異世界はガウストとともに。   作:naogran

26 / 31
ベルファスト王家にヤマト王子が誕生した。それから後日。冬夜は3日の休暇で旅に出て、城の仕事は雄也に任された。






雄也「ふぅ・・・今日の仕事終了。まさか冬夜が休暇に出て旅とはな。」

ライザーク「まぁ彼奴、色々頑張ってるんだし休ませてあげても良いんじゃねえの?」

雄也「そうだよな。婚約にレグルス帝国制圧に新興国発展に錬金棟にラミッシュ教国に格納庫にリーニエ王国のクソボケアホクズカス三十路野郎の事件とか色々やって来た訳だしな。」

ライザーク「あのクソ王子のあだ名がどんどん改名されてるな・・・いや今は奴隷野郎か。」

雄也「あんだけやり遂げたんだし、3日じゃなく1ヶ月休んでも良いと思うんだけどな・・・」

ライザーク「冬夜が戻ったら、お前も休暇取るか?」

雄也「そうだな。久々にウロチョロしたいし。んじゃ、仕事が終わった事だしちょっとベルファストに観光に行くか。」




ベルファスト王国。

雄也「相変わらず、湖が綺麗だな。」

ライザーク「やっぱ気持ち良いぜ〜!」

湖をライザークが泳いでる。

雄也「冬夜の将来の嫁さんが9人かぁ・・・1人でも良いから俺も未来の嫁さんが欲しいぜ。」

ルナフィン「雄也も子共が欲しいの?」

雄也「まぁな。彼奴ばっかりだと勿体無くてな。」

ルナフィン「でもこの世界は一夫多妻が普通なんでしょ?だったら雄也もエルゼ達の誰かと結婚すれば良いんじゃない?」

雄也「そうしたいんだけど・・・彼女達の中で俺に似合う娘が誰なのか見当も付かない。将来の嫁さんはエルゼ達の誰かか、もしくは他の娘か。」

ライザーク「結婚しても、お前無精子症だろ?」

雄也「まぁ否定はしない。寧ろ出来ない。でもシェスカ達によれば、女の子を養子にしてるって言ってた。」

ルナフィン「どんな娘だろうね。」




商店街で串焼きを食べ歩き。

雄也「まだまだ賑わってるな。」

ライザーク「そりゃあそうだろう。何せベルファストにヤマト王子が誕生したんだし。将来あの子がベルファストの国王になるんだし。」

雄也「冬夜みたいに滅茶苦茶な子にならない事を祈ろう。彼奴は色々チート過ぎる。」

ライザーク「それ、お前が言う事か?」

雄也「お、そろそろ夕暮れか。戻って飯食うか。」






ブリュンヒルド公国。

エルゼ「じゃあ、冬夜は3日間居ないって事ね。」

雄也「ここん所色々バタバタしてたからな。たまには王様に休みを与えるのも悪くないと思ってな。」

八重「しばらくは雄也殿と一緒でござるな。」

雄也「あんまり期待すんなよ。冬夜が居ないと寂しいだろ?」

リンゼ「そんな事ありませんよ?雄也さんと一緒でも楽しいですし。」

ルーシア「はい。雄也様も私達と一緒ですよ。」

雄也「嬉しいね。んじゃ、俺は寝るからじゃあな〜。」






それから3日後。

雄也「・・・可笑しい。」

ライザーク「何が?」

雄也「休暇期間は3日だと言うのに、冬夜が帰って来る気配がない。」

ライザーク「そうか?もしかしたら遅れて帰って来るかもだぞ?お土産選んでる最中かもだぞ?」

雄也「そう思いたいのは山々だが・・・何か嫌な予感がするんだよな。」

ユミナ「雄也さん!」

突如ゲートが開き、ユミナが現れた。

雄也「ユミナ?どうしたんだ?」

ユミナ「私の部屋にこれが!」

彼女が出したのは、1枚の手紙。

雄也「手紙?」

ユミナ「何の手紙と思ってたんですが、邪悪な力を感じて・・・」

雄也「ライザーク。エルゼ達を呼んでくれ。」

ライザーク「分かった!」




リビングにエルゼ達を呼んだ。

雄也「これが、ユミナの部屋に突如送られた手紙だ。ユミナはこの手紙から邪悪な力を感じると言ってた。リンゼ、何か感じるか?」

リンゼ「既に感じています・・・未知の魔力・・・でしょうか?」

雄也「よし、俺が読む。」

封筒を開けて、中の手紙を読む。

雄也「・・・何だと!?」

エルゼ「どうしたの?」

雄也「お前ら、これを見ろ。」

手紙の内容を見せた。




『望月冬夜は預かった。返して欲しければ、この地図に記された場所に来るが良い。』




八重「脅迫状でござるか・・・?」

エルゼ「でも冬夜の事だから、きっと無事に帰って来るわよ。」

雄也「そうとは思えない。この手紙に触れた瞬間、異様な力を感じた。きっと彼奴はこの送り主に捕まったに違いない。(それにこの髑髏の顔・・・これはまさか・・・)」

封筒に入ってる地図を出す。

雄也「これがその地図か。場所は・・・ベルファストにある幽霊屋敷?」






翌日。雄也は屋敷の跡地へ向かう事に。

雄也「お前らも行くのか?」

ユミナ「勿論です!」

ルーシア「冬夜様を助ける為です!」

ヒルデガルド「冬夜様を助けるのが、私達の使命です。」

雄也「エルゼも?」

エルゼ「も、勿論よ・・・」

雄也「エルゼ。お前残った方が賢明だぞ?」

エルゼ「そうはしたいけど・・・冬夜を放っておく訳にはいかないのよ・・・」

雄也「健気なお嬢さんだ。スゥと桜はどうする?」

桜「ここで王様の帰りを待ってる。」

スゥ「雄也!絶対冬夜を助けるのじゃぞ!」

雄也「花恋も行くか?」

花恋「行きたいけど、ここで大事な弟が戻って来るのを待ってるのよ。雄也君、冬夜君をお願いするよ。」

雄也「これで全員か。よし、行くか。」

彼らは、冬夜が攫われた幽霊屋敷へ向かう。


26話「行方不明、そして幽霊屋敷。」

冬夜が攫われたとされる幽霊屋敷へ向かう。

 

エルゼ「き、気味悪い森・・・離れないでよね・・・?」

 

リンゼ「大丈夫だよお姉ちゃん。」

 

八重「幽霊屋敷は何処でござる?」

 

ヒルデガルド「雄也様。」

 

雄也「・・・うん。彼処だ。」

 

奥に佇む巨大な屋敷。

 

エルゼ「あれが幽霊屋敷・・・」

 

雄也「俺達が付いてるから大丈夫だ。行くぞ。」

 

リンゼ「?」

 

屋敷付近にある小さな小屋が気になるリンゼ。

 

 

 

 

門を開けて敷地内へ入った。

 

ユミナ「とてつもない力を感じます。」

 

雄也「入口だ。開けるぞ。」

 

 

 

 

彼らは、幽霊屋敷に足を踏み入れた。

 

雄也「ルナフィン。」

 

ルナフィン「任せて。」

 

全身を光らせて照らした。

 

雄也「・・・」

 

エントランス。正面に茨で閉ざされた扉があり、左右に2階へ通ずる階段がある。

 

ルーシア「中はかなり豪華ですわ。」

 

雄也「ああ。それに・・・ヴェックション!ホコリが蔓延してるなぁ・・・プラズマボーイ。」

 

ギアレットハンターからプラズマボーイが生成した電気が出て、蔓延してるホコリを全て付着させて外へ出した。

 

雄也「これでマシになったな。」

 

リンゼ「誰も居る気配はありませんね。正面の扉は閉ざされていますし。2階に誰か居るんじゃないでしょうか?」

 

雄也「2階か。様子を見て来るから、お前達はここで待ってろ。」

 

階段を上がって2階へ向かう。

 

 

 

 

2階。

 

雄也「左奥にドアがあるな。んで、正面にドアか。」

 

正面にあるドアを開けようとするが、開かない。

 

ライザーク「鍵が必要みたいだな。」

 

雄也「だな。鍵を探すか。」

 

エルゼ「雄也あああーーーー!!」

 

雄也「っ!?どうした!!」

 

 

 

 

エルゼの叫び声を聞いた雄也が急いで駆け下りた。

 

雄也「エルゼ!」

 

エルゼ「あ、あれ・・・!」

 

ユミナ「雄也さん!あれは一体・・・」

 

雄也「え!?」

 

彼女達が見てるのは、浮遊している白い影だった。

 

八重「もしかして・・・幽霊でござるか・・・?」

 

雄也「下がってろ。」

 

ライザーク「ん?彼奴、何か持ってるぞ?」

 

雄也「え?」

 

