異世界はガウストとともに。   作:naogran

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レグルス帝国のクーデター終息から数日が経ったある日。

ゼフィルス「この度は本当に世話になった。冬夜殿と雄也殿は余の命の恩人と言うだけでなく、姫や皇太子、いや・・・帝国の恩人とも言える。そこで、何か礼をしたいのだが、望みはあるだろうか?」

冬夜「いや、今回の事は流れと言うか、行き掛かり上そうなっただけですし。」

雄也「そうそう。たまたまクーデターを終わらせただけだ。気にしないでくれ。」

トリストウィン「変わらんな2人は。ベルファストでも冬夜殿に爵位を授けようとしましたが、このように断られましてな。まぁ娘を貰ってくれたのが1番でしたがね。」

ゼフィルス「ほほう。では余の方もルーシアを貰って貰えるのだな?」

ルーシア「あ・・・」

ゼフィルス「ベルファストとレグルス。両方の姫を娶ったのなら、これ程両国の同盟に象徴的な存在はないしのう。」

冬夜「あのですね・・・」

ユミナ「少し宜しいですか?ルーシア姫が冬夜さんの婚約者になる事に私は賛成します。」

冬夜「ん?」

雄也「ユミナさん?」

ユミナ「ご本人に確認を取って頂いてますが、彼女もそれを望んでおられますし。何より両国の友好の為にこれは良いご縁ではないかと。」

冬夜(え!?何言ってるのユミナさん!?)

雄也(知らない間に話を進めてたのか!?)

ユミナ「勿論!他の婚約者の皆さんの同意も得ています!」

冬夜「ち、ちょっと待って下さい!何でそんな流れに!?」

雄也「冬夜が知らない間に進展してる!?」

ゼフィルス「ハハハ。既にそこまで話が進んでいたとはな。では、改めて訊こう。ルーシア、本当に良いのだな?」

ルーシア「ええ!お父様!」

雄也・冬夜「え!?」

ルーシア「嬉し過ぎて気絶してしまいそうですわ!こんなに幸せな事はありません!喜んで冬夜様の所へお嫁に行きます!」


18話「五人目、そして新国家樹立。」

こうして、ルーシアは冬夜達の(なかま)に入った。

 

ルーシア「私が冬夜様のお嫁さんに〜!わぁ〜!」

 

エルゼ「良かったわね!」

 

リンゼ「おめでとうです!」

 

八重「これから宜しくでござるよ!」

 

雄也「ん〜・・・」

 

ライザーク「どした雄也?そんなに落ち込んで。」

 

雄也「仲間入りになった事による嬉しさと、冬夜の嫁入りに入った事による悔しさが・・・」

 

ライザーク「あ〜。お前まだ独身だな。」

 

雄也「キッパリ言うんじゃねえよ。」

 

トリストウィン「ハハハ!これはめでたい!」

 

冬夜「結婚は僕が18になるまで待って頂きますけど、それでも良いんですか?」

 

ゼフィルス「何ら問題ないな。これで対等な関係としてベルファストとレグルスの同盟を結ぶ事が出来る。」

 

2人の王が握手を交わした。

 

冬夜「毎度何でこんな流れに・・・」

 

雄也「良いじゃん。同盟国が多い程平和になるんだし。」

 

冬夜「それはそうだけど・・・」

 

リオン「冬夜殿と雄也殿の力は、国の勢力図を左右する程見過ごせない程になってきているんですよ。」

 

冬夜「そうなんです?」

 

リオン「そのような力の持ち主が、1つの国ばかりに肩入れしては、他国としては脅威でしかありませんから。」

 

雄也「まぁ、無きにしも非ずだな。」

 

トリストウィン「所で、この際ユミナ、そしてルーシア姫との婚約も国内外に正式に発表してはどうかと思うのだが・・・」

 

ユミナ・ルーシア「わぁ!」

 

トリストウィン「しかしそうなると、冬夜殿にそれなりの身分が必要となってくる。」

 

冬夜(ここでも身分問題かぁ。)

 

トリストウィン「そこでゼフィルス皇帝と協議をした結果、冬夜殿には両国から領地を分割譲渡する事に決まった。」

 

冬夜「え?どう言う事です?」

 

レグルス「拝領ではない譲渡だ。そして、レグルスとベルファストの境に小さな独立国を建国する。」

 

冬夜「え!?建国って、国作っちゃうの!?」

 

レグルス「つまり、そこの国王として冬夜殿に即位して貰う。と言う訳だ。」

 

冬夜「はぁ!?国王って僕が!?」

 

雄也「冬夜が独立国の国王に!?」

 

トリストウィン「まあ、国と言っても居住者が居ない土地だ。国民も冬夜殿と雄也殿の身内だけ。だが独立国である以上、他国からの干渉を一切受けず、法律も何もかも冬夜殿の自由。これなら立場的に問題ないし、両国の姫と結婚するにも相応しい。」

 

冬夜(悪い話じゃないけど・・・スケールがデカ過ぎないか!?)

 

雄也(ってか、よく考えたらこれって国王2人で事前に打ち合わせしてるよな?)

