異世界はガウストとともに。   作:naogran

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29話「再会、そして戦闘準備。」

ユーロン軍が撤退した後。

 

冬夜「思った通りすぐに来たな。ユーロンからの正式な抗議文。」

 

雄也「見せてくれ。」

 

抗議文を捲る。

 

冬夜「・・・長い。」

 

雄也「掛け軸かよ。」

 

高坂「まあ要約すると、『あの土地は元々我々の物だから、ただちにこちらへ引き渡せ』『これまでの迷惑料としてあの巨人兵《フレームギアの事》を何体かこちらへ寄越せ』でしょうかね。」

 

雄也「何とまぁ身勝手なお手紙です事。」

 

高坂「返事は何と返しますか?」

 

冬夜「武力には武力を。友好には友好を。力で抑えるのは好きじゃないけど、売られた喧嘩は買うよ。あくまで僕は、だけど。何ならユーロン一国と僕と雄也だけで喧嘩しても良い。」

 

雄也「何ならこっちはガウスト全放出するまでだな。」

 

高坂「本当に出来そうな所が笑えませんな。陛下と公爵は暴君でいらっしゃる。」

 

冬夜「暴君だってのは自覚してる。だからずっと言ってるじゃないか。高坂さんがこの国の王様になれば良いって。」

 

高坂「お断りですな。このまま陛下と公爵に付いて行けば、世界を征服出来るかも知れませんし。」

 

雄也「ちょいと物騒な言い方だな。でもする気はねえよ。」

 

高坂「する気はなくても、してしまう事はよくある事です。」

 

冬夜「ユーロンも大人しく引き下がってくれると助かるんだけどなぁ。」

 

”コンコン”

 

扉のノックが聞こえた。

 

雄也「ん?どうぞ。」

 

入って来たのは、椿だ。

 

椿「陛下。公爵。ユーロンの工作員を捕らえました。」

 

雄也「そうか。ご苦労。」

 

冬夜「仮面の奴?よく捕まえられたね。って言うか自白したの?」

 

椿「陛下の『パラライズ』程ではないですが、我々も協力な麻痺毒を持っています。それに・・・フローラ殿から特別な自白剤を貰いましたので。」

 

雄也「あんにゃろー、何渡してんだおい?」

 

椿「フレームギア奪取の為に様々な作戦が同時侵攻しているようです。陛下と公爵の暗殺から、奥方様達の拉致監禁、騎士団員の裏切り工作など。全てユーロン天帝の命令です。」

 

高坂「どうやら裏が取れたようですな。」

 

雄也「お偉いさん、洒落たお遊びしようとしてんな。」

 

冬夜「これって怒っても良い所だよね?」

 

高坂「まあそうですな。暗殺まで仕向けられているのですから。普通の国同士なら間違いなく戦争勃発です。しかし、戦争をする気は無いのでしょう?」

 

冬夜「戦争をすると、相手の国の民達も傷付くからね。それは避けたい。」

 

雄也「敵対しているのは一部の人間に限られてる。」

 

高坂「ではどうすると?」

 

雄也・冬夜「天帝に同じ事をしようと思う。」

 

椿「暗殺ですか?」

 

雄也「ノンノンノン。暗殺は除外。」

 

冬夜「こちらも同じ事が出来るって示してやるだけ。」

 

雄也「例えるなら・・・天帝が朝起きると枕元にナイフが突き立ってる。」

 

冬夜「他は、とても苦い液体を毒薬のように食事に混ぜるとか?」

 

雄也「あ!天帝以外の王宮の人間が忽然と消滅するってのも面白いな!」

 

高坂「よくもまあそんな嫌がらせが思い付きますな・・・まあそれは少し置いといてですな。まずは遺憾の意を示して書状を送ってみては?お前が黒幕だと知ってるぞと言う意味合いを暗に持たせて。」

 

冬夜「そんな事をしている内に僕と雄也が暗殺されたらどうするのさ。」

 

高坂「全く想像出来ませんな。」

 