すると白い影が何かを落として、2階の正面のドアの奥へ逃げ込んだ。

 

雄也「逃げた。」

 

ルナフィン「これは・・・鍵みたいだね。」

 

雄也「どうやら、あのドアの鍵らしいな。皆行くぞ。」

 

 

 

 

2階の正面のドアに鍵を挿す。

 

雄也「開いた。」

 

ドアノブを捻ってゆっくり開ける。

 

 

 

 

居間。

 

雄也「誰も居ない。そこに居ろ。」

 

居間を隈なく調べる。

 

雄也「何か仕掛けは・・・」

 

するとその時。

 

エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ・ルーシア・ヒルデガルド「キャアアアーーーー!!!」

 

雄也・ライザーク・ルナフィン「!?」

 

白い幽霊が、エルゼ達を捕まえたのだ。

 

雄也「さっきの影か!!おい!!彼女達を離せ!!」

 

エルゼ達を助けようと突進する雄也。すると。

 

白い幽霊「ーーー!?」

 

突如白い幽霊がエルゼ達を手放し、苦しみ始めた。

 

雄也・ライザーク・ルナフィン「え!?」

 

???「大人しくしろーーーー!!」

 

そこに居た1人の男が、魔法の杖で白い幽霊を吸い込もうとしている。

 

男「おいコラ!暴れるな!!おわわわわわわ!!」

 

吸い込もうとするが、白い幽霊に引き摺り回され。

 

白い幽霊「ーーーーー!!」

 

男「ぐあああああーーーー!!!」

 

白い幽霊に殴り飛ばされ、倒れてしまった。白い幽霊はそのまま姿を消した。

 

リンゼ「逃げた・・・?」

 

男「ううぅ・・・」

 

雄也「お、おい。大丈夫かアンタ?」

 

男「いたたたた・・・転ばされるは殴られるわ・・・酷い目に遭った。」

 

雄也「立てるか?」

 

男「気遣いありがとう。大丈夫だ。」

 

そう言って体を起こした。

 

男「いや〜、最近幽霊が出ないから少し身体が鈍ってしまってな。このジョセフともあろう者が、引き摺り回されてしまうとは。」

 

彼の名はジョセフ。

 

ジョセフ「それにしてもこの幽霊達は・・・最近になって日に日に出始めた。こんな物騒な幽霊屋敷に、君達が来た理由を聞きたい。」

 

雄也「あ〜、俺達実は・・・」

 

すると、3体の白い幽霊が現れた。

 

エルゼ「増えた!?」

 

ジョセフ「わわ!ヤバイヤバイ!!君達!ボーッとしてないで私に付いて来るんだ!!」

 

彼らは一目散に幽霊屋敷から逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

屋敷付近にある小さな小屋。

 

ジョセフ「そうか。君の名前は雄也と言うのか。って事は、イーシェンの人か?」

 

雄也「そんな所だ。んで、彼女達は俺の仲間達だ。」

 

ジョセフ「ここで会ったのも何かの縁だ。宜しくな雄也君。」

 

リンゼ「ジョセフさん。ここは一体何なんですか?」

 

ジョセフ「ここはな、日夜幽霊の研究に明け暮れている私の住処。謂わば研究所だ。」

 

エルゼ「幽霊の研究所・・・?」

 

ジョセフ「それはそうと君達、彼処が本当の屋敷に見えるかい?」

 

八重「どう言う事でござるか?」

 

ジョセフ「私は10年前からここに住んでるから分かるが、あんな屋敷は今まで影も形も無かったんだ。」

 

雄也「何?」

 

ルーシア「元は更地だったって事ですか?」

 

ジョセフ「そうなんだよ。そう言えば3日前、1人の若者を見掛けたのだが・・・」

 

雄也「冬夜なのか!?」

 

エルゼ「冬夜があの屋敷に入って行くの見たの!?」

 

ジョセフ「あ、ああ・・・その冬夜と言う若者は何かに吊るされた状態であの屋敷へ消えたんだ。」

 

雄也「彼奴が・・・?」

 

ジョセフ「君達は彼と何か関係があるのかい?」

 

ユミナ「はい。冬夜さんは私達の旦那様なんです。」

 

雄也「俺の仲間だ。」

 

ジョセフ「何?君達の仲間で未来の旦那さんなのか!・・・これは偉い事だ。だが、幽霊と戦う術を持たない者は、幽霊共の絶好の標的に過ぎない。」

 

雄也「どうすれば幽霊達を戦えるんだ?」

 

ジョセフ「そこでだ。私も一肌脱ごう。あの幽霊共におもてなしする方法を教えてやろう。付いて来い雄也君!」

 

雄也「?」

 

 

 

 

 

 

研究所・地下トレーニングルーム。

 

ジョセフ「これは、私が開発したアイテム。その名もバキュームストーンだ。」

 

雄也「それをどうするんだ?」

 

ジョセフ「君の持つそれを貸してくれるだろうか?」

 

雄也「ああ。」

 

ギアレットハンターをジョセフに貸す。バキュームストーンの魔力がギアレットハンターに蓄積された。

 

ジョセフ「よし。これで準備完了だ。試しに使ってみると良い。」

 

雄也「?」

 

ギアレットハンターのリールを回すと、掃除機のような吸引が発動された。

 

雄也「おお!?凄えコレ!!」

 

ヒルデガルド「凄い竜巻!」

 

ユミナ「ジョセフさんが使っていた杖と同じ力ですね。」

 

ジョセフ「そうだ。それで幽霊共を吸い込める。今からここに私が開発した複製幽霊が出て来る。それを吸い込んでみろ。ではスタートだ!」

 

トレーニングルームに、複製幽霊が現れた。

 

雄也「そこか!!」

 

リールを回して、複製幽霊を吸収した。

 

ジョセフ「そうだ。その調子だ。」

 

雄也「コイツは良いな!どんどん行くぜ!!」

 

次々と現れる複製幽霊を吸い込み続ける。

 

雄也「お、そうだ。おいエルゼ。」

 

途中でエルゼに近寄る。

 

エルゼ「何?どうしたの?」

 

雄也「お前も来いよ。」

 

エルゼ「え!?ちょ、ちょっと!?」

 

リンゼ「お姉ちゃん!?」

 

強引にエルゼを引っ張った。

 

エルゼ「ヒィ!?」

 

目の前に複製幽霊が現れた。

 

エルゼ「こ、来ないでーーーーー!!」

 

咄嗟に殴ると、複製幽霊がぶっ飛ばされた。

 

エルゼ「あ、あれ・・・?」

 

雄也「ナイスエルゼ!!」

 

ぶっ飛ばされた複製幽霊を吸い込んだ。

 

エルゼ「あれ・・・?私・・・幽霊を殴った・・・の・・・?」

 

雄也「思った通りだ。あの時ジョセフが殴られるのを見てピンと来た。奴等は少し実体化してるってな。」

 

ジョセフ「そうだったのか・・・今まで私は吸収魔法でしか戦った事ないから思い付かなかった。」

 

エルゼ「じゃあ、私達戦えるって事!?」

 

雄也「そうなるな。八重の刀もリンゼとユミナの魔法も。」

 

 

 

 

 

 

研究所。

 

ジョセフ「いやぁ〜、君達のお陰で新たな研究結果が見出せた。ありがとう。」

 

雄也「いやいやなんの。」

 

ジョセフ「君達は幽霊屋敷へ行くのかい?」

 

雄也「まあな。冬夜を助けないといけないしな。」

 

ジョセフ「そうか・・・頑張ってくれ。」

 

エルゼ「私達だけで行くの!?」

 

ジョセフ「私にはまだ研究する物がタップリあるんだ。」

 

雄也「まぁそう言うなら・・・皆、準備は?」

 

エルゼ「OKよ!幽霊を飛ばせるならこっちのもんよ!」

 

彼等は再び幽霊屋敷へ足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

冬夜を救うべく再び幽霊屋敷へ足を踏み入れた雄也達。

 

雄也「ありゃ?エントランスが明るくなってる。」

 

ユミナ「何かの影響が消えたんでしょうか?」

 

雄也「まあ兎に角、明るくなったのは良い事だ。」

 

 

 

 

2階の正面のドアを開けて居間へ。

 

エルゼ「やっぱり不気味ね・・・」

 

雄也「・・・可笑しい。幽霊達が出て来ないぞ?」

 

ユミナ「出て来る気配すらありませんね。」

 

ライザーク「ん?おい雄也。あのロウソク見ろ。」

 

棚の上にあるロウソクを見る。

 

雄也「紫色のロウソク?皆ここで待ってろ。」

 

紫色のロウソクに近付く。

 

ライザーク「何か分かるか?」

 

雄也「危険かも知れないが、消してみよう。」

 

息を吹いてロウソクの火を消す。

 

