異世界はガウストとともに。   作:naogran

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雲の上に浮かぶ畳の1室。そこに、1人の老人(神様)と1人の少年が卓袱台を挟んで座っていた。

神様「と言う訳で、お前さんは死んでしまった。ちょっとした手違いで神雷を下界に落としてしまった。本当に申し訳ない。」

少年「それで俺が、その神雷を受けてお陀仏になったって訳か。」

神様「まさかまた落ちた先にまた人が居るとは・・・」

少年「またって事は、俺の前に犠牲者が出たのか?」

神様「そうじゃ。君が2人目の犠牲者じゃ。えっと・・・伊狩・・・」

少年「雄也。伊狩雄也。俺の名前だ。」

神様「そうそう!伊狩雄也君!しかし君も落ち着いてるのう。死んだと言われたらもっと慌てたりするものだと思っていたが。」

雄也「まあ、まさかこんな日が来るなんて思ってもいなかったし。それに、今更あーだこーだ言っても時間が過ぎるばかりだしな。」

神様「君も達観しとるのう。」

雄也「それで神さんよ。俺はこのまま彷徨い続ける浮遊霊か地縛霊になれとでも言うのか?」

神様「すぐに生き返らせる。」

雄也「マジか?」

神様「ただのう、元居た世界に生き返らせる訳にはいかんのじゃよ。そう言うルールでな。別の世界で蘇ってもらいたい。」

雄也「要するに、俺の知らない世界で生活出来るって訳か。OK。」

神様「ええ!?良いのかい!?」

雄也「俺、昔から異世界ってどんな感じか想像してたんだ。どんな世界か見てみたいからな。」

神様「本当に人間は出来とるのう。そうじゃ!では罪滅ぼしに何かさせてくれんか?君の望みを聞きたい。」

雄也「望みかぁ。そうだ!」

ジャケットの内ポケットから、ある物を取り出した。

雄也「俺があんたの手違いで死ぬ前から、家で昔遊んでた此奴を持ったままなんだ。これを使えるように出来れば良いんだが。」

それは、トレジャーガウストのギアレットハンターだった。

神様「それをか?」

雄也「まあ、これおもちゃだから出来る訳ねえよな。持ってたとしても意味無さそうに思えるからな。」

神様「いやいや大丈夫じゃ。本物のように出来るようになれるしのう。それに、それに入ってる奴を、魔力で実態出来るようにするから。」

雄也「魔力で出来んの!?ってか魔力ってまさか・・・」

神様「勿論。魔法も使える世界じゃ。」

雄也「マジかよ凄え・・・」

神様「しかしそんな望みで良いのか?」

雄也「ああ。それで十分だ。それと質問があるんだが。向こうの世界の文字が読めない場合どうすんだ?」

神様「心配いらん。それを使えば何が書かれてあるか分かるようにするから。」

雄也「そっか。じゃあそれで宜しく頼むぜ。」


1話「目覚め、そして異世界。」

草原にある木の下の木陰。雄也が眠っていた。そこに謎の生物が浮遊して、雄也を起こす。

 

???「おい起きろ!起きろって!」

 

雄也「・・・はっ!」

 

目を覚ました雄也が起き上がった。

 

???「やっと起きたか。」

 

雄也「ん?」

 

横を見ると、鮫の姿をした生物が浮遊していた。

 

雄也「お前、ライザークか?」

 

ライザーク「おうよ!宜しくな相棒!」

 

雄也「って事は・・・」

 

右手を見ると、ギアレットハンターが握られていた。

 

雄也「ちょいと試してみるか。」

 

その場に立って、ギアレットハンターをハンターモードに変形させて、ライザークに向ける。

 

ライザーク「ん?何してんだ?」

 

雄也「よっと!」

 

横に大きく振った。するとギアレットハンターから、釣り糸が射出され、ライザークの口に掛かった。

 

ライザーク「え?」

 

そしてリールを回すと、ライザークを引っ張れた。

 

ライザーク「いででででで!!!」

 

雄也「凄え。ほんまに本物のようになってる。」

 

ライザーク「てめえ!!何してんだゴルァ!!」

 

雄也「悪い悪い。」

 

