようですよ。ほら1人やられた。」

 

ヒルデガルド「しかし変わった格好をしてますね。あの人。」

 

レリシャ「あれは確か、大樹海に住む氏族の1つ、ラウリ族の民族衣装ですね。まさかこんな所で見るとは。」

 

冬夜(ん?ラウリ族?)

 

雄也(まさか・・・)

 

そのラウリ族の女の姿を見た雄也と冬夜が、急いでその場所へ向かった。

 

ヒルデガルド「冬夜様?」

 

ライザーク「おい雄也?どうした?」

 

 

 

 

ラウリ族の女が居る場所に到着した。

 

???「・・・見付けた!」

 

冬夜(あ、やっぱりあの子か。)

 

雄也(やっぱりパムだ。大樹海でフレイズに襲われてた所を助けたな。)

 

冬夜(え?あれ?共通語は喋れなかったハズじゃ・・・)

 

するとパムがいきなり冬夜に抱き付いた。

 

冬夜「ちょ!!」

 

ルナフィン「あれ?パムじゃん!久し振り!」

 

パム「おお!」

 

ギアレットハンターから出たルナフィンを見て、パムは喜んだ。

 

ヒルデガルド「ななな何やってるんですかぁ!?ちょっとあなた!冬夜様から離れなさい!」

 

パム「何だオマエ?コイツはパムのだ。パムはコイツの子を産むのだ。」

 

雄也「はえ!?」

 

ヒルデガルド「なっ!?な、な、な!?」

 

 

 

 

 

 

急いでエルゼ達を集めて、パムの言い分を聞かせた。

 

ユミナ「それは認められません。」

 

パム「何故だ?トウヤとパムの間に出来た子が女なら、我らの氏族で育てる。男ならオマエ達が育てれば良い。」

 

ユミナ「残念ですが、あなたに冬夜さんのお嫁さんになる資格はありません。お引き取りを。」

 

パム「嫁になる気は無い。子供だけ作れば良いのだ。」

 

雄也「勝手な要求だな。」

 

ライザーク「なぁ雄也。アイツ何なんだ?」

 

雄也「パムは大樹海に住むラウリ族の少女だ。フレイズに襲われた所を俺と冬夜とルナフィンが助けたんだ。」

 

ルナフィン「それでパム。君は冬夜に会う為に大樹海からここに来たの?」

 

パム「旅の途中で言葉も覚えたぞ。トウヤとの子なら樹海を統べる女王となろう。」

 

ユミナ「あなたが子供を産むのは勝手です。しかしそれが冬夜さんの子供であるなら話は別です。あなたは冬夜さんの幸せより氏族の繁栄を選ぶ。そんな人に冬夜さんの子供なんて産んで欲しくありません。」

 

リンゼ「・・・少なくとも、戦闘能力だけで子供を作ろうと言うのなら、他の強い人と子供を作れば良いじゃないですか?」

 

パム「そうはいかん。既にトウヤには『誓いの牙』を立てた。トウヤはパムのものだ。」

 

雄也「あ〜・・・あったな。」

 

 

 

 

嘗てフレイズに襲われた所を冬夜達に助けられたパム。助けて貰ったお礼に冬夜の首に噛み付いたのだ。

 

 

 

 

ヒルデガルド「勝手な事を!冬夜様はそんなものを認めてはいけません!!」

 

パム「・・・ならばユウヤ。パムはオマエの子を産む。」

 

そう言って牙を見せて雄也にジリジリ近付くが、雄也は動じない。

 

雄也「悪いが諦めてくれ。」

 

パム「何故だ?子を産むだけだぞ?」

 

雄也「俺、無精子症でな。」

 

パム「ムセイシショウ・・・?」

 

雄也「子供が産めない体って訳。」

 

パム「なっ・・・!?そんな・・・!」

 

八重「そもそも何で冬夜殿との子供を欲しがるのでござるか?」

 

雄也「何か理由があるんだろ?」

 

パム「・・・我々は戦闘氏族だ。だが他の氏族と違い、子を得る以外自分達から攻めるような事はしない。飽く迄自分達の集落を守る為に戦って来た。しかし近年、他の氏族からの襲撃が厳しくなって来ている。大樹海の中でその地位を保つ為には、もっと強い血が必要なのだ。『剪定の儀』を勝ち残る為にも。」

 

冬夜「せんていのぎ?」

 

雄也「何かの儀式か?」

 

パム「そうだ。剪定の儀とは大樹海に生きる氏族の戦い。10年に1度、氏族を代表する者達が戦い、そこで勝ち残った氏族が全ての氏族の頂点に立つ『樹王の氏族』となり、大樹海の掟を1つ定める事が出来るのだ。」

 

エルゼ「その掟って、どんなものでも許されるの?たとえば『何とか族は大樹海から出て行け』とか。」

 

パム「大神樹に認められればな。氏族の誇りを穢すものでなければ通る事が多い。」

 

スゥ「だいしんじゅ?」

 

パム「大樹海の守り神だ。全ての氏族に加護を与え、精霊の恵みを与えてくれる存在だ。」

 

雄也(精霊を崇めてる。ラミッシュと酷似してるな。)

 

冬夜(アレは怨念によって暴走してしまったけど、精霊は本来穏やかなものが多いんだっけ?)