肖像画「このロウソクの火を消したのはお前か?愚か者め・・・」

 

雄也「何だ!?」

 

ルーシア「雄也様!肖像画が!」

 

5つの肖像画が喋り始めたのだ。

 

肖像画「灯りが消えた部屋は危険なのよ!」

 

肖像画「奴等は何より闇を好む。すぐにもここに現れるぞ!」

 

肖像画「ヒヒ・・・今にお前達も・・・」

 

肖像画「この前の若僧の奴の様に・・・」

 

肖像画「闇の中を彷徨い続けるが良い・・・永遠に!ククク・・・暗い所は怖かろう?そら、早速奴等が集まって来おった!」

 

それと同時に無数の白い幽霊が現れた。

 

雄也「皆!行くぞ!!」

 

エルゼ「タアアァァァァ!!!!」

 

ガントレットで幽霊を殴り飛ばした。

 

リンゼ「炎よ来たれ!渦巻く螺旋!ファイアーストーム!」

 

ユミナ「雷よ来たれ!白蓮の雷槍!サンダースピア!」

 

ファイアーストームとサンダースピアで幽霊達にダメージを与えた。

 

雄也「ナイスだ皆!!おりゃああああああ!!!」

 

ギアレットハンターで幽霊達を一斉に吸収した。

 

雄也「ゲットイン!」

 

幽霊達が居なくなり、居間に灯りが灯った。

 

雄也「よし。ここはクリアだな。」

 

エルゼ「幽霊を飛ばせるなんて、私に怖い物なんて無いわ!」

 

雄也「多分だけどそれ、この屋敷の幽霊限定かもだぞ?」

 

ライザーク「兎に角、次へ進もうぜ。」

 

八重「彼処にドアがあるでござる。」

 

 

 

 

居間の奥のドアを開けて控え室へ。青い幽霊が現れた。

 

雄也「新種か!」

 

エルゼ「先手必勝!!」

 

青い幽霊を殴ろうとしたが、青い幽霊が高速で避けた。

 

エルゼ「速い!?」

 

八重「青い方はかなりのスピードでござるな!ここは拙者が!」

 

ヒルデガルド「私も行きます!」

 

今度は八重とヒルデガルドが青い幽霊に立ち向かう。高速で逃げる青い幽霊を全速力で追う。

 

八重「ヤァッ!!」

 

ヒルデガルド「ハァッ!!」

 

刀と剣を振り下ろしてダメージを与えた。

 

八重「よし!」

 

ヒルデガルド「やりました!」

 

雄也「チャンスだ!!」

 

ギアレットハンターで青い幽霊を吸い込んだ。

 

雄也「ゲットイン!」

 

青い幽霊が居なくなり、控え室に灯りが灯った。

 

雄也「青い幽霊は八重に任せた方が良いな。まだ他に新種が居るかも知れない。」

 

 

 

 

控え室の奥のドアを開けてクローゼットへ。

 

雄也「何も無さそうだ。」

 

エルゼ「キャアッ!?」

 

突然エルゼが転んだ。

 

リンゼ「お姉ちゃん!大丈夫!?」

 

エルゼ「痛たたたた・・・」

 

ルーシア「皆さん、床に何かあります。」

 

床に無数のバナナの皮が落ちてあった。

 

雄也「バナナの皮?ん?」

 

奥でバナナを食べてる3体の緑の幽霊が居た。その幽霊は、バナナを食べて皮だけをポイ捨てしている。

 

ユミナ「皮を捨てていますね。」

 

エルゼ「もう・・・マナーを守りなさいよ・・・」

 

雄也「ガルフレイム。」

 

ガルフレイム「呼んだか?」

 

雄也「あのバナナを熟成させろ。」

 

ガルフレイム「熟成?分かった。」

 

炎で緑の幽霊達が食べてる大量のバナナを熟成させる。

 

緑の幽霊達「・・・・!!」

 

熟成されたバナナを食べた幽霊達が苦しむ。

 

雄也「チャンス!!」

 

苦しむ緑の幽霊達を全て吸収した。

 

雄也「ゲットイン!」

 

緑の幽霊が居なくなり、クローゼットに灯りが灯った。

 

雄也「ここに何か無いかな・・・お?」

 

クローゼットを開けると、1つの鍵が入ってた。

 

ユミナ「鍵みたいですね。」

 

ルーシア「彼処のドアのでしょうか?」

 

雄也「らしいな。ここにもう1個のドアは無さそうだ。一旦戻るぞ。」

 

 

 

 

エントランス2階へ戻り、右奥にあるドアへ向かうと。

 

ジョセフ「雄也君!」

 

雄也「ん?」

 

小さなゲートが開き、ジョセフが出て来た。

 

雄也「ジョセフ!」

 

ジョセフ「驚かせてすまない。その先から今までより強い霊力を感じる。ギャラリーから解放された絵の幽霊達が居るぞ。」

 

エルゼ「ギャラリー?」

 

ジョセフ「そうだ。実は私は、今まで捕まえた幽霊達を絵にしてコレクションにしているんだ。だが奴等は幽霊屋敷の溢れ返る普通の幽霊とは一味違う。中々手強い奴等だ。だが奴等には必ず弱点があるはずだ。では皆、健闘を祈る。」

 

ゲートが閉じた。

 

雄也「一味違う幽霊ね。」

 

ユミナ「油断は出来ませんね。」

 

 

 

 

鍵でドアを開けて廊下へ。

 

雄也「一直線の廊下か。」

 

ルーシア「雄也様。この部屋から気配を感じます。」

 

雄也「よし、行ってみよう。」

 

すぐ右横のドアを開けた。

 

 

 

 

書斎。

 

雄也「うおっ!いきなり居た・・・」

 

椅子に座って黙々と読書をしている男の幽霊が居た。

 

エルゼ「一味違うって言っても、何処が違うのかしら?」

 

雄也「ジョセフが奴等には弱点があるって言ってたけど・・・」

 

エルゼ「何の弱点か分からないけど、試しに!」

 

ガントレットで攻撃するが、男の幽霊の周りに結界が張られていた。

 

エルゼ「嘘!?」

 

リンゼ「炎よ来たれ!紅蓮の炎槍!ファイアースピア!」

 

今度はファイアースピアで攻撃するが、これも無効化。

 

八重「まさか、攻撃が一切通用しないのでござるか!?」

 

ヒルデガルド「どうしましょう・・・」

 

雄也「・・・なぁ皆。本を読み続けるとどうなる?」

 

エルゼ「え?何なのいきなり?」

 

雄也「いいから答えてみろ。どうなるんだ?」

 

エルゼ「えっと・・・欠伸が出る?」

 

リンゼ「眠くなるでしょうか?」

 

雄也「正解!トップウドラン!」

 

ギアレットハンターからトップウドランが起こした風が流れ、男の幽霊を眠らせた。すると結界が破れた。

 

ルーシア「結界が!」

 

雄也「チャンスだ!!」

 

眠ってる男の幽霊をギアレットハンターへ吸収した。

 

雄也「ゲットイン!」

 

書斎の灯りが灯った。

 

エルゼ「成る程ね。こうやって弱点とか探すのがコツね。」

 

 

 

 

廊下を出て隣の部屋へ。

 

雄也「寝室みたいだ。」

 

ユミナ「雄也さん。鏡の前に誰か居ます。」

 

鏡の前で化粧をしている女の幽霊が居た。

 

雄也「化粧しているな。」

 

エルゼ「女は美容が大事なのね。」

 

雄也「完全に俺達に眼中無しか。・・・そうだ!プリマパール!」

 

ギアレットハンターから、プリマパールの真珠が出現した。

 

雄也「ほいっ!」

 

その真珠を女の幽霊に投げると、女の幽霊が苦しみ始めた。

 

リンゼ「どうしたんでしょうか?」

 

雄也「チャンスだ!」

 

苦しむ女の幽霊をギアレットハンターへ吸収した。

 

雄也「ゲットイン!」

 

寝室に灯りが灯った。

 

八重「雄也殿。何をしたのでござる?」

 

雄也「彼奴、化粧で香水してただろ?さっきの真珠は香水を臭くさせる力があるんだ。」

 

ルーシア「成る程。」

 

エルゼ「まさか、私達まで臭くならないのよね・・・?」

 

雄也「ないない。もしそうなったら、洗い流せば臭いは消えるから安心しな。」

 

”うわああああん!!”

