異世界はガウストとともに。   作:naogran

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ある日、雄也と冬夜はエルゼ達を呼んだ。

冬夜「何でも、氷の中に閉ざされた洞窟に誰も入る事の出来ない不思議な円筒型の物体があるんだとか。」

リーン「早速向かいましょう!」

雄也「テンション高。」

シェスカ「これでマスターの愛玩人形がまた増える訳ですね。」

雄也「テメェみたいな奴が増えると考えたら寒気がするわ。」

マップを表示して、エルフラウ王国を調べる。

冬夜「本当に北も北なんだな。相当寒いんだろうなあ・・・」

黒曜「私等は留守番させて貰うわぁ。寒さに弱いのよぅ。」

冬夜「皆の防寒準備が整い次第出発しようか。」

雄也「ここで待ってるからな。」

エルゼ「冬夜と雄也は?」

冬夜「僕はこのコートがあるから問題ないよ。何せ耐寒、耐熱、耐刃、耐撃、耐魔の効果付与があるからね。」

雄也「俺は何の付与もないが、チャイドランに頼むからな。」






エルフラウ王国。

冬夜「な・・・何じゃこの寒さは・・・!!」

コートの効果付与は無効化だった。

雄也「ご・・・極寒過ぎる・・・!!」

無防備で来た為寒いのは当たり前。だが女性陣は平然としている。

雄也「チャ、チャイドラン!」

チャイドラン「分かったチャイ。」

尻尾から赤い光を出し、それを雄也に飲ませた。すると雄也の身体中に温暖が広がった。

雄也「ふぅ。温まる〜。」

冬夜「な、何で君等平気な顔してる訳?さ、寒くないの?」

リーン「温暖魔法を使ってるからね。あなた以外は普通に常温状態よ。」

冬夜「何それズルい!!」

リーン「防寒はバッチリってあなた言ってたじゃないの。熱よ来たれ。温もりの防壁。ウォーミング。」

温暖魔法で冬夜を温めた。

冬夜「ほっ・・・」




出発し、洞窟の中へ入って行く。

冬夜「これが例の遺跡か?」

雄也「氷壁で閉ざされているな。」

冬夜「リーン、これ魔法で溶かせないかな?」

リーン「うーん、やってみるけど・・・」

炎の魔法で氷壁を溶かそうとしたが、溶けなかった。

雄也「溶けない?ガルフレイム!」

ガルフレイム「フレイムバーン!!」

フレイムバーンで氷壁を溶かそうとしたが、これもダメだった。

ガルフレイム「氷が溶けないだと?」

リーン「この氷は普通の氷じゃない。魔氷よ。」

冬夜「魔氷?」

リーン「天然の魔力が蓄積されて出来た氷。半端な力じゃ砕けないし、魔法の炎でも簡単には溶けないわ。」

雄也「目的地は目の前だってのに、何か方法はないのか?」

リンゼ「トンネルでも掘れればあっさりと辿り着くんですけどね・・・」

冬夜「トンネル・・・?あ!モデリング!」

モデリングで魔氷のトンネルを作り、円筒型の前に立つ。

冬夜「さて、これがバビロンへの転送陣なのかどうか・・・」

ルーシア「大きいですわねぇ。」

冬夜「本当に円柱なんだな。(大きなツナ缶みたい。)」

雄也「入り口を探そう。」

ライザーク「入り口は何処にあるんだ?」

散開して入り口を探すが、何処にもなかった。

冬夜「・・・上か?モデリング!」

モデリングで氷の階段を作り、円柱の上へ登る。

雄也「成る程。」

ギアレットハンターで円柱の上にある氷に突き刺してリールを回して上へ登った。

雄也「お!入り口発見!」

冬夜「入り口見付けた!皆はそこで待機していてくれ!何かあったら琥珀に連絡するから!」

雄也「ガルフレイム!クリスター!お前達はエルゼ達の護衛を頼む!」




円柱の中へ入り込んだ。

冬夜「当たりだな。転送陣だ。」

雄也「さて、この先に何があるんだ?」






転送陣を通って、新しいバビロンに着いた。

雄也「予定通りだな。」

冬夜「うん。さて、ここが図書館か格納庫だと嬉しいんだが。ああ、蔵でも良いな。色んな厄介事を増やしてくれたお礼が出来る。」

雄也「顔怖。」




しばらく歩くと、1つの建物を発見した。

冬夜「ここは・・・?」

雄也「イギリスの民家にそっくりだな。」

冬夜「バビロンの施設には違いないと思うけど・・・」

???「その通りです。ようこそ、我が『錬金棟』へ。」

ライザーク「お、噂をすれば出て来たぞ。」

そこに現れたのは・・・

???「私はここ『錬金棟』を管理する端末、ベルフローラですの。フローラとお呼び下さいですの。」

端末のベルフローラ。しかも巨乳。

雄也「デカ・・・」

ライザーク「き、巨峰・・・」

フローラ「ここへやって来たと言う事は、あなた方は博士と同じ金属性持ちですの。ですが、錬金棟の使用許可は適合者にしか与える事は出来ません。」

冬夜「知ってる。因みに庭園と工房の管理人には認めて貰っているよ。」

雄也「俺も認可済み。」

フローラ「庭園と工房・・・シェスカとロゼッタですの?まぁまぁ!4907年振りですの!お懐かしい!2人が認めたのなら、適合者の資格は充分おありだと思いますの。でも一応、私も判断させて貰いますの。」

