異世界はガウストとともに。   作:naogran

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手紙を送って依頼完了した一行は王都の街を観光する。

エルゼ「ねえ、折角王都に来たんだし、帰る前に買い物しない?」

八重「良いでござるな。」

リンゼ「ええ。」

冬夜「ねえ、リフレットでは全然見なかったけど何て言う種族なの?」

リンゼ「亜人ですね。エルフやドワーフ、獣人族や妖精族など様々ですが・・・」

雄也「色々あるもんだな。王都の人達は。」

冬夜(亜人か・・・流石異世界。)

エルゼ「ねえねえ、どうしたんだろあの子。」

途中で一行が何かを見た。金髪の狐の少女がオドオドしていた。

冬夜「あの、どうかしましたか?」

狐の少女「ひゃっ!何でしゅか!?」

急に声を掛けられてびっくりして距離を置いた。

冬夜「あ、いえ・・・何か困ってる様子だったので・・・」

すると狐の少女が涙を流した。

雄也「え?泣いてるの?」

狐の少女「じ、実は連れの者と逸れてしまって・・・待ち合わせの場所は決めておいたんですけど、ここが何処かも分からなくて・・・」

冬夜「案内しますよ。」

狐の少女「え・・・?」

スマホを使ってマップを見た。







そして、目的の場所まで狐の少女を連れて行く。そこに、少女の姉の「オリガ」が居た。

狐の少女「お姉ちゃん!」

オリガ「アルマ!心配したのよ!」

再開した2人が抱き合う。

アルマ「ごめんなさい・・・」




オリガ「17歳です♪」

雄也・ライザーク「おいおい。」





オリガ「妹のアルマがお世話になりました。」

冬夜「いえいえ。会えて良かったです。それじゃあ。」

雄也「迷子になるんじゃねえぞ〜。」

アルマ「バイバーイ!」






2人と別れた後。

エルゼ「よし。じゃあ買い物しよ。」

冬夜「皆でぞろぞろ行くのも大変そうだし、2時間後に宿に集合でどうかな?」

エルゼ「そうね。」

八重「問題無いでござる。」

リンゼ「ええ。」

雄也「ほんじゃあ、ゆったり回りますか〜。」

ライザーク「ヒャッホー!」






2時間後の宿前。外は夕方になっていた。エルゼとリンゼと八重が雄也と冬夜を待っていた。

八重「冬夜殿に雄也殿遅いでござるな・・・」

エルゼ「迷子になってたりして。」

リンゼ「それはないと思うけど・・・」

そんな話をしていると。

エルゼ「やっと来た!遅ーい!」

やっと冬夜が戻って来た。

冬夜「ごめーん!時間過ぎてた!?」

スマホで時刻を確認する。現時刻は17時25分。

冬夜「25分も遅刻か・・・」

八重「時間も分かるのでござるか!」

冬夜「うん。僕の無属性魔法みたいなものだよ。」

エルゼ「それより冬夜、何よそのコート?」

何故か白いコートを着ている冬夜。

冬夜「え?ああこれ?これは自分が持ってる属性の魔法耐性が付くコートなんだって。逆に持っていない属性のダメージは倍加しちゃうんだけど・・・」

リンゼ「丸で冬夜さんのためのコートみたいですね。」

八重「良く似合ってるでござる!」

冬夜「え?・・・じ、じゃあ帰ろうか!リフレットへ!」

エルゼ「待って。雄也がまだ戻って来てないわよ。」

冬夜「え?本当だ。何処行ったんだろう・・・」

するとその時。



ライザーク「離せーーーーー!!!」




4人「ん?」

向こうから、ライザークの叫び声が聞こえた。

雄也「おい帰るぞ。駄々捏ねてる場合か。」

ライザーク「待ってくれーーーー!!!」

ギアレットハンターで引っ張られてるライザークが叫んでた。

雄也「ようお待たせ。遅くなって悪いな。」

リンゼ「ライザークさん、どうしたんですか?」

雄也「此奴、途中で見付けた妖精に一目惚れしてナンパしてデートしてたんだ。俺が何度も呼んだけど全然聞く耳持たなくてな。」

八重「使い魔も一目惚れするのでござるか?」

雄也「ま、まあな。その後その妖精の彼氏が来てライザークを捨ててデートしたんだ。ライザークは恋に未練があるって言って何度もその妖精の名前を叫んだが、もう魔法でどっか行っちゃってな。俺がライザークを強引に引っ張る。それで今に至る。」

