異世界はガウストとともに。   作:naogran

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リーニエ王国事案から数日後。教会に国民達がある2人の結婚式を祝う為に来ていた。

オリガ「皆さん、本日は私達の新しい門出を祝福して頂き本当にありがとうございました!」

リオン「まだまだ至らぬ所がある2人組でございますが、これからもご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い致します!」

そう、リオンとオリガが遂に結婚したのだ。

リンゼ「とっても幸せそうです!」

ルーシア「えぇ!本当に!」

レオン「お!冬夜殿!雄也殿!」

冬夜「ん?」

雄也「お!レオン将軍!オルバさん!」

レオン「おっと、今は公王陛下と公爵様だったな。」

オルバ「陛下。公爵様。この度は2人の為にお祝いの言葉を戴き、ありがとうございました。」

冬夜「レオン将軍。オルバさん。改めておめでとうございます。」

雄也「リオンとオリガさんの結婚。早いもんだね〜。」

レオン「思えば、公王陛下と公爵様が2人の橋渡しをしてくれなかったら、こうはなってなかったかも知れねぇな。」

オルバ「そうですね。ストランド家としては良い縁を結ぶ事が出来て、本当に幸せです。」

アルマ「お父さーん!こっちこっちー!」

娘のアルマが手を振ってオルバを呼んでる。

オルバ「では、失礼致します。」

レオン「またな。お2人方。」

2人はリオンとオリガとアルマの元へ行った。

ユミナ「お2人も嬉しそうでしたわね。」

冬夜「子供の結婚式だし、そりゃあ嬉しいに決まってるさ。」

雄也「2人の愛が永遠になるよう祝わないとな。」

スゥ「冬夜!妾と冬夜は何時結婚式をするのじゃ?」

冬夜「ええ!?」

スゥ「ブリュンヒルドに嫁ぐ準備は何時でも出来てるぞ!」

雄也「おいスゥ。正式発表していない婚約を大声で言うなよ。」

ユミナ「くすっ。確かにこんな素敵な結婚式を見せられては、自分の時の事を想像してしまいますね。」

エルゼ「私達の・・・」

八重「結婚式・・・」




将来の自分達のドレス姿と着物姿を想像する。




冬夜「そか・・・僕は6回も結婚式をやるのか・・・」

ユミナ「6回で済めば良いですけど・・・」

冬夜「ええ!?」

ライザーク「変なフラグ立ったな。」

雄也「良いな〜冬夜だけ〜・・・俺も彼女欲し〜・・・」

ライザーク「お前もはよ自分で彼女作れよ。」

冬夜「それにこれ以上増えるのは勘弁・・・」


22話「休日デート、そして姫騎士。」

リオンとオリガの結婚式から翌日のブリュンヒルド公国。

 

ユミナ「愛を育みましょう!」

 

冬夜「ん?はい?」

 

雄也「どうした急に?」

 

エルゼ・リンゼ・八重「ん?」

 

ユミナ「先日の結婚式を見て思ったんです!私達はもっとお互いの事を知り、心を通わせ、愛を育むべきだと!」

 

冬夜「は、はぁ。」

 

雄也「唐突な演説だな。」

 

ルーシア「素晴らしいですわユミナさん!私も常々そう思っておりました!」

 

ユミナ「ですよね!」

 

ルーシア「ですわ!」

 

ライザーク「もうこの2人意気投合し過ぎる・・・」

 

リンゼ「その、具体的には?」

 

ユミナ「それは勿論!デートです!」

 

ルーシア「わぁ!デート!?デートと言うと、交際している男女が連れ立って、外出するアレですわね!」

 

ユミナ「はい!主に食事やショッピング!演劇鑑賞などしたりして、お互いの親密さを深める行為です!」

 

冬夜「いや!親密さを深めるって、皆とは婚約した訳だし、今更・・・」

 

雄也「今更が何だ。お前最近ユミナ達を放ったらかして仕事ばかりやってる。」

 