 

パム「我々の氏族はもう70年も『剪定の儀』で負け続けている。他の氏族も新たな血を取り込み始めているのだ。このままではバルム族に我らラウリ族は滅ぼされてしまう。」

 

ユミナ「バルム族・・・大樹海に住む他の氏族ですか?」

 

パム「女は男に従うべきと言う氏族だ。他の氏族から女を攫い、子を産ませて、男なら戦士として育て、女なら母親と共に放逐する。」

 

冬夜(ラウリ族の男女逆転版かあ・・・)

 

雄也(穏やかじゃなぇ氏族だなぁ・・・)

 

パム「以前現れたあの魔物によって、ラウリ族は多大な被害を受けた。何時バルム族が攻めて来ても可笑しく無い。今回の『剪定の儀』はもう既に諦めた。バルム族が勝ち残り、『樹王の氏族』にならない事を祈るのだ。しかしその次の『剪定の儀』ではパムとトウヤの子が勝ち残り、我らラウリ族が『樹王の氏族』となるだろう。」

 

ルーシア「今回の『剪定の儀』とは何時なんですか?」

 

パム「ひと月後だ。」

 

 

 

 

剪定の儀。それは氏族同士が5人の勇者を戦わせる。1対1で試合をし、それぞれ勝った人数が多い方が決勝へ進める。だが運が悪ければ死ぬ事がある。

 

 

 

 

ユミナ「・・・・・・・」

 

ルーシア「ユミナさん?」

 

ユミナ「分かりました。では取引をしましょう。我々がラウリ族をこの度の『剪定の儀』で勝たせ『樹王の氏族』へと導きましょう。その代わりあなたには冬夜さんとの事を諦めて貰います。」

 

パム「・・・・勝てるのか?」

 

ユミナ「さあ。でもこのまま負けるのを待って10年後に賭けるより良いと思いますが。」

 

パム「・・・良いだろう。本当に勝てるのなら願っても無い。ダメならやはりトウヤとの間に子を生すまでだ。」

 

ユミナ「そのような事にはならないと思いますよ。これが1番の落とし所だと思います。皆さんも宜しいですか?」

 

他の皆もユミナの意見に賛成した。

 

冬夜(僕は正直反対したい気持ちもあるんだけど・・・皆に怪我して欲しくないし・・・けど反対するって言ったら・・・)

 

 

 

 

ユミナ『そんなにパムと子作りしたい訳ですか・・・そうですか・・・』

 

 

 

 

冬夜(って、言われるだろうな・・・)

 

雄也「なぁ、部外者の参加は『剪定の儀』のルールとしては問題ないのか?」

 

パム「お前達を一時的にラウリ族として迎えよう。氏族に受け入れられれば、誰でもその一族と認められ参加する事が出来る。まあ大樹海の外の人間を迎え入れた例は未だないが不可能ではない。」

 

八重「このメンバーだと、出場者は限られてくるでござるな。」

 

エルゼ「そうね。パムは氏族代表者として出るとして、残りは私、八重、ヒルダ、ルーってとこかしら。」

 

スゥ「なあユミナ姉様。1つ疑問なんじゃが・・・」

 

ユミナ「何ですか?」

 

スゥ「その『剪定の儀』とやらに戦わない妾達も行くのか?」

 

ユミナ「それはまあ、その時だけはラウリ族の者として応援位はしないと。それに何かあった場合代わりの者も必要かも知れませんし。」

 

スゥ「冬夜と雄也もか?」

 

ユミナ「それは1番の関係者ですし。やはり皆さんも応援して欲しいでしょうし。何かあった場合心強いですからね。」

 

冬夜(当事者なのに、一言も喋らない内に全部決まったけどな。)

 

スゥ「ううん・・・しかし冬夜と雄也は男じゃぞ?」

 

エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ・ルーシア・ヒルデガルド・パム「あ。」

 

リンゼ「・・・・・・女装ですかね?」

 

冬夜「断固反対する!!」

 

雄也「無茶な提案出すな!!!」

 

冬夜「取り敢えず僕はミラージュで外見だけ女性に見せ掛けるとして・・・」

 

リンゼ「触ったら気付かれるかも知れませんよ!?」

 

冬夜「そこは気を付けるから!勘弁して!んで、雄也はどうするの?」

 

雄也「俺は大樹海を空から監視する。何か現れた時に備えて。」

 

冬夜「分かった。後は翻訳の魔法も必要だな。1ヶ月後だっけ?」

 

パム「ああ。氏族の総数は凡そ240。3日程掛けて『樹王の氏族』が決まる。」

 

 

 

 

 

 

1ヶ月後。大樹海。

 

冬夜「でっかい樹だなあ・・・」

 

女装した冬夜。

 

冬夜「しかし、色んな氏族が居るんだな。」

 

周りには、他の氏族達が集まっている。

 

八重「これなら拙者達も目立たないので、ちょっと安心でござるが・・・」

 

ルーシア「冬夜様?あまり女性をジロジロ見ない方が宜しいかと。」

 

冬夜「っ・・・」

 

エルゼ「それで、あの切株の上で戦う訳?」

 

パム「そうだ。彼処は精霊の加護が働いていて、生命を奪うような攻撃は全て軽減される。例え真剣で首を斬り付けようとな。死ぬ程の攻撃だから、無論相手は気絶するが。後は倒れた衝撃や落下など他の理由で死ぬ場合はある。切株から出ると場外負けだ。」

 

エルゼ「魔法も使えないのよね?」

 

パム「ああ。それも無効化される。それとここでは小さな火でも使わない方が良いぞ。使うなら神樹域の外に出ろ。審判の氏族に睨まれる。3つの氏族に勝てば、今日の試合は終わりだ。それで明日への戦いへと進めるようになる。直に始まる。出場者以外はこの場から去れ。後は全て精霊の導きのままに。」

 

冬夜「じゃあ皆頑張って。無理はしないように。」

 

ヒルデガルド「お任せ下さい!」

 

パム「行くぞ。」

 

 

 

 

剪定の儀が始まった。冬夜、ユミナ、スゥは見物。

 

スゥ「何だかわくわくするのぅ!」

 

冬夜「1対1の対戦を5人全員分やる形式か。」

 

ユミナ「先に3勝したら、残りの2人は戦わないでも勝ちと言う事ですね。あ、ラウリ族の試合が始まるみたいですよ。」

 

冬夜「ここからだと見辛いな。ステージ上じゃなければ魔法は使えるよな。」

 

映像魔法で試合の様子を見る。第1試合はルーシア。

 

冬夜「1番手はルーか。」

 

ルーシアが難なく勝利した。

 

 

 

 

 

 

一方雄也は、ホバーボードで大樹海の上空を飛行している。

 

雄也「凄えデケェな・・・」

 

ライザーク「あれが大樹海さんか。見てるだけで神々しいな。」

 

