紅玉「斥候隊から情報が入りました。主。」
クリスター「レスティア騎士王国の南方に位置する廃墟に、遺跡を発見しとの事です。」
冬夜「レスティア・・・ヒルダの国だけど、バビロンよりフライで行った方が速いかもな・・・」
雄也「じゃあ俺はホバーボードで行くかな。」
ユミナ「冬夜さん!雄也さん!」
雄也・冬夜「ん?」
後ろからユミナが呼ぶ声が聞こえ振り向いた。だが彼女達は・・・
それぞれのカラーのセーラー服を着ていた。
冬夜「え!?」
雄也「え?何?その恰好どうした!?」
ライザーク「一体何があったんだ!?」
スゥ「冬夜はこう言うのが好きなのじゃろ?初恋の翔子お姉ちゃんとお揃いじゃぞ?」
冬夜「え!?」
雄也「冬夜の初恋?」
ライザーク「どゆ事?」
ユミナ「わ、私達は年上にはなりませんけど・・・せめて同じ格好位はと・・・」
冬夜「ちょ、ちょっと待って!」
雄也「話が見えないけど・・・ん?」
彼女達の後ろに、セーラー服を着たリーンと桜の姿があった。
冬夜「ブッ!?」
雄也「お前らも!?」
冬夜「えっと・・・誰が翔子お姉ちゃんの話を・・・!?」
全員「花恋お姉様が。」
冬夜(あのバカ姉かあああーーーー!?)
雄也(でも琥珀はエルゼ達と一緒に居たはず・・・まさか、アイツが通信魔法を妨害したのか!?)
ライザーク(やってくれるぜ。あの神さんよ。)
リンゼ「あのぉ、やっぱり似合いませんか?」
冬夜「・・・」
彼女達は不安な表情を冬夜に見せてる。
冬夜「・・・いや、似合ってる!皆超可愛い!!!」
雄也「確かに。違和感ない。」
レスティア騎士王国の奥。
冬夜「さて、ここが本来の目的地か。」
雄也「見付けたぜ遺跡ちゃんよ。」
遺跡内部。
冬夜「今までの遺跡にあったのとは随分形が違うけど・・・」
雄也「だがここにあるって事は間違いないんだろ?」
冬夜「まぁね。その証拠に魔石を発見。」
魔石に魔力を注いだ。
2人が新たなバビロンに転移した。
冬夜「何か・・・いつものバビロンより広い?」
雄也「お。あれは『塔』か?」
ライザーク「おいお2人さん。ガイドが来たぜ。」
???「ようこそ。バビロンの『塔』そして我が『城壁』へ。私はここの城壁を管理する端末プレリオラでございます。リオラとお呼び下さいませ。」
雄也「え?塔じゃなくて城壁なのか?ここ。」
リオラ「現在ここは塔でもあり城壁でもあるのです。527年前に塔へと繋がる地上の転送リングが火山の爆発によって消滅してしまったので。374年前に偶然出会った私達はドッキングを果たし、城壁の転送陣から適合者が来るのをお待ちしておりました。」
雄也「塔と城壁がフュージョンしてるって事か!こいつはラッキーだ!」
リオラ「あなた方が全属性持ちだと言う事は分かっています。ですが適合者にしか使用許可を与えられません。」
冬夜「庭園。工房。錬金棟。格納庫の管理人には認めて貰えたんだけど。」
雄也「右に同じく。」
リオラ「4つのバビロンをですか。成る程、ならば問題はなさそうです。適合者として認めます。」
冬夜(あれ?随分すんなりと認められたな・・・)
ライザーク(今回は破廉恥なやり方は回避出来たみたいか?)