 

冬夜(まぁ、こちらとしては身分を手に入れられて好き勝手出来る土地まで貰えるんだし・・・)分かりました。その話、ありがたく承ります。」

 

トリストウィン「それと雄也殿。」

 

雄也「はい?」

 

トリストウィン「君は今後冬夜殿を支える立場として、その独立国の公爵となって戴きたい。」

 

雄也「ええ!?俺が公爵!?」

 

トリストウィン「ウム。どうだろうか?」

 

雄也「・・・わ、分かりました。引き受けましょう。」

 

 

 

 

 

 

話し合いが終わった後。エルゼ、リンゼ、八重の3人とティータイム。

 

八重「とうとう王様と公爵でござるか。拙者達の旦那様と雄也殿は凄いでござるなぁ!」

 

エルゼ「ねー!ここまでになるとは思ってもみなかったよ!」

 

雄也(俺も思ってみなかったよ・・・)

冬夜(僕も思ってみなかったよ・・・)

 

リンゼ「国の名前とかどうするんですか?」

 

冬夜「うーん、名前ねぇ・・・あ。」

 

持っているガンブレードを見て閃いた。

 

冬夜「ブリュンヒルド・・・かな。ブリュンヒルド公国。」

 

雄也「ブリュンヒルド・・・良い名前じゃないか。」

 

リンゼ「そう言えば、私達その国に引っ越すんですか?」

 

冬夜「いや、予定はないけど。」

 

八重「今はいいでござるが、どの道引っ越す事になるでござるよ?」

 

冬夜「え?何で?」

 

雄也「何でって知らねえのか?この後ユミナとルーシアの婚約の正式発表するんだろ?」

 

エルゼ「そうよ。ここに住んでたらベルファスト寄りって思われるでしょうが。」

 

冬夜「あ、そうか。じゃあブリュンヒルドに住むしかないのか。どうするかなぁ・・・この屋敷ごと向こうに転移させちゃうか?」

 

リンゼ「ここはここで、王都の拠点として残しといた方が良いんじゃないでしょうか?ブリュンヒルド公国大使館として。」

 

冬夜「そっか。そう言う形もありかぁ・・・となると、向こうに住む家を建てないといけないけど・・・」

 

雄也「建てるよりもまず、建築の予算とか城の設計を計画しなきゃならないだろ?」

 

冬夜「う〜ん・・・そう言われると色々大変だなぁ・・・」

 

ユミナ「お待たせしました!」

 

雄也・冬夜・ライザーク「ん?」

 

 

 

 

ユミナが、新しい服を着たルーシアを連れて来た。

 

 

 

 

雄也・ライザーク「ウッヒョー!」

 

ユミナ「どうですか?素敵でしょ!」

 

ルーシア「その、動きやすい方が良いかと思いまして・・・」

 

冬夜「うん!似合ってる!」

 

ルーシア「あ、ありがとうございましゅ!」

 

雄也・ライザーク「噛んだ。」

 

エルゼ「ふふ。これからはルーも一緒ね!」

 

八重「そうだ!ルー殿はどんな家に住みたいでござるか?」

 

リンゼ「新しい国に、家を建てようって話です。」

 

ルーシア「家・・・それでしたら、お城を建ててしまったらどうでしょうか?」

 

雄也・冬夜「城?」

 

ルーシア「はい!仮にも冬夜様と雄也様は、あの国の王と公爵である訳ですし。」

 

ユミナ「良いですね!綺麗で真っ白なお城とか素敵です!」

 

冬夜「城ねぇ・・・」

 

スマホを取り出し、世界各国の城を調べる。

 

冬夜「いや、こんなのどうやって造るんだ・・・!?」

 

雄也「城だと色々予算とか嵩むしなぁ・・・」

 

 

 

 

ロゼッタ「こんな事もあろうかとあります!!」

 

 

 

 

突然ロゼッタがバンッとドアを開けて颯爽登場。

 

雄也「出たなロゼッタ。」

 

ロゼッタ「今こそ!今こそ工房の実力を示す時であります!!」

 

 

 

 

 

 

工房へ移動した。

 

ロゼッタ「工房には複製機能の他に自動改造機能が備わっております!スキャンした対象を自分好みに改造して製作する事が出来るのでありますよ!」

 

冬夜「自動改造機能?」

 

雄也「それってどうやって作るんだ?」

 

ロゼッタ「現場に行って、このデータ通りにパーツを造り、土地を変形させてから転送して組み上げて行くでありますよ。3日もあれば完成するであります。」

 

雄也「凄えな。これだけで3日で完成か。」

 

ロゼッタ「後は素材が揃えば、何時でも着工出来るであります。」

 

雄也・冬夜「は?」

 

冬夜「素材って城って材料って事・・・?」

 

雄也「大理石とかレンガとか?」

 

ロゼッタ「それだけじゃなく、ガラスから木材、真鍮や鉄などの金属。絹や綿や麻などの布まで。全ての必要素材を揃えるでありますよ!」

 

冬夜「出来るかあ!!」

 

雄也「簡単かと思ったら騙された!!」

 

ルーシア「あのう、それって新品の素材じゃないといけないんですの?」

 

ロゼッタ「素材は1度分解して再構築するので、古くても問題ないであります。」

 

ルーシア「それなら!帝国の北方に打ち捨てられたお城があったはずですわ!」

 

冬夜「そうか!元々城だった物を使えば必要な素材は大幅に減るな!」

 

雄也「そうなると、予算がかなり削減出来る!」

 

ユミナ「ルーさんナイスです!」

 

リンゼ「です!」

 

ルーシア「えへへ。あの〜・・・実はその城砦なんですけど・・・出るんだそうです・・・」

 

雄也「出るって、何が?」

 

ルーシア「・・・幽霊が・・・ですわ。」

 

その城砦には幽霊が棲んでいると言う。エルゼが固まってる。

 

 

 

 

 

 

今から昔。その城砦には嘗て領主が住んでいた。当時の皇帝陛下の信任厚く、領民にも慕われる真面目な人物だった。

 

所がある時、最愛の妻が亡くなってしまった日を界に・・・領主は城に閉じ籠るようになった。

 

 

 

 

やがてその領地で、ある事件が起こり始めた。

 

 

 

 

突然、領民に行方不明者が続出した。

 

そして遂に、領主が村娘を拉致する現場を目撃した領民達は、城へと向かった。

 

所が、城門を守るはずの門番が1人も居なかった。

 

それ所か、城の中には誰1人として居なかった。

 

不審に思い始めた領民達が地下牢で見たものは・・・

 

 

 

 

 

 

打ち捨てられた死体の山・・・山・・・山・・・

 

 

 

 

 

 

そう。領主が行っていたのは、最愛の妻を蘇らせる秘宝『死者蘇生』の研究だった。

 