 

全員「!?」

 

隣の部屋から子供の泣き声が聞こえた。

 

ヒルデガルド「子供の泣き声?」

 

雄也「隣からだ。」

 

 

 

 

すぐに隣の部屋へ向かう。

 

ライザーク「子供部屋?いや、赤ん坊の部屋か。」

 

エルゼ「誰か寝ているわ。」

 

赤ん坊のベッドに眠っているのは。

 

エルゼ「え?幽霊・・・じゃない?」

 

白い狼のような姿をした幽霊だった。

 

雄也「あれ?コイツまさか・・・」

 

ライザーク「・・・」

 

”ギィギィギィ”

 

白いクマ「うわあああああん!」

 

木馬を揺らすと、白い狼が突然泣き始めた。

 

雄也「ライザーク何やってんだ?」

 

ライザーク「意味もなく揺らしてみた。」

 

???「誰だ!俺の子を泣かせたのは!!」

 

全員「!?」

 

???「俺の子を泣かせた奴はこうだ!!!」

 

全員「うわあああーーーーー!!!」

 

突然謎の空間に呑み込まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

目を開けると、そこは巨大なベッドだった。

 

雄也「何だここ・・・ベッドの上か?」

 

エルゼ「って言うか、私達小さくなってるの!?」

 

ライザーク「おい、出て来るぞ。」

 

そこに現れたのは・・・

 

ローニオウ「無様に小さくなったな!」

 

雄也「ローニオウ!」

 

ガウストのローニオウだった。背中に白い狼が乗ってる。

 

雄也「そうか。あの狼はお前の息子だったのか。」

 

ローニオウ「息子が気持ち良く眠っていたのに、お前達が睡眠を邪魔した!この報いを受けよ!」

 

ユミナ「物凄く怒ってますね。」

 

ライザーク「彼奴は家族思いが人一倍だから、怒るのも無理はない。」

 

ローニオウ「ウオオオオオオ!!!」

 

振り下ろす刀を全員が避ける。

 

雄也「危ねえな!」

 

ローニオウ「ならば、これはどうだ!!」

 

無数の鉄球を降らせた。

 

雄也「おわわわわわ!?モノリスアイ!!」

 

モノリスアイを召喚し、エルゼ達を守った。

 

ローニオウ「何時まで避けれるのかな?」

 

雄也「くそっ!避け切れねえ!!」

 

ライザーク「そうだ!雄也!鉄球を利用するんだ!」

 

雄也「鉄球を利用・・・そうか!!」

 

立ち止まり、鉄球が雄也に降る。

 

エルゼ「雄也!!」

 

ユミナ「雄也さん!!」

 

ローニオウ「さぁ!潰れるが良い!!」

 

雄也「お返しだ!!ロッドカウンタ!!」

 

その鉄球をロッドカウンタで跳ね返し、ローニオウの顔面にぶつけた。

 

ローニオウ「グオオオオ・・・・」

 

雄也「チャンス!!」

 

釣り糸を射出し、ローニオウの口に引っ掛けた。

 

ローニオウ「し、しまった!!」

 

雄也「からの!スピナー&スピンローリング!!」

 

ローニオウ「グオオオオオオオ!!!」

 

雄也「釣ったらああああああああ!!!!」

 

無属性魔法のスピナーとスピンローリングでローニオウを捕獲した。

 

雄也「ゲットイン!!」

 

白い光が空間を呑み込んだ。

 

 

 

 

 

 

光が晴れると、赤ん坊の部屋に居た。

 

八重「流石雄也殿でござる!」

 

ヒルデガルド「お見事でした!」

 

雄也「いや、今回はライザークのお手柄だ。」

 

ライザーク「ヘヘッ。」

 

ジョセフ「雄也君!」

 

ゲートが開き、ジョセフが顔を出した。

 

雄也「ようジョセフ。」

 

ジョセフ「無事だったか。突然君達の気配が消えたもんだから心配したんだ。一体何があったんだ?」

 

雄也「ああ。この部屋に巣食う幽霊に別の空間に飛ばされちまってな。」

 

ジョセフ「そうか。さぞ激しい戦いだったみたいだな。そうだ。一旦君のギアレットハンターを貸してくれるか?中に溜まった幽霊を綺麗に掃除しなきゃ。」

 

雄也「おう。良いぜ。」

 

ギアレットハンターをジョセフに貸した。

 

ジョセフ「皆見てくれ。これが、私が20年を費やして完成したゴーストキャンバスだ。」

 

彼の後ろにある巨大水晶。ゴーストキャンバス。

 

ジョセフ「これを使えば、再び元の幽霊の絵に戻すのも思うがままだ。では、行くぞ。」

 

ゴーストキャンバスにギアレットハンターを入れると、溜まりに溜まった幽霊達とローニオウが抜かれた。幽霊達とローニオウは横にある額物に置かれた。

 

ジョセフ「そしてこれを、この巨大スタンプで押印!!」

 

巨大スタンプで押印すると、幽霊達とローニオウが額物の絵になった。

 

雄也「おお!」

 

ジョセフ「おお、麗しの幽霊の絵〜!よし、無事に幽霊を絵に戻す事に成功したみたいだ。ありがとう雄也君!」

 

ギアレットハンターを雄也に返した。

 

ジョセフ「では、引き続き頑張ってくれたまえ。」

 

雄也「任せとけ。」

 

ゲートが閉じた。

 

雄也「ガウストも絵に出来るなんて凄いな。ジロリ。」

 

ライザーク「おい、俺達を絵にしようってんじゃないだろうな?」

 

雄也「そんな事ねえよ。儲け話を考えてただけ。」

 

ライザーク「売る気だったのかよこの野郎!」

 

ユミナ「何はともあれ、これでひと段落ですね。」

 

雄也「そうだな。」

 

ルナフィン「ん?雄也。1階のドアの封印が解かれたみたいだよ。」

 

雄也「本当か。冬夜が居るかも知れない。行こう。」

 

彼らは、1階へ向かった。

 

 

 

 

 

 

1階・廊下。

 

雄也「ここも廊下か。」

 

ユミナ「かなり広そうですね。」

 

ルナフィン「ん?あの部屋から音楽が聴こえるよ。」

 

 

 

 

その部屋は、ダンスホールだった。

 

雄也「ダンスホールみたいだな。」

 

エルゼ「あ、あれ?」

 

リンゼ「お姉ちゃん?え、え?」

 

突如エルゼ達の体が勝手に動いた。

 

雄也「皆!?」

 

ルーシア「か、体が勝手に・・・!?」

 

ユミナ「勝手に踊ってます!」

 

ヒルデガルド「こ、これは一体!?」

 

するとそこに、仮面を付けた男女のダンサー幽霊が現れた。

 

雄也「何だ?」

 

その幽霊は華麗に踊ってる。エルゼ達はそのダンサー幽霊と同じように踊ってる。

 

エルゼ「ちょっとどうなってるのよこれ!?」

 

リンゼ「まさか私達操られてるの!?」

 

雄也「待ってろ!すぐに助ける!!」

 

ギアレットハンターのリールを回して吸収しようとするが、吸収出来ない。

 

雄也「何!?ビクともしねえ!」

 

ライザーク「なら強制的に止めてやる!ライトニングシャワー!!」

 

しかし、ライトニングシャワーを擦り抜けてしまった。

 

ライザーク「おいおい嘘だろ!?」

 

八重「雄也殿ー!」

 

雄也「どうすれば・・・ん?」

 

ダンサー幽霊の決めポーズを見た。

 

雄也「そうか!皆、少しの辛抱だ!」

 

エルゼ「どうするのよ!!」

 

ヒルデガルド「雄也様早く!」

 

雄也「・・・・」

 

決めポーズを決めた瞬間。

 

雄也「チャンス!!!」

 

ダンサー幽霊「ーーーー!?」

 

ギアレットハンターに吸収された。

 

雄也「ゲットイン!」

 

操りからエルゼ達が解放された。

 

エルゼ「た、助かったわ・・・」

 

リンゼ「うぅぅ・・・疲れた・・・」

 

雄也「大丈夫か皆?」

 

ユミナ「はい・・・でも、冬夜さんと一緒だったら永遠に踊れてたかも知れませんね・・・」

 

雄也「おいおい・・・ん?」

 

ダンスホールの奥の扉から気配を感じた。

 

ライザーク「どうした?」

 

雄也「ライザーク。あの奥からガウストの気配がする。」

 

ライザーク「何?」

 

奥の扉へ向かう。

 

エルゼ「雄也?」

 

 

 

 

物置部屋。

 

雄也「物置部屋・・・結構広いな。」

 

ライザーク「何処に居るんだ?ガウストは。」

 

ルナフィン「気のせいじゃないの?」

 

エルゼ達が物置部屋に入って来た。

 

雄也「んな訳ねえよ。確かに感じたんだ・・・ん?」

 

壁の一部が焦げている。

 

雄也「何だコレ?」

 

焦げてる壁の一部を剥がす。

 

雄也「ん?」

 

1つの赤いレバーがあった。

 

雄也「レバー?よっと!」

 

そのレバーを引っ張ると、床網が開いた。

 