ルナフィン「雄也。冬夜から伝言だよ。皆難なく3勝クリアしたって。」

 

雄也「当然の結果か。」

 

 

 

 

 

 

夕方の上空。雄也が肉を食べてる。ライザークとルナフィンもエサを食べてる。

 

雄也「アイツら、贅沢なキャンプしてるな。」

 

ルナフィン「だね。美女達に囲まれながら食べる料理は格別だろうね。」

 

ライザーク「何なら今から合流するか?女装して。」

 

雄也「俺に女装は性に合わない。」

 

ルナフィン「ん?雄也見て。他の氏族がラウリ族に絡んでるよ。」

 

雄也「どれどれ?」

 

ギアレットハンターでその様子を映す。

 

雄也「ほう。ガタイの良い男達。奴らが噂のパルム族か。」

 

ライザーク「何か、脳筋揃いで暑苦しそうだ。」

 

雄也「ん?何か言われて怒ってる。」

 

ライザーク「おっと今度は女装した冬夜に迫ってる。が、何か言われて怒って触ろうとしてる。」

 

パルム族の1人が冬夜に触ろうとしたが、冬夜のキックを受けた。

 

雄也・ライザーク・ルナフィン「おぉ!クリーンヒット!」

 

ルナフィン「あ、奴らそそくさと逃げてった。」

 

雄也「ガタイの良い癖に大した事ないみたいだな。」

 

 

 

 

 

 

その夜。皆が寝静まってる時間。すると冬夜が何かの気配を感じた。その気配を辿って行く。

 

 

 

 

気配が止まった場所に着いた。そこに雄也も来た。

 

雄也「冬夜?」

 

冬夜「雄也?何でここに?」

 

雄也「気配を感じたからな。お前もか?」

 

冬夜「同じだよ。僕の声が聞こえるか?」

 

???『あなた達は誰ですか?』

 

そこに光が現れ、人の姿へ変わった。

 

雄也「その姿・・・」

 

冬夜「精霊・・・だな?」

 

精霊「はい。私はこの大樹海を司る大樹の精霊。大神樹の化身でもあります。」

 

冬夜「やっぱりか。ラミッシュで戦った闇の精霊と気配が似てると思った。まああっちはもっとドロドロとして澱んでいたんだけど。」

 

精霊「戦った?闇の精霊と・・・?ではあの子を解放してくれたのはあなた達ですか?」

 

雄也「ぶっ飛ばして浄化して解放しただけだけどな。」

 

精霊「精霊は不滅の存在。やがて闇の精霊もまたこの世界に戻って来る事でしょう。それよりも・・・あなた達は誰ですか?あなたのその姿は見せ掛けの姿ですね?そして全身から僅かに漏れるその力は一体・・・」

 

雄也(この精霊、神力が見えるのか。)

 

冬夜「僕は望月冬夜。ここから北のブリュンヒルド公国で王様をやってる。」

 

雄也「俺は伊狩雄也。ブリュンヒルドの公爵だ。」

 

冬夜「ちょっと複雑な事情があって、変な体質になってるけど人間だよ。」

 

精霊「それは一体どう言う・・・?」

 

冬夜「うーん、どう説明したら良いかな・・・」

 

雄也「アイツを呼べば?」

 

冬夜「あ、そうか。ゲート!」

 

ゲートを展開。恋愛神の花恋を取り寄せた。

 

花恋「あいた!な、何なのよ!?あれ?冬夜君に雄也君なのよ?」

 

雄也「急に呼び出して悪いな。」

 

冬夜「花恋姉さん。神様みたいなピカーッっての出来る?」

 

花恋「ほえ?ピカーッ?神威解放の事?こう?」

 

全身を光らせた。

 

冬夜「おお。」

 

精霊が花恋に頭を下げた。

 

冬夜(精霊にも効くんだなあ。やっぱりこんな人でも神様の1人なんだな。)

 

花恋「・・・何か失礼な事を考えているのよ?」

 

冬夜「すいまひぇん・・・はにゃしてくらはい・・・ごみぇんなひゃい・・・」

 

左頬を引っ張られた。

 

精霊「では冬夜様は花恋様の・・・」

 

花恋「地上での弟なのよ。神力も世界神様から授けられたものなのよ。」

 

雄也(授けられてねぇだろ。元からあるだろそれ。)

 

花恋「それにしても『剪定の儀』?これってお祭りなのよ?」

 

精霊「初めは揉め事を解決する手段でしたが、私が加護を与え生命を守るようになりました。今では確かにお祭りですね。名誉と権利が絡みますが。」

 

花恋「確か大樹の精霊は、生命を育む特性を持っていたっけ。成る程。納得なのよ。面白そうだし、私もその『剪定の儀』を観に行くのよ!八重ちゃん達が出るなら応援もしないと!」

 

冬夜「え!?帰んないの!?」

 

雄也「義姉到来。」

 

花恋「人を無理矢理呼び出しておいて、その言い草はちょっとイラッとするのよ?」

 

冬夜「あだだだだだだだ!」

 

雄也「いででででででで!」

 

怒って冬夜と雄也の頬を引っ張る。

 

 

 

 

 

 

剪定の儀。2日目。

 

冬夜「今日の2回戦い、勝ち残った8氏族が明日の決勝日へと駒を進める訳か。正直に言って、ラウリ族の相手になりそうな氏族は今の所まだ見掛けないな。」

 

冬夜のチームの強さ順。強の上から八重、ヒルデガルド、エルゼ、パム、ルーシアの順になってる。

 

花恋「ほらほら八重ちゃんの試合が始まるのよ!応援するのよ!かっ飛ばせーッ!や・え・ちゃーん!」

 

冬夜「姉さん、野球じゃないんだから・・・」

 

 

 

 

その後も冬夜のチームが次々と圧勝。

 

 

 

 

冬夜「今日も順調だな。しかしなんだな・・・皆こんなに強かったっけ?そりゃ毎日のように訓練してたし、ギルド依頼とかもこなしてたけど。」

 

花恋「んん?ひょっとして・・・眷属化してるのよ?」

 

冬夜「眷属化?」

 