雄也(いや、多分後々仕掛けて来るかも知れんぞ。)
リオラ「ではこれより、機体ナンバー20個体名プレリオラはあなた方に譲渡されます。宜しくお願いしますマスター。ではマスター。塔の管理人の所へ案内致します。」
案内されて塔に着いた。
リオラ「こちらです。」
塔には、1人の端末が眠っていた。
冬夜「この子が塔の・・・って言うか、スカートが・・・」
端末のスカートが捲れてる。
リオラ「ああ、お気になさらず。何時もの事ですので。」
雄也「気になるわ。ああもう早く起こしてくれ。」
リオラ「分かりました。ノエル。起きなさいパメラノエル。」
幾ら起こしても起きない。
冬夜「この子、いつもこうなの?」
リオラ「はあ。我々は博士の人格を一旦様々に切り分けて統合し、その人格を形成しているのです。どうもこの子・・・ノエルには、ものぐさな部分が強く出てしまっているみたいなのです。」
冬夜「ああ・・・やっぱりあいつらの人格って博士の基に形成されてるんだな。」
雄也「あのエロ博士、面倒な置き土産を遺しやがって。」
冬夜(リオラは比較的真面に見えるけど・・・これは博士んお真面な部分だけ抜き出したって事なのか。)
リオラ「マスター。何か食べ物をお持ちになっておりませんか?」
冬夜「え?持ってない事もないけど・・・何?お腹減ってるの?」
リオラ「私ではりません。この子を起こすのに必要なのでございます。」
冬夜「ストレージ。」
ストレージから串焼きを出し、リオラに手渡す。リオラが串焼きを扇ぐように揺らす。
リオラ「起きなさいノエル。目を覚ましたら、この串焼きをあげましょう。」
串焼きの言葉にノエルが目を覚ました。
雄也・ライザーク「うおっ!?」
ノエル「・・・私は空腹を感じている。真面な食べ物は490年ぶり。食べてよいか?」
冬夜「・・・どうぞ。」
串焼きをガツガツと頬張るノエル。
ノエル「美味しい。これは美味。」
雄也「なら良かった。」
ノエル「あなた方の名前は?」
冬夜「望月冬夜。こっちは伊狩雄也。さっき城壁の適合者として認められた。塔も認めて欲しいんだけど。」
ノエル「それには条件がある。それを満たせば塔の適合者として認める。」
雄也「条件?」
ノエル「お腹いっぱいの食事。暖かい寝床。それさえあれば何も文句はない。」
雄也「遭難者の言葉だなそれ・・・」
淘汰「・・・分かった。きちんと手配しよう。」
ノエル「了解。条件を満たしたと認める。これより機体ナンバー25個体名パメラノエルはあなた方に譲渡される。食事を宜しくお願いします。マスター。」
串焼き1本出した。ノエルがそれを食べる。
ノエル「マスターは約束を守った。これも美味。」
冬夜(大丈夫なのかこいつ・・・)
するとノエルが冬夜の方を向き。
冬夜「むぐうっ!?」
突然キスをした。
雄也・ライザーク「ゲッ!?」
冬夜(串焼きのソースの味・・・!!)
ノエル「登録完了。マスターの遺伝子を記録した。これより塔の所有権はマスターに移譲される。・・・マスター、もっと食事を所望する。」
冬夜「あのなあ・・・」
すると今度は、リオラも冬夜にキスをした。
冬夜「ふぐっ!?」
雄也・ライザーク「ヒエェ・・・!!」
冬夜(何だこれ!?何と言うか・・・他の皆より・・・上手い・・・・・・長くない!?)