すぐにライザークを解放した。

 

ライザーク「ったく、そんな事より彼処を見ろよ。」

 

雄也「ん?」

 

 

 

 

前を見ると、草原と巨大な山が見えた。

 

 

 

 

雄也「あれが噂の異世界か?」

 

ライザーク「そうだ。」

 

雄也「ほんまに異世界に来れたとはな。この先どうやって行けば良いんだ?」

 

ライザーク「ギアレットハンターを見ろ。」

 

雄也「ああ。」

 

ギアレットハンターを見ると、液晶にマップが表示されていた。

 

雄也「マップか。じゃあライザーク。ここで俺達の新たな人生を楽しもうぜ。」

 

ライザーク「おう!」

 

 

 

 

 

 

2人は道を歩き始める。

 

雄也「なあライザーク、お前は他の奴に見られたらヤバイんじゃねえのか?」

 

ライザーク「心配すんなって。俺はお前しか見えないからな。でも他の奴らに見せる事も出来るぜ。」

 

雄也「そうだったな。お前ガウストだもんな。そう言えば神さんは、先にこの世界に来た奴が居るって言ってたな。どんな奴なんだろうな。」

 

ライザーク「それは、会ってみねえと分かんねえな。」

 

すると雄也の腹が鳴った。

 

雄也「そう言えば今日飯食ってねえな・・・お前はどうなんだ?」

 

ライザーク「俺はお前のギアレットハンターに入って餌が食えるからな。」

 

雄也「そうだったな。ん?」

 

目の前に、1人の女性が困っていた。

 

雄也「どうしたんですか?」

 

女性「実は・・・私の大事なリングを無くしてしまいまして・・・」

 

雄也「リングですかぁ。ちょっと待って下さい。」

 

ギアレットハンターで探す。

 

 

 

 

神様『そいつに無くなった物を探知出来る機能を与えておこう。』

 

 

 

 

雄也(助かるぜ神様。)

 

するとギアレットハンターに電子音が鳴り始めた。

 

雄也「あった!」

 

無くなったリングを発見した。

 

雄也「これですか?」

 

女性「ありがとうございます!助かりました!」

 

雄也「いえいえどういたしまして。(ってか言葉通じるんだな。)じゃあもう無くさないで下さいね。」

 

女性「あ!待って下さい。・・・どうぞ。」

 

6枚の金貨を貰った。

 

雄也「え?金貨ですか?」

 

女性「リングを見付けて下さったお礼です。受け取って下さい。」

 

雄也「あ、ありがとうございます。」

 

金貨を貰って、再び街へ向かう。

 

雄也「いやぁ〜助かったぜ。まさか金貨を貰えたとはな。」

 

ライザーク「ラッキーだったな雄也。」

 

 

 

 

 

 

数分後、街に到着した。

 

ライザーク「ここがこの世界の街かぁ。」

 

雄也「賑わってるなぁ。」

 

ライザーク「さて雄也、この先どうすんだ?」

 

雄也「そうだなぁ・・・まずは宿を探さねえとな。何処か良い宿は無えか?」

 

ライザーク「俺が知る訳ねえだろ!」

 

雄也「だよなぁ。誰かに聞いてみるか。」

 

近くに居た男性に尋ねる。

 

雄也「あんた、ちょっと尋ねて良いか?」

 

男性「ん?見掛けない顔だな。」

 

雄也「この街に来た観光客だ、この街の良い宿は無えか?」

 

男性「ああ。それなら銀月がオススメだぞ。場所教えてやるよ。」

 

雄也「銀月かぁ。サンキュー。ありがとうな。」

 

 

 

 

 

 

場所を教えてもらって、銀月へ向かう。

 

雄也「ここをまっすぐだな。」

 

???「おい兄ちゃん。」

 

雄也「あ?」

 

後ろに振り向くと、2人組の男が声を掛けて来た。

 

雄也「俺に何の用だ?」

 

男A「兄ちゃん、金持ってねえか?」

 

男B「俺達腹が減ってんだ。俺達に金寄越してくれねえか?」

 

雄也「金か。金貨ならあるけど。」

 

 

 

 