花恋「んー。神力ってのは、そのまま神の力なんだけど、冬夜君はまだ覚醒もしてないし、しないかも知れないのよ。そんでね、眷属化って言うのは神の加護を受ける事なのよ。冬夜君が家族のように思ってる人達に無意識に神力を分け与えているのよ。勿論それは雄也君にも力を分け与えている。微々たるものだけど、神の愛とでも言う所?そんな感じなのよ。大きく言えば、私達だって世界神様の眷属家族なのよ。」

 

冬夜「な、成る程・・・」

 

花恋「あの子達が神力に目覚める事はないと思うけど、何か特殊な力を身に付ける可能性はあるのよ。多分このまま行けば、確実に人類最強クラスの域に達するのよ。」

 

冬夜「そんなに!?」

 

花恋「神の愛を舐めたらいけないのよ?神に愛された存在ってのはそう言う事なのよ。因みに当然ながら、冬夜君に嫌われたら効果が無くなるのよ。」

 

冬夜「それは無いとは思うけどね。」

 

エルゼ達皆を冬夜は家族だと思ってる。守りたいと思う。それが眷属として力を与えているのかどうか不明。

 

花恋「と言っても、半神レベルだからそんなに・・・あ!んんーあれ?そう言う事かなのよ?むむう・・・ま、いいかなのよ。」

 

冬夜「1人で納得してないでちゃんと説明して下さいよ。」

 

花恋「あ〜、多分あの子達・・・冬夜君の眷属になってると同時に、私の眷属にもなってるのよ。」

 

冬夜「え?」

 

花恋「私は冬夜君の弟として、家族として捉えているのよ。そしてそのお嫁さんである彼女達も家族として見ているのよ。冬夜君程愛してないにしろね。」

 

冬夜(2人分の神の愛って訳か。)

 

リンゼ「・・・どうかしたんですか?」

 

冬夜「や。何でもないよ。」

 

花恋「冬夜君がリンゼちゃんを愛してる事を確認していたのよ。」

 

リンゼ「そ!そうです・・・か・・・わ、私も・・・あ、あい・・・愛してま・・・!」

 

花恋「あ〜可愛いのよー!ぎゅー!」

 

弟を勇気を出して愛しているリンゼを抱き締めた。

 

冬夜(成る程。確かに神の愛を受けている。)

 

ユミナ「冬夜さん、見て下さい。あれ。」

 

冬夜「ん?」

 

 

 

 

スキンヘッドの男が、相手の大剣を余裕で避けてる。相手がバテた瞬間に長棒を突いてダウンさせた。

 

 

 

 

冬夜「強いな。東方人っぽいけど、僕らと々で助っ人なのかな?ん?次の選手も助っ人みたいだ。あれは・・・」

 

角が生えた女性が登場した。

 

ユミナ「竜人族ですね。竜人族はミスミドの主要七種族の中でも最も数が少ない種族です。ですが、高い戦闘能力を持ち誇り高い武人の種族だとか。私も初めて見ます。」

 

 

 

 

竜人族の女性が、右手を突き出して相手選手に衝撃を与えた。

 

 

 

 

冬夜「今のは魔法・・・じゃないんだよな。発勁って奴か?こりゃあ簡単に勝ち抜ける訳でもないようだな。」

 

ユミナ「みたいですね。」

 

花恋「なあっ!?」

 

突然花恋が驚いて声を荒げた。

 

冬夜「何?花恋姉さん。変な声上げて・・・ん?あの人も他の国の助っ人か?」

 

 

 

 

マントを羽織ってる女性。相手選手の剣捌きに全く動じず剣で防ぎ続ける。相手選手は疲れ果てて降参した。

 

 

 

 

冬夜「何だありゃ・・・おいおい・・・全く動かないで勝っちゃったよ。」

 

花恋「んもー。何でこんな所に居るのよ、あの子は。」

 

冬夜「え?知り合い?」

 

花恋「冬夜君、ちょっと来るのよ。ユミナちゃん。冬夜君をちょっと借りるのよ。」

 

ユミナ「え?あ、はい。」

 

冬夜を連れて森の中へ。

 

 

 

 

森の中。先程の女性が待っていた。

 

女性「や。」

 

花恋「や。じゃないのよ!何であなたがここに居るのよ?」

 

女性「表向きは君の手伝い。本音は面白そうだったから。」

 

花恋「んも〜。」

 

冬夜「花恋姉さん・・・この人ってもしかして・・・」

 

花恋「ん。お仲間。剣神なのよ。」

 

冬夜「剣神!?」

 

女性の正体は、剣を司る神・剣神だった。

 

剣神「初めましてかな?ちょくちょく地上を覗いてたから。私はそんな感じはしないんだけどね。冬夜君。」

 

冬夜「はあ・・・初めまして。」

 

剣神「それと、彼は何処かな?」

 

冬夜「あ、雄也?ちょっと待ってて。」

 

上に向かって手を振る。雄也とライザークが降りて来た。

 

雄也「剣神か。新しい神様のお出ましだな。」

 

ライザーク「ふ〜ん。中々ボーイッシュな容姿だな。」

 

剣神「君が伊狩雄也君だね。そして相棒のライザーク。君達の活躍は充分拝見させて貰ったよ。冬夜君を助けにあの子達と幽霊屋敷へ赴いた出来事とか。」

 

雄也「あれま。それは光栄だね。」

 

剣神「それにしても恋愛神。花恋姉さんってのは何だい?」

 

花恋「地上では私は冬夜君のお姉さんなのよ。望月花恋。ふふん。いいでしょう?」

 

剣神「いいな〜。あ、じゃあ私もお姉さんで。」

 

花恋「ダメなのよ〜。お姉さんは私のポジションなのよー。」

 

剣神「良いじゃないか。あ!じゃあ2番目のお姉さんだから、君の妹って事でさ。頼むよ花恋姉さん。」

 

花恋「私が1番上のお姉さん?なのよ?」

 

剣神「うん。そう。私が妹。」

 

花恋「まあそれなら良いのよ!特別なのよ?」

 