冬夜「判断?」

雄也「あれ?シェスカとロゼッタの時と同じ・・・!?」

冬夜「って、この流れは!」

突然雄也と冬夜がフローラに腕を掴まれ、そのままフローラの豊富な胸に触れさせられた。


19話「錬金棟、そして思わぬ再会。」

フローラ「あん。ですの。」

 

冬夜「な、な、なあ!?」

 

雄也「お前何したんだ!?」

 

すぐにフローラの手を振り払って後退りした。

 

フローラ「うふふ。合格ですの。ここで野獣化するような方なら資格なしとしましたの。次は生肌で触って貰いますの。それでも野獣化しなければ・・・」

 

そう言うと服を脱いで巨乳の生肌を見せた。雄也と冬夜がドン引き。

 

冬夜「ちょ!閉まって!分かったから!野獣化しないから!!」

 

フローラ「そうですの?折角ですし好きに揉んで頂いでも・・・」

 

雄也「結構だ!!間に合ってるから!!」

 

フローラ「・・・挟めますのよ?」

 

雄也・冬夜「いいから仕舞えよ!!」

 

ライザーク「噛み殺されてえか!?」

 

仕舞った。

 

フローラ「あなた方を適合者として相応しいと認め、これより機体ナンバー21、個体名『ベルフローラ』はあなた方に城とされますの。末長く宜しくお願い致しますの。マスター。」

 

冬夜「はぁ・・・やっぱり厄介なのが増えた・・・お前らを作った博士はどうかしてる!!」

 

雄也「お淑やかな癖にやる事がえげつない!!」

 

すると突然、フローラが冬夜に接吻した。

 

雄也「ゲッ!」

 

冬夜(しまった!これがあった・・・!!)

 

雄也「止めてくれーーー!!」

 

今度は雄也にも接吻した。

 

フローラ「登録完了!マスターの遺伝子を記憶しましたのですの。これより『錬金棟』の所有者はマスターに移譲されますの。」

 

雄也「もう勘弁してくれよ・・・」

 

 

 

 

 

 

錬金棟内。ここには多くの薬品や合成素材が保管されている。

 

フローラ「錬金棟は異なる物質や魔法を掛け合わせて、新たな物を生み出す施設ですの。主に薬品や食品、合成素材などが作れますの。例えば、傷を治すポーションなんかが手頃ですの。また、掛け合わせた品種同士の両方の特性を備えた植物なんかも作れますのよ?」

 

病に強い品種と、実を多く付ける品種を掛け合わせると、病に強くて実が多い品種が出来上がると言う。

 

冬夜「ほー。それは使えそうだ。」

 

フローラ「医療施設としての機能も備えてますので、腕一本足一本位なら再生する事も出来ますの。」

 

冬夜「生物関係全般の魔法施設って感じか。」

 

雄也「バイオテクノロジーだな。」

 

冬夜(フローラ達だって所謂人造人間だよな。ひょっとしたら此奴等の生み出された過程って・・・あまり考えないようにしよう。)

 

フローラ「此方の棚には、様々な薬品が取り揃えてありますの。博士が作った薬も何点かありますのよ。」

 

雄也「ほう?結構真面な研究もしてたんだな。あの博士。」

 

フローラ「媚薬、催淫薬、興奮剤、精力剤、滋養強壮薬、蒸発薬、性欲増強剤とかですの。副作用無しの安全な製品で・・・」

 

雄也「感心した俺が馬鹿だった!!」

冬夜「感心した僕が馬鹿だった!!」

 

レジーナ・バビロンは性的な薬しか作らなかったそう。

 

ライザーク「あの馬鹿博士が作った普通の薬はないのか?」

 

フローラ「ないですの。」

 

冬夜「ここに僕の大事なお嫁さん達を連れて来るのは嫌だな。」

 

ライザーク「金輪際立ち入り禁止を出しておくか。」

 

 

 

 

 

 

その後皆を連れて来た。

 

リーン「錬金棟・・・ブリュンヒルド公国として活用出来そうな施設よね・・・」

 

ルーシア「で、あなたが錬金棟の管理人さんですか・・・」

 

フローラ「フローラとお呼び下さいですの。」

 

ユミナ・ルーシア「おっき・・・!!」

 

エルゼ「く・・・何て存在感なの・・・?」

 

リンゼ「勝てない・・・流石に・・・これは勝てない・・・」

 

ルーシア「冬夜様も雄也様も大きい方がお好みで・・・?」

 

冬夜「いやいやいや!!フローラの・・・は僕の好みとは関係ないから!!」

 

雄也「あんな大きの好みな訳あるか!!」

 

八重「だ、大丈夫でござるよ!ルー殿もユミナ殿もまだまだこれから!拙者もお2人と同じ頃にこうどーんと!」

 

後ろでエルゼとリンゼが落ち込んでる。

 

雄也(あ〜あ、がっかりしちゃってる・・・)

 

リーン「揉んであげたら?」

 

雄也「はぁ!?」

 

冬夜「ばっ・・・!!そんな事出来る訳ないだろ!!」

 

雄也「変な事抜かすんじゃねえよ!!」

 

フローラ「私はさっきマスターに揉んで頂いたですの。」

 

雄也「おい!!」

 