八重「何か来るでござる。」

 

その中から現れたのは・・・

 

 

 

 

15匹のパッチソウルだ。

 

 

 

 

パッチソウルA「誰だよ!折角気持ち良く寝てたのに・・・」

 

雄也「パッチソウル!?」

 

パッチソウルB「お!?新たな客人か!」

 

パッチソウルC「珍しいなぁ!俺達と遊ぼうぜ!」

 

パッチソウルD「いや、今は止めておこう。次のお楽しみまで待とう。」

 

パッチソウルE「よし、そうと決まれば撤収!!」

 

1つに纏まったパッチソウルの大群が消えた。

 

ライザーク「あ、攻撃すれば良かったかも。」

 

雄也「いや止めておいて正解だった。今戦ったら消耗戦になり兼ねない。」

 

エルゼ「何だったの今の・・・?」

 

ジョセフ「皆!!」

 

ゲートからジョセフが現れた。

 

ジョセフ「彼奴らだ!私のコレクションである絵の幽霊を解き放ったのは!」

 

雄也「って事は、あのパッチソウルがこの屋敷を巣食う幽霊達を解放させたのか。」

 

ジョセフ「私も最初は戦ったのだが、数が多くて吸い込めなかった。彼奴らは私との戦いを止めて姿を消していたんだ。」

 

雄也「また厄介な奴が現れたもんだ。彼奴らを放置したら、また面倒な事になりそうだ。」

 

ジョセフ「すまない。奴らを頼めるか?」

 

雄也「当たり前だ。彼奴らは俺しか対処出来ないからな。」

 

ジョセフ「感謝する。頼んだぞ。」

 

ゲートが閉じた。

 

八重「彼奴らを何とかしないといけないでござるな。」

 

雄也「とは言うものの、何処へ逃げたのか分からねえ。ライザーク。何処へ逃げたか分かるか?」

 

ライザーク「無理だ。気配を完全に遮断してやがる。」

 

雄也「なら自力で探すしかないな。」

 

ルナフィン「そうそう雄也。ダンスホールの向かい側から邪悪な気配を感じたんだけど?」

 

雄也「邪悪な気配?」

 

 

 

 

向かい側の部屋は、庭だった。

 

ユミナ「庭みたいですね。」

 

リンゼ「何か居ます。」

 

犬小屋に犬の幽霊が寝ていた。

 

八重「犬でござるな。」

 

ルーシア「眠ってるみたいですわ。」

 

雄也「ん〜・・・おいライザーク。」

 

ライザーク「何だ?」

 

”ガシッ!”

 

ライザーク「はえ?」

 

尻尾を掴まれた。

 

雄也「行って来い。」

 

そのままライザークを投げた。

 

ライザーク「嘘おおおーーーー!?」

 

投げられたライザークが、眠ってる犬の幽霊に激突した。

 

犬の幽霊「グルルルルルル!!」

 

ライザーク「や、ヤバ・・・」

 

犬の幽霊「ガウガウガウガウ!!!」

 

ライザーク「ギャアアーーーー!!!」

 

犬の幽霊に噛まれて振り回される。

 

エルゼ「ちょっと雄也!?大事な仲間を投げるなんて何考えてるの!?」

 

雄也「ガルフレイム。肉食え。」

 

ホネツキニクをガルフレイムに食べさせる。

 

リンゼ「お肉あげてる・・・」

 

ガルフレイム「美味かった!」

 

雄也「よっと!」

 

骨を犬の幽霊に投げると、犬の幽霊がライザークから骨に噛み付いた。

 

雄也「よっしゃ!!」

 

油断してる隙に犬の幽霊を吸収した。

 

雄也「ゲットイン!」

 

ルナフィン「流石雄也!」

 

雄也「どんなもんだい!」

 

ライザーク「おいおい雄也さん?俺を生贄にするとは良い度胸じゃねぇか〜?」

 

笑顔で怒りながら雄也の頭をグリグリする。

 

雄也「す、すんません・・・グリグリ止めて・・・」

 

ヒルデガルド「これは雄也様が悪いですね。」

 

ライザーク「ったく。今度俺を生贄にしたらビンタ100回ブッ込むからな。」

 

雄也「はい。」

 

ユミナ「雄也さん。ライザークさん。奥の墓地が光ってます。」

 

庭の奥に墓地があり、盛られた砂の上にある巨大な墓が青白く光っている。

 

エルゼ「何か出て来そう・・・幽霊の幽霊とか・・・」

 

八重「いや、幽霊は既に死んでるでござる・・・」

 

 

 

 

青白く光る墓に近付くと。

 

???「怖いもの知らずが現れたか!」

 

墓の中から黒いガウストが現れた。

 

雄也・ライザーク・ルナフィン・ガルフレイム「カゲファントム!!」

 

カゲファントム「私の作り出す楽園へ誘おう!!」

 

両目を光らせて雄也達を呑み込んだ。

 

 

 

 

 

 

雄也「・・・!?」

 

目を開けると、周囲に夥しい数の墓が埋められてる円形の空間だった。

 

エルゼ「違う空間みたいね・・・」

 

カゲファントム「行け!我が配下よ!!」

 

配下のウインドカゲファントムが無数に現れた。

 

ライザーク「囲まれたか!」

 

リンゼ「炎よ来たれ!渦巻く螺旋!ファイアーストーム!」

 

ユミナ「雷よ来たれ!白蓮の雷槍!サンダースピア!」

 

エルゼ・八重・ヒルデガルド「ヤアアァァァァ!!!」

 

雄也「ジークチャリオン!クリスター!メガタマヤ!」

 

3体のガウストを召喚し、ウインドカゲファントムを一網打尽にする。

 

ジークチャリオン「ここは私達に任せて、カゲファントムを探すんだ!」

 

雄也「頼むぞ!」

 

ウインドカゲファントムをエルゼ達に任せて、雄也とライザークがカゲファントムを探す。

 

雄也「何処に隠れた!?」

 

ライザーク「奴は俺達の影に潜む厄介な奴だ。もしかしたら俺達の足元に潜んでる可能性が・・・」

 

雄也「ありえるな。よし、こうなったら!」

 

 

 

 

影の中。

 

カゲファントム「フフフ・・・どんな手を使おうとしても、私を捕獲するのは不可能。お?立ち止まったぞ?」

 

 

 

 

立ち止まった雄也の影に忍び寄り、勢いよく出て来た。

 

カゲファントム「貰ったぞ!!!」

 

しかし雄也を触った瞬間、カゲファントムが痺れ始めた。

 

カゲファントム「グオオオアアアア!?な、何だこれは!?」

 

雄也「こっちだ!!」

 

ギアレットハンターの釣り針カゲファントムの口に引っ掛かった。

 

カゲファントム「何!?」

 

雄也「そいつは俺が作った痺れ人形だ!お前はまんまと俺の罠に嵌った訳だ!」

 

カゲファントム「グオオオアアアア!!」

 

雄也「釣ったらああああああああ!!!」

 

ギアレットハンターのリールを素早く回し、カゲファントムを捕獲した。

 

雄也「ゲットイン!!」

 

 

 

 

 

 

空間から元の墓地に戻って来た。

 

エルゼ「はぁ・・・はぁ・・・」

 

ユミナ「はぁ・・・はぁ・・・」

 

クリスター「カゲファントム捕まえましたね。」

 

雄也「ああ。何とかな。」

 

ジョセフ「皆!」

 

ゲートからジョセフが顔を出した。

 

ジョセフ「また謎の空間に呑み込まれたみたいだな。」

 

雄也「ああ。今回も無事生還した。」

 

ジョセフ「ご苦労様だ。さて、君が捕まえた幽霊共を絵にするか。」

 

ギアレットハンターをジョセフに貸して、ジョセフが幽霊達を絵に帰した。

 

ジョセフ「よし。終わったぞ。」

 

ギアレットハンターを雄也に返した。

 

ジョセフ「次も新たな幽霊が現れるかも知れない。健闘を祈る。」

 

ゲートが閉じた。

 

エルゼ「この調子で行けば、冬夜の発見も近いかも知れないわね。」

 

 

 

 

 

 

廊下に戻って奥の裏庭へ向かった。

 

雄也「・・・」

 

飛び回る青白い光を吸収し続ける。

 

雄也「ここ霊魂多いな。」

 

ユミナ「みたいですね。」

 

八重「鬱陶しい数でござるな。」

 

ヒルデガルド「数で行くなら、我々は質で行きます!」

 

彼女達は飛び回る霊魂を何度も避ける。

 

ライザーク「これで終わったか?」

 

雄也「ったく。ウザい霊魂だったぜ。」

 

ルーシア「徐々に厳しくなってるかも知れませんね。」

 

雄也「ああ。余程冬夜を返したくないんだろう。」

 