やっとキスが終わった。
リオラ「登録完了。マスターの遺伝子を記憶致しました。これより城壁の所有権はマスターに移譲されます。」
冬夜「・・・・・・・」
雄也「冬夜?大丈夫か?」
リオラ「男性との口付けは初めてでしたので、つい夢中になってしましました。申し訳ありません。」
冬夜「男性はって・・・」
雄也「もしや百合・・・?」
リオラ「博士の夜のお相手は私が勤めてましたので。マスターが望まれるのでしたら、同じようにお相手致しますが。挿入者と被挿入者のどちらを・・・」
冬夜「うあアァーーーーーーーー!!!!真面かと思ったけどやっぱりこいつも可笑しい!!!!」
雄也「今回はキス2コンボだったな。」
ライザーク「おい雄也。」
雄也「ん?」
リオラとノエルがこっちを見てる。
ライザーク「お前も早く移譲されとけ。」
雄也「端末のキスは解せないが・・・しゃーない。」
こうして雄也も、キスで所有権をゲットした。
気を取り直して。
ノエル「説明する。あの塔は・・・ぐう。」
雄也・冬夜・ライザーク「寝るな!」
リオラ「塔は待機の魔素を取り込み増幅させ、魔力に転換させる巨大な転換路です。他のバビロンにもありますが、それら全てを合わせも塔1つに及びません。統合したバビロンの心臓部とも呼べる施設です。」
冬夜「船で言ったら機関部って事か!」
ライザーク「って事は、他のバビロンと合体すれば強力なエネルギーが可能なのか?」
リオラ「はい。バビロンの施設の効率も上がりますね。」
冬夜「いいなそれ!これでフレームギアの量産やエーテルリキッドの生成もスピードアップするかも!」
ノエル「塔の1番優れている所は何もしないで済む所です。たまに微調整する程度で良いので楽ちん。故に私が寝ていても問題ない。おやすみなさい。」
冬夜「おいおい。」
雄也「機関部主任がこんなダラけて大丈夫か?冬夜。浮かせてやれ。」
冬夜「それが良いな。レビテーション。」
レビテーションで寝ているノエルを浮かばせた。
ノエル「おおう・・・これは新感覚の眠り・・・快・感・・・」
雄也(セーラー服と機関銃かよ・・・)
城壁に到着。
リオラ「あれが我が城壁です。バビロンの防衛システムの中枢であり、物理攻撃、魔法攻撃に対する防壁シールドを展開する事が出来ます。また、バビロンフィールド内の気温調節、外部への遮蔽機能、索敵、操舵などを殆どここで操作出来ます。」
城壁内。
雄也「ん?」
掃除をしている小さなロボットが多数居た。
冬夜「・・・これは?」
雄也「ロボット?」
リオラ「全員整列。」
ロボット達が一瞬で整列した。
リオラ「これからこちらの望月冬夜様と伊狩雄也様が我々のマスターとなります。以後失礼のないように。」
ロボット達が敬礼した。
冬夜「ひょっとしてロゼッタが前に言ってた自律ロボットって・・・」
雄也「もしやフレームギアの整備も手伝えるのか?」
リオラ「簡単な作業なら。ここには全部で15体おります。」
雄也「15体。ロゼッタやモニカの手助けになるな。」
冬夜「よし。じゃあそろそろウチの城に居る皆を呼ぶか。」
城壁にエルゼ達を招いた。
リーン「これは・・・凄いわね!私はポーラをここまでするのに200年も掛かったのに!」
自律ロボットに感心するリーンに対し、ポーラは落ち込んだ。
雄也「お前も凄いよ。充分。」
リンゼ「・・・と言う事は、リオラさんが1番のお姉さんなんですか?」
リオラ「あまり私達に姉妹としての順番はないのですが、バビロンナンバーズとしては確かに最初になりますね。ではユミナさん、ルーシアさん、八重さん、エルゼさん、リンゼさん、ヒルダさん。皆さんマスターの奥方ですか?」
エルゼ「奥方って・・・まあいずれはそう言う事になるだろうけど。雄也は違うけど。」
リオラ「他の奥方は何処に?」
八重「他の?ああ。スゥ殿なら1度ベルファストの方へ戻られたのでござる。」
リオラ「それで7人ですね。では残り・・・」
琥珀『主!』
クリスター『雄也様!』
冬夜「何?琥珀。」
雄也「クリスター?どうした?」
琥珀とクリスターから通信が入った。
クリスター『至急の手紙が、ゲートミラーから届けられました。』
雄也「至急?どうしたんだ?冬夜、開いてくれ。」
冬夜「ああ。ゲート!」
ゲートを展開する。琥珀とクリスターが出て来た。琥珀の国にその手紙が咥えられてる。
琥珀「こちらです。」
手紙の内容を読む。
冬夜「え!?それは大変だ!」
雄也「マジか!?」
ユミナ「どうしたんですか?」
冬夜「産まれるらしい!」
ユミナ「産まれる?え!?もしかしてお母様が!?」
雄也「さっき陣痛が始まったんだ。行こう!」
産室の隣の部屋。トリストウィンがうろうろしてる。
ユミナ「お母様!!」
雄也達がゲートから現れた。リンゼとユミナが急いで産室へ駆けた。
冬夜「そんなに心配なら中で見守っては・・・」
トリストウィン「産室は男子禁制の仕来りでな・・・」
雄也「あ、納得。」
数分後。
ライザーク「あれから数分。何の進展もないな。」
冬夜「随分と掛かるんですね・・・」
トリストウィン「ユミナの時はすぐに生まれたんだがな。ちょっと遅いような気もする・・・」
冬夜「試合も終わった頃だろうし、公爵達も連れて来ます。」
その後。スゥとアルフレッドを呼んだ。
ライザーク「陛下の子供が生まれるって事は、ユミナは。」
雄也「ああ。彼女お姉さんになるな。」
冬夜(無力だ・・・これがもし自分の子供の誕生で、あの声が奥さんだったとしたら、耐えられる自信がないな・・・いや、バビロン博士の言う通りなら僕はこの後、最低9回も子供の誕生を迎えるって事だよな!?想像も付かないな・・・)
すると遂に。
”おぎゃあおぎゃあ!”