剣神「やったね!と言う訳で、私もお姉さんだから宜しく!」

 

雄也「あれま。冬夜にもう1人姉が増えちゃったな。」

 

ライザーク「何だこの状況・・・」

 

 

 

 

リンゼ達を呼んだ。

 

リンゼ「冬夜さんの2番目のお姉さんですか!?」

 

花恋「そうなのよ。名前は望月諸刃。諸刃ちゃんなのよ。私の妹なのよ。」

 

諸刃「宜しく。」

 

剣神改め、望月諸刃(地上限定)。

 

リンゼ「ご挨拶が遅れました。私達は冬夜さんと婚約させて頂いた者で・・・」

 

諸刃「知ってるよ。君がユミナで、こっちの子がリンゼ。その子はスゥだね。」

 

ユミナ「私達の事をご存知で?」

 

諸刃「ああ。上からよく見て・・・」

 

雄也「実はな。花恋さんから手紙で教えて貰ったって。それでお前達の事を知ったって訳だ。」

 

スゥ「しかし何で冬夜の姉君がこんな所に居たのじゃ?」

 

諸刃「んー。ちょっと面白そうだったから、無理矢理参加してみたんだ。勝ち抜き戦じゃなかったから、チームとしては負けてしまったけどね。まあここに来たのは武者修行の為かな?」

 

ユミナ「ひょっとして、冬夜さんに剣を教えたのは諸刃お義姉様ですか?」

 

諸刃「あー・・・まあそんなとこだね。冬夜君のは色々自己流のも入ってるけど。」

 

花恋「剣の腕なら諸刃ちゃんに敵う相手なんか居ないのよ。世界一なのよ。」

 

スゥ「お。八重達の試合が始まるぞ!これに勝ったら明日の最終日に出場出来るのじゃろ?」

 

冬夜「何だかんだでパルム族も勝ち残ってるのな。」

 

ユミナ「昨日絡んで来た人達と違って、出場者は流石に強いみたいですよ。」

 

冬夜「おっと。あんな奴らより八重の試合を見ないと。」

 

雄也「俺も見たいな。」

 

ライザーク「おい。男のお前がラウリ族に紛れたらえらい事になるぞ。」

 

雄也「それもそうだな。こんな時は、縮小薬!」

 

取り出した縮小薬を飲んで小さくなり、柵の上に立つ。

 

雄也「ハンティングナビライザーで作ったオリジナルの薬だ。」

 

ライザーク「罠だけじゃなく私欲に使ってんなお前。」

 

八重の試合。すると諸刃が。

 

諸刃「八重の勝ちだね。」

 

雄也・冬夜「え?」

 

 

 

 

見切った八重が相手選手の斧を切断し、逆刃で相手選手を気絶させて勝利。

 

 

 

 

諸刃「八重のあの刀じゃ、斧のような破壊力がある武器とは切り結ぶ訳にはいかない。刀が破損する可能性があるからね。」

 

雄也「成る程。つまりこのまま攻撃しても斧で防がれるのも同じ。だから逆に斧を無効化するタイミングを狙ってたって事か。」

 

諸刃「流石雄也君。見事な洞察力だね。しかし防御さえもさせずに一気に抜き打ちを決めればもっと早く済んだのにね。あれはちょっと遊んでいたな。振り回す斧を切り落とせるか試したんだろう。そこら辺がまだまだかな。」

 

冬夜「お、おお・・・よく分からないが流石剣神。」

 

ライザーク「いずれ諸刃には、八重の稽古相手になるな。」

 

 

 

 

試合が続いていく。

 

 

 

 

雄也「ラウリ族がベスト8になった。これで最終日まで行けたな。」

 

冬夜「お。パルム族の試合だ。」

 

雄也「ん?何だあのフードの男。」

 

 

 

 

フードと仮面を被った男が、パルム族の選手を睨んで一瞬でダウンさせた。

 

 

 

 

ライザーク「おいおい!?何もせず終わったぞ!?」

 

諸刃「ふむ。毒か。」

 

冬夜「え!?」

 

雄也・ライザーク「毒!?」

 

諸刃「生命を奪う程のものではないな。精々手足の痺れ、体力消耗、軽い目眩と言った所か。どうやらステージ自体にも散布されているようだね。」

 

冬夜「毒の使用ってルール違反じゃないのか?」

 

諸刃「いや、魔法は禁じられているが、それ以外は特にない。氏族の誇りを穢す行為は禁止されているが微妙な所だね。獲物を毒で仕留める事などよくある狩猟法だし。」

 

ユミナ「負けてしまいましたねパルム族。」

 

冬夜「これでラウリ族の懸念は取り敢えず消えたって訳だ。」

 

雄也「しかしよ、あの毒は厄介だ。対抗手段を考えないとお前らが負けちまうぞ?」

 

冬夜「そうだね。明日当たるかも知れないからな。ん?お。」

 

竜人族が試合に勝った光景を目にした。

 

冬夜「あの氏族も明日の最終日に進んだか。明日からはちょっと大変かもな・・・」

 

 

 

 

次の対決は、冬夜VS諸刃。

 

冬夜「本当にやるの?」

 

諸刃「遠慮はいらないよ。掛かっておいで。あ、一応魔法は無しでね。」

 

冬夜「何で僕が相手?」

 

諸刃「だって他に居ないだろ?雄也君は男だから出場出来ないし。私の腕前を見たいとのリクエストだ。彼女達は明日大事な試合があるからね。」

 

冬夜(仕方無い。僕も少しは気になってたし、やらせて貰おうか。)

 

諸刃「すぐ終わらせたりはしないから、全力で掛かっておいで。」

 

冬夜「それじゃ、行かせて貰いますかねっと!!」

 

先手必勝を取ろうと冬夜が走り、諸刃に木刀を振り下ろす。。だが諸刃は軽々と避けた。

 

冬夜(こうなったら、全力で行かせて貰いましょう!!)

