異世界はガウストとともに。   作:naogran

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28話「謎の集団、そして作業開始。」

巨獣を黒騎士(ナイトバロン)狩騎士(ハンター)で討伐した雄也と冬夜が格納庫へ帰投したのだが。

 

モニカ「黒騎士(ナイトバロン)の両腕にかなりガタが来てるな・・・」

 

冬夜「え?1回の戦闘でか?腕にダメージは受けなかったはずだけど。」

 

ロゼッタ「コイツは戦闘によるダメージではないのであります。『グラビティ』の使用・・・と言うより、マスターの魔法による負荷でありますよ。」

 

冬夜「え?」

 

雄也「グラビティの負荷で?」

 

モニカ「ぶっちゃけ言うと、魔力が強過ぎるな。マスターの魔力は純度が高いから増幅され過ぎちまうんだ。で、それに黒騎士(ナイトバロン)のパーツが耐えられない。」

 

雄也「だったら、俺の狩騎士(ハンター)もナイトバロンと同じ末路を?」

 

モニカ「狩騎士(ハンター)の方はガウスト達が防御を補っているから負荷が少ないな。」

 

冬夜「そんな・・・僕だけ全力で乗れないって事か?」

 

ロゼッタ「重騎士(シュバリエ)黒騎士(ナイトバロン)狩騎士(ハンター)も旧タイプのフレームギアでありますから・・・新型機なら改良されているハズでありますが。」

 

雄也・冬夜「新型機?」

 

モニカ「博士が設計だけはしておいた機体だな。接近戦用、遠距離支援用、高機動用とと何種類か機体ベースがあるんだ。それに多岐に渡る装甲と装備を追加し、個人レベルでカスタマイズが出来るんだぜ。しかもエーテルリキッドの交換不要って話だ。」

 

ライザーク「へぇ〜。それは便利だな。」

 

モニカ「ま、もっとも設計だけで1体も完成してねえけどな。」

 

冬夜「凄いじゃんか!自分に合わせた機体を作れるって事だろ?」

 

雄也「しかし1体も作らないとは勿体無い事するなぁ〜あの博士。でだ、設計図は何処にあるんだ?」

 

モニカ「『蔵』の中だな。」

 

冬夜「やっぱり。ドジっ子管理人の・・・無事だと良いけど。」

 

モニカ「取り敢えずマスターの黒騎士(ナイトバロン)はフレームギアでの魔法使用は禁止だな。」

 

ロゼッタ「そう何回も壊されたら堪らないであります。ただでさえ整備スタッフが2人しか居ないでありますのに。」

 

冬夜「むう、そう言われると・・・生産の方は『工房』が自動でやってくれてるが、修理するのは2人に頼るしかないからな。・・・あれ?だったら修理なんてしないで黒騎士(ナイトバロン)を初めっからもう1機作れば良いんじゃないか?」

 

ロゼッタ「・・・フレームギアを作る素材をもう1度初めっから突っ込めってか?随分と贅沢だな。」

 

冬夜「あ、いや。えーっと、この壊れた奴を『工房』に放り込めば・・・」

 

ロゼッタ「蓄積された折角の戦闘記録や操縦者との同調データがリセットされるでありますが?何時までも成長しないレベル1の機体で戦えるとお思いで?」

 

冬夜(あれ?何か地雷踏んだ?)

 

雄也(永遠にレベル1。それは苦しかないな。)

 

冬夜「で、データだけ抜いて新しく作った方に移し替えるとか・・・」

 

モニカ「その入力をやるのは俺達なんだぜ?毎回毎回壊れる度にそのデータを物凄い時間を掛けて新品に移し替えろってのか!?」

 

ロゼッタ「大体新品の機体とマッチングされるのにどれだけの手間が掛かるか分かってるでありますか!?調整やら接続やら魔力回路の復元まで全部やるんでありますよ?それをマスターが壊す度に全部小生らにやれと?言うだけなら気楽でありますなぁー!!」

 

雄也(こんなに激怒とは・・・)

 

冬夜「分かった・・・わざわざ壊れるような乗り方はしない・・・です。」

 

モニカ「同じ機体を使い続けていると、性能が上がっていくってのもあるが、後々新型機を作った時にも、その経験データは有効活用出来るんだぜ。」

 

雄也「だったら修理スタッフを増員した方が良いんじゃね?」

 

ロゼッタ「自動で修理をしてくれる自律ロボットがあるでありますが。」

 