産室から赤子の泣き声が聞こえた。
雄也「お!」
リンゼ「生まれました!元気な男の子ですよ!母子共に健康です!」
トリストウィン「そうか!そうか!!男か!」
アルフレッド「男の子・・・王子か。これで冬夜殿がこの国の王になる可能性は無くなった訳だ。ちょっと惜しい気もするな。」
冬夜「止して下さいよ。めでたい日に。」
雄也「ユミナに弟さんが誕生したな。」
トリストウィン「見てくれ!我が国の跡取りだ!」
誕生した男の子を抱えて見せた。
アルフレッド「おめでとうございます兄上!」
冬夜「おめでとうございます!」
雄也「おめでとうございます!」
スゥ「可愛いのう!」
トリストウィン「それでな、冬夜殿にこの子の名付け親になって貰いたいんだが。」
冬夜「え!?僕がですか!?えーっと、お姉さんがユミナだろ?んー・・・あ。」
雄也「何か思い付いたか?」
冬夜「ヤマト・・・ってのはどうでしょう?」
トリストウィン「ヤマト・・・ヤマトか。ヤマト・エルネス・ベルファスト。・・・うん。悪くない!悪くないな!よし!この子はヤマトだ!ヤマト王子だ!」
ベルファスト王国に、ヤマト王子が誕生した。
トリストウィン「国民にも王子誕生の発表をせねばな。これでユミナと冬夜殿の婚約も公式に発表出来るな。ルーシア姫との婚約発表もあるから、レグルスにも急ぎ連絡をして・・・」
ヤマト「ふぇえぇ・・・おぎゃあああ・・・」
トリストウィン「うわわわわわわ!」
ユミナ「びっくりさせないで下さい!お父様!」
リンゼ「早くユエル王妃の元へ!」
トリストウィン「ああ!」
急いでユエルの元へ走って行った。
八重「嬉しいのは分かるでござるが。」
エルゼ「はしゃぎ過ぎよね。」
雄也「ヤマトか・・・将来は冬夜の義弟になるな。」
夕方の温泉。女風呂でエルゼ達がゆったり浸かっている。勿論シェスカ、ロゼッタ、フローラ、モニカ、リオラとノエルも。
スゥ「伯父上もはしゃいでおったわ。ベルファストの者達も大はしゃぎじゃったのう。」
ユミナ「えぇ。王子誕生の発表後は、各国からのお祝いも届いているみたい。」
スゥ「ブリュンヒルドでもお祭りをするんじゃろ?」
リーン「未来の王妃の弟が誕生したんですもの。城下町の皆、祝う気満々だったわよ。」
ルーシア「花火も上げる予定だと聞きました。」
ヒルデガルド「花火?」
スゥ「ヒルダはまだ見た事なかったのう。空の大きな花が咲くのじゃ!綺麗じゃぞ?」
エルゼ「それにしても無事に産まれて良かったわね〜。」
八重「拙者、ちょっと感動してしまったでござるよ。」
リンゼ「・・・私達も、何時か子供を産むんですかね。冬夜さんの。」
エルゼ「え!?そ、そうね・・・まぁその内・・・その内ね!」
ルーシア「その内・・・」
皆が、将来の冬夜との子供を想像して恥ずかしがる。
その後。風呂上がりのモニカが冬夜に話した。
モニカ「って話で、モリモリ盛り上がってたぜー!」
冬夜「子供・・・自分に子供が出来るなんてまだ考えられないな・・・」
フローラ「マスターはお嫁さんが沢山居るから、子供も沢山ですの。博士が言ってたですの。」
冬夜「バビロン博士がか!?」