???「ん?」

 

???「どうしたのエルゼ?」

 

???「あの男、何か絡まれてる。」

 

1人の少年と2人の少女が、男2人に絡まれてる雄也を見付けた。

 

雄也「金が欲しいならやるよ。」

 

金貨2枚投げた。男2人は金貨をキャッチした。

 

男A「へへ!サンキュー!」

 

男B「じゃあなー!」

 

金貨を貰って、この場所から走り去った。

 

ライザーク(おい良いのか?金貨2枚無駄にしちゃって。)

 

雄也(良いさ。俺が彼奴らにあげたのは、アレだからな。)

 

ライザーク(アレって何だ?)

 

雄也(お、戻って来た。)

 

先程の男達が戻って来た。

 

男A「おいお前!!」

 

男B「この金貨、砂で出来た偽物じゃねえか!!」

 

雄也「え〜?そんなはずは無えよ〜。ちゃんと渡したじゃねえか。金貨そっくりに作った砂を。」

 

男A「巫山戯やがって!!」

 

男B「やっちまえ!!!」

 

激昂した男2人が襲い掛かった。しかし雄也がそれをヒョイっと避けた。

 

雄也「遅えな。」

 

避けたと同時に腹にキックした。男Aが倒れた。

 

男B「野郎!!!」

 

ナイフを持って刺そうとした。

 

雄也「よっと。」

 

しかし雄也のパンチが男Bの顔面にクリティカルヒットした。

 

雄也「てめえら、金が無えんなら働け。働いて賃金稼げ!この屑が!!!」

 

男2人「ひええええええ!!!ごめんなさあああああい!!!」

 

怖い形相をした雄也を見て、反省しながら一目散に逃げた。

 

雄也「ふぅ。」

 

ライザーク(これで解決だな。)

 

雄也(ああ。さてと、銀月へ行くか。)

 

???「あんた結構やるじゃない。」

 

雄也・ライザーク「ん?」

 

後ろに振り向くと、先程雄也と男2人を見ていた少年と2人の少女が立っていた。

 

???「さっきの顔、かなり怖い顔してたね。」

 

雄也「見てたのか?」

 

???「うん。一瞬にしてあの男達を追い払ったね。」

 

雄也「あんた達、名前は?」

 

エルゼ「私はエルゼ・シルエスカ。こっちは妹のリンゼ・シルエスカ。」

 

リンゼ「初めまして。」

 

冬夜「僕は望月冬夜。」

 

雄也「望月、冬夜・・・」

 

すると雄也が冬夜を凝視する。

 

冬夜「え?何かな?」

 

雄也「いや、何でもない。俺は伊狩雄也。雄也で構わない。」

 

エルゼ「伊狩雄也・・・もしかしてあなたもイーシェンの人?」

 

雄也「(イーシェン、この世界にある国なのか?)・・・そうだ。俺はイーシェンから来た男だ。そうだ!俺今から銀月へ行く所だから、じゃあな。」

 

冬夜「そこって、僕達も今から行く所だけど。」

 

雄也「マジで?」

 

リンゼ「だったら、一緒に行きますか?」

 

雄也「ああ。」

 

銀月へ向かってる最中、雄也が冬夜に小声で話した。

 

雄也(お前、もしかして元の世界の男か?)

 

冬夜(え?君もそうなの?)

 

雄也(ああ。お前の名前と雰囲気で一瞬で分かったんだ。ここは転生者同士仲良くやろうぜ?)

 

冬夜(うん。宜しく。)

 

 

 

 

 

 

エルゼ「ここよ。」

 

銀月に到着した。

 

冬夜「取り敢えず1ヶ月泊まりたいんですが。」

 

雄也「俺も1ヶ月宿泊で頼む。」

 

ミカ「はいよ。」

 

エルゼ「チェックイン終わった?」

 

雄也「ああ。今終わったぞ。」

 

冬夜「ごめん待たせてしまって。」

 

ミカ「あら、知り合いだったの?」

 

エルゼ「今さっき助けてもらったの。」

 

雄也「俺はさっき会ったばかりだけど。」

 

ミカ「な〜に?早速男達見付けて来たの〜?」

 