フローラ「キスもされましたの。」

 

雄也「嘘言うんじゃねえよ!!俺達はされた方だろうが!!」

 

ユミナ「冬夜さん、ちょっとお話があります。」

 

結局正座させられてしまった。雄也も同様。2人はポーラに慰められた。

 

冬夜(理不尽だ・・・)

 

雄也(何で俺も・・・)

 

 

 

 

 

 

錬金棟を見付けて数日後。

 

冬夜「空を飛びたいんだけど。」

 

リーン「って言われてもねぇ・・・」

 

雄也「思い付いた結果がこれかよ。」

 

冬夜「でも空飛ぶ敵がまた出た時とか飛べないと不便だな〜と。そう言う魔法ってない?」

 

雄也「俺はホバーボードがあるから問題ないけど。」

 

リーン「風属性で自分に飛ばすってのは出来るけど、元々は敵を吹き飛ばす魔法だから自由に飛べる訳ではないわね。」

 

冬夜「うーん・・・それはちょっとなぁ・・・やっぱり無属性魔法か?」

 

リーン「でしょうね。生憎私は知らないけど。」

 

雄也「ふーん。魔法に長けた妖精様でも知らない魔法があるもんだな。」

 

リーン「知った所で自分では使えない無属性魔法をわざわざ調べたりはしないもの。」

 

雄也「一理ある。」

 

冬夜「となると、文献から調べるしかないな・・・」

 

 

 

 

行動を開始。浮遊魔法を探すべく大量の本を仕入れた。

 

冬夜「・・・うへぇ・・・」

 

雄也「うわぁ・・・」

 

レネ「冬夜兄ちゃん・・・雄也兄ちゃん・・・この中から本当に探すの?」

 

雄也「悪いなレネ。ライザーク、お前も頼む。」

 

ライザーク「気の遠くなる作業だが・・・仕方無えな。」

 

皆で浮遊魔法の方法を探す。

 

冬夜「任意の音を消去する『サイレンス』。逆に音声を拡大する『スピーカー』。不可視の障壁を生み出す『シールド』。使えそうな魔法は色々あるな。」

 

雄也「しかし肝心な魔法が見付からねえなぁ・・・お?冬夜、これどうだ?」

 

冬夜「ん?」

 

雄也が開いたページを冬夜に見せた。

 

冬夜「物体を浮遊させる魔法。レビテーション!」

 

すると本が浮いた。

 

冬夜「おお!浮いた!ふむ。自由に動かせるな。ただし、術者の手の届く高さまでか。」

 

レネ「冬夜兄ちゃん!私も飛んでみたい!!」

 

 

 

 

別室でレネを浮かせた。

 

レネ「きゃっきゃ!」

 

ライザーク「高い高いしてる親子みたいだな。」

 

冬夜「成る程。浮いてる側の力では自由に動けないのか。」

 

雄也「最早飛んでるとは言い難いな。」

 

冬夜「でも何かを運ぶ時には役立つかな?考え方次第では色々使えそうな魔法だ。取り敢えずキープ。」

 

 

 

 

書斎に戻って浮遊魔法を探す。

 

シェスカ「マスター。この魔法は如何ですか?」

 

ある魔法を見付けたシェスカがその本を持って来た。

 

冬夜「これを使えた人は3分程だが自由自在に飛ぶ事が出来た。・・・『フライ』!間違いない!これだ!魔力による浮遊と推進。かなりの魔力を食うようだけど、多分大丈夫だろう。兎に角やってみよう!」

 

 

 

 

 

 

外に出てフライの実験を始める。見物が多く来てる。

 

冬夜「見物人多いな・・・」

 

雄也「ホラ冬夜。集中集中全集中。」

 

冬夜「分かってるよ。集中・・・集中・・・フライ!!」

 

すると冬夜が浮遊した。

 

雄也「おぉ!」

 

冬夜「ふむ。思ったように動くな。もうちょっと高く飛んでみるか。」

 

高く上昇した。

 

冬夜「とっとっと!」

 

雄也「んじゃ俺も。」

 

ホバーボードに乗って冬夜に近付く。

 

 

 

 

雄也「どうだ?」

 

冬夜「加減がまだ分からないな。それにスピードを出すと空気抵抗がキツイな・・・」

 

雄也「シールド使ったら良いかもな。」

 

冬夜「それだ!」

 

シールドを張って飛ぶ。

 

冬夜「うん!かなりのスピードで飛べるぞ!後は小回りかな?宙返り!出来た!急停止!急降下!ジグザグ飛行!」

 

雄也「おいおい彼奴・・・」

 

 

 

 

 

 

エルゼ「で、調子に乗ってたら気持ち悪くなって降りて来た訳?」

 

冬夜「面目無い・・・」

 

雄也「三半規管脆いな。」

 

冬夜「五月蝿い・・・」

 

調子に乗って飛行し過ぎた結果、気分を悪くしてしまってエルゼの膝枕に寝転がっている。

 

雄也「それで、飛行以外の問題は無かったか?」

 

冬夜「一応大丈夫だと思う・・・あんまり高く飛ぶと寒いかな・・・?」

 

雄也「酸素が薄くなるからな。」

 

エルゼ「ねぇ冬夜。その飛行魔法ってのを掛けられたら、私も飛べる?」

 