 

 

 

 

数分後。

 

冬夜「参りました・・・」

 

諸刃「いや、思ったより危なかったよ。ちょっと本気を出してしまったしね。しっかりと修行を積めば、私と同じ域に達するんじゃないかな?」

 

八重「2人の剣筋が殆ど見えなかったでござるよ・・・」

 

ヒルデガルド「わ、私も・・・す、凄いです2人共・・・」

 

諸刃「へぇ。()()って事は()()()見えたんだね。中々有望じゃないか2人共。その内2人共手取り足取り教えてあげるよ。しばらく冬夜君の所に世話になるつもりだから。」

 

ヒルデガルド「本当ですか!諸刃お義姉様!」

 

八重「義姉上!感謝するでござる!」

 

花恋「むぅ〜。諸刃ちゃんに義妹を2人取られたのよ・・・」

 

リンゼ「わ、私は花恋お姉さんの事尊敬してますよ?」

 

花恋「リンゼちゃ〜ん!良い子良い子!ぎゅーなのよ〜!」

 

自分を励ましてくれたリンゼを抱き締めた。

 

 

 

 

雄也「いやぁ〜。義姉義妹とも、仲が宜しい事。」

 

ライザーク「お前不貞腐れてるのか?」

 

雄也「いや、あーやって女同士がイチャイチャするのを見るとね〜。」

 

ライザーク「お前、百合に目覚めたのか?」

 

 

 

 

そんな中、竜人族の女性が冬夜を見ていた。

 

冬夜(あの人の目・・・ひょっとして魔眼持ち?はっ!)

 

何かに気付いた冬夜が、竜人族の女性の後ろの木の上にガンブレードのゴム弾を発射。ゴム弾は、木の上に居た男を撃ち落とした。

 

冬夜「あなたを狙っていたようです。見覚えは?」

 

竜人「・・・先程対戦した氏族の1人です。」

 

冬夜「逆恨みかぁ。」

 

竜人「助かりました。私はソニア・パラレムと申します。ルルシュ族に厄介になっております。」

 

男性「自分は蓮月と申します。ソニアさんの危ない所を助けて頂きありがとうございました。」

 

冬夜「僕は望月冬夜。ラウリ族の客人でして・・・ん?」

 

竜人族のソニアがずっと冬夜を見てる。

 

冬夜「あの・・・何か?」

 

ソニア「・・・こう言うのを聞くのはなんですけど、何故そんな女性の姿を?」

 

冬夜(あれ?ミラージュが効いてない?)

 

変装がバレてしまっていた。

 

ソニア「それに、向こうに小さくなってる男の人は一体?」

 

冬夜(え?雄也もバレてる?)

 

ソニア「あ、いやちょっと驚いてしまって・・・」

 

冬夜「ちょ、ちょちょっと待ってちょっと待って!これは幻でして女装ではなく・・・せ、説明します。あちらへ。(雄也、来てくれるか?)」

 

雄也(俺達を見破る逸材が居たとは驚きだ。すぐに行く。)

 

 

 

 

森の中へ移動し、経緯を話す。雄也も一旦人間サイズに戻って経緯を話す。

 

冬夜「・・・と言う経緯でして・・・」

 

雄也「にしても、冬夜の幻術が効かないのは、アンタのその魔眼のお陰かな?」

 

ソニア「はい。私の魔眼は幻術などを打ち消す力があります。」

 

冬夜「成る程・・・まあ大した事じゃないけど、黙っていてくれると助かる。」

 

雄也「勿論俺の情報を口外しないでくれると助かる。」

 

ソニア「では先程はこちらが助けて貰いましたから、これで貸し借り無しと言う事で。」

 

冬夜「取り敢えず明日、もし当たったらその時は宜しく。」

 

ソニア「お互い励みましょう。」

 

 

 

 

ソニアと蓮月と別れた後。

 

パム「ここに居たのか。」

 

雄也「ようパム。」

 

冬夜「パルム族も負けた訳だし、取り敢えず安心だな。」

 

パム「まあな。だが次の『剪定の儀』に備えて布石は打っておきたい。やはりトウヤの子が欲しい所だが・・・」

 

冬夜「優勝したらそれは無しだからな。」

 

パム「分かっている。ラウリ族は約束を違えない。」

 

雄也「追加の掟は、バルム族を僻地へ吹っ飛ばすのか?」

 

パム「うむ。それでも良いのだが、別の掟を作るのもありかと思っている。勿論ラウリ族の利益になるようなものが良いのだが・・・」

 

冬夜(女性の有利になる掟って事か?ラウリ族は男女平等に真っ向から反対してるからな・・・)

 

ライザーク「なあなあ。いっそ剪定の儀には、女性しか参加出来ないようにするとか?」

 

パム「馬鹿言え。暴動が起きるぞ。」

 

ライザーク「そうだよな。」

 

雄也「なら、今後の剪定の儀を男女別々にするとかはどうだ?」

 

パム「む?・・・それは悪くないかも知れない・・・男女別になれば、少なくとも女の部では我がラウリ族がかなり有利・・・」

 

冬夜「アリなのか?でもそれが成り立つなら、他の氏族は多分両方の部に出場して来るぞ?ラウリ族とバルム族は片方しか参加出来ないけど良いのか?」

 

パム「問題ない。と言うか望むところだ。これが成り立てば、他の氏族でも女を蔑ろにする事は出来なくなる訳だからな。」

 

冬夜「そう言う考え方もあるか。」

 

パム「これで他氏族の女達が自分の強さに目覚め、活かせる場を求めれば自然とラウリ族へと流れ着くかも知れない。それはラウリ族の強化にも繋がる・・・悪くない悪くないぞ・・・よし!氏族の皆にも提案してこよう!これは『剪定の儀』が大きく変わるかも知れん!」

 

急いで持ち場へ戻って行った。

 

精霊『悪い提案ではないかも知れません。』

 

雄也「ああ。俺の提案に賛同したみたいだ。」

 

精霊『これにより大樹海の女性の立場が良くなるかも知れませんし、ラウリ族のようにまで行くと、ちょっと行き過ぎな気もしますが、それも氏族の個性ですし。』

 

 

 

 

その夜。雄也と冬夜が森の中を巡回していると。

 

冬夜「ん?あれはさっきの・・・リベット族だったか?」

 