エルゼ「・・・そ、そんなんじゃないって!!」

 

赤面しながら否定する。

 

 

 

 

 

 

食堂でお茶をいただく。雄也は飯を食ってる。

 

雄也「あぁ〜助かった〜・・・飯が美味い。」

 

ライザーク『全くだぜ。高級餌が美味えぜ。』

 

雄也(お前何高級食ってんだよ。)

 

エルゼ「そんな訳で、私達さっきの男達の依頼でこの街に水晶鹿の角を届けに来たんだけどね・・・ヒドイ目に遭ったわ。」

 

雄也「へぇ〜、俺と出会う前にそんな事が。」

 

リンゼ「だから止めようって私は反対したのに、お姉ちゃん言う事聞いてくれないから・・・」

 

エルゼ「やっぱりギルドとか、ちゃんとした所から依頼を受けないとダメね。この機会に登録しよっか。」

 

リンゼ「その方が良いと思う。安全第一明日にも行こうよ。」

 

冬夜(ギルド・・・ハローワークみたいなものだっけ?)

 

雄也(ギルド・・・クエストとかやる集会所か。)

 

冬夜「あの良かったら一緒に行っても良いかな?僕も仕事を探そうと思ってて。」

 

エルゼ「勿論!一緒に行きましょう。助けてくれたお礼に案内するわ。ね?」

 

リンゼ「うん!」

 

雄也「俺も一緒に行っても良いか?俺、この街に来たばかりだから。」

 

エルゼ「ええ勿論よ!一緒に行きましょう。」

 

リンゼ「うん。」

 

雄也「助かるぜ。」

 

 

 

 

 

 

その日の夜、雄也が部屋のベッドに寝転がっていた。

 

雄也「さあて、どんなクエストが待ってるか楽しみだぜ。」

 

 

 

 

 

 

翌朝、冬夜達と一緒にギルドへ到着した。雄也は依頼をギアレットハンターで見る。

 

雄也「成る程成る程・・・」

 

ライザーク(どうだ?良いもんあったか?)

 

雄也(どれも報酬が良い奴ばっかだな。迷うなぁ・・・)

 

冬夜(全然読めない・・・)

 

当の冬夜はこの世界の文字が読めてない。

 

冬夜(まずは読み書きをどうにかしないと・・・)

 

エルゼ「これどうかなリンゼ?報酬もそこそこだし、手始めに良いんじゃない?」

 

リンゼ「うん。悪くないと思う。」

 

雄也「お?面白そうなクエスト見付けたか?」

 

エルゼ「ええ。これはどうかな?」

 

雄也「良いね。ウォーミングアップには丁度良いクエストだな。」

 

エルゼ「そっちは何か良いのあった?」

 

冬夜「え!?」

 

エルゼ・リンゼ「ん?」

 

雄也「どうした冬夜?」

 

冬夜「・・・実は、何て書いてあるかさっぱり分からなくて・・・」

 

エルゼ「えっ!?もしかして読めないとか?」

 

恥ずかしながらコクコクと頷く。

 

雄也(この世界の文字が読めないのは当たり前か。でも俺にはギアレットハンターがあるから心配無い。)

 

リンゼ「えーっと・・・東の森で魔獣を討伐。一角狼を5匹、報酬は銅貨18枚。」

 

エルゼ「何なら私達とパーティー組む?あんた達強いから心強いし!」

 

冬夜「是非・・・」

 

雄也「頼む。」

 

エルゼ「OK、じゃあ受付に申請して来る。」

 

依頼書を持って受付に申請しに行った。

 

冬夜「あ。」

 

リンゼ「どうしました?」

 

冬夜「僕武器とか持ってない。」

 

リンゼ「へ?」

 

雄也「ほえ?」

 

 

 

 

 

 

申請を終えて、ギルドから出る。

 

エルゼ「よし!これで準備オッケーね。」

 

リンゼ「うん。」

 

エルゼ「何時も通りリンゼが後衛で私が前衛。冬夜は私と一緒に前衛かな?」

 

冬夜「あ、うん。」

 

彼の左手に、1つの剣が握られていた。

 