ユミナ「雄也さんの言う通りです!釣った魚に餌をやらない派ですか!?」

 

冬夜「ええ!?」

 

エルゼ「あ、私もそう思う!昨日なんか食事の時にしか冬夜と会ってないし。」

 

八重「拙者もその・・・少し寂しいでござるかな・・・」

 

冬夜(確かに最近雄也と一緒にあちこち走り回って皆との時間作れてなかったなぁ・・・)

 

ユミナ「ホラ!皆冬夜さんとお出掛けして、同じ思い出を共有したいんですよ!」

 

冬夜「思い出・・・分かった!じゃあ今日は皆で一緒に出掛けようか!」

 

八重「ほ、本当でござるか!?」

 

エルゼ「やったー!」

 

雄也「あー、俺から提案あるんだが。」

 

全員「ん?」

 

雄也「冬夜とデートするのも良いけど、俺もデートを経験してみたいんだ。だから俺も同行しても良いか?」

 

ユミナ「勿論です!雄也さんも私達と一緒に愛を育みましょう!」

 

雄也「それ、俺も結婚する前提で言ってるのか?」

 

 

 

 

 

 

女性陣が準備してる間、雄也と冬夜が門の前で待ってる。

 

冬夜「雄也って前世でデートとかは?」

 

雄也「無い。漫画で想像するしかなかった。だからこの異世界で本物のデートをやってみたいんだ。」

 

ユミナ「お待たせしました!」

 

冬夜「お。ん?」

 

雄也「やっと来た・・・か?」

 

彼女達の普段服が女の子らしい服になっていた。

 

冬夜「それ・・・」

 

雄也「どうしたんだそれ?自前?」

 

ユミナ「こんな日の為にザナックさんのお店で特注してたんです!デザイン画は冬夜さんから頂いたと言うので。」

 

冬夜「・・・・・!」

 

八重「それで・・・」

 

ルーシア「あの・・・」

 

エルゼ「ど、どお・・・?」

 

リンゼ「感想は・・・」

 

冬夜「うん!可愛い!皆それぞれ似合ってる!」

 

雄也「特に八重。何時もの着物姿も良いが、こう言う女の子らしい服装も似合ってるな。」

 

八重「そうでござるか?」

 

ルーシア「では!デートへ出発ですわ!」

 

エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ・ルーシア「おーーー!」

 

ルーシア「と!その前に!」

 

エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ「っ!」

 

雄也「な、何だ?何が始まるんだ?」

 

エルゼ・リンゼ・八重・ユミナ・ルーシア「ジャンケンポイ!あいこでしょ!あいこでしょ!」

 

冬夜「あのぉ・・・一体何を?」

 

 

 

 

 

 

リーフリース王国・城下町。ここは広大な海が見える人気の町である。

 

ルーシア「素敵な都ですわねー!」

 

八重「風が気持ち良いでござるなー!」

 

冬夜「リーフリースかぁ。」

 

雄也「確かにこの町には色々店があるし楽しめそうだ。」

 

するとリンゼとルーシアが左右から冬夜の腕に抱いた。

 

冬夜「え?」

 

雄也「お。大胆♪」

 

ユミナ「時間が来たら交代ですからね!」

 

八重「無念でござる!」

 

エルゼ「ちょっ!くっ付き過ぎじゃない!?」

 

雄也「なぁ、あの2人の番の間、俺とデートしない?」

 

エルゼ「・・・まぁ、雄也も妥当の内よね。」

 

雄也「おい妥当って何だ妥当って。」

 

ユミナ「では雄也さん、行きましょう。」

 

八重「せ、拙者も!」

 

彼の両腕を八重とユミナが抱く。

 

雄也(あ、これ良いな。これが本物のデートか。恥ずかしいが嬉しいな。)

 

 

 

 

アクセサリーショップ。

 

ルーシア「可愛いですわね!」

 

冬夜「皆にプレゼントしようか?」

 

リンゼ「いいんですか!?」

 

冬夜「うん!今日の記念に!」

 