エルゼ「早く行きましょ。冬夜を探さなきゃ。」

 

雄也「そうだ・・・」

 

だが雄也が一瞬で姿を消した。

 

ユミナ「雄也さん!?」

 

リンゼ「大丈夫ですか!?」

 

雄也『大丈夫大丈夫ー!』

 

井戸に落ちただけで、雄也は無傷。

 

ヒルデガルド「良かった・・・」

 

雄也『ん?おい皆!何かあるぞ!』

 

リンゼ「え!?」

 

雄也『早く来てくれ!ガルフレイム!』

 

 

 

 

ガルフレイムに乗って、全員が井戸に降りる。

 

エルゼ「結構広いわね。」

 

ルーシア「雄也さん。何を見たんですか?」

 

雄也「あの穴だ。」

 

奥にある穴。

 

ユミナ「何が見えるんですか?」

 

雄也「見ようにも、穴が1人分しかない。そうだ!フルメタルアックス!」

 

ギアレットハンターからフルメタルアックスの鉄球が出て来て、5つの穴を開けた。

 

雄也「これで見れるはずだ。」

 

エルゼ「強引に開けたわね・・・」

 

 

 

 

7人が穴の奥を覗く。

 

雄也「これは・・・」

 

ユミナ「祭壇・・・でしょうか?」

 

それは、祭壇のような場所だった。

 

雄也「なっ!?」

 

リンゼ「どうしたんですか?」

 

雄也「皆・・・あれ・・・」

 

女性陣「?」

 

祭壇の左奥を見ると、そこには・・・

 

 

 

 

 

 

絵にされた望月冬夜の姿があった。

 

 

 

 

 

 

女性陣「!?」

 

雄也「間違いない・・・冬夜だ・・・」

 

エルゼ「冬夜が・・・嘘でしょ・・・!?」

 

リンゼ「冬夜さん・・・!」

 

ヒルデガルド「冬夜様・・・!!」

 

八重「冬夜殿を眺めてるのは誰でござるか・・・?」

 

雄也「フードを被ってて見えねえ・・・」

 

 

 

 

 

 

井戸から上がった。

 

ルーシア「冬夜さんが捕まっていたなんて・・・」

 

ユミナ「でも、これで冬夜さんの居場所が分かりましたね。」

 

雄也「さっき祭壇見たんだけど、異常な力で圧迫されて今から行けそうにない状態だ。あの力を浄化する何かを探さなきゃいけない。」

 

エルゼ「でも幸い、冬夜は無傷の状態だったわ。」

 

八重「だが、一刻も早く行かないと冬夜殿に危険が及ぶでござる。」

 

雄也「その前に、あのパッチソウル共をどうにかしないとな。放って置くと何を仕出かすか。一先ず2階へ行こう。」

 

 

 

 

 

 

2階へ行くと、怪しげなドアがあった。

 

雄也「いきなり部屋か?」

 

 

 

 

そのドアを開けると、不思議な部屋に来た。

 

エルゼ「何もないわね。」

 

ルナフィン「可笑しい。皆窓の外を見て。」

 

雄也「ん?」

 

窓の外は、星空が輝いていた。

 

ユミナ「星空!?」

 

八重「ここは空なのでござる!?」

 

ルナフィン「それだけじゃない。月があるよ!」

 

星空の奥に、月が輝いている。すると部屋の壁が消え、短い橋が現れた。

 

リンゼ「何これ?」

 

更に、上から1つずつ星がゆっくりと落ちて来る。

 

ルーシア「星?何でこれが?」

 

雄也「・・・」

 

落ちて来た星を持つ。

 

雄也「まさか。おいライザーク。」

 

ライザーク「お?」

 

星をライザークに渡した。

 

雄也「それ、俺に投げてみろ。」

 

ライザーク「投げる?」

 

雄也「ああ。はよ来い。」

 

ギアレットハンターをバットのように構える。

 

エルゼ「何にしてるの?」

 

ライザーク「おう。行くぞ!」

 

尾鰭で星を叩き飛ばす。

 

雄也「ロッドカウンタ!!」

 

ギアレットハンターのロッドカウンタで星を月に向けて飛ばした。

 

 

 

 

”ドゴオオオォォォン!!!”

 

 

 

 

星が月を爆破させた。それと同時に、1つの扉が現れた。

 

雄也「成る程な。月が鍵だったって訳か。」

 

 

 

 

 

 

ドアを開けると、バルコニーに出た。

 

雄也「バルコニーか?」

 

ルナフィン「変だな・・・ここ3階なのに。さっきのでもう3階に?」

 

エルゼ「あ!雄也!あれ!」

 

円になってクルクル回ってる15匹のパッチソウルが居た。

 

雄也「ここに居やがったか。おいパッチソウル!!」

 

パッチソウルA「奴らがここまで来たぞ。」

 

パッチソウルB「遂に俺達の出番って訳だな。」

 

パッチソウルC「よし皆!あの姿になるんだ!」

 

パッチソウルD「その前にちょっと遊んであげるか!」

 

すると、パッチソウル達が一斉に雄也達の方を向いて回転して姿を消した。

 

ユミナ「!?」

 

雄也達の周りに現れて囲んだ。

 

エルゼ「囲まれた!?」

 

ヒルデガルド「一体何をしようと!?」

 

そして囲みながら高速回転する。

 

パッチソウル達「楽園へご招待!!」

 

 

 

 

 

 

一瞬にして出口のないバルコニーに飛ばされた。

 

八重「奴らは何処でござる!?」

 

ユミナ「皆さん!上!」

 

真上を見ると、パッチソウルが落下して来てる。

 

ライザーク「上から来るぞ!気を付けろ!」

 

雄也「避けろ!!」

 

全員が避けて、パッチソウルが地面に落下した。だがその大きさは・・・

 

ジャンボソウル「この俺を倒せるか!?」

 

巨大化した合体形態・ジャンボソウルになっていた。

 

ライザーク「デカくなりやがった!?」

 

雄也「デカくなった分、攻撃が当てやすい!皆行くぞ!!」

 

エルゼ「ヤアアァァァァ!!!」

 

ガントレットでジャンボソウルに立ち向かうが。

 

ジャンボソウル「無駄だ!」

 

炎が強くなり、エルゼを熱風で吹き飛ばした。

 

エルゼ「キャアアア!!」

 

ルナフィン「エルゼ!!」

 

吹き飛ばされるエルゼをルナフィンが受け止めた。

 

リンゼ「炎よ来たれ!赤の飛檄・・・」

 

雄也「リンゼ!奴に炎は通用しない!奴を冷やすんだ!」

 

リンゼ「はい!氷よ来たれ!大いなる氷塊!アイスロック!」

 

アイスロックを放つが、炎で掻き消された。

 

ライザーク「この野郎!雄也!」

 

雄也「アクセルアタック!」

 

ライザーク「ライトニングシャワー!!」

 

今度は強化ライトニングシャワーで消火しようとするが、炎が強過ぎて消えない。

 

ライザーク「ダメか!」

 

雄也・リンゼ「・・・・」

 

密かに何かを話してる雄也とリンゼ。

 

ジャンボソウル「その程度で俺を倒すなど不可能だ!!ハッハッハッハ!!!」

 

八重「これじゃあ捕獲出来ないでござる!」

 

ルーシア「ん?」

 

バルコニーにあるユニコーンの像に気付く。

 

ルーシア「雄也さん!あの像の角を使えば出来るかも知れません!」

 

雄也「角?・・・そうか!」

 

ギアレットハンターの釣り糸を射出し、ジャンボソウルの口に引っ掛けた。

 

ジャンボソウル「デカくなった俺を捕まえるとは笑わせる!糸を切ってやるぜ!」

 

雄也「それは、どうかな!!」

 

ジャンボソウル「何!?」

 

ギアレットハンターを強く振り下ろし、ジャンボソウルをユニコーンの像に飛ばした。

 

ジャンボソウル「しまった!!」

 

ユニコーンの像の角に突き刺さり、15匹のパッチソウルに分裂した。

 

パッチソウルA「クゥ!中々な戦法だ・・・」

 

パッチソウルB「だが、この俺達を捕まえれるのか!?」

 

超高速で飛び回って捕獲させないようにする。

 

雄也「それはどうかな?リンゼ!!」

 

リンゼ「はい!氷よ来たれ!大いなる氷塊!アイスロック!」

 

無数のアイスロックを雄也に向けて放ち、雄也がアイスロックをギアレットハンターで受け止めた。

 

パッチソウルC「おいおい、いきなり仲間割れかよ!」

 

パッチソウルD「俺達を捕獲出来なくて錯乱したか?」

 

雄也「それはどうかな?スピナー!!」

 

無属性魔法のスピナーで高速回転し。

 

雄也「スピンカウンタ!!」

 