冬夜「え!それがあれば問題解決じゃんか!で、それは何処に?」

 

ロゼッタ・モニカ「蔵!」

 

雄也「だろうな。」

 

冬夜「うぬう!」

 

 

 

 

 

 

格納庫を去ってブリュンヒルドへ帰国。

 

冬夜「あの博士、何でもかんでも『蔵』に保存し過ぎだろ・・・」

 

雄也「保存って言うか、面倒臭いだけだったとか?」

 

ライザーク「あり得るな。」

 

???「あれ?陛下と公爵様ではないですか!」

 

そこに、1人の女性が居た。

 

冬夜「えっと確か・・・ラクシェだっけ?」

 

雄也「植物人間の。」

 

ラクシェ「はい!騎士団所属アルラウネのラクシェです!今日は非番なんで、此方の畑のお手伝いをしようかと。」

 

雄也「そうか。何時もご苦労さん。」

 

冬夜「この国の生活はどう?慣れた?」

 

ラクシェ「はい!皆さん親切でよくして貰ってます。たまに旅人とかに怖がられる事があるけど、何て事ありません。」

 

ライザーク「ポジティブだな。」

 

雄也「ラクシェは魔族の国出身だったっけ?」

 

ラクシェ「はい。ゼノアスって国です。厳しい環境の国ですが、魔族だからへっちゃらです。この国は自然も豊かで素晴らしいです。思い切って騎士団に入って良かったと思います。」

 

冬夜「そう言って貰えると嬉しいよ。これからも力を貸して欲しい。」

 

雄也「困った事があったら、遠慮なく言ってくれ。」

 

ラクシェ「はい!」

 

 

 

 

建築中の家。木材を運ぶオーク族の男が居た。

 

冬夜(あ。彼も騎士団に入った魔族の・・・)

 

???「あ、陛下ぁ。公爵様ぁ。こんちはぁ。」

 

雄也「ようお疲れ。オーク族のザムザ。お前も非番か?」

 

ザムザ「はぁい。自分は人の三倍食べるもんでぇ。給金だけではきついって言ったら、内藤様がここの仕事を手伝えばいつも腹一杯食わせてくれるってぇ。」

 

雄也(まさに適材適所。良い判断だ。)

 

冬夜「頑張れよ。これは差し入れのイノシシ肉だ。」

 

イノシシ肉をザムザに提供した。

 

ザムザ「わぁあ!ありがとうございます!頑張りますだ!」

 

 

 

 

冬夜「彼はあの巨体だと、不便な所もあるだろうな。」

 

雄也「だな。店に入るのに苦労しそう。」

 

冬夜「でもあまり気にしていないみたいだけど・・・」

 

雄也「騎士団って色々ポジティブなのかな?」

 

 

 

 

 

 

数日後のブリュンヒルド公国。桜が黒曜と珊瑚と散歩していると。

 

黒曜「あら〜主だわぁ。」

 

桜「・・・王様。公爵。」

 

雄也「よう桜。気持ちの良い散歩日和だな。」

 

冬夜「こんな所で何してるの?」

 

黒曜「何時ものようにこの子のお散歩にお供してたんだけど、帰ろうとしたら、この子が急に立ち止まっちゃったのよぅ。」

 

桜「あれ・・・」

 

彼女が見てるのは、オーク族のザムザが人間と楽しく仕事をしている光景だった。

 

桜「彼は魔族・・・なのに誰も気にしてない。珍しい。」

 

冬夜「ああ、そう言う事か。」

 

雄也「この国はな差別がないんだ。魔族も人間も皆平等に暮らしてる。」

 

ライザーク「それにウチの騎士団にも彼を含めて5人程の魔族が配属してるからな。」

 

桜「・・・この国は変わっている。王様と公爵からして変わっているけれど。でも、とても良い国。国の皆が助け合って生きている。」

 

冬夜「自分自身を褒められた訳じゃないけど、何か嬉しいよ。」

 

雄也「まぁ実際ここは小さい国だし。互いに助け合わなければやっていけないし。」

 

冬夜「!?」

 

雄也「っ!」

 

珊瑚(主。)

 

ライザーク(雄也。)

 

冬夜(分かってる。)

 

雄也(皆まで言うな。)

 

冬夜(シールド!)

 

雄也(ロッドカウンタ!)