彼女達とのデート記念にアクセサリーを買ってあげた。

 

 

 

 

 

 

カフェのテラス。冬夜の右にユミナ、左にエルゼが座る。

 

エルゼ「うふふ。」

 

ユミナ「ここからは私達の番です!」

 

リンゼ、八重、ルーシアは悔しがってる。

 

雄也「凄え不機嫌。」

 

冬夜「じ、じゃあ食べようか。」

 

ロールケーキを食べようとフォークを持とうとした時。

 

ユミナ「ストップです!冬夜さん!」

 

冬夜「え?」

 

ユミナ「折角ですから、あーん。」

 

冬夜「え?いや、あの・・・」

 

エルゼ「と、冬夜!私も!」

 

左右からのあーん。

 

雄也「ニヤニヤ。」

 

 

 

 

 

 

カフェの後、八重とルーシアが冬夜の腕を抱く。雄也の両腕をエルゼとリンゼが抱く。

 

八重「次は何処へ行くでござるか?」

 

冬夜「う〜ん・・・」

 

ユミナ「あ!冬夜さん!見て下さい!」

 

冬夜「ん?」

 

ユミナが見付けたのは、演劇のポスター。

 

雄也「演劇のポスター?」

 

ユミナ「広場の方で演劇の一座が来ているそうですよ!」

 

ライザーク「何何?英雄バクラムの竜退治。これデートには似つかわしくなさそうだぞ?」

 

リンゼ「そんな事ありません!英雄バクラムの竜退治は、ある女性を巡っての恋愛話です!バクラムは結婚を許して貰う為に竜へ戦いに挑みそして・・・」

 

エルゼ「ストップ!話の内容をバラしたら面白くないじゃない!」

 

リンゼ「ご、ごめんなさい・・・つい・・・」

 

雄也「あはは。本好き特有の早口。」

 

冬夜「恋愛話か!それなら皆も楽しめそうだ!行ってみようか!」

 

ルーシア「はい!」

 

八重「楽しみでござる!」

 

チンピラA「よう兄ちゃん達!モテモテで羨ましいなァ!」

 

そこに、5人組のチンピラが現れた。

 

ライザーク「何じゃ突然?」

 

雄也「おっと、新しいお客さんか?」

 

冬夜「え?何か用か?」

 

チンピラA「俺達ちっとばかし懐が寂しくてなぁ。兄ちゃん達に恵んで貰えねえかと思ってよォ〜。」

 

チンピラB「何ならその女達でも良いぜ?」

 

全員がナイフを出して脅す。だが。

 

雄也「ほいっ。」

 

ギアレットハンターでチンピラ5人のナイフを釣り上げた。

 

チンピラA「な、何だ!?」

 

釣り上げたナイフをキャッチし。

 

雄也「そーれっと!!」

 

ナイフを上に投げた。

 

ライザーク「あらよっと!!!」

 

尾鰭でチンピラ5人に向かってナイフを叩き飛ばす。ナイフがチンピラ5人の横を掠った。

 

チンピラ5人「・・・・・・!!」

 

何が起こったのか分からず、チンピラ5人は尻もち付いた。

 

雄也「そのナイフはリンゴの皮を剥く時以外はポケットに仕舞っとくんだな。」

 

 

 

 

 

 

夕方の帰り道。

 

雄也「あの坊ちゃん達は騎士団の詰め所に送ってやったから大丈夫だ。」

 

冬夜「でも迷惑じゃなかった?」

 

雄也「後は騎士達に任せておけば大丈夫だって。」

 

ユミナ「全く!折角のデートが台無しです!」

 

冬夜「まあまあ。演劇は面白かったし、デートは満喫出来たんだし。」

 

ユミナ「そうですけど・・・」

 

冬夜「それに僕はこうやって皆と過ごせて凄く楽しかったよ!」

 

ユミナ「冬夜さん・・・!」

 

雄也「俺も。本場のデートって初めてだったけど、凄く楽しかったぜ。」

 