リンゼ「それイーシェンの剣ですよね。」

 

冬夜「う、うん・・・」

 

エルゼ「それと、そのギルドカード。無くさないでよ?再発行結構面倒臭いから。」

 

冬夜「うん。」

 

エルゼ「それで、雄也の武器は?」

 

雄也「俺はこれさ。」

 

ハンティングホルダーからギアレットハンターを取り出した。

 

エルゼ「見た事無い武器ね。」

 

雄也「此奴は結構レアな奴でな。手に入るのに中々苦労したんだ。それに、俺には使い魔が付いてる。」

 

横にライザークが姿を現した。

 

ライザーク「おっす!」

 

冬夜「うお!?」

 

雄也「此奴は使い魔のライザークだ。」

 

ライザーク「おい使い魔って何だよ使い魔って!」

 

エルゼ「鮫の使い魔!?」

 

リンゼ「凄く格好良いです!」

 

ライザーク「いやぁ〜照れるな〜。」

 

雄也「何照れてんだよてめえ。」

 

 

 

 

 

 

そして東の森で一角狼達と遭遇した。

 

エルゼ「はあああああああ!!!」

 

パンチで一角狼を飛ばした。

 

冬夜「はっ!!」

 

イーシェンの剣で一角狼2匹を斬り裂いた。

 

雄也「行くぜライザーク!」

 

ライザーク「おうよ!」

 

ギアレットハンターから釣り糸を射出して、1匹の暴れる一角狼の角に引っ掛けてリールを回して角を折った。

 

雄也「今だ行け!」

 

ライザーク「ライトニングシャワー!!」

 

ライトニングシャワーで一角狼を倒した。

 

リンゼ「炎よ来たれ!赤の飛檄!イグニスファイヤー!」

 

イグニスファイヤーで一角狼をを燃やした。

 

冬夜「凄い!今の魔法!?」

 

リンゼが頷く。

 

 

 

 

 

 

そして一角狼達を片付けた。

 

エルゼ「冬夜、雄也、使い魔もやるじゃない!依頼は5匹討伐だったけど、1匹多く仕留めちゃったわね。」

 

雄也「1匹はおまけとして持って帰ろうぜ。」

 

ライザーク「ってか、使い魔って言われると納得いかねえ・・・」

 

雄也「今はそう言う事にしておいてくれ。」

 

 

 

 

 

 

一角狼の角6本をギルドに持って帰った。

 

受付嬢「はい、確かに一角狼の角5本受け取りました。おや?そちらの角は?」

 

冬夜「初の依頼だったので、これは記念に取って置こうと思って。」

 

雄也「クエスト初クリアの思い出として。」

 

受付嬢「そうですか。ではギルドカードの提出をお願いします。」

 

4枚のギルドカードにスタンプする。

 

受付嬢「それではこちらと報酬の銅貨18枚です。これにてクエスト完了となります。お疲れ様でした。」

 

クエストクリア。

 

 

 

 

 

 

その後銀月に戻った。

 

エルゼ「あんた達と組んで良かったわ。2人だったらもう少し苦戦してたもん。私達良いパーティーかもね。」

 

リンゼ「お姉ちゃんに余裕で付いて行ける男性なんて早々居ないですよ。」

 

冬夜「いやぁ、内心かなり緊張してたよ。」

 

雄也「俺も少しは緊張してたぜ。」

 

冬夜「あんな獰猛な生き物とは思わなかったし。それであの・・・2人に頼みがあるんだけど。」

 

リンゼ「ん?」

 

エルゼ「頼み?」

 

冬夜「うん。僕に読み書きを教えてほしいんだ。やっぱり文字が読めないと不便でさ・・・」

 

エルゼ「依頼内容が分からないんじゃねぇ〜。」

 

冬夜「うっ・・・」

 

エルゼ「それならリンゼに教えてもらうと良いわ。この子頭良いから教えるのも上手だし。」

 

リンゼ「そ、そんな事ないけど、私で良ければ・・・」

 

赤くなりながら承諾した。

 

冬夜「ありがとう!助かるよ!」

 

エルゼ「雄也は文字とか読めるの?」

 