 

何処からか飛んで来た2本の矢が、冬夜のシールドで弾かれ、雄也のロッドカウンタで跳ね返された。

 

桜「ッ!?」

 

雄也「おい、かくれんぼは終わりだ!出て来い!」

 

黒いローブを身に纏った仮面の集団が地面から現れた。1人がナイフを取り出した。そのナイフに液体が塗られてる。

 

冬夜(毒でも塗られてるのか?コイツら、刺客か?)

 

仮面の男A「・・・巨人兵は何処だ?」

 

冬夜「巨人兵?フレームギアの事か?」

 

仮面の男A「質問に答えろ。」

 

雄也「生憎、今答えれねえんだわ。今口内炎が出来てるし。」

 

ライザーク(嘘吐け。)

 

冬夜「お前ら何処の国から来た?」

 

仮面の男A「・・・・・・」

 

何かを呟くと、木の上に立つ仮面の男が飛び降りて雄也達を襲う。

 

雄也「あらよっと。」

 

仮面の男B「ぐがっ!?」

 

ギアレットハンターの釣り糸で転ばせた。

 

雄也「さてさて、その暑苦しい覆面を脱がせてやるぜ。」

 

桜「ダメッ!!」

 

雄也「なぬ!?」

 

何かに気付いた桜が雄也を引っ張った。それと同時に仮面が転んだ仮面の男諸共自爆した。

 

冬夜「なっ・・・!」

 

雄也「自爆!?」

 

仮面の集団は姿を消した。

 

雄也「口封じプラス撤退か。」

 

 

 

 

 

 

先程起きた出来事を会議室で話した。

 

馬場「・・・んで、結局正体は分からず仕舞いか。」

 

山県「小僧に心当たりはねぇのか?」

 

雄也「見当も付かない。だが奴ら、フレームギアを狙っているらしいんだ。」

 

馬場「それじゃ全部の国が疑わしくなっちまうわなあ。」

 

山県「まあ兵器としちゃ間違いなく魅力的だからな。」

 

高坂「しかし西方同盟の国と言うのは可能性として低いでしょう。一部の権力者が暴走したと言う可能性もありますが、国ぐるみではないはずです。そんな事をすればどうなるか、分からない程愚かではありますまい。」

 

雄也「1つ疑問がある。奴らは”フレームギア”を”巨人兵”と呼んでいた。あまり関わり合いのない国の仕業かも知れない。」

 

椿「刺客は仮面を付けていたとの事でしたが・・・その仮面から何か分からないでしょうか?」

 

冬夜「う〜ん・・・仮面は跡形も無く爆破されてしまったからな。特徴は覚えてるんだけど・・・あ、そうだ。ドローイング。」

 

仮面の画像を出した。

 

冬夜「これがその仮面です。何か分かります?」

 

ノルン「今更だけど、陛下って便利よねぇ・・・」

 

椿「確証はありませんが・・・ユーロンの文化食が感じられます。確かあの国には『クラウ』と言う諜報部隊があると言う噂を聞いた事が。」

 

冬夜「ユーロン?」

 

雄也「天帝国ユーロン。天帝が治める国で、海を渡りイーシェンに何度か攻め込んだ事がある。この前歴史書で読んだ事がある。」

 

冬夜「結構遠い所から来てたんだな。まあ、まだ確証はないけど。」

 

高坂「兎に角、警備は強化しなければなりませんね。」

 

冬夜(彼奴らの目的がフレームギアだとしたら、絶対に手に入らないけどな。『城壁』を手に入れた今、上空のバビロンへの外部から直接の侵入は不可能になった。とは言え、周りの誰かが狙われる可能性も捨て切れない。黒幕を見付け出さないと。)

 

雄也(ただ1つ疑問がある。桜は何故あの仮面が爆発する事を知ってたんだ?記憶喪失の彼女は、もしやユーロンの諜報機関の人間かも。・・・いや、深く考えるのは止めだ。桜は悪い子じゃないはずだ。)

 

 

 

 

 

 

数日後。椿から一報が入った。

 

冬夜「ユーロンが戦争を始めた?」

 

椿「はい。隣国のハノック王国へ宣戦布告し、侵攻を開始しました。」

 

雄也「マップを見よう。」

 

ギアレットハンターからマップを開く。

 

雄也「ユーロン軍が赤で、ハノック軍が青表示。お、出来た。見た限りユーロンが優勢みたいだ。」

 

椿「どうもユーロンの方が何かと言い掛かりを付けて開戦を仕向けたように思われます。ハノックはここ数年新たな鉱脈が発見され、景気が上がっています。その資源目的なのではないかと。」