城の中に居た者達や領民達等の沢山の命を犠牲に・・・

 

領主はすぐに捕らえられ処刑された。

 

その後、この城には新しい領主が赴任したのだが・・・

 

 

 

 

1人目・・・2人目・・・3人目と、次々と亡くなって行った。

 

誰からともなく、前領主の呪いだと噂されるようになり、4人目の新領主がその城に住むのを嫌がった為、結局その城は廃城となり、打ち捨てられた。

 

その後は野盗や山賊の住処として目を付けられた事があったが、誰1人としてその城に住み続ける事は出来なかった。

 

捕らえられた盗賊達は皆口々にこう言った。『あの城には、幽霊が棲んでいる』と。

 

 

 

 

 

 

その呪いの城へ一行が赴いた。

 

ルーシア「大体100年程前のお話らしいですわ。」

 

冬夜「呪いの城ねぇ・・・」

 

雄也「なぁ、皇帝陛下から許可は下りたのか?」

 

ルーシア「はい。壊すなり建て直すなり自由にして良いと。」

 

冬夜「よし。じゃあ遠慮なく城ごと頂きますか。」

 

リンゼ「その前に場内を確認した方が良いかと。盗賊達や魔獣。アンデットなどが巣食ってる可能性もあるかもです。」

 

エルゼ「後幽霊もね。」

 

雄也(ん?エルゼまさか・・・)

 

冬夜「じゃあ、3組に分かれてさっと見回ろう。何かあったら琥珀や珊瑚達を通して連絡してくれれば良い。」

 

 

 

ユミナとルーシアに琥珀とクリスター。

 

リンゼと八重に珊瑚と黒曜とルナフィン。

 

 

 

冬夜「エルゼは僕達と回ろう。」

 

エルゼ「え!?あ!良いわね!じ、じゃあ私達はあっちから回る事にするわ!・・・ほ、ほら!行くわよ冬夜!雄也!」

 

 

 

 

 

 

城内へ足を踏み入れた。

 

冬夜「で?エルゼさんは幽霊が苦手なのかな?」

 

エルゼ「なっ!?何、何を言ってるのよ!?ゆ、幽霊なんて・・・幽霊なんて・・・!」

 

雄也「おい。お前の後ろに白い影が・・・」

 

エルゼ「きゃあああああああ!!!」

 

雄也「グエエエ!!」

 

怖がって雄也の身体に馬鹿力で抱き付いた。

 

雄也「じ・・・冗談だ・・・カーテンだ・・・放してくれ・・・」

 

エルゼ「・・・カーテン?」

 

後ろを見ると、ボロボロに破けた白いカーテンがあった。

 

エルゼ「カ、カーテンかぁ・・・」

 

ホッとしながら雄也を解放した。

 

冬夜「やっぱり苦手なんじゃないか。」

 

エルゼ「う・・・」

 

雄也「さっきの動揺っぷり、あからさまに苦手と言う証拠だ。」

 

エルゼ「・・・怖いもんの1つや2つ誰にでもあるでしょう?」

 

冬夜「ま、そうだけどさ。意外だなーって。」

 

雄也「何で幽霊が苦手なんだ?」

 

エルゼ「殴れない相手は苦手なのよ・・・」

 

ライザーク「へぇ〜。俺も一応幽霊みたいな存在だけど?」

 

エルゼ「ライザーク達は実体化出来るから平気なのよ。」

 

冬夜「・・・」

 

怖がるエルゼの手を優しく握った。

 

エルゼ「ひゃっ・・・!?」

 

冬夜「ま、そんなに隠す事じゃないだろ?怖いならこうやって手を握っててあげるからさ。」

 

エルゼ「・・・うん・・・」

 

雄也「じゃあ俺とライザークとチャイドランが先導する。2人は俺の後に付いて来い。」

 

冬夜「分かった。」

 

エルゼ「あ、ありがとう・・・」

 

 

 

 

しばらく城の中を回る。

 

冬夜「うーん、ここまで埃や蜘蛛の巣があるって事は、誰も何も居ないんじゃないかねえ?」

 

雄也「ふむ。ギアレットハンターにもガウストの反応無し。」

 

チャイドラン「おーい!これ見てくれチャイ!」

 

踊り場の壁に、座っている貴婦人の女性の肖像画があった。

 

冬夜「肖像画か・・・この城の最後の領主の奥さんかな?」

 

雄也「もしくは、初代領主の奥様だろうな。」

 

冬夜(・・・大きいな。)

 

肖像画の胸を見て心の中で呟いた。

 

エルゼ「何見てるのよ?」

 

冬夜「え!?いや何も!?さ!行こう行こう!」

 

 

 

 

再び城の中を回る。外を見ると、曇りになってる。

 

雄也「曇ってるな。さっきまで快晴だったのに。」

 

冬夜「琥珀、珊瑚、黒曜。そっちはどう?何か変わった事あった?」

 

脳内で3匹に連絡する。

 

琥珀『いえ主。此方は何も。』

 

黒曜『こっちも何もないわよぉ。』

 

珊瑚『ネズミが何匹か出ただけよの。つまらんわ。』

 

雄也「ルナフィン、クリスター。聞こえるか?」

 

ギアレットハンターで2体に連絡する。

 

ルナフィン『聞こえるぜ!こっちも異常無しだ!』

 

クリスター『同じく。異常となる現象は見当たりません。』

 

雄也「やっぱ噂だけだったんじゃねえのか?」

 

エルゼ「そうよね!ゆ、幽霊なんて居る訳ないわよね?」

 

冬夜「いや?生霊と言われるレイスだとか、他にもファントムやスペクターなんかが多分一般的に幽霊と言われるモノだと機能リンゼが・・・」

 

エルゼ「うあうあうあー!きーこーえーなーいー!」

 

雄也「どんだけ苦手なんだよ・・・」

 

外では雨が降り始めた。

 

冬夜「うわ、とうとう降り出したな。雨漏りしそう。」

 

ライザーク「ん?おい、あの部屋怪しいぞ。」

 

 

 

 

見付けた部屋のドアを開けて入る。

 

雄也「ここは領主の部屋か?見た感じ、かなり荒らされてるな。」

 

エルゼ「何か嫌な雰囲気ね・・・」

 

この部屋にも肖像画が飾られてあった。

 

冬夜「この人が最後の領主かな?・・・あれ?」

 

エルゼ「・・・どうかした?」

 

冬夜「いや、さっき見た方の肖像画の女の人ってこの人じゃないよな?」

 

エルゼ「そう言えば・・・」

 

するとその時。

 

”バァン!!”