ライザーク「おい頼むよ雄也!俺には恋に未練があんだよーーー!!」

雄也「だったら別の彼女でも探しとけ。」


3話「将棋盤、そして地下遺跡。」

ある日のギルド。外は雨が降ってる。ドランとバラルが将棋をやっていた。

 

冬夜「また将棋ですか?もう何日もやり続けてますよね。」

 

ドラン「雨続きで店も暇だしな・・・」

 

雄也「将棋がもう流行ってんのか。」

 

ミカ「どうせ頭を使うなら、店のやりくりで頭を使って欲しいわね。」

 

 

 

 

 

 

何故将棋があるのかと言うと。今から数日前に遡る。

 

冬夜(モデリング・・・鉱物や木製品の形状を作り替えるか・・・よし!)

 

目の前に切り株が置かれてあった。

 

冬夜『モデリング!』

 

魔法で切り株を将棋に変えた。

 

ドラン・ミカ『っ!?』

 

雄也『マジかよ!』

 

冬夜『テスト成功!』

 

ドラン『何だこれは!』

 

 

 

 

 

 

そして今に至る。

 

冬夜「バレルさんも仕事大丈夫なんですか?」

 

バラル「女房に任せてあるから問題ない。」

 

雄也「奥さんに任せて大丈夫か?」

 

バラル「それより冬夜さん、将棋盤なんだがもう1セット貰えないか?」

 

冬夜「え?」

 

バラル「頼むよ。ね?」

 

冬夜「別に良いですけど・・・」

 

バラル「ありがとー!」

 

ドラン「王手!」

 

バラル「な!?」

 

雄也「隙を突かれた。」

 

しかしバラルが銀将のコマを置いた。

 

ドラン「なっ!死に損ないめ!」

 

2人が睨み合う。

 

ミカ「もぉ!父さん達!」

 

ドラン「悪い!この1局だけだ!」

 

ミカ「全く・・・フンッ!」

 

雄也(ってか何故将棋なんだ?チェスにすればスッキリするのによ。)

 

ライザーク(雄也は古いんだな。)

 

雄也(どう言う意味だそれ。)

 

冬夜「そうだミカさん、他の皆は?」

 

ミカ「ああリンゼちゃんは部屋に居ると思うけど、エルゼちゃんは八重ちゃんとパレントの新作のお菓子を買いに出掛けたよ。冬夜君が考えてあげたんだって?」

 

冬夜「そうですけど・・・この雨の中を?」

 

雄也「かなりの大雨だぞ。」

 

エルゼ「ただいまー!」

 

雄也「帰って来た。」

 

エルゼ「濡れた〜・・・」

 

八重「ただいまでござる。」

 

ミカ「おかえり。買えた?」

 

エルゼ「ばっちり!雨で人が少なかったから助かったわ。」

 

八重「美味かったでござる!」

 

冬夜「食べても来たんだ・・・」

 

雄也「どんだけ食いしん坊だよ八重は・・・」

 

 

 

 

 

 

エルゼ「はいこれミカさんの分。」

 

ミカ「ありがとー!」

 

エルゼ「1つはリンゼのでしょ。もう1つは私達ので。残りの1つは、公爵様に届けてくれる?」

 

冬夜「ん?僕が?」

 

エルゼ「お世話になった相手にお裾分け。常識でしょ?」

 

冬夜「ならエルゼも一緒に行った方が・・・」

 

エルゼ「恐れ多いわ・・・」

 

雄也「だったら、俺も一緒に届けに行くわ。」

 

冬夜「あ、ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

仕方無く、公爵家へ行ってお菓子を届けに行った。

 

スゥ「美味ーい!これウマっ!」

 

新作のお菓子のロールケーキを頬張る。

 

エレン「はしたないですよスゥ!でも本当に美味しいわ。このロールケーキと言うの?」

 