 

雄也「要はお宝探しか。随分規模のでかい泥棒だな。」

 

冬夜(侵略戦争か。ユーロンからしたら、まさにお宝の山って事なのかね。先日のフレームギアを襲った襲撃もこれが原因か?戦争に投入して圧倒的な力で相手を蹂躙しようと言う・・・)

 

ライザーク「俺達戦争は初めてだな。これってどうなるんだ?」

 

椿「軍事力から言うとユーロンの方が有利ですね。いかんせん数に差があり過ぎます。このまま戦争が進めば、やがてハノックは滅ぶかも知れません。」

 

冬夜「ハノックが滅べば、ユーロンがレグルスの隣まで来るのか。」

 

雄也「喜ばしくないお茶会になりそうだ。この前の集団がユーロンの犬だと決まった訳じゃねぇし。」

 

冬夜「ハノック王国ってレグルス帝国と付き合いがあるのかな?」

 

椿「同盟と言う程ではありませんが、友好国ではあったと思います。兵糧や武器などの援助位はするのではないでしょうか。」

 

雄也(だとすれば、戦争は多少長引くか?とは言っても、このままだと多数の犠牲が出てしまうな。・・・そうだ!)

 

ある考えが閃いた。

 

雄也「なぁ椿。騎士団の中にユーロンかハノックの出身者は居ないか?」

 

椿「ユーロンは居なかったと思います。ハノック出身者は確か1人居たように思いますが。」

 

雄也「それだ。今すぐ呼んで来てくれ。」

 

 

 

 

 

 

ハノック出身の騎士を連れて、ゲートでハノック王国へ入国。

 

冬夜「ここがハノックのクイント村で間違い無い?」

 

パオロ「は、はい。私の育った村です。これが転移魔法・・・凄い一瞬で・・・」

 

するとそこに、1人の村人がパオロを見付けた。

 

村人「パオロ?お前パオロか!?」

 

パオロ「お前・・・レントか!?久し振りだなあ!」

 

レント「どうしたんだお前?その格好、何処かの行き倒れから掻っ払って来たのか?」

 

パオロ「馬鹿野郎!これはブリュンヒルド公国騎士団の鎧だぞ?盗んだんじゃない。俺のだ!今じゃ騎士なんだぜ俺!」

 

レント「ええっ!?」

 

パオロ「おっと、こんな話をしてる場合じゃない!ユーロンとハノックが戦争を始めたのは知ってるか!?兎に角尊重に会わせてくれ!陛下と公爵が村を助けてくれる!」

 

レント「陛下と公爵って?」

 

パオロ「こちらにおわすブリュンヒルド公国公王陛下と公爵だよ!」

 

冬夜「あ、ども。」

 

雄也「こんちはー。」

 

レント「パオロ・・・お前大丈夫か?」

 

雄也(最近出来た国だし無理もないか。)

 

冬夜(うーん・・・王冠でも作るか。)

 

 

 

 

 

 

村長を連れて飛び、ユーロンとハノックの戦場を高みから見物する。

 

冬夜「あちらに見えるのがユーロン軍ですね。」

 

雄也「マップで見ると、今この地点までお散歩してるな。本隊じゃないようだが、かなりの大所帯だ。」

 

冬夜「村長には兎に角、住民の避難準備をお願いしたく。」

 

村長は頷く。

 

雄也「ハノックの方は、ユーロンの本隊とぶつかっている軍勢のみだな。」

 

冬夜「あ、でも王都から出発したばかりみたいだけど、増援も居る。でもこの距離じゃ着くのは明後日になるぞ。」

 

雄也「んじゃここからどうする?ユーロンには丁重におねむの時間時間に帰らせたいが、他国同士の事だからな。」

 

冬夜「だね。ここがブリュンヒルドだったら遠慮なくやらせて貰うんだが・・・ん?そうか、その手があるか。レグルス帝国陛下にハノック国王を紹介して貰おう!」

 

 

 

 

 

 

しばらくして、雄也と冬夜がクイント村に戻った。

 

パオロ「避難する必要がなくなった・・・ってどう言う事です?」

 

冬夜「ハノックからユーロン兵を1人残らず追い出すからさ。」

 

雄也「これ、お偉いさんから貰った証明書だ。」

 

ハノック国王から証明書を見せた。

 

パオロ「こ、これ!?これ本当なんですか!?」

 

椿「よくハノック国王が許可されましたね・・・」

 