雄也「あのマスク、まるでショッカーの戦闘員みたいだな。」

 

冬夜「あ。毒対策、八重達に渡しておかないと。」

 

雄也「一応援軍も増員しておくか。」

 

 

 

 

 

 

剪定の儀・3日目。エルゼ、ヒルデガルド、八重は難なく圧勝。

 

花恋「余裕だったのよ。圧勝なのよ。」

 

諸刃「生憎と、あのレベルではエルゼ達には敵うはずがない。」

 

雄也(ここに来てますます強さに磨きが増してる。)

 

冬夜(・・・まさか花恋姉さんだけでなく、諸刃姉さんの眷属化も進んでいるんじゃなかろうな。)

 

ライザーク(ありえそうだ。)

 

冬夜(うーん・・・悪い事じゃないんだけどな。何か、こっちの都合に巻き込んでいるみたいで気が引ける・・・)

 

リンゼ「あ、冬夜さんあれ。」

 

冬夜「お。他のステージでも勝敗が着いたか。」

 

雄也「ベスト4に残った氏族は・・・女性上位のラウリ族。毒を操るリベット族。武術に長けるルルシュ族。剛腕のレムナ族。この4氏族だな。」

 

ユミナ「注意するとしたら、リベット族でしょうか?」

 

冬夜「んー。ソニアさんの所のルルシュ族もなあ。対戦相手次第じゃ、ギリギリかも知れないぞ。」

 

 

 

 

最初の対戦は、ラウリ族とルルシュ族。

 

冬夜「わ、最初の試合はソニアさん達とか〜。うーん、難しい所だなあ。」

 

 

 

 

審判「始め!」

 

最初の対決は、ルーシアVS蓮月。蓮月が先手を仕掛ける。

 

 

 

 

雄也「やはり蓮月の方が1枚上手みたいだな。ルーの動きを完全に見切ってる。」

 

ユミナ「ルーさん大丈夫でしょうか・・・?」

 

冬夜「なに、このまま終わる子じゃないよ。ほら。」

 

 

 

 

すかさずルーシアも連続攻撃で反撃に出る。

 

 

 

 

諸刃「へえ。あの動きは武闘士のものだね。エルゼから教わったのかな?」

 

 

 

 

蓮月「くっ!」

 

右手を突き出してルーシアの顔にヒットした。

 

ルーシア「うぐッ・・・!」

 

攻撃を受けて膝を着いた。

 

 

 

 

冬夜(あのハゲ!ウチのお姫様に何してくれやがりますか!!ハッ!いかんいかん、これは試合なんだからな。)

 

 

 

 

蓮月「哈ッ!!」

 

張り手を受けたルーシアが、ステージから落ちた。

 

審判「勝者!蓮月!!」

 

 

 

 

スゥ「ルー・・・負けてしまったのぅ。」

 

冬夜「勝負なんだから、こう言う事もあるさ。」

 

雄也「さてと、こうなると次は勝って欲しいものだ。」

 

ライザーク「エルゼVSソニア。武闘士同士の戦いか。」

 

雄也「こうなると、正直勝敗は読めないな。」

 

 

 

 

エルゼVSソニア。

 

審判「始め!」

 

その瞬間、エルゼとソニアの拳がお互いの顔に命中した。両者がニヤッと笑い、両者のラッシュが炸裂する。

 

 

 

 

ユミナ「2人共笑っていますね・・・」

 

雄也「楽しそうだな。」

 

冬夜「怖い・・・」

 

 

 

 

エルゼ「やあああああああッ!!」

 

ソニア「はあああああああッ!!」

 

両者の拳が激突した。

 

 

 

 

花恋「諸刃ちゃん、この試合はどう見るのよ?」

 

諸刃「さあ。剣の事ならまだしも『拳』となるとね。まあ今までの戦い方を見る限り、速さではエルゼ。力ではソニアみたいな感じだけど、そこまで差がある訳じゃない。ただソニアの方は隠し球を持っているからねぇ。」

 

雄也「さっきユミナを飛ばした発勁か。エルゼにはブーストがあるが、戦闘の時は魔法が使えないしな。」

 

 

 

 

ソニアが尻尾を振った。だがエルゼがガッチリ掴み。

 

エルゼ「だあっ!!」

 

そのままソニアを背負い投げ。

 

ソニア「ぐっ・・・!!」

 

背負い投げされたソニアだが、すぐ体勢を直して右手に力を込める。

 

 

 

 

冬夜「あ!マズい!」

 

 

 

 

ソニア「哈ッ!!」

 

発勁を受けたエルゼが後ろに飛ばされた。しかしエルゼが落ちる寸前に体勢を立て直して立ち上がる。

 

エルゼ「ハァッ・・・」

 

ソニアがエルゼに急接近してパンチを繰り出したが、エルゼがソニアのパンチを受け止め、そのまま後ろに倒れて巴投げ。

 

ソニア「く・・・!!」

 

体を捻って着地した。だが、エルゼが目の前に立っている。

 

エルゼ「やああああああああッ!!!」

 

力を込めた右パンチがソニアに命中。ソニアはステージから落ちた。

 

審判「勝者!エルゼ・シルエスカ!」

 

見事勝利を掴んだエルゼ。

 

 

 

 

続いて第3試合はパムが。そして第4試合の八重も見事勝利を収めた。

 

 

 

 

冬夜「皆お疲れ様。決勝進出だな。後1回勝てば終わりだ。頑張って。」

 

雄也「リベット族。アイツらが決勝相手だな。」

 

冬夜「じゃあこれ。フローラが作った解毒剤。」

 

解毒剤を彼女達に配った。

 

冬夜「ステージ上に散布される毒は出番が来るまでマスクで不正で。自分の試合が始まったらこれを口に含むんだ。舐めてる間10分程は保つから、1人3錠程持っておくと良い。」

 

 

 

 

決勝戦。第1試合は八重VSリベット族A。八重がマスクを外して、解毒剤を口に含んだ。

 

審判「始め!!」

 

先手として八重が急接近する。毒が効かない八重は一瞬でリベット族Aを倒した。

 