冬夜「いや、多分無理。操作系の魔法じゃないし。エルゼの『ブースト』をリンゼには掛けられないだろ?あれと同じだよ。」

 

エルゼ「そっかー・・・」

 

冬夜「僕が抱き上げれば飛べるけど?」

 

エルゼ「や、それは・・・何か恥ずかしい・・・」

 

雄也「膝枕は平気な癖に。」

 

冬夜「あ、でも『レビテーション』と組み合わせれば飛行は出来るかも?エルゼが自由自在に飛べるって訳じゃないけど。レビテーション。」

 

エルゼ「わわ!」

 

レビテーションでエルゼが浮遊した。

 

冬夜「フライ。」

 

自身とエルゼが飛んだ。

 

冬夜「お!やっぱり出来た!」

 

 

 

 

そのまま2階のバルコニーへ向かった。

 

雄也「流石だな。」

 

ホバーボードに乗った雄也も付いて来た。

 

エルゼ「はぁ・・・ふわふわして慣れないと怖いわね・・・やっぱり私は飛べなくてもいいわ。」

 

冬夜「ありゃ。そっか。取り敢えず、これで目的は達成したな。空を飛ぶ魔物とかとも対等に戦える。」

 

ライザーク「ガウスト共も一網打尽間違いなしだな。」

 

冬夜「もう1回飛んで来る。」

 

雄也「また後でな。」

 

エルゼ「今度は酔わないようにしなさいよ〜。」

 

 

 

 

街の上空。

 

冬夜「上から見ると、結構街並みが広がったのが分かるなぁ。」

 

雄也「なら、定期的に飛んで見回りでもするか?」

 

冬夜「それもそうだね」

 

”ピリリン”

 

雄也「ん?」

 

ギアレットハンターに着信が入った。

 

雄也「よう神さん。どした?」

 

恋愛神『もしもーし!私私!私なのよ〜!』

 

雄也「何?私私詐欺?詐欺なら切りますよ?」

 

恋愛神『もう雄也君意地悪〜!』

 

雄也「冗談冗談。その声、恋愛神だろ?」

 

恋愛神『ピンポンピンポーン!』

 

雄也「どうしたんだ今日は?何かテンション高いけど。」

 

恋愛神『そりゃあテンション高くなるのよ〜!あのね?冬夜君は今恋愛モードに入ってるのよ〜!』

 

雄也「恋愛モード?」

 

冬夜「何の事です?」

 

神様『これと・・・これじゃ!ガーン・・・』

 

恋愛神『隠してもダメなのよ〜!国の街並みも騎士団も揃ってきたし、ここらで自分の身辺もきっちりさせようって思ったのよ〜!』

 

冬夜「人の心の中を勝手に読まないで下さい!」

 

恋愛神『それは無理なのよ〜!恋愛神のアンテナは、恋心にビンビンに反応しちゃうのよ〜!』

 

雄也「相変わらず便利だな。神だから当たり前だけど。」

 

恋愛神「バッチリ視えるから、八重ちゃんエルゼちゃんリンゼちゃんの親への報告、ビシッと決めて来るのよ!これと、これなのよ〜!」

 

雄也「なぁ、さっきから何やってんの?」

 

恋愛神『ただの神経衰弱なのよ〜。』

 

雄也「神様なのに呑気だな〜。」

 

 

 

 

 

 

数日後のイーシェン。九重家。本日は八重との婚約を承諾して頂きたく、参った。

 

冬夜「・・・そう言う訳で、ご挨拶に伺うのが遅くなりましたが・・・娘さんの・・・八重とも結婚の約束をしております。本日はご両親にも婚約にご了承頂ければと・・・」

 

八重の両親の重兵衛と七重はお互いを見る。

 

七重「・・・ほらご覧なさい。私の言った通りになったでしょ?」

 

重兵衛「本当になあ。まあこうなったからには、他の婚約者と同じように八重を宜しく頼む。冬夜殿。」

 

冬夜(よかったぁ・・・反対とかされなくて・・・)

 

無事に承諾成功。八重の両親にはまだ婚約の報告をまだしていなかった。ユミナとルーシアは既に家族公認。

 

冬夜(後はエルゼとリンゼの所か。)

 

重兵衛「しかし、まさか冬夜殿が一国一城の主人になっているとはなあ。それに雄也殿が公爵殿かぁ。そして八重がその王様に嫁入りとは・・・人生何があるか分からんな。」

 

冬夜(僕自身こんな事になるとは思ってもみなかったんですが・・・)

 

七重「ねぇ冬夜さん。そのブリュンヒルド?って国にちょっと連れて行ってくれないかしら?八重の暮らしている国を見てみたいわ私。」

 

 

 

 

 

 

ブリュンヒルド公国に一旦帰国。

 

冬夜「さて・・・次はエルゼ達姉妹のご家族に挨拶しに行かないとな。」

 

雄也「いよいよシルエスカ姉妹かぁ。」

 

 

 

 

 

 

後日。リーフリース皇国。

 

エルゼ「久し振りねーここも!」

 

リンゼ「変わらないね!」

 

雄也「確か2人の親御さんは居ないんだっけ?」

 

エルゼ「そう。私達の両親は既に亡くなっていて、叔父さんと叔母さんがずっと親代わりだったの。」

 

リンゼ「叔父さんはここコレットの町で農園をやってて。私達が自立の為に12歳で家に出るまでお世話になってました。」

 