雄也「はい。」

 

アルフレッド「これを何時でも食べれるとはリフレットの人達は羨ましいな。ゲートが使えれば毎日買いに行くんだが・・・」

 

冬夜「宜しければレシピと作り方を屋敷の料理人に教えますよ。」

 

雄也「ナイスアイディアだ冬夜。」

 

スゥ「母上!これから毎日食べられるのじゃ!」

 

エレン「もうスゥったら。一日置きにしておきなさい。」

 

冬夜(一日置きでも食べ過ぎな気が・・・)

 

そしてアルフレッドが、将棋をじっくり見ている。

 

アルフレッド「冬夜殿、これが将棋と言うものかね?」

 

冬夜「はい。王を先に取った方が勝ちになるゲームなんですが、やってみますか?」

 

アルフレッド「うぬ、是非とも。」

 

雄也「やんのかい。」

 

スゥ「妾もやってみたーい!」

 

アルフレッド「まあ待ちなさい。まずは私からだ。」

 

早速冬夜と将棋をする。

 

アルフレッド「成る程。敵の駒を奪えば軍を再生出来る訳だな・・・」

 

冬夜「はい。それが将棋と言うゲームの奥深さと言うか・・・」

 

雄也(公爵様、物覚えがお早いですね・・・)

 

スゥ「父上!何時になったら妾にやらせてくれるのだ!」

 

アルフレッド「もう少しだ・・・その間外で遊んでくると良い。」

 

スゥ「外は雨じゃ!」

 

雄也「スゥ。」

 

スゥ「何じゃ!」

 

雄也「お遊び相手ならここに居るぞ。」

 

ライザーク「・・・え!?俺!?」

 

雄也「しばらくの間、俺の使い魔のライザークと遊んで良いぞ。」

 

ライザーク「おい何勝手に決めてんだよ!」

 

スゥ「わーい!妾と遊ぼー!」

 

尾鰭を掴んでブンブン振り回す。

 

ライザーク「ぎゃあああああああああ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

そして時間があっと言う間に過ぎて夜になり、雨が止んだ。スゥがソファの上でぐっすり寝ている。

 

アルフレッド「これは面白いな!兄上様にも是非やらせてみたい!もう1局、もう1局だけやろう!」

 

 

 

 

 

 

そしてやっと将棋から解放された冬夜。

 

冬夜「はあ・・・将棋が夢に出そう・・・もうさせません・・・」

 

雄也「お疲れさん。帰って休め。」

 

ライザーク「おい雄也・・・俺の体がもうボロボロだ・・・」

 

雄也「おう。スゥの遊び人ご苦労さん。」

 

ライザーク「こんのヤローーー!!!!勝手に俺をスゥのおもちゃにしやがって!!!お陰で俺の自慢の尾鰭がダウン寸前だぞ!!!!」

 

雄也「そう怒んなよ。ギアレットハンターの中に大量の高級エサがあるから食っとけ。」

 

ライザーク「マジで!?イヤッホー!!」

 

超ご機嫌になってギアレットハンターの中に帰って行った。

 

 

 

 

 

 

翌朝。王都にあるギルド。

 

八重「ほぉ〜。ここが王都のギルドでござるか。」

 

ライザーク「相変わらず凄えな王都は。」

 

リンゼ「依頼の数も多いです。来てみて正解でしたね。」

 

雄也「クエストが数百枚あるな。これ全部クリア出来たら凄えだろうな〜。」

 

エルゼ「冬夜、将棋ばっかやってて体鈍ってないでしょうね?」

 

冬夜「好きでやってた訳じゃ・・・って言うかこの依頼。」

 

1枚のクエストを選んだ。

 

雄也「お?何か面白そうなクエスト見付けたか?」

 

冬夜「メガスライム討伐ってこっちでも受けられるんだ〜。」

 

雄也「ブッ!」

 

3人「それはダメッ!」

 

八重「ヌルヌルネバネバは嫌でござる!」

 

エルゼ・リンゼ「うんうん!」

 

冬夜「やっぱりダメなんだ・・・」

 

 

 

 

スライムに弄ばれてる3人を想像する。

 