雄也「心配ないさ。これを使えば何が書かれてあるか分かるから。」

 

エルゼ「へぇ〜。便利ねそれ。」

 

冬夜「後、序でと言ったらなんだけど、魔法も教えてもらえないかな?僕も使ってみたいんだけど・・・」

 

エルゼ・リンゼ「え?」

 

エルゼ「魔法を教えてほしいって適性はあるの?」

 

冬夜「適正・・・?」

 

リンゼ「魔法は生まれ持った適性によって大きく左右されるんです。適性がない人はどうやっても魔法を使う事は出来ないと言うか・・・」

 

冬夜「適性か・・・分からないけど大丈夫じゃないかな?ある人がお前ならすぐ魔法を使えるようになれるって太鼓判を押してくれたし。」

 

エルゼ「誰よその人?」

 

冬夜「とっても偉い人かな・・・」

 

雄也(あの神さんか。)

 

冬夜「その適性があるかどうか分かる方法ってないの?」

 

リンゼ「うーん・・・」

 

小さい袋から、カラフルな石を取り出した。

 

リンゼ「これは魔石です。魔力を増幅・蓄積・放出出来るんです。」

 

雄也「結構カラフルな石だな。」

 

リンゼ「これを使えば・・・水が分かりやすいかな?水よ来たれ。」

 

すると青色の魔石から水が出て来た。

 

冬夜「おお!」

 

雄也「凄え!」

 

リンゼ「これが魔法が発動した状態です。魔石が私の魔力に反応して水を生み出した訳です。」

 

雄也「成る程〜。分かりやすい。」

 

エルゼ「因みに。」

 

水の魔石を借りる。

 

エルゼ「水よ来たれ。」

 

しかし水が出なかった。

 

エルゼ「水の適性が無いとこうなるの。だから私は水の魔法が使えない訳。」

 

雄也「ほうほう。」

 

冬夜「双子なのにエルゼは使えないんだ。」

 

エルゼ「気にしてる事をズバッと言わないでよー。」

 

リンゼ「お姉ちゃんは水の魔法を使えない代わりに身体強化の魔法が使えます。逆に私は使えません。身体強化にもその適性が必要ですから。魔力は誰もが持っていますがその適性が無ければ、その技能を使う事が出来ません。」

 

冬夜「僕もやってみればその適性があるか分かるのか。」

 

リンゼ「はい。手にもって石に意識を集中し、水よ来たれと唱えて下さい。」

 

水の魔石を持って唱える。

 

冬夜「水よ来たれ。」

 

 

 

すると水が大量に出て来た。

 

 

 

冬夜「うわあ!?」

 

雄也「うお!?」

 

それを見たエルゼとリンゼが唖然とした。

 

雄也「俺にもやらせて。水よ来たれ。」

 

しかし反応しなかった。

 

雄也「どうやら俺は不可能だな。」

 

冬夜「他の魔石もあるの・・・?」

 

リンゼ「ありますけど・・・」

 

エルゼ「場所変えましょうか・・・」

 

 

 

 

 

 

外に出て、魔石を試す事に。

 

冬夜「火よ来たれ。」

 

火が出て来た。

 

冬夜「土よ来たれ。」

 

土が出て来た。

 

冬夜「風よ来たれ!」

 

風が出て来た。

 

冬夜「光よ来たれ!」

 

光が照らし出された。

 

冬夜「闇よ来たれ!」

 

闇が醸し出された。

 

雄也「冬夜凄え・・・」

 

 

 

 

 

 

闇の魔石をテーブルに置く。

 

冬夜「あれ、どうしたの?」

 

エルゼ「あんた何者?」

 

リンゼ「6つの属性を使える人なんて初めて見ました。私は3つ使えますが、それでも珍しい方なんですよ。なのに6つも!凄いですよ!」

 

雄也(神さん、チート級の力を冬夜に与えたな?)