雄也「あ、俺も思った。」

 

冬夜「じゃあそんな感じで書状を送っといて。この際多少キツめに書いても良いから・・・」

 

兵士「陛下!!公爵様!!」

 

そこに、1人の兵士が慌てて駆け込んだ。

 

高坂「騒がしい。どうしたと言うのだ。」

 

兵士「あ、す、すみません!あの、ユーロン側で可笑しな煙が幾つも立ち昇っているんです!ユーロン軍が攻めて来たのではないでしょうか!?」

 

 

 

 

 

 

城壁から立ち昇る煙を見る。

 

雄也「狼煙?もしくは山火事・・・じゃあなさそうだ。」

 

兵士「あれ・・・何ですかね?何かキラキラした物が沢山見える・・・」

 

冬夜「キラキラしたもの?」

 

雄也「・・・っ!まさか!!」

 

 

 

 

無数のフレイズが見えた。

 

 

 

 

雄也「フレイズ!?」

 

冬夜「全員フレームギアに搭乗!戦闘準備!攻撃に備えろ!」

 

雄也「このタイミングで来やがったのか!?」

 

 

 

 

 

 

飛翔してフレイズの大群の真上へ。

 

ライザーク「数が多いな。凡そ100体は居るな。」

 

冬夜「アポーつだと手の平に収まる分の核しか引き寄せられないから時間が掛かるな・・・土よ絡め!大地の呪縛!アースバインド!!」

 

アースバインドがフレイズ達を絡めた。だがフレイズ達は自らの足を切断し脱出した。

 

ルナフィン「うへぇ〜、自分の足を切断して抜けたよ!」

 

雄也「おまけに再生能力アリって、反則だろそれ!」

 

そこにフレームギアが到着した。

 

雄也「大型の奴を率先して討伐してくれ!俺と冬夜はチビ共を叩く!」

 

冬夜「再生能力を持っているが、身体の中にある核を砕けば倒せる!皆にも通信でそう伝えて!」

 

レイン『分かりました!!』

 

雄也「よし。」

 

ギアレットハンターからミスリルの釣り針を出し、冬夜がミスリルの剣を2刀握る。

 

冬夜「行くぞ!!」

 

ミスリルの剣で小型フレイズを討伐。

 

雄也「あーらよっと!!」

 

ミスリルの釣り針で小型フレイズを絡め、縦横無尽に振り回して周囲の小型フレイズ達を巻き込ませた。

 

ライザーク「ライトニングシャワー!!」

 

ルナフィン「シャイニングムーン!!」

 

クリスター「ダイナフレア!!」

 

ガルフレイム「フレイムバーン!!」

 

ガウスト達も必殺技でフレイズ達に対抗する。

 

 

 

 

下級種は多いが、中級手は10体。こちらはシュバリエが5機にナイトバロンとシャインカウントが1機ずつ。

 

 

 

 

フレームギア達は大型フレイズを次々と討伐。

 

雄也「成る程。フレイズは連携プレイは無理ゲー。ひたすら機械的に人間を狩猟するんだな。」

 

冬夜「横で仲間がピンチになっててもドローしたりしない。そこに漬け込む隙があるかな?」

 

雄也「冬夜、詮索は後回しだ。」

 

冬夜「そうだったな。下級種の掃討に集中しないとな。」

 

 

 

 

 

 

雄也「これでフィニッシュ!!」

 

小型フレイズを絡めた釣り糸を、最後の小型フレイズに叩き付けて掃討完了。

 

雄也「ふぃ〜、良い汗掻いた〜。」

 

冬夜「こちらの被害は・・・なさそうだな。装備の破損や機体の細かい傷はかなりあるけど。ロゼッタが泣くなぁ・・・」

 

レイン「陛下。公爵様。一体この魔物は何なのですか?」

 

雄也「フレイズだ。嘗て古代王国を滅亡に追い込んだ異界からの侵略者。フレームギアは元々奴らに対抗する為に開発された機体だ。」

 