 

 

 

エルゼ「何考えてたの?」

 

冬夜「な、何も・・・」

 

雄也「お?おおお!面白そうなクエスト見付けたぜ!」

 

エルゼ「またスライムだったら承知しないわよ!」

 

雄也「違えよ。これ面白そうじゃね?」

 

デュラハン討伐のクエストを選んだ。

 

 

 

 

 

 

出現場所の遺跡。

 

冬夜「八重!そっちに行ったぞ!」

 

八重「承知!」

 

デュラハンを発見して、八重が追い掛ける。八重とデュラハンが鍔競り合う。

 

エルゼ「てりゃあああ!!!」

 

横からエルゼがパンチする。そして怯んでる隙にキックで飛ばした。

 

冬夜「エルゼ!一角狼の方は!?」

 

エルゼ「何とか片付けた!ったく、20匹ちょっと居たわよ・・・」

 

八重「っ!?エルゼ殿!避けて!!」

 

しかしデュラハンが再び襲い掛かった。八重がデュラハンの首を弾いた。

 

雄也「元気だなデュラハン!」

 

冬夜「リンゼ!氷の魔法で彼奴の足を止めてくれ!」

 

リンゼ「わ、分かりました!」

 

ライザーク「俺も加勢するぜリンゼ!」

 

リンゼ「はい!」

 

八重「それ!!」

 

デュラハンの首を投げたが、デュラハンがキャッチした。

 

エルゼ「てりゃあああ!!!」

 

後ろからエルゼがキックして飛ばした。デュラハンが再び起き上がろうとすると、ギアレットハンターの釣り糸に絡まれた。

 

雄也「おっと!そのままにしろよ!」

 

ライザーク「俺達からのお土産を受け取れ!」

 

リンゼ「氷よ絡め!氷結の呪縛!アイスバインド!」

 

ライザーク「ライトニングシャワー!!!」

 

アイスバインドとライトニングシャワーの同時攻撃でデュラハンの両足が凍結した。

 

冬夜「マルチプル、光よ穿て輝く聖槍シャイニングジャベリン!」

 

魔法陣から光の槍を一斉に放った。そして、デュラハンが一気に浄化された。討伐成功。

 

リンゼ「終わりましたね・・・」

 

八重「疲れたでござる・・・」

 

釣り糸がギアレットハンターに戻って来た。

 

雄也「ふぅ〜・・・」

 

 

 

 

 

 

デュラハンの討伐を終えて、遺跡で休憩を取る。

 

冬夜「昔の王都って言っても何も無いな・・・」

 

エルゼ「王の隠し財宝とかあったら面白いのにね。」

 

八重「いや、ただ遷都しただけでござるから宝が全て持って行ったでござるよ。」

 

エルゼ「分かってるわよ。言ってみただけ〜。」

 

すると雄也と冬夜が前を歩いた。雄也がギアレットハンターをハンターモードに変形させた。

 

冬夜「サーチ!財宝!」

 

すると冬夜がサーチの魔法を発動した。

 

エルゼ「サーチ使ったの?どうだった?」

 

冬夜「少なくともこの近くに財宝は無いね。雄也、そっちはどう?」

 

雄也「・・・いや、無えな。」

 

エルゼ「そっか、残念。」

 

リンゼ「でも冬夜さんと雄也さんが財宝と認識出来ないだけで貴重な物ならあるかもしれませんよ?」

 

ライザーク「お!一理あるな!」

 

冬夜「サーチ!歴史的遺物!」

 

再びサーチを発動した。周囲の遺跡や森、更に地下の空洞を隈なく探す。すると。

 

冬夜「引っ掛かった!」

 

雄也「嘘!?」

 

八重「ど、どっちでござるか?」

 

冬夜「あっちの方から感じる・・・大きいな。何だこれ?」

 

リンゼ「大きい!?」

 

 

 

 

 

 

感じた方へ歩く。エルゼ達に期待が高まる。

 

雄也「何だそのニタニタは?」

 

行く先には瓦礫があった。

 

冬夜「この瓦礫の下だ。でもこれどうすれば・・・」

 

雄也「ライザーク、行けるか?」

 