ユミナ「雄也さん・・・!」

 

エルゼ「もう冬夜!勝手に過去形にしないでよね!この次も楽しむんだから!」

 

八重「拙者達はずっと一緒でござる!」

 

ユミナ「ですね!」

 

ルーシア「では、早く私達の家に帰りましょう!」

 

冬夜「うわっ!」

 

皆が城へ走る。

 

冬夜「ちょっ!皆して引っ張るなって!(うん。やっぱり僕は、この笑顔をずっと見ていたい。)」

 

雄也「ん?おい冬夜、お客さんが居るぞ。」

 

冬夜「お客さん?って、あれって・・・」

 

 

 

 

城の前にスゥが立っていた。

 

 

 

 

冬夜「あ。」

 

スゥ「妾を置いて皆だけズルいのじゃーーーーーーーー!!!!!」

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

雄也「今日の冬夜はスゥとデートか。」

 

ライザーク「一夫多妻は大変だなぁ。」

 

雄也「俺の場合、妻は1人で充分だし。」

 

ライザーク「でもお前の妻は何処にも見当たらないぞ〜?」

 

雄也「おい俺を煽るの楽しいか?」

 

ライザーク「んで、今日はどうする?」

 

雄也「久々に彼処行くか。」

 

 

 

 

 

 

銀月。

 

雄也「ようミカ。客足どうだ?儲かってるか?」

 

ミカ「そうねぇ。儲かっていると言えば儲かっているわね。空室がほぼないから。」

 

雄也「それは何よりだ。」

 

ミカ「あ。そう言や変な話を聞いたわよ。」

 

雄也「変な話?」

 

ミカ「ロードメア連邦の南の何とかって村でね。水晶のような体の魔獣が現れたんだって。」

 

雄也(フレイズか。)

 

ミカ「何でも、熊より大きくてカマキリみたいな形をしていたって話よ。」

 

雄也「その魔獣はどうなったんだ?」

 

ミカ「ギルドから討伐隊が出て退治したらしいわ。でも村は壊滅。討伐隊にもかなりの被害が出たって。」

 

 

 

 

 

 

温泉でゆったり浸かる。

 

雄也「あ〜、やっぱり温泉はエエなぁ〜。」

 

ライザーク「水もエエが、温泉もイイ〜♪」

 

雄也「昨日のデート楽しかったし、また同行しようかな?」

 

ライザーク「お前その内、誰かを取るんじゃねえの?」

 

雄也「この前神さん言ってただろ?この世界は一夫多妻が当たり前だって。」

 

ライザーク「あんまりハメ外し過ぎんなよ?」

 

雄也「分かってるって。」

 

 

 

 

 

 

夕方。ブリュンヒルド公国。

 

雄也「いやぁ〜、温泉気持ち良かった〜。」

 

ライザーク「今頃冬夜はまだスゥとデートしてるだろうな。」

 

雄也「幸せもんだね〜。」

 

クリスター『雄也様。聞こえますか?』

 

雄也「ん?クリスター?どうした?」

 

クリスター『フローラから連絡が入りました。』

 

雄也「フローラから?繋げてくれ。」

 

フローラ『マスター。フローラですの。エーテルリキッドの抽出が終わったのですの。』

 

雄也「抽出が終わった?まさか!フレームギアが出来たのか!?」

 

ライザーク「ん?」

 

 

 

 

 

 

平原にフレームギアが転送された。

 

雄也「ウッヒョー!フレームギアが舞い降りた!」

 

ユミナ「地上で見ると凄い迫力ですね!」

 

エルゼ「本当に動くの?」

 

雄也「今からそれを試すんだ。」

 

冬夜「八重の準備は大丈夫?紅玉。」

 

 

 

 

紅玉『大丈夫です。いつでもいけると言ってます。』

 

 

 

 

冬夜「よし。じゃあシュバリエ起動!!」

 

シュバリエの目がゆっくりと発光し、ゆっくりと前に進む。

 

冬夜「動いた・・・!」

 