 

突然ドアが独りでに閉まった。

 

雄也「っ!?」

 

エルゼ「ひゃうううう!!!」

 

冬夜「痛い痛い痛い!!」

 

驚いたエルゼが冬夜の首を絞めた。

 

雄也「勝手に閉まったぞ?」

 

冬夜「風で閉まったのかな・・・?」

 

エルゼ「か、風?」

 

ライザーク「・・・ダメだ。開かねえ。」

 

チャイドラン「透けて出ようとしたけど無理チャイ・・・」

 

雄也「まさかこれは・・・」

 

”・・・カタカタカタ”

 

突然部屋中に何かが揺れ動く音が響いた。

 

”カタカタカタカタカタカタ”

 

その音は次第に大きくなって行く。

 

冬夜「この音は・・・」

 

雄也「ガルフレイム!」

 

ギアレットハンターからガルフレイムを召喚した。

 

雄也「ライザーク、チャイドラン、ガルフレイム、警戒態勢に入れ!」

 

ライザーク「何処から来やがる・・・?」

 

チャイドラン「音が悍ましいチャイね・・・」

 

ガルフレイム「さぁ来い・・・噛み砕いてやる・・・!」

 

するとタンスの上のグラスが飛んで来た。

 

雄也「危ない!!」

 

冬夜「くっ!!」

 

グラスを避けた。

 

雄也「まだ来るぞ!迎撃しろ!」

 

ライザーク「行くぜ!!」

 

チャイドラン「来い!!」

 

ガルフレイム「ダァ!!」

 

次々と襲って来る小物を3体のガウストが迎撃する。

 

雄也「これってもしや!ポルターガイストか!」

 

更に、部屋にある甲冑が動き出し、冬夜とエルゼに襲い掛かる。

 

冬夜「オイオイ・・・!」

 

雄也「冬夜!!」

 

ギアレットハンターから釣り針を射出し、甲冑に絡めた。

 

雄也「オリャアアアアア!!!」

 

そのまま後ろへ投げて甲冑を壁に叩き付けて破壊した。

 

雄也「大丈夫か?」

 

冬夜「あぁ。何とか。」

 

エルゼ「あ、ありがとう・・・」

 

 

 

 

『オノレェ・・・我が城を荒らス賊め・・・天誅を加えン・・・殺ス・・・殺スゥ・・・死にたくなけレばこの城から出て行けェエェ・・・!』

 

 

 

 

何処からか男の声が聞こえた。エルゼは両耳を塞いでいる。

 

冬夜「大人しく出て行けば、僕等に危害は加えないのか?」

 

『そゥだ・・・出て行けバ何もせヌゥ・・・』

 

雄也「やけに親切だな。」

 

冬夜「でも断る。」

 

シャイニングジャベリンで部屋の壁を破壊した。

 

冬夜「琥珀、珊瑚、黒曜。皆に外へ避難するよう伝えてくれ。幽霊と戦闘になる。」

 

琥珀『御意!奥方様達はお任せあれ!』

 

黒曜『こっちも了解よぉ〜!』

 

雄也「ルナフィン、クリスター、お前達も外へ避難してくれ。これから厄介者と遊んで来る。」

 

ルナフィン『分かった。気を付けてな。』

 

クリスター『ご武運を。』

 

『きっ、貴様ぁアァ!な、何て事をするのだァぁあァ!!』

 

冬夜「どの道ここは潰す。瓦礫にするんだから問題ない。」

 

『そ、そんな・・・この城を潰す!?それは困りますぅ・・・い、いや!止めろおぉお!呪う!呪い殺すぞう!!』

 

冬夜「・・・?」

 

雄也「何だ?口調が可笑しいぞ?」

 

冬夜「おい幽霊。お前本当に幽霊か?」

 

『ぎく!そ、その通りダァあァ!この城に取り憑いた幽霊なるぞぉおォ!』

 

冬夜(ぎくって言った・・・)

 

雄也「もしお前が幽霊なら、ここをぶっ壊せば跡形もなく消滅するって話だよな?」

 

『その通りだァアあァ!あ、ち、違う!違いますぅ!壊しても消滅しません!し、しないのだぁー!!』

 

雄也「おい幽霊。お前は一体何者なんだ?しゃんと説明するなら話を聞く。もししなければ無条件でこの城をぶっ壊して更地にする。」

 

『・・・・・・』

 

雄也「お?無言って事はぶっ壊しても良いて事だよな?じゃあ有言実行〜。」

 

『ま!待って待ってぇ!分かりました!分かりましたからぁ!』

 

ライザーク「メンタルの弱い幽霊だな・・・」

 

『きちんと話をしますから、踊り場の方へ来て下さい・・・』

 

 

 

 

踊り場に戻ると。

 

冬夜「・・・あれ?この肖像画・・・さっきは()()()()()()()()よな?」

 

???「うんしょ・・・っと。」

 

肖像画の女性が出て来た。

 

エルゼ「え!?え!?絵から人が!?ゆゆ、幽霊!?」

 

女性「幽霊ではありませんよぅ。私は魔法生物ですぅ。この『額』が本体で、この身体は幻影ですぅ。」

 

冬夜「成る程。確かにこれは幽霊と間違えられても仕方無いかぁ。」

 