ライザーク「試してやるか!」

 

尾鰭で瓦礫を退かす。雄也もギアレットハンターで瓦礫を退かす。しかし、瓦礫がかなり多かった。

 

雄也「くっ!キリが無え・・・」

 

ライザーク「くそっ!瓦礫が多過ぎる。このままじゃ俺にダメージが増える・・・」

 

リンゼ「任せて下さい!」

 

前に出たリンゼ。

 

リンゼ「炎よ爆ぜよ!紅蓮の爆発エクスプロージョン!」

 

瓦礫にエクスプロージョンを放つと、瓦礫が爆発した。

 

リンゼ「片付きました!」

 

雄也「強烈過ぎ・・・」

 

冬夜「ちょっとやり過ぎじゃないですか、リンゼさん?」

 

リンゼ「はうっ・・・」

 

瓦礫の先にあったのは、扉だった。雄也と冬夜が扉を開ける。

 

冬夜「迷宮への入口・・・?」

 

雄也「地下へ通ずる階段か。」

 

 

 

 

 

 

リンゼ「光よ来たれ。小さき照明ライト!」

 

ライトの魔法を使って周囲を明るく照らして地下へ向かう。雄也はギアレットハンターを使って周囲を探知する。

 

リンゼ「気味の悪い所ですね・・・幽霊でも出そうな・・・」

 

八重「な、何を言ってるでござるかリンゼ殿!?まさか・・・幽霊など出る訳ないでござるよ!」

 

エルゼ「そうよ!居ないわよ!」

 

リンゼ「どうしました?」

 

冬夜「こう言う時はエルゼが後ろなんだね。」

 

ライザーク「へぇ〜、お姉ちゃんなのに幽霊が苦手とはね〜。」

 

エルゼ「う・・・うっさいわね!」

 

 

 

 

 

 

地下を進んで数分が経った。すると。

 

リンゼ「ん?」

 

冬夜「何だこれ?」

 

雄也「これは・・・」

 

目の前に文字が書かれた巨大な壁があった。

 

冬夜「リンゼ、何て書いてあるか読める?」

 

リンゼ「いえ全く分かりません。古代魔法言語・・・とかでもなさそうです。」

 

雄也「・・・此奴で調べようとしたがダメだった。」

 

冬夜「一応、写真に撮っておくか・・・」

 

雄也(お!スマホの出番か。)

 

”パシャッ”(フラッシュON)

 

エルゼ「うわっ!」

 

八重「何でござるか!?」

 

冬夜「あ、ごめん。」

 

八重「何だ・・・スマートフォンでござったか。」

 

スマホだと知ってホッとした。

 

冬夜(スマホにも大分慣れてきたみたいだな。)

 

 

 

 

その後も数枚撮る。何故かエルゼやリンゼと八重が見切ってる物もあった。

 

 

 

 

雄也「ダメだ・・・何も分かんねえ・・・」

 

エルゼ「ちょっと皆来て。ここ何か埋まってるわ。」

 

壁に埋まってる何かを発見したエルゼ。

 

リンゼ「これは土属性の魔石です。恐らく魔力を流すと何かの仕掛けが起動するのでしょう。」

 

冬夜「何かって罠とか?」

 

リンゼ「その可能性も無いとは言えませんけど・・・」

 

エルゼ「じゃあ冬夜、魔力を流してみて。」

 

冬夜「え!?僕なの!?」

 

エルゼ「だって土属性持ってるの冬夜だけでしょ?」

 

冬夜「まあ、仕方無いかぁ。」

 

次の瞬間、エルゼとリンゼと八重が一瞬で10メートル離れた。

 

冬夜「って何で皆離れるのさ!」

 

雄也「何時の間に!?」

 

エルゼ「まぁ一応・・・」

 

リンゼ「念の為・・・」

 

八重「同じくでござる・・・」

 

3人「あははは・・・」

 

ライザーク「どんだけ怖がりなんだよ・・・」

 

雄也「まあ、俺と一緒に居てやるからやってくれ。」

 

冬夜「うん。」

 

土属性の魔石に触れた。すると地震が起こった。

 