雄也「よし。足回りはそんなもんで大丈夫だろう。次は上半身を動かしてみてくれ。」

 

シュバリエが剣を握って振る。

 

雄也「OK。問題ないな。」

 

冬夜「魔力量が少ない八重にも自由に動かせるなら、他の人達にも動かせるはずだ。機体同士の通信装置や外部スピーカーも作らないとなあ。後でロゼッタに頼んでおくか。テストパイロットは八重に任せたけど。あー僕も早く乗りたい・・・」

 

するとシュバリエがバランスを崩し、前に倒れた。

 

雄也「お、おい八重!紅玉!大丈夫か!?」

 

八重『あたたた・・・大丈夫でござる。思ったより衝撃が緩和されたのでござるな。結構派手に倒れたでござるのに。ちょっと慌てて肘を打っただけでござるよ。』

 

雄也「そうか。よかった。」

 

モニカ「起動中コックピットの周りは何重にも魔力のシールドが掛かるから、ある程度の衝撃は緩和されるぜ。」

 

雄也「成る程な。」

 

冬夜「装甲の破損も無さそうだな。頑丈だ。」

 

ハッチが開き、八重がシュバリエから降りた。

 

雄也「よう。どうだった?」

 

八重「思ったより動かしやすかったでござるな。揺れなども然程でもなかったし。フレームユニットとなんら変わらぬでござるよ。」

 

冬夜「成る程。衝撃と一緒に揺れも抑えてるのか。それなら船に弱いリンゼでも安心か。」

 

だがその時、何者かがシュバリエに乗り込み勝手に起動し始めた。

 

雄也「う、動いた!?」

 

冬夜「誰だ!?」

 

リンゼ「すみません。お姉ちゃんが勝手に・・・」

 

雄也「エルゼか!」

 

冬夜「エルゼ!次は僕の番だろ!!」

 

シュバリエが素早くジャブする。

 

雄也「おー。見事なジャブ。」

 

冬夜「ああもう!いい動きするなあ!」

 

 

 

 

しばらくして、満足したエルゼがシュバリエから降りた。

 

エルゼ「いやー良いわね!思った通りに動かせるわ!フレームユニットで練習した甲斐があったわ。」

 

冬夜「そりゃあよかったね!って言うか次は僕の番って言ってたろ!?」

 

エルゼ「細かい事言わないの。もうちょっとデンと構えてなさいよ。王様でしょ?」

 

雄也「そうそう。王様なら王様らしく国民の考えに優先するべきだろ?」

 

冬夜「よく言うよ!僕がどれだけこれに乗りたかったか知ってる癖に!順番抜かしはいけないんだぞ!」

 

リンゼ達も列に並ぶ。

 

ライザーク「おー。列が出来てるぜ。」

 

雄也「あはは。こりゃあ俺達の番はちょい先かな?」

 

冬夜「順番抜かしはいけない・・・から、並ぶ皆を押し退ける訳にもいかない・・・かと言って僕が最後尾に並んだら確実に皆に気を使わせてしまう・・・今日は諦めるしかないのか・・・何でこうなった・・・」

 

雄也「どうどう。」

 

 

 

 

 

 

フレームギア・シュバリエの起動実験が成功した数日後。工房に訪れた。

 

ロゼッタ「これが対フレイズ用の武器であります!」

 

冬夜「うん、良い出来だ!」

 

雄也「水晶の釣り針。最高にクールだ!サンキューロゼッタ!」

 

ロゼッタ「それにしても、フレイズの結晶から武器を作るとは。マスターは凄い事を考え付くでありますな!」

 

雄也「フレイズの体は魔力を流せば流す程強度が増すからな。」

 

冬夜「だから、それで武器を作れば凄いモノが出来ると思って。」

 

雄也「倒したフレイズの欠片をストレージとギアレットハンターに保管してたからな。」

 

ロゼッタ「剣と釣り針は後何本か作っておいたであります。序でに、水晶の弾丸も何発か。」

 