冬夜「しかし、こんな大群は初めてだ。」

 

レイン「さっきの煙はこいつらがユーロンの村を襲っていたのでしょうか?」

 

冬夜「多分そうだろう。・・・っとマズいな。全員退却してくれ。完全に領土侵犯だ。ユーロンに何を言われるか分かったもんじゃない。」

 

急いでフレームギア達を退却させた。

 

冬夜「襲われた村はどの位あるんだろう。煙が立ち昇っている所を表示っと。」

 

スマホでマップを開く。

 

雄也「ん?」

 

同じくギアレットハンターでマップを開いた雄也が何かを見た。

 

雄也「おい冬夜、遠く離れた方まで煙が昇ってるぞ。」

 

冬夜「こっちでも確認した。これってまさか・・・検索。フレイズを表示。」

 

スマホ『了解。表示します。』

 

表示されたフレイズの数は・・・

 

スマホ『13169体です。』

 

冬夜「嘘だろ・・・!?」

 

雄也「さっきの100倍・・・!?何でこんなに・・・!?」

 

???「ああ。やっぱり冬夜と雄也だったのか。」

 

雄也・冬夜「エンデ・・・!!」

 

再びエンデと再会した。

 

エンデ「沢山のフレイズの音が消えたからさ。ちょっと気になって来てみたんだけど。そっか。2人が倒したんだね。凄いねこれ!冬夜が作ったの?ちょっと乗せて貰えないかな?」

 

フレームギアの興味津々。

 

冬夜「あ、いや、僕が作った訳じゃないんだけど・・・」

 

ライザーク「ちょいちょいちょい!お前何か知ってるのか!?この辺りでフレイズがうようよ湧いてんだ!」

 

エンデ「知ってるも何も・・・君達も知ってるだろ?結界が綻びたんだよ。」

 

ライザーク「んじゃあ、結界はもう役に立たねえのか!?」

 

エンデ「そんな事はないよ。今回のは、どっちかって言うとたまたまだね。偶然結界の緩んだ所にストンとフレイズ達が落ちたって感じかな?完全に結界が破れた訳じゃない。」

 

冬夜「って事は、今居る奴らを何とかすれば取り敢えず安心って事か。(何とか出来るか怪しいが・・・でもやるしかないよな。)」

 

雄也「エンデ。奴らを一気に倒せる方法はないか?」

 

エンデ「うーん。一気に倒すってのは無理なんじゃないかな?気を引く事位は出来るかも知れないけど。」

 

冬夜「どうやって?」

 

エンデ「『王』の声を聞かせてやれば良いのさ。」

 

冬夜「『王』の声?」

 

エンデ「フレイズの核はほんの僅かに音を出しているんだ。これは固有に違う音の波で、王の格もそれは例外じゃない。王の格はこの音を巧みに寄生者の心音の陰に隠してるけど。じゃあ、もしこの音を発する事が出来たとしたら?」

 

雄也「フレイズがそっちに集まる。」

 

エンデ「正解。」

 

ライザーク「だがそんな事簡単に出来るのか?」

 

エンデ「出来るよ。僕は王の共鳴音を封じた物を持っているからね。」

 

1枚の小さなパネルを出した。

 

エンデ「これは色んな物を収納・保存しておける僕の倉庫のようなものなんだ。大きい物から音のような物まで保存出来るんで便利でね。これを使えば、王の共鳴音が鳴り響き、フレイズ達はすぐそこを目指すだろう。」

 

冬夜「そんな物を持ってたのか。」

 

それを受け取ろうとしたが、エンデが取り上げた。

 

冬夜「あれ?くれるんじゃないの?」

 

エンデ「タダじゃあやれないなあ。」

 

雄也「ほほう、対価が欲しいのか。望みは何だ?」

 

エンデ「僕もあれが欲しい。」

 

フレームギアを指差した。

 

冬夜「ええー・・・?」

 

エンデがキラキラした目でこっちを見てる。

 