ロッドカウンタの強化版・スピンカウンタでアイスロックを縦横無尽に弾いた。

 

パッチソウルA「な、何!?」

 

アイスロックが1匹のパッチソウルに直撃して凍結した。

 

パッチソウルE「皆逃げ回れ!!」

 

雄也「まだまだ!!」

 

スピンカウンタを続け、超高速で飛び回る15匹のパッチソウルを凍らせる。

 

雄也「からのスピンローリング!!」

 

スピンローリングで凍結された15匹のパッチソウルを全て捕獲した。

 

雄也「ゲットイン!!」

 

パッチソウル捕獲と同時に空間が光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

光が晴れ、元のバルコニーに戻った。

 

雄也「よし。これで奴らに蹂躙される心配なさそうだ。」

 

エルゼ「やった!これで冬夜を助けれるわ!」

 

ライザーク「あれ?ジョセフが出て来ないぞ。」

 

リンゼ「変ですね。この時になるとすぐに出て来るはず・・・」

 

 

 

 

 

 

研究所。

 

ジョセフ「可笑しい。ゲートが開かない。それに幽霊の気配が消えてる・・・これは・・・あの子達に危機が迫って来てるかも・・・」

 

 

 

 

 

 

雄也「確かに可笑しいな。ジョセフが出て来ないぞ。」

 

ユミナ「皆さん。この屋敷の力が前より強くなってます。」

 

ヒルデガルド「じゃあ、その影響でゲートが使えないのですか?」

 

リンゼ「やってみます。ゲート!」

 

しかし、ゲートが開かない。

 

リンゼ「みたいですね・・・」

 

雄也「じゃあここは、徒歩で攻略するしかないな。」

 

”ゴロゴロゴロゴロ!”

 

ライザーク「雷か?」

 

”ゴロゴロゴロゴロ!!!”

 

落雷が屋敷に直撃し、全ての灯りが消滅した。

 

エルゼ「な、何!?」

 

雄也(停電か!?)

 

リンゼ「魔力も強くなってます!」

 

雄也「・・・」

 

ギアレットハンターで灯りを治す位置を探す。

 

雄也「皆!地下だ!地下へ行くぞ!」

 

それと同時に、無数の幽霊達が現れた。

 

ヒルデガルド「いっぱい来ました!」

 

雄也「そう簡単に行かせてはくれないみたいだな!俺が行くから、皆は先に行け!」

 

エルゼ「雄也!」

 

雄也「ジャックビリー!」

 

ジャックビリー「俺の出番か?」

 

雄也「彼女達の援護を頼む!地下へ行け!」

 

ジャックビリー「グッド!」

 

ルナフィン「僕が地下へ案内するよ!」

 

八重「頼むでござる!」

 

先にエルゼ達が地下へ急ぐ。

 

雄也「ライザーク。クリスター。準備は良いか?」

 

ライザーク「おう!」

 

クリスター「行けます!」

 

雄也「よし。行くぜエエェェェ!!!」

 

無数の幽霊に雄也達が立ち向かう。

 

 

 

 

 

 

一方地下へ急ぐエルゼ達。

 

ジャックビリー「邪魔だぜ!」

 

拳銃で迫り来る幽霊達を撃ち抜く。

 

ルナフィン「皆こっち!!」

 

ルーシア「雄也さん、大丈夫でしょうか?」

 

エルゼ「心配ないわよ。冬夜と同じ位強いしね。」

 

ヒルデガルド「ルーシアさん、雄也様を信じましょう!」

 

 

 

 

 

 

地下室。

 

ルナフィン「あれだよ!」

 

薄く光ってる水晶玉を発見した。

 

ルナフィン「リンゼ。魔力を注いで。」

 

リンゼ「はい。」

 

水晶玉に魔力を注ぐと水晶玉が眩しく光り、屋敷全体の灯りが灯された。

 

エルゼ「明るくなった!」

 

ルーシア「これで一安心ですね。」

 

するとドアが開いた。

 

女性陣「っ!!」

 

 

 

 

雄也「よう・・・」

 

 

 

 

息を切らした雄也とライザークとクリスターが来た。

 

八重「雄也殿!」

 

エルゼ「雄也!大丈夫だった?」

 

雄也「ヘヘッ・・・ちょっと良い準備運動だったぜ・・・」

 

ライザーク「大勢で来ると手応えアリ・・・」

 

クリスター「皆さん、お怪我は・・・?」

 

エルゼ「私達は大丈夫。」

 

クリスター「それで皆さん、ここは何のお部屋ですか?」

 

エルゼ「え?」

 

この部屋には、幾つもの幽霊の絵画が飾られていた。

 

幽霊「君達かね?我が作品達の邪魔をしているのは?」

 

全員「!?」

 

そこに居たのは、何かの絵を描いている幽霊だった。

 

ルナフィン「幽霊が喋った・・・」

 

画家の幽霊「私が命を吹き込んだこの絵の偉大さが理解出来んのだな?よし。ひとつ私が手解きをしてやろう!」

 

筆を振ると、絵の幽霊が実体化し襲って来た。

 

エルゼ「またなの!?」

 

雄也「ほほう?」

 

ゆっくりと幽霊達に近寄る。

 

雄也「俺達をまだ痛め付ける気か。面白い。逆に俺がいじめてやるよ!!!スピンローリング!!!!」

 

スピンローリングで、幽霊達を一瞬で吸収した。

 

リンゼ「す、凄い・・・」

 

ライザーク「い、一瞬で・・・」

 

画家の幽霊「わ・・・私の作品達が・・・だが、私が居なくなっても作品達は残るじゃろう。そう・・・芸術は永遠だ!ん?作品が1枚も残ってない・・・だと?・・・あららら?あららら?ゴーッホホ!」

 

雄也「次の作品はテメェじゃい!!スピンローリング!!」

 

画家の幽霊「グオオオアアアアアア!」

 

断末魔を上げながら、ギアレットハンターに吸い込まれた。

 

雄也「フンッ!」

 

ルーシア「雄也さん、怖いです・・・」

 

ライザーク「さっきの戦闘でかなり気が参ってるかもな・・・」

 

ヒルデガルド「完全に戦闘狂になってましたね・・・」

 

ユミナ「あ。」

 

先程画家の幽霊が描いた絵が輝き、そこから1つの鍵が出て来た。

 

ユミナ「鍵ですね。」

 

ルナフィン「・・・それは恐らく、あの祭壇への鍵だね。それに、ここに魔石が埋め込まれてる。これで祭壇に蔓延する力を浄化出来そうだよ。」

 

雄也「よし、急ごう!」

 

エルゼ「待ってなさい冬夜!すぐ助けてあげるわ!」

 

彼らは地下の祭壇へ向かう。

 

 

 

 

 

 

地下の祭壇へ向かう。

 

雄也「おおお・・・ここに立ってるだけでも力を感じる・・・」

 

ユミナ「物々しいですね・・・」

 

ライザーク「あれか。」

 

祭壇へのドアがあった。そのドアに鍵を挿す。

 

雄也「開いた。」

 

鍵に埋め込まれてる魔石が光った。

 

ユミナ「あ、力が消えました。」

 

リンゼ「これで行けますね。」

 

 

 

 

 

 

地下の祭壇。

 

エルゼ「冬夜!!」

 

冬夜「・・・・・」

 

気を失ってる冬夜の前に立ち尽くす謎の存在。

 

雄也「おい、冬夜をどうするつもりだ?」

 

???「良いねえ。望月冬夜の絵は。強大な力を持つ冬夜を絵に出来るとは、私のお手柄だ。何度見ても達成感を感じる。お前達を誘き出す良い餌となってくれた。」

 

雄也「やはり、あの手紙はお前が送ったのか?」

 

???「そうだ。そして望月冬夜は休暇中にこの周辺を調べに来た。私の配下のパッチソウルが捕えてくれた。強いと謳われた男もこうしてみれば哀れな若造だ。しかーし!」

 

その存在が此方に振り向いた。

 

雄也「キングソウル!?」

 

その正体は、海賊の姿をしたガウスト・キングソウルだった。

 

キングソウル「望月冬夜の隣には伊狩雄也、エルゼ、リンゼ、八重、ユミナ、ルーシア、ヒルデガルド!お前達の絵が並んで、私のギャラリーは完成するのだ。怖いのはお前達じゃない。貴様の持つギアレットハンターなのだ!・・・しかし、私もソウルのキング。怖気付いてるばかりではダメだ。配下達を捕獲されて黙っている訳にはいかない。逃げられると思うなよ?本気を出すのだからな。仲間や婚約者仲良く・・・額縁に収まるのだ!!!」

 

すると冬夜の絵が、龍の姿をしたガウストへ変貌した。キングソウルがその絵に逃げ込む。龍のガウストが口を開き、雄也達を吸い込もうとする。

 

エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ・ルーシア・ヒルデガルド「キャアアア!!!」

 

ルナフィン「うわああああ!!!」

 

雄也「皆!!」

 

ライザーク「雄也!!」

 

雄也「分かってる!行くぞ!!」

 

吸い込まれた仲間達追いに、自ら飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

周辺が海に囲まれた空間。

 

ビックウェーブ「ーーーーーーーー!!!」

 

海から現れたガウスト・ビックウェーブ。

 

エルゼ「あんなに大きい・・・」

 

八重「キングソウルは何処でござる!?」

 

雄也「・・・見付けた!奴の腹の中だ!」

 

ギアレットハンターでキングソウルの居場所を特定した。

 

ライザーク「奴からキングソウルを吐かせば良いんだな。」

 

雄也「よし、皆行くぞ!!」

 

エルゼ「ええ!!」

 

ヒルデガルド「行きましょう!!」

 

ビックウェーブ「ーーーーーーーー!!!」

 

持っている碇を雄也達に投げ付けた。雄也達がその碇を避けた。

 

雄也「危ねえ!!」

 

ビックウェーブ「ーーーーーーーー!!!」

 

口から水流を放射した。

 

リンゼ「氷よ来たれ!大いなる氷塊!アイスロック!」

 

アイスロックでビックウェーブの水流を相殺した。

 

八重「ハアアァァァァ!!!」

 

ジャンプした八重が、刀でビックウェーブの胴体に斬撃をかける。

 

エルゼ・ヒルデガルド「タアアァァァァ!!!」

 

エルゼのガントレットがビックウェーブの腹に大打撃を与え、ヒルデガルドの剣がビッグウェーブの体を切り裂く。

 

ビックウェーブ「ーーーーーーーー!!!」

 

しかし通用せず、海に潜って逃げた。

 

エルゼ「かなり硬いわね彼奴・・・!」

 

八重「傷が付かないでござる・・・!」

 

クリスター「恐らく奴は、キングソウルが作り出した人形。私達の攻撃では諸共しません。」

 

ユミナ「では、何か方法は・・・」

 

ルーシア「ん?」

 

ビックウェーブの碇を見て、ルーシアが閃いた。

 

ルーシア「皆さん、アレなら使えそうです。」

 

雄也「成る程そうか!」

 

ビックウェーブの碇を、ギアレットハンターの釣り糸で釣り上げる。

 

雄也「これで奴の腹に直撃すれば!」

 

ライザーク「来るぞ!!」

 

ビックウェーブが水中から現れた。

 

エルゼ「今よ!!」

 

雄也「お返しだあああーーーーーーー!!!」

 

碇を投げ、ビックウェーブの腹に直撃した。

 

ビックウェーブ「ーーーーーーーー!!!!」

 

碇を受けたビックウェーブが後ろに倒れ、口からキングソウルを吐いた。

 

キングソウル「な、何だ?何が起こったんだ?」

 

エルゼ「現れたわね。」

 

キングソウル「貴様ら・・・!!ゴールデンイリュージョン!!」

 

王冠の宝石から霊力を解き放ち、エルゼ達を幻覚で包み込んだ。

 

女性陣「イヤアアアーーーー!!!」

 

彼女達はトラウマとなるスライムの幻覚に侵された。

 

ライザーク「まさか、スライムの幻覚か!?」

 

雄也「やりよるな!」

 

キングソウル「次は貴様だ!アイスキャノン!!」

 

氷塊の弾丸を発射した。

 

雄也「ロッドカウンタ!!」

 

ロッドカウンタで跳ね返した。

 

キングソウル「無駄だ!」

 

跳ね返されたアイスキャノンを回避した。

 

クリスター「キングソウル!!ダイナフレア!!」

 

ダイナフレアで火炎放射をした。

 

キングソウル「無駄だ!」

 

アイスキャノンで相殺した。

 

キングソウル「この私を捕獲しようなんぞ無駄だ!」

 

雄也「おりゃああああああ!!!」

 

霧の中から雄也が飛んで来た。

 

キングソウル「何!?」

 

雄也「隙あり!!」

 

油断してるキングソウルの口に釣り針を引っ掛けた。

 

雄也「冬夜を奪った罪、彼女達にトラウマを蘇らせた罪、ジョセフのコレクションを奪った罪を思い知れ!!スピナーローリング!!」

 

超高速のスピナーローリングでキングソウルを釣り上げる。

 

キングソウル「グオオオアアアアアア!」

 

ギアレットハンターにキングソウルが捕獲された。

 

雄也「ゲットイン!!」

 

エルゼ「た、助かった・・・」

 

ユミナ「雄也さん!」

 

大津波が空間を包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

水が消えると、祭壇に戻っていた。

 

エルゼ「戻って来た・・・あ!冬夜!」

 

ビックウェーブの絵が冬夜の絵に戻った。

 

ユミナ「冬夜さん!冬夜さん!」

 

幾ら叫んでも、冬夜の返事がない。

 

ヒルデガルド「まさか・・・冬夜様は死んだ・・・?」

 

雄也「いや、気を失ってるだけだ。」

 

ジョセフ「皆!!」

 

ゲートが開き、ジョセフが出て来た。

 

ジョセフ「良かった。皆無事だったのだな。」

 

雄也「ようジョセフ。何とかな。それと、この屋敷に巣食う元凶のキングソウルを捕まえたぜ。」

 

ジョセフ「そうか!君達の働きに敬意を表する!流石私の見込んだ若者達だ。」

 

エルゼ「自分で言うの?」

 

ジョセフ「・・・しかし、キングソウルと言ったな。」

 

雄也「ああ。奴は冬夜の絵に入り込んだんだ。それも巨大なガウストに取り込むなどして。」

 

ジョセフ「そうかぁ・・・この幽霊研究家のジョセフ。新たな発見に血湧き肉躍る思いだ。おっと、私の無駄話をしている場合じゃないな。彼が望月冬夜君だね?」

 

リンゼ「はい。」

 

ジョセフ「さぁ皆。彼の絵を持って帰って来い。私が元に戻す準備をしておく。」

 

雄也「分かった。」

 

飾られてる冬夜の絵を雄也が持った。

 

雄也「よし!冬夜ゲットイン!」

 

ジョセフ「さぁこっちだ。」

 

ゲートに入り、研究所に戻って来た。

 

 

 

 

 

 

研究所。

 

ジョセフ「よし。君が捕獲した幽霊達を絵に戻したぞ。」

 

ギアレットハンターを雄也に返した。

 

雄也「ジョセフ。冬夜を戻せるのか?」

 

ジョセフ「ああ。このゴーストキャンバスを逆にすれば良い。そうすれば君の仲間が元に戻る。」

 

ゴーストキャンバスの魔力を逆流にして、冬夜の絵を入れた。すると額縁から冬夜が出て来た。

 

ジョセフ「よし。これでOKだ。」

 

ゴーストキャンバスから額縁と冬夜が流れ出た。

 

エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ・ルーシア「・・・」

 

冬夜「・・・ん・・・ん?」

 

エルゼ「冬夜!」

 

冬夜「あ、あれ?皆どうしたの?」

 

するとエルゼ達が冬夜に飛び掛かった。

 

冬夜「うわああ!?」

 

エルゼ「もう!心配したんだから!」

 

リンゼ「ずっと探してたんですよ!」

 

八重「無事で良かったでござる!」

 

ユミナ「良かった・・・!」

 

ルーシア「よくご無事で・・・!」

 

ヒルデガルド「無事で良かった・・・!」

 

冬夜「え、えー?何なの?」

 

雄也・ライザーク「あははははは!」

 

無事に帰って来た冬夜にエルゼ達が飛び掛かる光景に雄也とライザークは笑った。

 

 

 

 

こうして、幽霊騒動は一件落着。後にトリストウィンがジョセフの研究を見て興味を抱き、彼に新たな研究所をプレゼントした。

 

ジョセフ「これは快適だ!」

 

新たな研究所は、ベルファスト王国の湖付近に建てられた。

 

ジョセフ「皆には感謝せねばならないな!」

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重;赤崎千夏
      スゥシィ:山下七海
       ユミナ:高野麻里佳
      ルーシア:高木美佑
    ヒルデガルド:芹澤優
      望月花恋:堀江由衣

     ライザーク:梅原裕一郎
     ルナフィン:村瀬歩
     クリスター:石上静香
  ジークチャリオン:三木眞一郎

      ジョセフ:日野聡

    パッチソウル:加藤渉
   カゲファントム:野瀬育二
     ローニオウ:利根健太朗
    キングソウル:真木駿一
   ジャックビリー:橘龍丸
     画家の幽霊:田中進太郎

      望月冬夜:福原かつみ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。