冬夜「ありがとう。」

 

雄也「フレームギアの方はどうだ?」

 

ロゼッタ「絶賛量産中でありますが、オリハルコンが残り少なくなってきたので補充して欲しいであります。」

 

雄也・冬夜「オリハルコンか・・・」

 

 

 

 

 

 

ブリュンヒルド公国・城下町。

 

雄也「どうやって調達する?」

 

冬夜「どうしよっか・・・」

 

ユミナ「冬夜さーん!」

 

ルーシア「冬夜様ー!」

 

そこにユミナとルーシアがやって来た。

 

冬夜「ユミナ。ルー。」

 

雄也「相変わらず冬夜に抱き付いたな。」

 

ユミナ「全く。奥さんを放って置いて雄也さんと何をしているんですか?」

 

冬夜「まだ奥さんじゃないでしょうが。」

 

雄也「でもユミナ達はそのつもりなんだよな?」

 

ルーシア「はい!冬夜様とは、比翼の鳥、蓮華の枝・・・あら?この場合ちょっと違いますかしら?」

 

冬夜「まぁ、翼も枝も多いわな・・・」

 

ユミナ「っで、難しい顔をしてどうしたんですか?」

 

雄也「実はな、フレームギアの素材でオリハルコンが必要でな。調達先は何処なのか話し合っててな。」

 

ユミナ「鉱石場へ行けば幾つか売って貰えるかと思いますが・・・多分それじゃあ足りないでしょうね。」

 

ルーシア「希少金属ですものね。値段もかなり致しますし。」

 

冬夜「今後の事を考えると倹約したい所だなぁ・・・ミスリルならまだ余ってるんだけど。」

 

雄也「あ!なぁ、オリハルコンのゴーレムとかどっかに棲息してるか?ミスリルゴーレムみたいな。」

 

ユミナ「オリハルコンゴーレムですか?聞いた事ないですね・・・」

 

ルーシア「私もですわ・・・」

 

冬夜「一応検索してみるか。検索。オリハルコンゴーレム。」

 

検索結果、各地に結構棲息している。

 

雄也「ほう。各地に結構居る。」

 

冬夜「じゃあ一狩り行って来るか!」

 

雄也「一狩り行こうぜ!」

 

ユミナ「また私達を放って置く気ですか!?」

 

冬夜「そ、そんなつもりはないけど・・・初めて行く所だからフライを使って飛んで行こうかと・・・一緒に行く?」

 

ユミナ「あ・・・フライですか・・・」

 

ルーシア「飛ぶのはちょっと・・・怖いですわね・・・」

 

冬夜「やっぱりそうだよねぇ・・・」

 

 

 

 

 

 

フライとホバーボードで飛行する。

 

雄也「レスティア王国上空まで来たな。」

 

冬夜「もう少し先だな。ん?」

 

雄也「どした?」

 

下を見ると、街が燃えていた。

 

雄也「何だありゃ?火事か?」

 

冬夜「調べてみる・『ロングセンス』!」

 

ロングセンスで街を調べる。すると。

 

冬夜「なっ!?フレイズ!」

 

雄也「何だと!?」

 

冬夜「下級種のようだけど・・・数が多いな。」

 

 

 

 

???「怯むな!騎士達よ!街の人々を逃がす為の時間を稼ぐのです!一歩も退いてはなりません!!」

 

街中では、騎士達を指揮する少女が居た。少女は剣を握ってフレイズに立ち向かう。だが、少女の剣はフレイズの装甲を斬るどころか、逆に折れてしまった。

 

少女「なっ・・・!?」

 

フレイズの攻撃が少女に迫る。

 

少女「しまっ・・・!!」

 

ライザーク「ドルァアアアアアア!!!」

 

だがそこにライザークのライトニングシャワーがフレイズを痺れさせた。

 

ライザーク「チャンスだ!!」

 

そこに冬夜も駆け付け、フレイズの腕を切断した。

 