雄也「ほぉ〜。」

 

エルゼ「婚約の事とか、ざっくり説明した一通り手紙で知らせてあるわ。けど・・・大丈夫かなあ?」

 

雄也・冬夜「?」

 

 

 

 

 

 

しばらく進むと、2人の人物が農作業をしていた。

 

男性「・・・?エルゼ?リンゼ?」

 

エルゼ「久し振り!ジョセフ叔父さん!」

 

リンゼ「久し振り!」

 

女性「エルゼ!リンゼ!わぁ!帰って来たの!?」

 

エルゼ「エマ姉さん。ただいま。」

 

リンゼ「ただいま。エマ姉さん。」

 

エマ「もう!全然帰って来ないんだから!たまには戻って来るって約束したのに!」

 

2人をぎゅむっと抱き締める。

 

雄也「2人のお姉さんか?」

 

エルゼ「冬夜。雄也。この人はエマ姉さん。叔父さんの娘で、私達の従姉妹。」

 

ジョセフ「よく帰って来たなぁ2人共。皆も喜ぶぞ。・・・所で、此方の方々は?」

 

エルゼ「手紙に書いたでしょ?この人達が望月冬夜と伊狩雄也。その・・・あ・・・あ・・・冬夜は私達の旦那様になる人。」

 

エルゼ「婚約者・・・です。」

 

ジョセフ「手紙の・・・って、この人達が最近話題のブリュンヒルド公国って所の・・・」

 

冬夜「ブリュンヒルド公国公王、望月冬夜です。」

 

雄也「そして俺が、ブリュンヒルド公国公爵の伊狩雄也だ。」

 

冬夜「エルゼとリンゼには何時も助けて貰って・・・」

 

ジョセフ「ははぁーーーーーーー!!!!!」

 

突然ジョセフが素早く土下座した。

 

雄也「うわぁ何だ!?」

 

エルゼ「あーあ、もうやっぱりこうなった。」

 

リンゼ「予想通りだね。」

 

エマ「すみません。父さんって貴族とか物凄く苦手なんですよ。子供の頃何かあったみたいで。」

 

冬夜「トラウマレベルの反応じゃないですか!?」

 

雄也「何があったのかめっちゃ気になるけど!?」

 

ジョセフ「こ、この度はわざわざご足労頂きありがとうございます!な、何もお持て成しは出来ませんが、何卒お怒りを鎮め、寛大な処置をお願い申し上げ奉る・・・」

 

冬夜「可笑しい可笑しい。言葉が。」

 

雄也「しっちゃかめっちゃかだなぁ・・・」

 

エマ「ほら父さん。公王様と公爵様が困ってるからいい加減立ってよ。」

 

ジョセフ「こ、こま!?困らせる気は全くもって!全くもって!何卒お慈悲をもってお許し願いたくぅぅぅ!!」

 

冬夜「2人と婚約するにあたってご挨拶をと伺ったのですが、お邪魔だったでしょうか?」

 

エマ「いいえぇ。父さんはこんなだけど、皆は喜んでくれますから。母さん達にも会って行って下さい。」

 

雄也「皆?」

 

すると家のドアが開き、6人の子供達が出て来た。

 

子供A「本当だ!エルゼ姉ちゃんとリンゼ姉ちゃんだ!」

 

子供B「お帰りなさい!」

 

子供C「わーい!エルゼ姉!リンゼ姉!」

 

雄也「弟さん達?」

 

エマ「はい。全員私の兄弟です。上からシーナ、アレン、クララにキララ、アラン、リノです。本当は私のすぐ下にアロンって言う弟も居るんですけど、去年町へ出て行ったので今は居ません。」

 

雄也「8人兄弟・・・」

 

冬夜(確かにこの環境だと、エルゼとリンゼが早くに自立しようって考えるのも分かるなぁ。)

 

女性「おやおや。エルゼにリンゼじゃないか。帰って来たのかい?」

 

1人の女性が顔を出した。

 

エルゼ「ラナ叔母さん!」

 

リンゼ「ただいま!ラナ叔母さん!」

 

ラナ「あんた達が冬夜さんと雄也さんだね?2人の手紙に書いてあった通り中々良い男だねぇ。2人が惚気るのも分かるよ。」

 

エルゼ「ら、ラナ叔母さん!!」

 

リンゼ「秘密だって書いたのに!」

 

冬夜「初めまして。望月冬夜です。」

 

雄也「伊狩雄也です。」

 

ラナ「あの子達の叔母のラナだよ。王様と公爵なのに随分と腰が低いんだね。あんた達。」

 

冬夜「まだ成り立てですから。」

 

雄也「これから成長しますので。」

 

ラナ「王様と結婚するなんて書いてあったから心配していたんだけど、どうやら取り越し苦労だったようだね。2人を見ればよく分かるよ。」

 

アラン「母ちゃん、この人達王様と公爵なのか?」

 

ラナ「そうだよ。」

 

アラン「王様と公爵なら強い?雷熊倒せる?」

 

冬夜「雷熊?」

 

雷熊。それは身体から雷撃を放つ青ランク討伐魔獣の1体。

 

雄也「雷熊が出没?」

 

ラナ「ああ。最近目撃したって話があってね。畑を荒らされたりもしてるんで、ここいらの住民で金を出し合って冒険者ギルドに討伐依頼を出した所さ。」

 