チャイドラン「それで、何でオイラ達を追い出そうとしたチャイ?」

 

魔法生物「前にやって来た盗賊さん達みたいにここを荒らされると困るからですぅ。本体であるこの額を壊されると私は消滅してしまいますから・・・」

 

チャイドラン「盗賊達はアンタが追い出したって訳チャイか。」

 

ライザーク「んで、アンタは次々と歴代領主をぶっ殺したのか?」

 

魔法生物「ち、違いますよぉ!殺してなんかいません!1人目は元々病気で、いきなり夜中に死んじゃいましたし。2人目は単なる落馬事故って聞いてますぅ。3人目は領主さんとその奥さんが夫婦喧嘩を始めて、領主さんが刺されちゃったんですよぅ。丁度そこら辺で。」

 

エルゼ「ひぃっ!?」

 

丁度今エルゼが立ってる場所で3人目の領主が殺されたと言う。

 

冬夜「大体お前、誰に作られたんだ?」

 

魔法生物「私は古代文明時代に博士に作られた魔法生物の1つですぅ。あ!博士って言うのは女の人で、変わり者ですけど凄い天才で・・・」

 

雄也「女の博士で、変わり者で天才・・・おいまさか・・・」

 

冬夜「その博士の名前は?」

 

魔法生物「レジーナ・バビロン博士ですぅ。」

 

冬夜「またあの博士か!!」

 

雄也「あの変質博士か!!」

 

この魔法生物の開発者はあのレジーナ・バビロンだった。

 

雄也「んで、そんな博士に開発されたアンタがここに居る理由は何だ?」

 

魔法生物「えっとぉ、私は長い間お空に浮かぶ倉庫に仕舞われていたんですけど、そこの管理人さんがドジな人でぇ、ある日・・・んーと320年位前かなぁ?その人が倉庫の壁を壊しちゃったんですよねぇ。その時に私や他に何個かの魔道具が地上に落とされてぇ、運良く壊れずに済んで・・・」

 

超低空飛行+下が雪山で無傷で済んだと言う。

 

冬夜「・・・その倉庫って蔵か?」

 

魔法生物「あれれぇ?よく知ってますねぇ?」

 

雄也「例のドジ管理人か・・・」

 

魔法生物「『額』だけの私は何の魔法の力が使えないので、単なる骨董品扱いで流れて流れてここに来たんですぅ。当時の領主さんが亡くなった奥さんの絵を入れてくれたので、やっと魔法を使えるようになったんですけどぉ、この姿で夜中とかこっそり歩き回っていたら段々その領主さんが可笑しくなってきて・・・」

 

冬夜「そりゃあなあ・・・死んだ奥さんが動き回ってたら可笑しくもなるわ。」

 

雄也「普通の人だったら精神を病んでるな・・・」

 

 

 

その内、領主は捕まって処刑された。その後新たな領主が来て、どんな人か夜中に顔を見に行ったら、領主が彼女の姿を見てショック死。

 

2人目の領主は、彼女の姿を見て馬を飛び出したっきり帰って来なかったと言う。

 

3人目は、奥方に『浮気者!女を連れ込むなんて!』と叫んで刺殺されたと言う。

 

 

 

エルゼ「それって全部あなたが・・・」

 

冬夜「言うなエルゼ。」

 

雄也(今回の呪いの真相は、全部此奴だったって事か・・・1人目と3人目の領主は可哀想だ・・・)

 

魔法生物「どうしたんですかぁ?」

 

雄也「気にすんな。話を戻すが、この城はぶっ壊す。」

 

魔法生物「えええ!?酷いですぅ!」

 

雄也「けど交換条件がある。アンタに良い住処を提供してやる。そこでなら安全だし自由に暮らせる。これで文句ないだろ?」

 

魔法生物「本当ですかぁ!?それなら文句は何もないですぅ!」

 

雄也「交渉成立だな。」

 

魔法生物は額に戻り、雄也と冬夜が運ぶ。

 

冬夜「さあ・・・これで問題は解決したな。城ごと回収するか。」

 

雄也「色々あったが、何とかなりそうだ。」

 

 

 

 

 

 

3日後。遂に城が完成した。

 

冬夜「本当に3日で出来るとは・・・」

 

ロゼッタ「これが工房の力でありますよ!」

 

ルーシア「とっても素敵ですわ!」

 

ユミナ「はい!素晴らしいです!」

 

リンゼ「お城の中も早く見たいです!」

 

ロゼッタ「どうぞ〜!皆さんの希望通りでありますよ!」

 

八重「拙者は訓練所を見て来るでござるよ!」

 

エルゼ「私も!」

 

城へ入って行く婚約者達。そこに1人の客人が。

 

リーン「あら。立派なお城ね。」

 

冬夜「リーン!」

 

 

 

 

彼女を招いた。

 

ライザーク「お前ちょっと久し振りだな。」

 

リーン「全く。しばらく目を離したら王様と公爵になってるとか・・・どんな出世よ。驚きよりも呆れるわ。」

 

雄也「好きで出世したと思ったら大間違いだぞ。」

 

リーン「しかもレグルス帝国の姫まで貰ったとか、左団扇で良いわねー。」

 

冬夜「わざわざ嫌味まで言いに?(まぁ婚約発表は先送りになったんだけど、ユエル王妃の産む子が男の子か女の子かで、僕の立場が変わってくるからなぁ・・・)」

 

リーン「ま、忙しい所悪いけど。」

 

雄也「何じゃい?」

 

リーン「私、ミスミドの大使としてこの国に来る事になったから。」

 

冬夜「は!?」

 

雄也「はい!?」

 

リーン「そう言う訳で住む所宜しくね。」

 

冬夜「ちょっと待てよ!リーンは確かベルファスト駐在の大使だろ?」

 

リーン「そっちは別な者に丸投げしたわ。こっちの方が面白そうだし。」

 

冬夜「マジか・・・」

 

雄也「丸投げされた人可哀想・・・」

 