冬夜「うん。フレイズの欠片から作ったこの武器なら問題なく斬れるな。」

 

雄也「切れ味が違うね〜。」

 

少女「あ、あなた方は・・・」

 

雄也「後で話す。今は住民の避難を優先しろ。」

 

少女「わ、分かりました。頼みます!」

 

雄也「冬夜。フレイズを確認した。破壊した奴を除いて11体だ。」

 

冬夜「分かった。じゃあ切れ味を試させて貰おう。」

 

雄也「俺のこのフレイズの釣り針の実験台になって貰うぞ。」

 

冬夜「アクセルブースト!」

 

 

 

 

 

 

2人は一瞬でフレイズを全滅させた。

 

冬夜「これで終わりか。」

 

雄也「案外余裕だったな。」

 

冬夜「刃毀れ1つしていない。使えるな水晶剣。」

 

雄也「流石フレイズロッド。」

 

そこに、先程の少女が戻って来た。

 

雄也「アンタ、被害はどれ位だ?」

 

少女「え?あ、ああ。何名かがなくなりました。怪我人も多数出ています。」

 

冬夜「そうか・・・死んでしまったのは残念だ。怪我人だけでも治すよ。」

 

少女「え?」

 

冬夜「マルチプルっと。」

 

スマホでマルチプルを起動し、怪我人全員完治させた。

 

少女「助けて貰ってなにですが、あなた方は一体・・・」

 

冬夜「僕は望月冬夜。」

 

雄也「俺は伊狩雄也。まぁたまたま通り掛かった通り縋りだ。」

 

少女「あ、ああ。これは失礼。私はこのレスティア騎士王国第一王女ヒルデガルド・ミナス・レスティアです。助けていただきありがとうございます。」

 

雄也(彼女王女だったのか。)

 

冬夜「レスティアの姫とは知らずにご無礼を。私はブリュンヒルド公国公王の望月冬夜と申します。」

 

雄也「伊狩雄也です。ブリュンヒルド公国の公爵です。」

 

ヒルデガルド「ブリュンヒルド・・・!話は聞いております!冒険者から身を起こした少年王と少年爵・・・西方諸国を股に掛け、国々の問題を解決する『調停者』だと・・・」

 

雄也(調停者?俺らそんな風に思われてんの?)

 

ヒルデガルド「ギルドカードを見せていただいても・・・」

 

2人はヒルデガルドにギルドカードを見せた。

 

ヒルデガルド「・・・お祖父様と同じ金ランクのカードです。ご無礼を致しました。どうぞお許しを。」

 

冬夜「いえいえ。」

 

雄也「君の祖父さんは先王様だな。同じ金ランクの先輩として1度合間見えたいものだ。」

 

ヒルデガルド「いえ・・・あまり期待はされない方が宜しいかと思いますが・・・」

 

雄也「え?」

 

ヒルデガルド「や、何でもありません。それにしても凄いですね。私達が束になっても敵わなかった魔物をほぼ1撃で・・・」

 

冬夜「この魔物はフレイズと言います。魔法を吸収し、再生能力を持つ厄介な敵です。倒すには、体の中にある核を破壊せねばなりません。」

 

ヒルデガルド「フレイズ・・・」

 

雄也(少し見たが、ヒルデガルドの剣の腕は中々だったな。だが相手が悪かったな。)

 

冬夜「この倒したフレイズの破片を頂きたいんですけど、良いですかね?」

 

ヒルデガルド「え?あ、はい。陛下が倒した訳ですし、それは構いませんが・・・」

 

フレイズの破片を回収した。

 

冬夜(これだけあれば、そこそこの数の武器が作れるな。)

 

ヒルデガルド「ひょっとしてその剣・・・そのフレイズから作られているのですか?」

 

冬夜「その通りです。我が国の騎士団はこの剣と盾が一番通常装備でして。私の無属性魔法でしか作れませんがね。」

 

ヒルデガルド「そうですか・・・羨ましいですね。1人の騎士として、いつかそんな剣を持ってみたいものです。」

 