フローラ・モニカ「うんうん。」
雄也「アイツ、冬夜の子供の事も分かってたのか!?」
シェスカ・ロゼッタ「うんうん。」
リオラ・ノエル「うんうん。」
モニカ「俺は未来視の宝玉で視た事あるぞ!」
雄也「なぁなぁ、俺の子供はどうなんだ?嫁さんは誰?」
フローラ「・・・実はマスターに言わなきゃならない事実があるのです。」
雄也「事実?」
フローラ「実はマスターは・・・無精子症なんですの。」
雄也「・・・へ?無精子症?嘘だろ!?」
モニカ「残念ながら本当だぞ。」
雄也「まさか俺が無精子症で子供が作れない体とは・・・もうこの先お先真っ暗・・・」
モニカ「落ち込むのは早いぞ?無精子症のマスターだが、養女が居る事が分かったぞ。」
雄也「養女?養子の娘か?」
フローラ「はいですの。養護施設の少女を引き取ってる未来がありますの。」
ライザーク「雄也。お前の未来の子供は養女だがまだ落ち込むのか?」
雄也「・・・いや、例え養子でも俺の未来の子供に間違いない。お先明るくなった。」
フローラ「そしてマスターは、9人のお嫁さん。それぞれに子供が居るみたいですの。子宝国王様ですものね。」
冬夜「9人も子供が居るのか・・・はい?9人のお嫁さんそれぞれに?何だそれ!?9人もお嫁さんが!?聞いてないんですけど!?」
フローラ「言ってませんの。」
シェスカ「リーン様には、お伝えした事がありますよ。」
冬夜「ち、ちょっと待てよ!?今の段階で7人だろ!?つまり後2人増えるって事!?どんな未来だよそれ!!あ、この話、リーン以外に誰かしたか?」
シェスカ「していないです。」
冬夜「じゃあもうするな?余計な被害を生み出す原因になりかねん。」
シェスカ「それはつまり、残りのお嫁さん候補に私を入れてくれるって事ですか?」
冬夜「は!?」
雄也「どう言う理屈?」
リオラ「そのパターンありですか!」
ノエル「マスターと結婚したらご飯食べ放題!」
冬夜「いやいや!何でそうなるんだよ!!絶対無しだろ!そのパターン!」
ロゼッタ「絶対などないであります!!」
冬夜「無いって!」
ロゼッタ「まずは既成事実を・・・」
冬夜「だから無いって!!僕の話聞いてないだろ!!」
リンゼ「何の話を、聞いていないのですか?」
冬夜「なっ!?」
風呂上がりのエリゼ達。
雄也「おっと?お嫁さんが来たか。」
エルゼ達は冬夜をジーっと睨む。
冬夜「エ、ナニガ?ナニモ変ナコトナイデスヨリンゼサン・・・」
雄也(分かり易い・・・)
冬夜「ゆ、雄也・・・助けて・・・?」
雄也「・・・俺でも庇えない。」
ユミナ「教えて頂けますか?リオラさん。」
リオラ「博士から聞いたのですが、マスターは・・・」
冬夜「いやいやいや!それは今言わなくてもいいんじゃないかなァリオラさん!!不確かな情報を軽々しく口にするのはどうかと思うなァ僕ァ!!」
雄也「往生際の悪い。ライザーク。」
ライザーク「よいしょっと。」
冬夜「ムゴゴ!!」
叫ぶ冬夜をライザークが尾鰭で塞いだ。
ライザーク「弁解のしようもないぜ。」
雄也「覚悟決めとけ。お前男だろ?」
冬夜(お前らどっちの味方だよ・・・!!この裏切り者・・・!!)