雄也「変な事に使ったら承知しねえぞ?」

 

エンデ「使わない使わない。信用してよ♪」

 

冬夜「(よく分からないが、エンデ自身はフレイズと敵対しているようだ。僕らの敵に回る事はないと思うけど・・・)何処かの国に売るとか、誰かにあげるとか盗まれるとかされると困るんだけど。」

 

エンデ「売らないしあげないし盗ませない。僕の愛機として大切にすると約束するからさ。頼むよ冬夜〜雄也〜。あ、何ならここらへんのフレイズを慣らし運転のついでに退治するよ?」

 

冬夜「簡単に操縦出来るような口ぶりだな・・・」

 

雄也(フレイズを倒してくれるのは助かる。)

 

冬夜(・・・仕方無い。手を打つか。)

 

2人は頷いた。

 

冬夜「ゲート!」

 

ゲートから赤色のフレームギアを出現させた。

 

雄也「高機動用フレームギアのドラグーンだ。」

 

エンデ「うはー赤いね!悪く無い!」

 

雄也「コイツのメリットは機動力重視のフレームギアだ。デメリットは装甲が薄く、機体自体のパワーも低い。」

 

冬夜(この機体は性能がピーキー過ぎて僕と雄也以外の乗り手が居なかったからな。とんでもなく扱い難かったし、この際だから押し付けてやろう。)

 

早速エンデがドラグーンに搭乗し起動した。

 

エンデ「動かし易いね!これ気に入ったよ!」

 

雄也「なら良かった!」

 

ライザーク「彼奴、天才肌か?もう乗りこなしてやがるぜ。」

 

エンデ「コイツ武器とかないの?」

 

冬夜「あー・・・そっか。用意してなかった。丁度良いや。材料はここに山程あるし作っちゃえ。」

 

フレイズの残骸を使い、ドラグーンの剣を作った。

 

エンデ「よし!じゃあ約束通りフレイズを退治して来るよ!」

 

ドラグーンで周辺のフレイズ討伐へ向かった。

 

冬夜「彼奴なら1人でもフレイズをそこそこ片付けてくれそうだな・・・っと、僕も急いでやる事やらないとな。まずは城に居る皆への説明からか。フレイズと言う存在について。世界の結界。フレームギアの作られた理由を・・・」

 

 

 

 

 

 

城に戻り、皆に色々説明した。

 

内藤「何つーか・・・話がでか過ぎるぜ・・・」

 

高坂「今はまずユーロンで行われている殺戮をどうするかです。陛下と公爵としてはユーロンの国民達を救いたいと?」

 

冬夜「出来れば・・・フレイズに対抗出来る手段を持っているのは今の所僕達だけなんだし・・・」

 

高坂「私は反対です。自国が襲われたのなら戦いましょう。しかし友好国でもない。どちらかと言えば敵対国。そこに乗り込んで行って命を懸けて戦い必要があるのでしょうか?」

 

雄也「気持ちは分かる。だがこのまま放って置くと他国にも甚大の被害が拡大する可能性がある。国がどうこうと言っている状況じゃない。それに今この時も次々と人が襲われている。救える力があるのに何もしないのか?」

 

高坂「公爵様のお優しいお心は素晴らしいと思います。しかし・・・」

 

山県「高坂よう。うちらの王様と公爵がそう言う奴だってのはワシらが1番知ってるだろ。だから敵だった武田さえも救ってくれたんじゃねぇのか?」

 

高坂「あの時とは立場が違う。一国を背負う者として。」

 

山県「そこが間違ってんだよ。コイツらが国を背負ってんじゃない。ワシらが勝手にコイツの背中に乗ったんだ。振り落とされたって文句は言わねえ。嫌なら降りれば良いだけだ。それ込みでこの国に来たんじゃねぇのか?」

 

高坂「・・・確かに。しかし、我が国だけで行動するのは望ましくないと思います。西方同盟の君主の方々にも事情を話し、我が国がこの事変に介入する事を宣言した方が良いでしょう。」