冬夜「っ!」

 

エルゼ「な、何!?」

 

更に壁が発光し、1部の壁が崩れた。

 

冬夜「随分と大掛かりなドアだな・・・」

 

雄也「お客様が入りまーす。なんつって。」

 

 

 

 

 

 

壁の向こうの道を歩く。

 

冬夜「あれ、何だろう?」

 

向こうに謎の石があった。

 

エルゼ「ほんと何なのこれ?」

 

雄也「でけえ石だな。」

 

八重「何かの像でござるか?」

 

謎の石を払うと、青いガラスが浮かんだ。冬夜がガラスの中を覗く。

 

冬夜「ガラス・・・?薄暗くてよく見えないな・・・」

 

ガラスの中には、1つの赤い玉が埋められてあった。

 

冬夜「ん?リンゼ、ライトの魔法ってこんなに持続時間短かったっけ?」

 

リンゼ「え?確かに私、光属性は苦手ですけど、それでも2時間くらいは持ちますよー。あれ?でも確かに光が弱くなっているような・・・」

 

冬夜「確実に弱くなってる・・・」

 

雄也「何かに干渉したのか?」

 

すると赤い玉が発光し始めた。

 

八重「と、冬夜殿!」

 

エルゼ「ライトの魔力がアレに吸収されてる!」

 

冬夜「え?まさか・・・生きてるのか?」

 

ライザーク「何だと!?」

 

突然赤い玉が強く発光し始めた。すると青いガラスから足が生えた。更に超音波を放った。全員が耳を塞ぐ。

 

冬夜「これは・・・!!」

 

超音波の影響で壁が崩れ始めた。

 

雄也「おい!壁が!!」

 

冬夜「マズイ!逃げるぞ!ゲート!」

 

ゲートを発動した。

 

冬夜「早く!」

 

急いでゲートを潜る。

 

 

 

 

 

 

地上へ脱出した。

 

エルゼ「一体何だったのあれ!」

 

八重「あんな魔物見た事ないでござるよ!」

 

ライザーク「何か気色悪かったな。」

 

冬夜「地下の広場が落盤したのか?」

 

すると地面から赤い光線が放射された。

 

冬夜「いや、まさか・・・」

 

次の瞬間、光線が巨大化して爆発が起こった。

 

雄也「っ!・・・ん?何!?」

 

 

 

 

 

 

地下に居たあの生物が這い上がって来た。

 

 

 

 

 

 

雄也「マジかよ・・・」

 

ライザーク「来るぞ!」

 

謎の生物が冬夜に向かって急接近した。冬夜はギリギリ回避した。

 

リンゼ「炎よ来たれ!赤き炎弾ファイアーアロー!」

 

ファイアーアローを放った。しかし、謎の生物がファイアーアローを吸収した。

 

リンゼ「魔法が吸収された・・・」

 

ライザーク「ライトニングシャワー!!!」

 

今度はライトニングシャワーを放った。しかしこれも吸収された。

 

ライザーク「何だと!?」

 

雄也「ライザークのライトニングシャワーも食っただと!?」

 

八重「それなら!」

 

今度は八重が急接近して、刀を振り下ろした。しかし、生物の硬度が固かった。

 

八重「ぐっ!何て硬さでござるか!」

 

エルゼ「こんのぉぉおおお!」

 

今度はエルゼがパンチ攻撃する。しかしこれも無効化だった。

 

エルゼ「どうしたら良いのよこれ!」

 

雄也「こうなったら、ライザーク!あの技行くぞ!」

 

ライザーク「あれか!よし行くぜ!」

 

雄也「アクセルアタック!!」

 

アクセルアタックを発動して、ライザークが強化ライトニングシャワーを放った。謎の生物に直撃した。

 

雄也「どうだ!」

 

ライザーク「っ!?」

 

 

 

 

しかし、これも無効化だった。強化ライトニングシャワーが吸収されてしまった。

 

 

 

 

雄也「マジかよ・・・」

 

冬夜「だったら、スリップ!」

 

スリップを発動すると、謎の生物が滑り始めた。

 

冬夜「よし!リンゼ!直接魔法を掛けるんじゃなく、間接的になら効果がある!」

 