リーン「長旅で疲れたの。休ませて貰うわよ。」

 

冬夜「どうぞ。お、そうだ!」

 

 

 

 

 

 

城の隅にある部屋に金属板を貼った。

 

雄也「冬夜。貼ったぞ。」

 

冬夜「お。ありがとう雄也。」

 

そこにレネが覗きに来た。

 

レネ「ん?冬夜兄ちゃん。雄也兄ちゃん。それ何?」

 

冬夜「ゲートを開く為の鍵みたいな物かな?」

 

雄也「許可を得た人しか通れないんだ。それに最近使った人とかの記録も出来る。」

 

レネ「へぇ〜。」

 

冬夜「取り敢えず試してみるか。レネ、その金属板に触れてみて?」

 

レネ「こう?」

 

金属板に触れると、ゲートが出現した。

 

冬夜「そしたら行き先を告げて?」

 

レネ「えっと・・・ベルファストのお屋敷!」

 

ゲートが光った。

 

冬夜「うん。」

 

レネがベルファストの王城へ入った。

 

雄也「一先ず成功だな。」

 

 

 

 

 

 

ベルファスト王城。

 

冬夜「あれ?レネは・・・」

 

雄也「レネー?」

 

レネ「あ!冬夜兄ちゃん!雄也兄ちゃん!王宮から手紙だって!」

 

冬夜「ベルファスト国王から?」

 

雄也「何だろう?」

 

 

 

 

 

 

王室へ行くと。

 

???「おうおうおう!お前さん達が噂の望月冬夜殿と伊狩雄也殿か!」

 

トリストウィン「冬夜殿。雄也殿。紹介しよう。こちらリーフリース皇国の皇王で。」

 

リグ「リグ・リーク・リーフリースだ!活躍はベルファスト国王から色々と聞いているぞ!」

 

冬夜「はあ。」

 

雄也「ご丁寧にどうも。」

 

リグ「早速本題に入らせて貰うが、リーフリース皇国としては貴国と友好を深めたい!本来ならウチの娘も嫁にして欲しい所だが・・・」

 

雄也・冬夜「娘・・・」

 

 

 

 

娘とは、BL小説や百合小説を執筆しているリリエル・リーム・リーフリースの事である。

 

 

 

 

冬夜「ご遠慮しておきます・・・いやマジで!」

 

雄也「俺も遠慮しておく・・・」

 

リグ「まぁウチのは一応嫁ぎ先が決まっておるからな!」

 

冬夜「はぁ・・・」

 

雄也(嫁ぎ先大丈夫かな・・・)

 

リグ「そこでだ。ブリュンヒルドの城も完成したそうだし、1つワシらを招待してくれんかね?」

 

雄也「それって、他国の王達も一緒に招待って事?」

 

トリストウィン「うん!国王同士が仲良くなるのは良い事だろう!」

 

冬夜「その心は・・・」

 

トリストウィン・リグ「王様だって羽を伸ばしたい!」

 

雄也「それが本音か・・・」

 

冬夜(やれやれ・・・これは忙しくなりそうだ・・・)

 

 

 

 

 

 

後日。ブリュンヒルドの城。

 

冬夜「さてと、招待するのは良いけれど・・・何処から手を付けたもんか・・・」

 

雄也「一応月読からヘルプをお願いしているし。」

 

冬夜「と言っても遊びかぁ・・・ビリヤードとか?」

 

雄也「ボウリングか・・・」

 

冬夜「卓球も良いよな!ピンボールに・・・エアホッケーも作っておくか!」

 

 

 

 

室内遊戯にビリヤード、ボーリング、卓球、ピンボール、エアホッケー、麻雀、マッサージチェア、モグラ叩き、トランポリンなどが勢揃い。

 

シェスカ「あ〜〜〜〜〜〜。」

 

冬夜「あ〜〜〜癒されるわ〜〜〜。」

 

雄也「マッサ〜ジエエわ〜〜〜〜。」

 

この3人、マッサージチェアに溺れてる。

 

ライザーク「ん〜。噴水が気持ち良い〜。」

 

遊戯室には噴水がある。ライザークが自由気ままに泳いでる。

 

冬夜(王様達にはこう言うのも必要だもんな〜。)

 

エルゼ「雄也雄也。」

 

雄也「どないした?」

 

エルゼ「これって上がりよね?」

 

雄也「麻雀か。どれどれ?」

 

エルゼの役を見る。

 

雄也「ゲッ!?大四喜(ダイスーシー)字一色(ツーイーソー)四暗刻(スーアンコウ)単騎(タンキ)だと!?」

 

エルゼ「ツモ?」

 

雄也「そうだな・・・5倍役満・・・しかも起家(チーチャ)だから80000オール!」

 

リンゼ・ラピス・ロゼッタ「ええ!?」

 

冬夜(恐ろしいな・・・)

 

雄也(こりゃあ、エルゼと勝負しちゃダメだな・・・)

 

 

 

 

冬夜「遊戯室は任せて大丈夫そうだな。」

 

雄也「後は警備が必要だな。でも攻撃を使えばパラライズが発動するようにプログラムされているし。」

 

冬夜「王様達を迎えるとなると、もっと万全にしないとな・・・」

 

セシル「あ。旦那様。雄也様。お客様がいらしてますよ。」

 

冬夜「客?」

 

雄也「通して。」

 

 

 

 

 

 

玉座の間。

 

椿「お久し振りでございます。」

 

冬夜「椿さん!」

 

雄也「久し振りだな!どうしたんだ?ここに来て。もしや任務か?」

 

椿「いえ。私は最早武田忍びではございませぬ。こちらでお仕えさせて頂きたく思い、推参仕りました。」

 

冬夜「え?」

 

雄也「何があったんだ?」

 

彼女から訳を聞いた。

 

雄也・冬夜「武田がお取り潰しになった!?」

 