雄也「死活問題だな・・・」

 

冬夜「ギルドに依頼したのは何時です?」

 

ラナ「昨日だよ。この町には冒険者ギルドがないから、近くのセンカって大きな町に依頼書を送ったんだ。明日辺り届く頃だと思うけど。」

 

雄也「でもそれだと討伐されるまで数日掛かりそうだなぁ・・・」

 

冬夜「その雷熊、僕達が倒して来ますよ。」

 

ラナ「王様と公爵がかい?大丈夫かね?」

 

雄也「こう見えて俺達、銀ランクの冒険者なんで。」

 

リンゼ「私達も行きますか?」

 

冬夜「いや、リンゼ達は積もる話もあるだろ?僕と雄也で行くよ。フライ。」

 

雄也「よっしゃ行くぜ!」

 

飛行魔法とホバーボードで雷熊討伐へレッツフライ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雷熊を一瞬で討伐。

 

冬夜「結構手古摺ったなぁ・・・」

 

雄也「腕のある奴等だったぜ。」

 

冬夜「よし。後はギルドに行って倒した雷熊の素材を換金して貰って・・・」

 

ライザーク「にしても凄え量だな。」

 

冬夜「まだギルドには届いてないと思うけど、依頼書のキャンセルもして来ないとな。えーっと何処だっけ。センカの町?」

 

 

 

 

 

 

センカの町のギルド。

 

冬夜「これ。買い取りの査定お願いします。」

 

受付嬢「し、少々お時間を頂きますね。」

 

買い取り査定の間、冬夜と雄也はギルドの依頼書を見ていると。

 

雄也「ん?」

 

そこにある人物と偶然出会った。

 

雄也・冬夜「エンデ!!」

 

エンデ「あれ?冬夜に雄也じゃないか。どうしてこんな所に。」

 

冬夜「何でこんな所にエンデが居るんだ?」

 

エンデ「それ僕が聞きたいんだけど。僕はこの近くに居るキングエイプってのを倒して来た帰りだよ。」

 

雄也「ギルドの依頼か。お、丁度良い。お前に訊きたい事が沢山ある。時間あるか?」

 

エンデ「聞きたい事?まあ良いけど。」

 

 

 

 

2人はエンデにある事を訊ねる。

 

冬夜「フレイズの事だ。彼奴等は一体何者なんだ?」

 

雄也「この世界に棲息してるとは思えない存在だ。」

 

エンデ「んー。話せる事と話せない事があるけど良いかな?」

 

雄也「構わん。話せる事をあるだけ聞かせてくれ。」

 

エンデ「信じて貰えるか分からないけど、彼奴等はこの世界の生命体じゃない。この世界とは別の世界から来た来訪者。とでも言えば良いのかな?」

 

冬夜「来訪者?侵略者じゃないのか?」

 

エンデ「彼奴等に侵略しているつもりはないから、侵略者と言うのが正しいかは分からないけど。別の世界から、自分達の『王』を探してこの世界に辿り着いたんだよ。」

 

雄也(フレイズの王・・・以前にも聞いた話だ。)

 

冬夜「それが何で人間を襲うんだ?」

 

エンデ「そこらはちょっと話せない事も交ざるけど、フレイズにはその生命活動の源になる『核』がある。これさえ破壊されなければ身体が砕かれても、自然界の魔力を吸収して何時かは再生するんだ。で、その『王』の核がこの世界にあるのさ。それを取り戻す為に人間を殺してるって訳。」

 

雄也「『王』の核を取り戻すのと人間を殺す事に何か関係があるのか?」

 

エンデ「『王』の核がこの世界に住む人間の誰か・・・その身体の中にあるからさ。」

 

雄也「人間の身体の中?」

 

エンデ「人間とは限らないかも知れないね。獣人。魔族。ある程度の知性を持った生命体に宿っているのは確かだろうけど。『王』の核はね、今は休眠しているんだ。仮死状態と言った所かな?その状態でこの世界の誰かの中に潜り込み、次の段階に進むのを待っている。『王』の核が放つ波動は、この世界に居る事をフレイズ達に気付かせてしまう。だけど、細かい位置までは奴等には判らないんだ。『王』だけが持つ僅かな『音』が聞こえないんだよ。宿主の心臓の音に掻き消されてね。だから人間を殺す。()()()()()()()()()。」

 

冬夜(この世界の誰か1人に宿っている『王』の核・・・それを見付ける為だけに人間を片っ端から殺してるっているのか?)

 

雄也「なぁ、フレイズって元々何なんだ?」

 

エンデ「元々は別の世界で進化した生命体だったけど、ある時フレイズを統率する『王』がその世界から去ったんだ。それを追って世界を渡り出したのはがじまりさ。『王』にも目的がある。邪魔するのは無粋だと思うんだけどね。放っておいてあげれば良いのに。彼奴等は本能で動いてるから。」

 

世界を渡った『王』の核は、その世界の人間の身体の中に宿る。宿主の生命力を少しずつ吸収して、宿主が寿命を迎えると別の宿主へと転移する。それを繰り返して蓄積された力を使ってやがて別の世界へとまた旅立つ。

 

冬夜「それを狙ってフレイズがやって来ているのか?世界中の人間を殺して『王』の核を探し、『王』の核が別の世界へと転移すると、それを追ってフレイズ達も去って行く・・・」