 

 

 

 

 

 

西方同盟が大会議場に集まった。

 

トリストウィン「成る程。フレイズか。そんな魔物が相手では、冬夜殿と雄也殿がフレームギアを作ったのも頷ける。」

 

冬夜(正確には僕達が作った訳じゃないけど・・・バビロンの事は話していないからな。)

 

リグ「ユーロンはどうなっている?」

 

雄也「今の所抵抗しているようだが、首都が陥落するのも時間の問題だな。」

 

冬夜「フレイズの目的は人間を殺す事です。この都中の人間を1人残らず皆殺しにするまでここから動く事はないでしょう。」

 

エリアス「何て事・・・」

 

クラウド「冬夜殿。そこのフレイズが少しずつ消えていっているみたいですが・・・?」

 

冬夜「え?(あ!エンデか!)」

 

今エンデがフレイズの大群と戦っている。

 

雄也「実は協力者が居る。そいつにフレームギアを提供した。」

 

冬夜「恐らくその者が戦っているのだと思います。」

 

リグ「成る程。フレームギアは充分対抗手段になり得ると言う事か。」

 

冬夜「ええ。その通りです。ブリュンヒルドはフレームギアを持って、これよりフレイズの殲滅戦を行います。つきましては、西方同盟各国にはこれを承認して戴きたい。」

 

ジャムカ「ちょ、待て!あれ全部相手にするってのか!?」

 

雄也「無謀な戦いだと思うのは分かってる。この国で乗りこなせる者を掻き集めても、100人にも満たない。だがコックピットには緊急脱出の為の転移魔法を用意してある。機体がたいはされた場合、搭乗者が特定の場所へ転移されるようプログラムされてる。無論、即死だった場合はどうしようもないが・・・」

 

冬夜「幸い機体だけは今まで量産して来たお陰でそれなりにあるので。大破したら次々と乗り換えて対処と言う形で・・・」

 

エリアス「冬夜様。雄也様。1つ質問が。このフレイズと言う魔物は、『あの方』にとっても敵でしょうか?」

 

雄也(神さんの事か。)

 

冬夜「・・・敵かどうかは分かりません。知らないと言ってました。」

 

雄也「だが、これにもまた『あの方』が干渉して来る事はないだろう。これは俺達人間の問題だからな。」

 

エリアス「分かりました。我がラミッシュ教国も、ブリュンヒルド公国と共に戦いましょう。幸い貸して戴いた『フレームユニット』で聖騎士団の何名かはそのフレームギアを動かせます。」

 

雄也・冬夜「え?」

 

ジャムカ「おっと。そう言う事ならミスミドも力を貸すぞ。こんな面白い事放って置けるかよ。」

 

トリストウィン「ベルファスト王国も勿論参加する。」

 

ゼフィルス「レグルスも同じく。」

 

リグ「リーフリースもだ。」

 

クラウド「り、リーニエもです!」

 

冬夜「あの、皆さん分かってます?危険な相手ですよ?何でわざわざ・・・」

 

トリストウィン「理由は幾つかある。まず1つ目に、これだけの打撃を受けたのでは、ユーロンは勢力を保てず諸外国に頼る事になるだろう。恩を売っておくに越した事はない。2つ目に、フレイズとの戦いを自国の騎士団に経験させておきたい。何時自分の国がユーロンと同じ目に遭うか分からないからな。3つ目はブリュンヒルド、と言うか冬夜殿と雄也殿を守る為だな。この国の技術や文化は素晴らしい。万が一、冬夜殿と雄也殿が死にでもしたら、それを学ぶ機会も失われ、国としては大きな損害となりかねん。まあそんな所か。」

 

冬夜「・・・成る程。では、協力して戴けると言う事で!」

 

雄也「それぞれの国に指揮官用のナイトバロンを2機。シュバリエを18機、計20機を貸す。搭乗者を選出しておいてくれ。」

 