椿「はい。冬夜さ・・・いえ、冬夜様と雄也様に折角救って頂いたと言うのに、新領主となった者が領民を蔑ろにし、税金を上げるわ、他領地に干渉するなど好き放題にしまして・・・」

 

雄也(どっかで聞いた話だな。)

 

冬夜「ああ・・・」

 

ライザーク「酷え話だな。」

 

椿「はい。高坂様が歓迎しておりましたが、聞く耳を持たず、遂に領地を取り上げられました。」

 

冬夜(バカ殿って奴か・・・)

 

椿「そこで武田の四天王が協議し、一族共々ブリュンヒルドにお使いしたいと決まった次第で。」

 

冬夜「事情は分かった。(正直仲間が増えるのは心強いし、武田の四天王が来てくれるならありがたいけど・・・)」

 

雄也「いやちょっと待て!ブリュンヒルドに移住するのは歓迎するけど、一族共々って!?」

 

椿「はい。城門の外に待たせてあります。」

 

ライザーク「因みにだが、何人だ?推定でも良い。」

 

椿「子供も合わせると全員で67人程になります。」

 

雄也「結構多いな。」

 

冬夜「う〜ん・・・・」

 

椿「難しいでしょうか?」

 

冬夜「いや、この国に住んで貰うのは構わないけど・・・ただ、椿さんみたいに全員を仕事に雇う訳にはいかないだろうし・・・」

 

椿「それなら心配いりません。忍びの一族は大概が副業持ちでございます。食って行けるだけの術はありますので。」

 

雄也「そうか。なら大丈夫そうだな。良いよな?冬夜。」

 

冬夜「だね。その話に乗るよ。」

 

 

 

 

 

 

城門前。

 

馬場「よう小僧!」

 

冬夜「馬場さんに山県さん!」

 

雄也「内藤も久し振りだな!」

 

内藤「椿から話は聞いたと思いますが、これから世話になります。」

 

馬場「宜しくな!」

 

冬夜「こっちも出来たばっかりの国で人手が欲しい所だったしね。」

 

山県「おう!城の警護でも戦争でも任せときな!」

 

冬夜(物騒な事を言わんでくれ・・・)

 

馬場「しかしあの小僧が王様で、お前さんが公爵ねぇ・・・ちっこい国だけど、大したもんじゃねぇか。」

 

山県「ウチのクビになった殿様にだけはなるなよ?」

 

馬場・山県「ハハハハハ!」

 

冬夜「そうだ。高坂さんは居る?」

 

雄也「切れ者だって噂で聞いてるけど。」

 

山県「相当な。会った事なかったか?」

 

冬夜「うん。ちょっと相談があって。」

 

 

 

 

 

 

その高坂と言う人物を会いに行った。

 

高坂「成る程な。商人を呼びたいと。」

 

雄也「国民も一気に増えたし。領民達が平穏に暮らせる為に商売とか色々必要だと思って。」

 

高坂「そうですねぇ。人の訪れ無くしては町の発展はありえません。まずは街道の整備からですな。」

 

 

 

 

3人で街道整備の計画を進める。

 

 

 

 

冬夜「モデリング!」

 

モデリングで街道や池を作る。

 

 

 

 

ロゼッタが領民達に色々レクチャーする。

 

 

 

 

町が次々と発展した。

 

冬夜「これで関所も完成っと!」

 

雄也「意外と早かったな!」

 

冬夜「だね。道が出来ると店が欲しくなるよな〜。」

 

雄也「店かぁ・・・宿とかどうだ?旅人の疲れを癒す為に。」

 

冬夜「他にも、飲食店とか、情報を得られる拠点とか。」

 

高坂「陛下。公爵。南部の土地ですが。」

 

冬夜「あ。すぐに行きます!」

 

 

 

 

 

 

遊戯室。ルーシアが花を飾ってる。

 

八重「ルー殿!お昼でござるよ!」

 

ルーシア「・・・・」

 

八重・ユミナ「ん?」

 

ユミナ「ルーさん?」

 

ルーシア「あ!すみません!気付かなくて・・・」

 

ユミナ「・・・・」

 

すると八重とユミナが、ルーシアの手を優しく握った。

 

ユミナ「慣れない生活で無理はしていませんか?」

 

八重「無理はダメでござるよ?」

 

ルーシア「あ、いえ・・・あ。」

 

八重とユミナの薬指のリングを見た。

 

ルーシア「今は色々学んで、皆さんと同じように早く冬夜様のお役に立ちたくて。冬夜様は、雄也様と一緒で今日はお忙しそうですね。」

 

八重「本当。王様と公爵は大変でござるよ。」

 

ルーシア「・・・・」

 

 

 

 

 

 

町では、かなり発展している。

 

冬夜「それなりに形になってきたなぁ。」

 

雄也「銀月の支店も、ここで出せるようになったしな。」

 

少女A「あ!陛下!公爵様!こんにちは〜!」

 

少女B「こんにちは〜!」

 

冬夜「はいこんにちは!」

 

雄也「こんにちは!」

 

ルーシア「冬夜様!雄也様!」

 

そこにルーシアが走って来た。手にバケットを持ってる。

 

冬夜「あれ?ルー!どうかしたの?それって・・・」

 

ルーシア「お弁当ですわ。お昼にお帰りならなかったので。」

 

冬夜「あ〜。そう言やまだだった。」

 

 

 

 

 

 

近くのテーブルでお弁当を頂く。

 

雄也「俺まで良いのか?」

 

ルーシア「はい。雄也様にも色々お世話になってますので。」

 

雄也「嬉しいねぇ。」

 

ルーシア「その・・・私が作ったのですが。」

 

冬夜「ルーが!?」

 

雄也「ルーシアお手製!」

 

ルーシア「はい。ユミナさんが冬夜様はイーシェンの料理が好きだとお聞き、椿さんにも教えて頂いて・・・初めてでしたので幾分か不格好ですけれど・・・」

 

冬夜「へぇ。」

 

雄也「どれどれ?」

 

手作り弁当を食べてみる。

 