 

エンデ「まあ概ねそんな所だね。」

 

雄也「なぁ、エンデも『王』の核を探してるって言ってたよな?だとしたらお前も人間を殺してるのか?」

 

エンデ「やだな。勘違いしないで欲しいんだけど。僕は『王』の核が次の世界へ転移するのを待っているだけだよ。彼奴等と一緒にしないで欲しいね。」

 

冬夜(・・・此奴の目的がイマイチ判らないが・・・どっちにしろ、その『王』のせいでこの世界は物凄い迷惑を掛けられている訳か。)

 

雄也「世界の結界って言うのは?」

 

エンデ「んー・・・異世界ってのはさこぅ・・・螺旋階段のように少しずつズレて重なっているんだよ。」

 

雄也「螺旋階段?」

 

エンデ「そう。一段上にはすぐ上がれるけど、十段上にはすぐ上がれないだろ?この高さが世界を隔たりで、上の段に行く為には全部の段を踏破しなきゃならない。まあ一段抜かし位は出来るかも知れないけど。所が世界には他所からの侵入者を阻む結界がある。普通なら一段上にも上がれないのさ。前にも話したと思うけど、この結界は目の細かい網のようなものなんだ。だから小さくてその世界に無害なものなら抜ける事が出来る。『王』の核が仮死状態で渡っているのもその為さ。そんな芸当は『王』しか出来ないけど。」

 

冬夜(編み目の隙間から入って来る感じかな。)

 

エンデ「所がこの結界を無理矢理通り抜けると・・・まあ普通は出来ないんだけど、綻びが出来る。何回も繰り返せば、穴は段々と大きくなっていき、完全に開いてしまうと結界としての役目を果たさなくなってしまうんだ。」

 

その出来事が5000年前に起きた。

 

冬夜(レジーナ博士の言っていたフレイズ侵攻か。世界を滅ぼし掛けたって言う・・・)

 

エンデ「あの時は何故か結界が修復されフレイズの脅威は去った。遺されたフレイズを駆逐して世界を滅びずに済んだんだ。僕も残党狩りに手を貸したけどね。」

 

冬夜(此奴今さらりと5000年前も居たって言ったな。)

 

エンデ「それでしばらくは安心だと思って眠ったら、また騒がしくなっているじゃないか。結界もまだ綻び始めているし。まだ辛うじて保っているけど、上級種が此方にやって来るのも時間の問題じゃないか。まあ、それが1年後なのか50年後なのか細かい所は判らないけど。」

 

冬夜「・・・エンデは人間の味方なのか?」

 

エンデ「味方ってのはどうかな?僕がフレイズを狩っているのは時間稼ぎのようなものだし。正直、結界が破られたら後は成り行きに任せるかも知れない。勿論『王』の核は渡さないし、フレイズの味方をする気もないけどね。」

 

雄也(此奴の立ち位置の謎が深まったな・・・まぁフレイズ側じゃないのはマシかもな。)

 

エンデ「話せるのはこんな所かな?そろそろ僕も用事があるからさ。」

 

冬夜「・・・最後に。エンデ、君は何者なんだ?」

 

エンデ「僕かい?僕は『渡る者』さ。じゃあね冬夜雄也。」

 

彼は去って行った。

 

 

 

 

 

 

その後。エンデが話してくれた事を彼女達に話した。

 

リーン「フレイズの『王』。異世界からの侵攻。世界の結界ねぇ・・・長年生きてきてこんな話を聞かされたのは初めてだわ。」

 

雄也「やっぱりリーンは初耳か。」

 

リーン「普通なら何の冗談かと思う所だけど・・・確証になるものが揃い過ぎていすり、本当の事なんでしょうね。」

 

冬夜「エンデが嘘を吐いているって可能性もあるけどね。多分本当の事じゃないかと思う。」

 

リーン「ただ・・・事実だとしても、多分他の人達はそう簡単に信じないでしょうね。フレイズ達の侵攻が始まらない限り。」

 

八重「侵攻が始まってから対策を立てたのでは遅過ぎるでござるな。」

 

リンゼ「今の内から出来る事をしないと・・・」

 

雄也「『バビロン』の力を使って撃退出来るかもな。5000年前に博士が開発した対フレイズ用の決戦兵器のフレームギア。なぁロゼッタ。お前整備を手伝ってたんだよな?フレームギアってのは誰でも乗れる代物か?」

 

ロゼッタ「基本的には誰にでも動かせるであります。訓練しないと手足のように操るのは難しいでありましょうが。」

 

冬夜「それなら量産して戦力を増やす事も出来るって訳か!巨大ロボット軍団が出来たらフレイズにも対抗出来るかも知れない!」

 

ライザーク「ナイスアイディア!」

 

ロゼッタ「ただ、量産するのは難しいでありますよ?」

 

冬夜「え?何で?『工房』のコピー機能を使えばバッチリだろ?」

 

ロゼッタ「素材の量が半端ないし、複雑なのでありますよ。それに汎用量産型でも『工房』の力のみで1から製造するとなると1日掛けて1機か・・・よくて2機造るのが精一杯であります。」

 

雄也「1日1機か2機・・・そうだとしたら1ヶ月で30〜60が限界か。」

 

冬夜「まぁ5000年前は何万体と言うフレイズが襲って来たって話だからな・・・思いっ切り心許ないな。」

 