冬夜「ブリュンヒルド側からは90機、西方同盟からは合計120機。全210機で事を臨みます。」

 

ジャムカ「10000対20・・・1機で50体近く倒さなくてはならない訳か。」

 

ゼフィルス「これだけだととても勝てそうに無いが、何か策はあるのかね?」

 

雄也「現在フレイズは、下級種と中級種が確認されてる。下級種は殆ど苦戦する事なく倒せるはず。」

 

冬夜「検索。中級種は何体居る?青い光で表示。」

 

スマホ『中級種は1035体です。』

 

雄也「約1割。」

 

リグ「1機で5体倒せば良い所まで下がったな。それなら何とかなるか?」

 

冬夜「それと1つ作戦があります。」

 

エンデから受け取った3枚のパネルを出した。

 

雄也「コイツを使ってフレイズ達を分断。3つの方向へ誘導する。」

 

冬夜「僕と雄也は戦場を飛び回り、その都度皆のカバーをして支援に回ろうと思います。戦況を見て、転移魔法を使い常に各戦場の戦力のバランスを取ったりですね。」

 

エリアス「では冬夜様と雄也様は今回フレームギアに乗らないと言う事ですか?」

 

トリストウィン「確かに。そんな芸当は冬夜殿と雄也殿じゃないと出来んが・・・」

 

冬夜「はい。僕らなら生身でも何とかフレイズとも渡り合えますし。」

 

トリストウィン「お2人にフレームギアって必要あるのか?」

 

雄也「ではこれにて会議は終了。1時間後までに準備を整えてくれ。」

 

 

 

 

 

 

1時間後。ブリュンヒルド城。雄也が騎士団に演説する。

 

雄也「良いか?よく聞け。これは訓練じゃない。実戦だ。無理だけはするな。自分の命を最優先に考えて戦え。危険だと判断したら即座に撤退しろ。名誉の戦死したら俺が一生許さない。全員無事に帰還してこそ誇りのある勝利だ。自分の力を家臣するな!敵の力を侮るな!少し臆病な位が丁度良い!1人で倒せないなら2人で倒せ!2人で倒せないなら3人で倒せ!正々堂々なんて騎士道精神は彼奴らには必要ない!」

 

騎士団「オオオオオーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

エルゼ達が待機してる冬夜の部屋へ戻った。

 

雄也「リンゼ、ユミナ、ルーは本陣で待機。怪我人が出た時などには対応してくれ。もしフレイズが現れた場合に備えてガルフレイムも着けておく。」

 

ルーシア「私も戦えますのに・・・」

 

冬夜「ルーは立場上レグルスの姫だからさ。レグルス騎士団の人達が自分の命よりルーの方を優先してしまうと困るんだ。」

 

雄也「エルゼと八重、騎士団長のレイン。この3人を別々の戦場へ配置する。」

 

冬夜「エルゼは珊瑚と黒曜。八重は琥珀。レインさんは紅玉と一緒に乗って貰って、戦局に何か動きがあれば念話で僕に報告して貰いたい。」

 

雄也「エルゼにはクリスター、八重にはルナフィン、レインにはジャックビリーを派遣する。」

 

ユミナ「冬夜さん。雄也さん。無理はしないで下さいね。」

 

冬夜「大丈夫。皆無事に戻って来るよ。」

 

雄也「そろそろ時間だ。行くぞ。」

 

 

 

 

 

 

そして遂に・・・

 

冬夜「さて、始めるか。」

 

雄也「パーティーの始まりだ!」

 

戦いが始まる。

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
       ユミナ:高野麻里佳
      ルーシア:高木美佑

     ライザーク:梅原裕一郎
     ルナフィン:村瀬歩
    ガルフレイム:前野智昭
     クリスター:石上静香

   トリストウィン:中田譲二
     ゼフィルス:高瀬右光
      ジャムカ:稲田徹
        リグ:梅津秀行
      エリアス:高島雅羅
        内藤:岸尾だいすけ
        山県:伊藤健太郎
         椿:小林ゆう

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