リンゼ「成る程!分かりました!氷よ来たれ!大いなる氷塊アイスロック!」

 

雄也「アクセルアタック!」

 

ライザーク「ライトニングシャワー!」

 

強化ライトニングシャワーを上に向けて放った。するとリンゼの魔法でライトニングシャワーが一気に凍結した。アイスロックを謎の生物の真上に落とした。謎の生物の動きを封じた。

 

エルゼ「ブースト全開!!!」

 

ブーストを全開にして、謎の生物にキックを放った。謎の生物がバラバラに砕かれた。

 

冬夜「やった!」

 

雄也「・・・ん?待て!」

 

 

 

 

 

 

しかし謎の生物に埋められてる赤い玉が強く発光した。それと同時に足が再生した。

 

 

 

 

 

 

冬夜「嘘だろ!?」

 

エルゼ「再生した・・・!?」

 

するとその時、謎の生物の足が伸びて、エルゼの右胸に突き刺した。エルゼの胸から血が溢れ出た。

 

リンゼ「お姉ちゃん!!」

 

雄也「エルゼ!」

 

流血しながらも謎の生物の攻撃を避ける。その途中に地面が崩れ、エルゼが落ちた。

 

冬夜「八重!リンゼ!雄也!ライザーク!足止めを頼む!」

 

八重「分かったでござる!」

 

リンゼ「分かりました!」

 

雄也「任せろ!」

 

ライザーク「行くぜ!」

 

その隙に冬夜が、エルゼの方へ駆け付ける。

 

冬夜「回復魔法を!」

 

 

 

 

 

 

雄也達が謎の生物の足止めをする。八重が刀を振り下ろすが、固かった為無効化。リンゼがライトニングシャワーが凍結した巨大なアイスロックを落とした。

 

 

 

 

 

 

そして冬夜は、エルゼに回復魔法を掛けた。すぐに完治された。

 

エルゼ「ありがとう・・・もう大丈夫。」

 

冬夜「無理しない方が良い。魔法を吸収し異常に硬い強度。何か弱点はないのか・・・?」

 

エルゼ「再生するんじゃどうしようもないわ・・・」

 

冬夜「僕達の魔力を奪って再生するなんて丸で将棋みたいだ・・・」

 

すると冬夜の頭に何かが閃いた。

 

冬夜「(そうか王を取れば・・・!)エルゼ!ちょっと。」

 

 

 

 

 

 

その頃謎の生物はアイスロックを受けていた。

 

 

 

 

 

 

そして冬夜は、エルゼに作戦を話した。

 

エルゼ「え!?そんな事出来るの?」

 

冬夜「分からない。でも試してみる価値はある。」

 

エルゼ「・・・分かった!」

 

 

 

 

 

 

しかし謎の生物はすぐに再生した。

 

ライザーク「まだ生きてんのかよ!」

 

雄也「くそっ!どうすれば・・・」

 

そこに冬夜が前に立った。そして深呼吸して、ある魔法を掛けた。

 

 

 

 

 

冬夜「アポーツ!」

 

 

 

 

 

次の瞬間、謎の生物に埋められた赤い玉が消滅して、冬夜の手元に渡った。謎の生物は引っ繰り返って踠く

 

冬夜「エルゼェェ!」

 

赤い玉をエルゼに向けて投げた。

 

エルゼ「ブースト!!」

 

ブースト全開にして、赤い玉をパンチで砕いた。

 

冬夜「これでどうだ!」

 

すると謎の生物の動きが止まった。そして、砂のように跡形もなく溶けた。

 

雄也「よっしゃ!」

 

ライザーク「俺達の勝利だ!」

 

冬夜「ふぅ・・・」

 

リンゼ「終わったの・・・?」

 

冬夜「うん・・・多分。」

 

エルゼ「でも冬夜、よく気付いたわね。」

 

冬夜「彼奴を見付けた時に思い出したんだ。体が砕けたのに再生しただろ?赤い玉が核になっているんじゃないかって思って。」

 

雄也「成る程。流石だ。」

 

八重「冬夜殿は頭がキレるでござるな。これって、ギルドに報告した方が良いんでござるかな?」

 