雄也「それで、『格納庫』には何体位保存されているんだ?」

 

ロゼッタ「さあ。小生はあまり他の『バビロン』に関わってなかったので。整備した限りではタイプ別に5機から7機かと思われるであります。」

 

冬夜「それだけ!?」

 

ライザーク「少ねえじゃねえか!」

 

ロゼッタ「何しろ量産を始めようとした矢先に相手が居なくなってしまったのでありますから『工房』も2号、3号が出来るはずだったのであります。」

 

雄也「成る程な。つまり量産体制が整う前に結界が修復されて事態が収束してしまったって訳か。」

 

冬夜「うーん・・・結局今出来そうな事はフレームギアの素材集めとバビロン探しか。『格納庫』で現物を手に入れるか、『蔵』で設計図を手に入れるか・・・」

 

雄也「それで残りの『バビロン』は6つ。確率としては3分の1程度か。」

 

リーン「一応情報は集まるようにしているんだけどね。怪しい遺跡とか寂れた神殿とか。でも調査しても徒労に終わっているわ。」

 

雄也「お前の配下ばかりに探させてたもんな。」

 

冬夜「僕の方でも斥候を出してみるよ。」

 

雄也「俺も。」

 

 

 

 

 

 

その後2人は琥珀と黒曜と珊瑚に尋ねた。

 

冬夜「と言う訳で、情報集めに適している召喚獣って居ないか?」

 

黒曜「そう言う事なら、やっぱり空を飛べる者が良いと思うわぁ。速いし色んな場所へ向かえるしねぇ。」

 

雄也「鳥の召喚獣か。」

 

珊瑚「1匹1匹召喚して契約していたら時間が掛かりますぞ雄也殿。ここは眷属を束ねる者と契約なされませ。」

 

琥珀「む。珊瑚よ。おぬし彼奴を召喚しろと言うのか?」

 

雄也「彼奴?」

 

それは炎帝。琥珀達と同格にして炎を司る翼の王。それを召喚し契約を成せば幾千の鳥を一気に飛び出す事が可能。

 

冬夜「どう言う奴なんだ?その炎帝ってのは。」

 

琥珀「その能力に反して穏やかな者です。我等の中では1番の人格者ですね。」

 

黒曜「そうかしらぁ?私の方がよっぽど人格者だと思うけどぉ?」

 

琥珀「黙れ瞬間沸騰鍋が。」

 

黒曜「んだとゴラァ!!」

 

冬夜「沸いた。」

 

雄也「沸いたな。」

 

ライザーク「湧いたぜ。」

 

冬夜「じゃ、取り敢えず呼び出すか。」

 

 

 

 

外に出て魔法陣を書いて召喚の儀を行う。

 

冬夜「夏と炎。南方と湖畔を司る者よ、我が声に応えよ。我の求めに応じその姿をここに現せ。」

 

すると炎の柱が出現し、柱から炎帝が出現した。

 

雄也「これが炎帝・・・」

 

炎帝「やはりあなた達でしたか。これはまた懐かしい。」

 

珊瑚「久し振りじゃな炎帝!」

 

黒曜「炎ちゃんお久〜!」

 

琥珀「相変わらず派手な登場だな炎帝よ!」

 

炎帝「私を呼び出したのはあなたですね?」

 

冬夜「そうだよ。」

 

琥珀「我らの主の望月冬夜様だ。」

 

炎帝「成る程。白帝・玄帝を従える程の方に今更私が何をしようと結果は変わらぬでしょう。主従の契約を致しましょう。望月冬夜様。私に契約の名を。」

 

雄也「何だ?あっさり契約成立かよ。」

 

冬夜「名前か・・・えーっと、琥珀・黒曜・珊瑚と来ているから・・・よし。じゃあ紅玉。紅い宝石の名前だけどどうかな?」

 

紅玉「紅玉・・・承りました!私の事は紅玉とお呼び下さい!」

 

契約成立し、紅玉が小さくなった。

 

冬夜「さて、それじゃあ本来の目的を果たすとするか。頼むよ紅玉。」

 

紅玉「御意。」

 

口から超音波を発し、鳥達を何処かへ向かわせた。

 

雄也「よし、クリスター。」

 

ギアレットハンターからクリスターを召喚した。

 

クリスター「お呼びでしょうか?」

 

雄也「クリスター。あの鳥達と一緒に怪しい遺跡や建物、変わった設備や石碑を見付けたら報告してくれ。」

 

クリスター「畏まりました。」

 

鳥達と共に捜索へ赴いた。

 

雄也「これで残りのバビロンが見付かりそうだな。」

 

果たして、残りのバビロンが見付かるのか。

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重;赤崎千夏
        琥珀:甲斐田ゆき
        黒曜:二又一成
        珊瑚:松井菜桜子
        紅玉:桑島法子

     ライザーク:梅原裕一郎
     クリスター:石上静香
    チャイドラン:比嘉久美子
    ガルフレイム:前野智昭

    ハイロゼッタ:朝日奈丸佳
    ベルフローラ:金元寿子
        レネ:青山吉能
     九重重兵衛:黒田崇矢
      ジョセフ:堀総士郎
        エマ:天海由梨奈
        ラナ:大井麻利衣
       恋愛神:堀江由衣
        神様:立木文彦

       エンデ:内田雄馬

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