エルゼ「それで?」
リオラ「未来遠視した博士によると、冬夜様は9人の奥方を娶っていたと。それでバビロンも9つに分けたりした訳でして。」
女性陣「9人!?」
リーン「あらあら凄いわね。」
エルゼ「まだ・・・これ以上増えるって事!?」
ルーシア「なんと言いましょうか・・・言葉もないですわ。」
冬夜「まだしてもいない事で呆られても・・・!!」
リンゼ「冬夜さん。」
冬夜「はひ・・・」
リンゼ「ここでは何なので。一旦お城に帰りましょうか。」
雄也「久々に見たな。リンゼの威圧。」
ブリュンヒルド城に帰った。
リンゼ「正座。」
冬夜が正座した。
リンゼ「雄也さん。冬夜さんを縛って下さい。」
雄也「ほいよ。」
ギアレットハンターの釣り糸で冬夜を縛った。
ユミナ「そこでしばらく待ってて下さい。」
エルゼ達が少し離れた。
リーン「どんな刑が執行されるのかしらね。」
冬夜「刑とか言うな!」
桜「痛くない罰だと良いね。王様。」
冬夜「桜まで!?」
雄也「火炙りか、釜茹でか、もしくは市中引き回しとか。」
冬夜「お前はグロい事を考えるな!!」
雄也「お、戻って来た。」
女性陣が戻って来た。
ユミナ「ふぅ・・・もうここまで来たら7人も9人も変わらない気がします。元々私は冬夜さんが何人お妾さんを囲おうとかまわないと思ってましたし。それにまだ起こってもない事で冬夜さんを責めても仕方ないと言う事になりました。」
冬夜(おお・・・神よ感謝します。)
雄也(神さん関係なくね?)
ルーシア「ですが!」
リンゼ「この事を知りながら黙っていたのはどうかと思います。」
ヒルデガルド「隠し事をする事は夫婦間に亀裂を生み出す原因になりかねません。ですから。」
ユミナ「有罪ですね!」
エルゼ「有罪!」
リンゼ「有罪ですよ!」
八重「有罪でござる!」
ルーシア「有罪です!」
ヒルデガルド「有罪かと!」
スゥ「有罪じゃ!」
冬夜「エェーーーーーー!?」
ライザーク(だから神は関係ねえだろ?)
冬夜「(何か嫁さんの数が増えていくにつれて、僕の立場がどんどん弱くなってるような・・・)で〜・・・その、僕にどうしろと・・・?」
ユミナ「冬夜さんの行動で私達は不安になりました。なので、それを払拭させる愛情を示すのは当然の義務です。1人1人キスしてくれたら許してあげます。」
冬夜「え!?」
リーン「まさか逃げるなんて言わないわよね?」
冬夜「え!?」
桜「有罪判決が出たのだから、罪を償わなきゃ。」
冬夜「・・・っ!そ、そうだ!その前に祭り!ヤマト王子生誕祝いの祭りの準備をしないと!だからその義務を果たすのは、その後で・・・」
雄也「お前、そうやって誤魔化して逃げる気だな?」
冬夜「違うって!!本当だって!!お前はどっちの味方だよ!!」
雄也「俺の味方は俺自身!それが何か?」
冬夜「コ、コイツ・・・!!」
ユミナ「・・・分かりました。」
冬夜「ありがとう・・・!」
リーン「難を逃れた気分になってるみたいだけど、これ時間を置く程ハードルが高くなるのにね。」
桜「うん。」
ライザーク「早くした方が良いぞ?じゃないとプレッシャーが重なるぞ?」
生誕祭の準備を終え、ブリュンヒルド公国の夜空に花火が咲き誇った。
ヒルデガルド「なんて美しい!」
初めて見る花火に感動したヒルデガルド。
この花火は、庭園からロゼッタとモニカが花火を投げて咲かせてる。そして下からメガタマヤが花火を打ち上げてる。
雄也「メガタマヤの花火も流石だな。」
ライザーク「下を見てみろ。出店があって賑わってるぞ。」
ユミナ「冬夜さん。凄く幸せですね。」
冬夜「うん。ヤマト王子が生まれた時の国王陛下を見た時、親ってのは子供が生まれるとこんなにメロメロになるのかって。ビックリしたけど。あれはきっと、家族が増えた喜びなんだなって今分かった。僕に、まだ子供は居ないけど・・・皆が居る。この国がある。だから、どんな事があろうと、僕は僕の大切な人を守って、ずっと一緒に生きて行きたい。」