冬夜「うん!美味しいよ!初めてとは思えない!」

 

ルーシア「そうですか!良かったですわ!」

 

雄也「おぉ!美味いな!上出来だ!」

 

ルーシア「嬉しいですわ!」

 

冬夜「ふっ。」

 

ルーシア「・・・どうかしましたか?」

 

冬夜「ん?いや、可愛いなと思って。」

 

ルーシア「ふえっ!?」

 

ライザーク「おいおい此奴、また口説いたぞ?」

 

雄也「幸せ者め。このこのぉ。」

 

冬夜「あ、しまった。」

 

黙々と弁当を食べる。

 

ルーシア「実は・・・デザートも!」

 

冬夜「ワアオ!」

 

雄也「本格的!」

 

 

 

 

 

 

城へ入った雄也が遊戯室へ戻る途中。

 

魔法生物「何か城の中が慌ただしいですねぇ。マスター。」

 

雄也「ようリプル。そっちは新しい絵も馴染んでるみたいで良かった。」

 

以前に訪れた幽霊城で出会った魔法生物が顔を出した。リプルと言う名は、あの幽霊城の名前のリプル城から取った命名。

 

ライザーク「実はな、国王達を招待する準備で忙しいんだ。お前も頼むぞ?」

 

リプル「はい。何か怪しい動きがあればお知らせしますよぉ。工房で複製された私が至る所に設置されて・・・このお城には常に私の目が光ってるんですからぁ。」

 

雄也「頼もしいな。」

 

リプル「あ!今レネちゃんがお皿割りました!」

 

ライザーク「おぉそうか。」

 

雄也「有能な警備システムを手に入れたもんだなあ、俺達。まあ一先ず、これで準備が整った。後はロイヤルファミリーを招待するだけだ。」

 

 

 

 

 

 

各国の王を招待した。

 

冬夜「ようこそ!我が遊戯室!」

 

 

 

 

遊戯室。

 

全員「おおおおー!」

 

スゥ「凄いのじゃー!」

 

冬夜「皆さん!ここではどうぞ自由に!」

 

雄也「楽しんでいってくれ!」

 

エルゼ達が遊び方を教える。

 

 

 

 

ロイヤルファミリーはボーリング、麻雀、スイーツなどを堪能。

 

 

 

 

リオン「しかし、信じられない光景ですね・・・ほんのすこし前までは、西方諸国の王が一堂に会するなどあり得ないと思っていました。それが一緒になって遊んでいるんですから。」

 

スゥ「冬夜!雄也!これはどうやって遊ぶのじゃ?」

 

エアホッケーのスマッシャーを持ってる。

 

冬夜「それはね・・・」

 

リグ「ワシらと勝負だ!」

 

雄也「もう、俺らも忙しいな・・・」

 

 

 

 

 

 

夜になり、一同がバルコニーへ集まった。

 

雄也「夜も更けたな。」

 

冬夜「最後に余興として用意したものをご覧になって頂き、お開きとさせて貰います。雄也。」

 

雄也「おう。メガタマヤやってくれ!」

 

メガタマヤ『おっしゃ!ド派手に打ち上げるぜ!』

 

ガウストのメガタマヤが真上に向けて花火を打ち上げた。夜空に巨大な花火が咲いた。

 

冬夜「あれは花火と言います。見て楽しむもので、イーシェンでは夏に打ち上げるそうですよ。」

 

雄也「綺麗に打ち上げたな!」

 

ライザーク「下から見るか?それとも横から?」

 

雄也「真正面から。」

 

ルーシア「冬夜様。ありがとうございます。」

 

冬夜「ん?」

 

ルーシア「その・・・ここに来てから沢山の初めてを知る事が出来ましたわ。お料理に、私自身の事も。冬夜様と出会って毎日が楽しくて仕方ありませんわ!」

 

冬夜「ルー・・・」

 

雄也「横から失礼するけど、俺の事はどお?」

 

ルーシア「はい!雄也様も一緒で楽しいですわ!」

 

雄也「良かった。」

 

冬夜「これ。遅くなったけど。」

 

ルーシア「あ・・・」

 

冬夜「結婚はまだ先だけど、婚約の証として。」

 

マリッジリングをルーシアに渡した。

 

ルーシア「嬉しいです!これでやっと、胸を張って冬夜様の婚約者だと言えますわ!」

 

冬夜「もっと早く渡せば良かったな・・・」

 

ルーシア「え?」

 

冬夜「ああ!いや。(きっと今の僕らは、仲の良い兄妹にしか見えないんだろうな。まぁ、急ぐ事もない。ん?)」

 

横でルーシアが冬夜と手を繋ごうとするが、緊張が出ず握れない。

 

冬夜「ん?」

 

緊張するルーシアの手を握ってあげた。

 

ルーシア「っ!」

 

冬夜(その内恋人とか、夫婦のように見える時が来るだろう。)

 

雄也「・・・・・」

 

ライザーク「おいおい、まーだ妬いてんのか?」

 

雄也「妬いてねえよ。」

 

冬夜(僕らはこの国で、ずっと暮らしていくんだから。)

 

『END』




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯
      九重八重;赤崎千夏
       ユミナ:高野麻里佳
      スゥシィ:山下七海
       リーン:上坂すみれ
      ルーシア:高木美佑

     ライザーク:梅原裕一郎
    チャイドラン:比嘉久美子
     ルナフィン:村瀬歩
    ガルフレイム:前野智昭

   フランシェスカ:大久保瑠美
    ハイロゼッタ:朝日奈丸佳
       リプル:茅野愛衣
   トリストウィン:中田譲治
     ゼフィルス:高瀬右光
        リグ:てらそままさき
       リオン:斉藤壮馬
        レネ:青山吉能
       セシル:米澤円
       ラピス:茜屋日海夏
         椿:小林ゆう
        馬場:浜田賢二
        内藤:岸尾だいすけ
        山県:伊藤健太郎
        高坂:樫井笙人

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