リンゼ「ここが嘗ての王都と考えると、国の機関に知らせた方が良いのかと。」

 

エルゼ「そうだ!公爵様に話してみれば?」

 

 

 

 

 

 

王都に戻って、アルフレッドに今日の事を話した。

 

アルフレッド「そうか・・・旧王都にそんな遺跡が。」

 

冬夜「はい。」

 

アルフレッド「国の方から調査団を出し調べてみよう。無論その魔物もな。」

 

冬夜「あ、あぁ・・・でも地下遺跡の方は崩壊してしまったので・・・」

 

アルフレッド「そうか。」

 

冬夜「あ!でも壁画の写真ならありますよ。」

 

アルフレッド「写真?」

 

内ポケットからスマホを取り出して、壁画の写真を見せた。

 

冬夜「これです。」

 

アルフレッド「こ、これは何だね?」

 

冬夜「画像を記録出来る僕の無属性魔法です。」

 

雄也(無属性魔法のワードって便利だなぁ・・・)

 

アルフレッド「ほほう。相変わらず凄いな君は。」

 

冬夜「時間をいただければ書き写してお渡しします。」

 

アルフレッド「頼む。ひょっとして1000年前の遷都の謎が記されているかもしれないからな・・・」

 

冬夜「何で遷都されたのか分からないんですか?記録とかは?」

 

アルフレッド「残念ながら残ってないのだよ。」

 

冬夜「そうなんですか・・・」

 

アルフレッド「すまないが、この件に関しては力を貸してもらいたい。大丈夫かね?」

 

冬夜「はい、また戦う事があっても問題ないと思います。」

 

アルフレッド「それは心強い。」

 

 

 

 

 

 

そしてお屋敷を後にする。

 

雄也「あ〜疲れた〜。でも彼奴とバトルやってて面白かったな〜。」

 

エルゼ「とんでもない目に遭ったわね。」

 

リンゼ「お宝も手に入りませんでしたね。」

 

冬夜「財宝探しはまたやれば良いよ。さぁ帰ろ。」

 

八重「次は、明るい所が良いでござる。」

 

ライザーク「お?ここで本音が漏れたな。」

 

八重「っ!」

 

冬夜「ゲート!」

 

 

 

 

 

 

翌朝の銀月。冬夜が魔法を使っていた。

 

冬夜「ドローイングの魔法、結構使えるな。」

 

雄也「よう冬夜。おはようさん。」

 

冬夜「おはよう雄也。」

 

雄也「こんな朝早くから何処へ行くんだ?」

 

冬夜「うん。ちょっとね。」

 

 

 

 

 

 

その頃王都では、お屋敷の門番が扉を開けた。

 

門番「うわあっ!!」

 

突然何かを見て驚いた。ゲートから出て来た冬夜と雄也を見て驚いたのだった。

 

冬夜「すみません・・・」

 

雄也「公爵様は?」

 

するとそこに、馬車が通り過ぎた。

 

冬夜「あれ?お出掛けかな?」

 

すると馬車からアルフレッドが顔を出した。

 

雄也「公爵様!」

 

アルフレッド「おぉ、冬夜殿。雄也殿。このタイミングで冬夜殿と雄也殿が訪ねてくれるとは、恐らく神が君達を遣わせてくれたのだろう。」

 

雄也「そうかもしれませんね。」

 

冬夜「一体、何があったんです?」

 

雄也「こんな朝早く、何処へ?」

 

 

 

 

 

 

アルフレッド「兄上が毒を盛られた・・・」

 

冬夜「ええ!?」

 

雄也「毒!?」

 

 

 

 

 

 

一方城にある国王の部屋には、1人の少女が悲しげな顔をしていた。一体何があったのか。

 

「END」




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重;赤崎千夏
      スゥシィ:山下七海

     ライザーク:梅原裕一郎

    アルフレッド:楠大典
       エレン:矢野亜沙美
       オリガ:井上喜久子
       アルマ:井上ほの花
        ミカ:原紗友里

       ドラン:金光宣明
       バラル:堂坂晃三
     デュラハン:浦田わたる

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