 

冬夜「ん?」

 

白い魔石を見付けた。

 

冬夜「あれ?その魔石は?」

 

リンゼ「それは無属性魔法の魔石です。」

 

ライザーク「無属性?」

 

リンゼ「はい。無の魔法は特殊でこれと言って呪文が決まってないんです。」

 

冬夜「え?じゃあどうやって使えば?」

 

リンゼ「例えば、お姉ちゃんの身体強化だとブーストと唱えれば発動します。その他に筋力を増加すパワーライズ、珍しい物だと遠くに移動出来るゲートと言う物もあります。」

 

冬夜「へぇ~、遠くに行ける魔法って便利だね。」

 

雄也「確かに。一瞬で目的地に到着出来るからな。」

 

エルゼ「ブーストの方が便利よ!女だからって侮ってる男たちはみんなこれで痛い目に遭って来たんだから。」

 

冬夜「身体強化魔法か、通りで強い訳だ。」

 

雄也「かなり怖えなエルゼさんよぉ。」

 

冬夜「でも自分がどんな無属性の魔法を使えるかなんてどうやって分かるの?」

 

エルゼ「ある時何となく魔法名が分かるのよ。」

 

ライザーク「何となく?」

 

リンゼ「らしいです。無属性魔法は個人魔法とも呼ばれ、同じ魔法を使える人は滅多に居ません。」

 

冬夜「じゃあ今すぐ無属性の魔法の適性があるかは分からないのか・・・」

 

リンゼ「いえ。魔石を手にして何か無属性の魔法を使おうとしてみれば分かります。魔法が発動しなくても魔石がちょっと光るとか、少し震えるとか何かしらの変化はあるはずですから。先程興味を持たれていたゲート、試してみますか?」

 

冬夜「うん、やってみる。ゲート!」

 

 

 

すると無属性の魔石が光って、目の前にゲートが出来た。

 

 

 

エルゼ「嘘!?」

 

冬夜「出来た・・・」

 

リンゼ「そうですね・・・」

 

雄也「1発で出来ただと・・・!?」

 

ライザーク「彼奴、中々だな・・・」

 

出来たゲートに顔を入れると。

 

冬夜「ここは・・・」

 

エルゼ「さっきの東の森だ。」

 

リンゼ「ゲートの魔法は一度行った所なら何処へでも行けるそうです。魔法を使った時、ここの事を思い浮かべたんじゃないかと・・・」

 

 

 

 

 

 

 

その後銀月に戻る。

 

エルゼ「それにしても全属性使えるって、あんたちょっと可笑しいわよ。」

 

リンゼ「全属性使える人なんて聞いた事ありません。凄いです。冬夜さん。」

 

冬夜(んーコレも神様効果っぽいよなー。なんかズルしたのに褒められてる気分・・・)

 

雄也(彼奴、心の中で戸惑ってるな。)

 

ライザーク(そのようだな。)

 

ミカ「ねぇお楽しみの所ちょっと悪いんだけど・・・」

 

そこに銀月の看板娘のミカが来た。

 

エルゼ「ミカさんどうしたの?」

 

ミカ「この子はアエルって言って、パレットって喫茶店で働いてるんだけど。」

 

アエル「実はうちの店で新メニューを出そうと考えているんですが・・・」

 

ミカ「旅の人なら、何か良い料理を知ってるんじゃないかと思ってね。」

 

エルゼ「料理・・・?う〜ん、何だろう・・・」

 

リンゼ「すぐに出て来ませんね・・・冬夜さんと雄也さんはどうですか?イーシェンの郷土料理とか。」

 

アエル「良い料理があれば、教えて欲しいです。」

 

冬夜「因みにどんな物が希望ですか?」

 

アエル「やっぱり軽く食べられるものですかね。デザートと言うか・・・女性ウケするものなら更に良いんですが。」

 

冬夜「女性が喜びそうな物か・・・クレープとかアイスくらいしか浮かばないけど・・・」

 

アエル「アイス?氷ですか?」

 

冬夜「いや、そっちじゃなくて・・・」

 

雄也「もしかしてアイスクリームか?」

 

冬夜「そうそう。」

 

アエル「アイスクリーム・・・?」

 

冬夜(アイスクリーム、知らないのかな?)

 

すると冬夜が、内ポケットからスマートフォンを取り出して、アイスクリームを調べる。

 

雄也(まさかのスマホ!?)