ユミナ「冬夜さん・・・」
冬夜「っ!」
ユミナが冬夜にキスをした。
雄也・ライザーク「お?」
ユミナ「うふふ。さっきは少し責め過ぎました。」
冬夜「ふふ。」
リンゼ「ず、ズルいです!わ、私も!」
今度はリンゼとキスをした。
スゥ「むぅ!何をコソコソしているのじゃ!夫としての義務!愛情を示して貰うぞ!」
冬夜「え、ええ・・・?今?」
スゥ「今じゃ!」
今度はスゥとキス。スゥの頬にキスをした。
スゥ「むぅ・・・頬っぺ・・・」
ルーシア「つ、次は私ですね!」
冬夜「え、えっと・・・じゃあ。」
ルーシア「ふぇ!?ごごご、ごめんなさい!!やっぱり恥ずかしいですぅぅーーーー!!!」
恥ずかしくなって逃げてしまった。
冬夜「えぇ・・・」
雄也「思春期だね〜。尊いね〜。」
リーン「因みにヒルダは、緊張し過ぎて既に倒れているわ。」
冬夜「ええ!?」
ぶっ倒れてるヒルデガルドを見た。
ヒルデガルド「キ、キス・・・」
雄也「あんな事言わなきゃ良かったのに・・・」
八重「で、では!次は拙者でござるな!!」
冬夜「・・・・・」
今度は八重にキスをした。だが。
八重「やああぁぁぁぁぁ!!!!!」
冬夜「うええええーーー!?」
恥ずかしくなった八重が冬夜を背負い投げした。
雄也「よっ!!」
ギアレットハンターで背負い投げした冬夜を捕まえ、リールを巻いて引っ張った。
雄也「見事な背負い投げ。今度教えて欲しいわ。」
冬夜「関心してる場合か・・・!」
エルゼ「大丈夫?」
倒れた冬夜をエルゼが起こしてあげた。
冬夜・エルゼ「うわあ!」
だが冬夜とエルゼがバランスを崩し、その拍子でキスをした。
冬夜「・・・・・!」
エルゼ「ーーーーー!!!」
キスしたエルゼが、何故か冬夜を殴り飛ばした。
冬夜「だから何でーーーー!?」
殴り飛ばされた冬夜が倒れた。
雄也「もう踏んだり蹴ったりだなお前。」
ライザーク「この先が思いやられそうだな。」
冬夜「他人事みたいに言うなよ・・・・」
雄也「ホラ、立てるか?」
冬夜「ありがとう・・・」
倒れた冬夜を起こしてあげた。エルぜ達は冬夜を見て笑顔を見せる。
琥珀『主。次がラストの花火だそうです。』
クリスター『雄也様。メガタマヤが最後の盛大な花火を打ち上げます。』
最後の花火が咲き誇った。
冬夜「9人かぁ・・・」
雄也「俺は養子か・・・どんな子か楽しみだ。」
庭園。
モニカ「フゥ〜。やり切ったぜ!」
するとそこに、シェスカが水晶玉を持って来た。
ロゼッタ「およ?それはこの前格納庫から見付かった。」
シェスカ「うん。未来視の宝玉です。話をしたら、久々に視たくなったのです。マスターの未来が視えるかもです。」
フローラ「私も視たいですの!」
端末達が、冬夜の未来を視る。ウェディングドレスのエルぜ達が視えた。そして雄也の未来は、まだ顔は不明だが養子の少女を抱えてる未来が視えた。
ベルファスト王国の奥地。何も無い平地に霧が生じ、その霧が晴れると巨大な屋敷が現れた。
『END』
キャスト
伊狩雄也:増田俊樹
望月冬夜:福原かつみ
エルゼ・シルエスカ:内田真礼
リンゼ・シルエスカ:福緒唯
九重八重:赤崎千夏
スゥシィ:山下七海
リーン:上坂すみれ
ユミナ:高野麻里佳
ルーシア:高木美佑
ヒルデガルド:芹澤優
桜:久保田未夢
琥珀:甲斐田ゆき
紅玉:桑島法子
ライザーク:梅原裕一郎
フランシェスカ:大久保瑠美
ハイロゼッタ:朝日奈丸佳
ベルフローラ:金元寿子
フレドモニカ:花井美春
プレリオラ:佳原萌枝
パメラノエル:和多田美咲
アルフレッド:楠大典
トリストウィン:中田譲治