雄也「んじゃ、椿は城へ戻って高坂や騎士団にこの事を伝えといてくれ。」

 

冬夜「僕と雄也はハノックに入り込んでるユーロン兵を1回全部追っ払うから。」

 

パオロ「追っ払うって・・・」

 

冬夜は飛び、雄也はホバーボードで飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

ユーロンの首都。

 

冬夜「ここがユーロンの首都か。」

 

雄也「んじゃ、お客様にはご退席願いますかな。」

 

冬夜「んじゃ、マップ表示。ハノック領土内に居るユーロン軍全て。」

 

スマホ『了解。マップ表示します。』

 

冬夜「マルチプル。ターゲットロックオン。ユーロン軍全ての足元にゲート発動。」

 

スマホ『了解。発動します。』

 

 

 

 

ハノック領土内に居るユーロン軍が、ゲートでユーロンの王宮に強制転移させられた。

 

 

 

 

冬夜「よし。全員帰ったな。」

 

雄也「今頃王宮で強制転移された状況の謎解きゲームやってる最中だろう。さて、こっちはこっちで本番を始めますかな。」

 

冬夜「うん。ユーロン軍が再びハノック領に到着するまで・・・10日位は掛かるかな?」

 

雄也「ちょちょいのちょいで済ませるか。」

 

 

 

 

 

 

10日後。ユーロン軍がハノック領土へ攻めに行った時。

 

隊長「な、何だこれは!?」

 

ハノック領土に巨大な壁が出来上がっていた。

 

 

 

 

壁の上に雄也と冬夜が映し出された。

 

冬夜『ユーロン軍の諸君。ここまでの行軍ご苦労様です。』

 

雄也『生憎だが、ここは俺達のブリュンヒルド公国の縄張り。ここを通るのは止めて貰いたい。この国に住む子供達が泣くからな。』

 

冬夜『ユーロンとの国境より、ハノック側の1キロだけブリュンヒルドへ譲渡する。ハノック国王直筆の証明書です。』

 

以前貰った証明書の内容はこれだった。

 

雄也『つまりだ。ユーロンに接しているのはハノックじゃなくブリュンヒルドの飛び地だ。1つおまけを言うぞ。この壁はユーロンとの国境全てに繋がってるからな。』

 

この壁は僅か6日で作られた。

 

 

 

 

隊長「・・・ええい!あのような壁、壊すなり乗り越えるなりしてしまえ!!全軍突撃!!」

 

ユーロン軍が突撃を開始した。

 

 

 

 

冬夜「ありゃ。攻めて来た。」

 

雄也「それじゃ、とっておきの仕掛けのショータイムだ。」

 

 

 

 

ユーロン軍が壁に触れた瞬間。

 

兵士「なっ!?」

 

足元にゲートが発動し、王宮へ転移させられた。

 

 

 

 

冬夜『ああ、言っとくけど。壁に向けて魔法とか放たない方がいいよ。全部君達の王宮に返されるからね。』

 

雄也『このまま俺達の国に対する侵略行為を繰り返すとどうなるか分かるよな?』

 

”パチン”

 

冬夜が指を鳴らしたと同時に、沢山のフレームギアが出現した。

 

雄也『戦う気があるって言うなら、俺達のとっておきのオモチャがお相手になるぜ?』

 

 

 

 

隊長「た、退却!!退却ーーー!!」

 

ユーロン軍が一斉退却した。

 

 

 

 

冬夜「帰るんなら城壁に触ればすぐに王宮に帰れるのに。」

 

雄也「わざわざ王宮までランニングか?健康的だ事。」

 

冬夜「雄也。これでしばらくは様子を見よう。」

 

雄也「ああ。この前の坊ちゃん達が鑑賞しに来るかもな。」

 

冬夜、とんでもない発想力!!

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重;赤崎千夏
       ユミナ:高野麻里佳
      ルーシア:高木美佑
         桜;久保田未夢
        琥珀:甲斐田ゆき
        黒曜:二又一成
        珊瑚:松井菜桜子

     ライザーク:梅原裕一郎

       ノルン:伊波杏樹
        高坂:樫井笙人
        馬場:浜田賢二
        山県:伊藤健太郎
       パオロ:増岡大介
       レント:松田修平
   ユーロン軍隊長:ボルケーノ太田
     ユーロン兵:橋本祐樹
      仮面の男:藤原侑聖
           浦田わたる

  恋愛神/望月花恋:堀江由衣

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