 

リンゼ「あのそれは?」

 

冬夜「便利な魔法の道具ってとこかな。僕にしか使えないけど、あまり詮索しないでもらえると助かる。」

 

雄也(お前スマホを持ってたんかい。)

 

冬夜(うん。神様から使えるようにしてもらったんだ。)

 

雄也(成る程。)

 

冬夜「あの、今から読み上げる事を紙に書いていってもらえますか?」

 

アエル「はい。」

 

 

 

 

 

 

 

アイスクリームの材料を教える。

 

冬夜「卵3個、生クリーム200ml、砂糖60~80g・・・(食材の名前は通じるみたいだな。)そうだ。リンゼは氷の魔法使える?」

 

リンゼ「はい、使えます。水属性の魔法ですから」

 

冬夜「よし!」

 

雄也「俺もアイスクリーム作りたいんだが良いか?」

 

冬夜「うん。良いよ。」

 

エルゼ「何何?何か楽しそう!」

 

早速アイスクリームを作る。リンゼがでかい氷を出した。ライザークが氷を削る。

 

 

 

 

 

 

数分後、アイスクリームが完成した。

 

雄也「出来たぞ。じゃあ早速試食するか。」

 

出来たアイスクリームを試食する。

 

アエル「美味しい!」

 

ミカ「何だいこれ!?冷たくて美味しい!」

 

リンゼ「美味しいです!」

 

エルゼ「こんなの食べた事ない!」

 

雄也「久々のアイスクリーム甘いな〜。」

 

冬夜「これなら女性ウケすると思うし、新メニューにどうですか?」

 

アエル「ありがとうございます!アイスクリーム使わせてもらいますね!もう一度作ってみます!」

 

ミカ「私も覚えよっと!」

 

エルゼ「ほんとあんた達何者?その変な道具も。使い魔も。」

 

リンゼ「凄く気になります。」

 

冬夜「秘密。でもこれのお陰で2人にお礼が出来たかな。」

 

リンゼ「お礼ですか?」

 

冬夜「魔法を教えてくれたお礼、なーんてね!」

 

雄也「俺も、お前達3人に出会えたお礼、なんてな。」

 

2人の異世界生活はまだ始まったばかりであった。

 

「END」




         キャスト

      伊狩雄也:増田俊樹

      望月冬夜:福原かつみ
 エルゼ・シルエスカ:内田真礼
 リンゼ・シルエスカ:福緒唯

     ライザーク:梅原裕一郎

        神様:立木文彦

        ミカ:原紗友里
       アエル:吉岡茉祐
    ギルド受付嬢:萩野葉月
        女性:鈴木亜里沙
         男:橋本祐樹
           浦野わたる
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伊狩雄也(いかりゆうや)

年齢・16歳

性格・軽口

モデル・南出凌嘉

髪型・茶髪メンズ癖っ毛

服・黒いジャケット、赤いシャツ、青いジーンズ、赤いスニーカー

武器・ギアレットハンター(レッド)

パートナー・ライザーク

現代の日本の普通の高校生。
望月冬夜と同じように、神様の神雷の直撃を受けて死亡して異世界に転生されて蘇った。
偶々持ってたギアレットハンターを使えるようにしてもらい、相棒のライザークと共に行動する。
そして、ギルドで知り合った冬夜とエルゼとリンゼと共に行動する。
恋には敏感であり、鈍感な冬夜がエルゼやリンゼ達に好かれてる事に気付いてる。

後にブリュンヒルド公国の公爵になる。

イメージCV・増田俊樹
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『ギアレットハンター』

カラー・レッド

2007年に発売したトレジャーガウストシリーズ。
元々は電子玩具だったが、神様の力で本物と同じように釣り糸が射出する事が可能。
更に、マップや消失物探索や異世界の文字読む機能がある。
ライザークのガウストギアを常に取り付けている。
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『ライザーク』

磁力タイプ・水星

性格・陽気

パートナー・伊狩雄也

必殺技・ライトニングシャワー

魔力の力で実態化したガウスト。
本来は雄也しか見えないが、たまに周りが見えるように姿を現す事もある。
使い魔と言われると少々不機嫌になる。

イメージCV・梅原裕一郎

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