審判「勝者!九重八重!」

 

 

 

 

続くヒルデガルドVSリベット族B。

 

リベット族B「馬鹿な・・・何故毒が効かない!?」

 

解毒剤を飲んでるので当たり前。ヒルデガルドが木刀を一振り。

 

リベット族B「ぐわらばっ!!」

 

 

 

 

続くパムVSリベット族C。リベット族Cは毒が効かないパムに怖気付いてる。パムが斧を振り落として、リベット族Cの仮面を叩いてノックダウンさせた。

 

審判「勝者!パム!よって!今回の『樹王の氏族』はラウリ族に決定した!!」

 

こうして、ラウリ族が見事勝利を掴んだのだ。

 

 

 

 

冬夜「味気ない決勝だったけど、終わり良ければ全て良しだな。」

 

雄也「いやぁ〜良い見ものだったぜ。でもちょっと退屈だったな。」

 

すると雄也と冬夜が何かの気配を感じた。

 

冬夜「何だ?この気配・・・」

 

雄也「何か来る・・・」

 

その時、大樹海に地響きが起き、木が一瞬で枯れた。

 

雄也「何が起こったんだ!?」

 

リベット族D『ククッ・・・精霊の力我らが頂く・・・』

 

映像を見ると、他のリベット族が精霊の力を奪おうとしてる。

 

冬夜「な、何だあれは!?」

 

 

 

 

 

 

第樹海に巨大な無数のウッドゴーレムが出現した。

 

 

 

 

 

ユミナ「ウッドゴーレム・・・!!でもあれは大き過ぎます・・・巨獣化している?あんなに沢山・・・」

 

雄也「まさか、さっきの枯れた木はコイツらの養分を吸収されたのか?」

 

精霊『冬夜様!雄也様!』

 

光の姿をした大樹の精霊が現れた。

 

雄也「大樹の精霊!大丈夫か?」

 

精霊『はい!現在殆どの力を防御壁へ向けていますので、こんな姿で失礼します!冬夜様達の力で何とか氏族の皆をここから避難させていただけますでしょうか?アレの狙いは恐らく私・・・神樹を取り込む事だと思われます。精霊の力を吸収したウッドゴーレムを生み出そうとしているのでしょう。』

 

諸刃「ははん。精霊の宿る神樹をゴーレムと同化させ、その力を操ろうって事か。どうやら初めから仕込んでおいたらしいね。恐らく黒幕はリベット族だろう。優勝出来たら、神樹へ直接毒か何かを撒き弱らせた所で、ゴーレム化させるつもりだったのかも知れない。」

 

ライザーク「つまりあれか。ラウリ族に優勝を奪われちまったから、ヤケクソ状態って訳か。」

 

諸刃「その通りかもね。往生際と言うか頭の悪い奴らだ。」

 

冬夜(じゃあ昨日の夜に見たリベット族はこの仕込みをしてたのか。あの時潰しておくべきだったな。)

 

 

 

 

 

 

捕縛した他のリベット族達を尋問する。

 

雄也「さぁて答えて貰おうか。アイツらはお前らの可愛いペットか?」

 

リベット族A「・・・そうだ。我々が種の状態で持ち込んだウッドゴーレムだ。周りの木々の生命力を吸い取って巨獣化するように改良した。」

 

冬夜「改良だと?」

 

リベット族A「様々な毒を掛け合わせ長い時間を掛けて変質させたのだ。そしてあれは神樹をも取り込む事が出来る。精霊の力をも操れるのだ。その力を持って我がリベット族がこの大樹海の支配者となるのだ・・・ククッ・・・」

 

冬夜「諸刃姉さんとライザークの言ってた通りか。」

 

雄也「んじゃ、始めるとするかな?冬夜、アレを。」

 

冬夜「オーケー。ゲート!」

 

ゲートを展開しフレームギアを召喚。黒騎士(ナイトバロン)狩騎士(ハンター)

 

冬夜「新装備の実験に丁度良い。」

 

雄也「お前らが自慢するペットは代わりに俺達が手懐けてやるからそこで見物しとけ。」

 

ユミナ「冬夜さん。雄也さん。アレの排除を私達にもさせて貰えませんか?」

 

冬夜「え?黒騎士に乗るって事?」

 

ユミナ「はい。ユーロンの時も今回の試合も私達何もさせて貰えなかったので。」

 

冬夜「ああ確かに・・・魔法が使えない場面が多かったからね。(新装備ならユミナ達でも魔力を使って遠距離攻撃でフレイズを倒す事が出来る・・・訓練しとくに越した事はないか。)分かった。まあ僕もサポートするけど気を付けて。」

 

ゲートを展開し、青いフレームギア・青騎士を召喚した。

 

 

 

 

3人がそれぞれの機体に搭乗。雄也は狩騎士(ハンター)。ユミナは黒騎士。リンゼは青騎士。

 

雄也「じゃあ俺が率先するから、2人は援護を頼む。」

 

ユミナ「分かりました。」

 

リンゼ「はい。」

 

雄也「久し振りの出番だぜ、お前ら。」

 

ギアレットハンターをホルダーに装填し、狩騎士(ハンター)の全身にガウスト達を憑依させた。

 

リンゼ「・・・魔力同調。第一スロット解放。」

 

ユミナ「同じく第一スロット解放。フラガラッハ展開!」

 

雄也「全機!撃滅開始!」

 

試運転で倒させて貰います!

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重:赤崎千夏
      スゥシィ:山下七海
       リーン:上坂すみれ
       ユミナ:高野麻里佳
      ルーシア:高木美佑
    ヒルデガルド:芹澤優
         桜:久保田未夢
        琥珀:甲斐田ゆき

     ライザーク:梅原裕一郎

        精霊:竹達彩奈
        パム:徳井青空
       ソニア:諸星すみれ
        蓮月:山本彬
      レリシャ:小山百代
      ギャレン:緒方賢一
       レイド:飛田展男
      エステル:名塚佳織
    ラインハルト:今井文也

      望月諸刃:ファイルーズあい
      望月花恋:堀江由衣

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