冬夜(・・・ふむ。ここでレスティアとの親交を深めておいても損にはなるまい。)

 

そう考えた冬夜が、もう1つの水晶剣を出した。

 

冬夜「出会いの記念にこれを差し上げます。姫と国王陛下。そして先王陛下に。」

 

ヒルデガルド「えっ!?い、いいんですか!?これは御国の国家機密なのでは・・・!?」

 

雄也「心配するな。冬夜しか作れないから秘密も何もない。まぁ材料はあまり手に入らない品物だが、我が国では騎士団の者なら皆持ってるしな。」

 

冬夜「ただ、その3本は僕用に作ったものですので。段違いに性能は違いますが、魔力を通せば鉄くらいなら刃を乗せただけで切れますし。折れる事はほぼありません。多少の葉溢れやヒビが入ったとしても再生します。」

 

ヒルデガルド「凄いです・・・もしまたフレイズが現れても今度は負けません!!」

 

冬夜「では自分達は用がありますのでこれで失礼します。また会えると良いですね。」

 

ヒルデガルド「素敵な贈り物をありがとうございました。いずれ公国の方へ今回のお礼をお送り致します。」

 

 

 

 

 

 

オリハルコンゴーレムが生息する山中で、オリハルコンゴーレムを討伐した。

 

冬夜「よし。任務完了っと。金ピカだぁ。」

 

雄也「ライザーク。念の為、周りに別個体が居ないか調査してくれ。」

 

ライザーク「任せろ!」

 

 

 

 

調査に向かったライザーク。

 

ライザーク「他のオリハルコンゴーレムちゃんは何処だ〜?」

 

”ガサッ!”

 

ライザーク「ん?鹿か。」

 

走ってる鹿が茂みに当たった音だった。だが。

 

ライザーク「ん?川に何かある。」

 

川にある何かを発見して接近する。

 

ライザーク「ん?あれは・・・!」

 

 

 

 

オリハルコンゴーレムを回収してる2人の元に、ライザークが戻って来た。

 

ライザーク「オーーーーイ!!」

 

冬夜「ライザーク、どうしたの?」

 

雄也「別個体が居たか?」

 

ライザーク「大変だ!!すぐに来てくれ!!」

 

雄也「え?」

 

 

 

 

先程の川。

 

ライザーク「あれを見ろ!!」

 

雄也「あれ?・・・なっ!?」

 

冬夜「・・・人だ!!」

 

川に少女が横たわっていた。

 

冬夜「おい!ちょっと!大丈夫か!?」

 

急いで少女に駆け寄る。

 

雄也「なっ・・・!!」

 

しかもその少女の右腕と右足が切断されていて、断面から流血してる。

 

雄也「酷い有り様だ・・・」

 

冬夜「まだ息がある。光よ来たれ。女神の癒し、メガヒール。」

 

メガヒールで少女の傷と異常状態を回復させた。

 

少女「・・・う・・・」

 

冬夜「おい!気付いたか!?」

 

雄也「大丈夫か!?」

 

少女「・・・あ・・・」

 

目を開けたが、すぐに気を失って倒れてしまった。

 

冬夜「くっ・・・バビロンの『練金棟』に運ぼう。」

 

雄也「フローラが肉体再生も可能だって言ってたな。腕と足が修復出来るかも知れない。」

 

急いで少女を練金棟へ運んだ。

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重;赤崎千夏
      スゥシィ:山下七海
       ユミナ:高野麻里佳
      ルーシア:高木美佑
    ヒルデガルド:芹澤優
        少女:久保田未夢
        紅玉:桑島法子

     ライザーク:梅原裕一郎
     クリスター:石上静香

    ハイロゼッタ:朝日奈丸佳
    ベルフローラ:金元寿子
        ミカ:原紗由理
 オルバ・ストランド:伊原正明
 オリガ・ストランド:井上喜久子
 アルマ・ストランド:井上ほの花
       レオン:安元洋貴
       リオン:斉藤壮馬

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