緋弾のアリア TAKE YOUR HEART   作:Million01

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今回はAAの主人公のコープ発生イベです。
更にジョーカーの凄さを発揮もします。


太陽少女

五月に入る少し前、強襲科(アサルト)での戦闘訓練は強襲科(アサルト)の教論・蘭豹に目を付けられた暁は蘭豹のお気に入り・火野 ライカと徒手格闘訓練を行うことになった。

 

>本気で来い

 

ライカと戦ってる中、暁はそう呟いた。

 

ライカが暁に近づきながら拳を前に突き出す。顔を狙う拳に対して暁は左手を盾のようにして構え、拳の軌道を逸らした。

 

暁自身、アリアのバーリ・トゥード(バリツ)やライカのようなクローズ・クォーターズ・コンバット(CQC)のような正式な流派でもなんでもない。だが、前の世界のジムトレーニングで木人を使って鍛えていたのでそれなりの動きはできる。

 

逸らされながらもライカは次の行動に移す。左手の掌で顎を狙ってくる。

それに対し、暁が右手で左手首を掴むと更に、左手でも掴む。

 

「ーーーバーリ・トゥード(バリツ)っ!?」

 

ライカの驚きにを他所にジャンプして、両脚を挟みねじりにかかる。

 

それに対してライカがこの前、白雪が見せたバックドロップをしようと体を後ろに倒れ込ませようとする。

それに対し、暁が両脚をライカの左手挟むのをやめ、ライカの体を土台にして跳躍し距離を取る。

 

「そこまでや!」

 

暁がライカの様子を伺い距離を取っていると、蘭豹の終わりの合図とともに緊張が解ける。

 

「どうやった?」

 

蘭豹が大きな声で

 

>いい訓練相手だった

 

「そうだろぉ〜!」

 

蘭豹がニカッ、と笑いながら暁の背中をバンバンと叩く。

 

 

 

 

 

 

 

「ライカ、大丈夫?」

 

赤毛の少女がライカの左手を掴む。

 

「ヘイキ、ヘイキっと!」

 

「キャッ!」

 

ライカは軽くそういいながら開いている右手で赤毛の少女のスカートを捲り上げる。

 

その状況に暁は思わず顔を別の方向に向け、見ていないふりをする。

 

「あ、私のナイフ!」

 

少女の声が聞こえると暁は視線を戻す。そこには少女の所有物と思われるタクティカルナイフを火野が持っていた。

 

「ほら、あかり。これを取ってみろよ。この前みたいに!」

 

ライカがそういいながらあかりと呼ばれた少女に右拳を突き出す。あかりに迫る拳を冷静に左に躱す。

 

「おお、やっぱすげぇな。それは」

 

ライカは拳が空振るといつの間にかあかりが持っていたタクティカルナイフを見て驚く。

 

「もう、あんまり使いたくないんだからやめてよ!」

 

「まあ、また後でな」

 

ライカがそう言うとあかりに手を振りながらその場を去る。

あかりはライカが去っていくのを見送ると暁の方に振り返った。

 

そして、何か決心したかのようにこちらに近づいてくる。

 

「あ、あの、初めまして。私、間宮 あかりと言います。アリア先輩の戦妹(アミカ)をやってます!」

 

>よろしく

 

「よろしくお願いします。それで、さっきライカにしていたバーリ・トゥード(バリツ)ってアリア先輩の……」

 

>見様見真似だ

 

暁があかりの言いたいことに気付き言い終わる前にそういった。

 

「み、見様見真似であの完成度ですか!?凄いです!」

 

「そ、それで、そのもしよろしければコツ、みたいなのを教えてほしいかなと思ったんですけど……」

 

コツ……?と思わず暁が首を傾げてしまう。暁自身、コツなんて意識をしたことがない。

 

>コツ、という訳ではない

 

「え、違うんですか?」

 

あかりがその言葉を聞き思わず困惑する。その様子に暁がどういった感じに技を盗むか説明をした。

 

 

まず、一つ目に知識。技をよく見て、どういった感じで動かしているのかを頭の中で理解する知識が必要だ。

暁自身の知識が『知恵の泉』であるからこそ理解できる。

 

二つ目は度胸。頭の中で理解してもそれを実行に移すか移さないかの度胸が必要だ。

これも暁自身が『ライオンハート』の度胸を持っているからこそ出来たこと。

 

最後の一つは器用さだ。度胸があっても成功しなければ意味がない。巧みに体を動かすことで成功させる。

また、これも暁自身が『超魔術』級の器用さを持っているからこそ成功できたもの。

 

 

と、暁はあかりに三つの重要な事を話す。

 

「私もできますか?」

 

その言葉に暁が頷く。

 

「どうやって鍛えるんですか?」

 

あかりの質問に少しだけ戸惑う。

 

「あ、すみません。質問しすぎました」

 

あかりが暁の様子に気付きすぐに謝るが暁が首を横に振る。

 

>取り引きをしよう

 

「へ?と、取り引き?」

 

毎回同じことを言っているな、と思いながら暁はあかりの戸惑いに頷いた。

 

>技を教えてほしい

 

「…………」

 

暁の一言により、あかりの表情が凍り付く。

 

「な、何のことですか?」

 

>さっきの相手の物を奪う技

 

あかりの顔が青ざめる。

暁は先程、角度的にあかりがナイフを奪うところをライカと重なっていたため見ることができなく、盜もうにも盗めなかった。

だから、こうして取り引きとして出してみた。

 

>無理ならいい

 

「わ、わかりました!アリア先輩に近づくためです!!」

 

若干、あかりがやけくそに言いながら取り引きを受ける。

 

 

 

我は汝…汝は我…

汝、ここに新たな契りを得たり

 

契りは即ち、

囚われを破らんとする反逆の翼なり

 

我、太陽のペルソナの生誕の祝福の風を得たり

自由へと至る、更なる力とならん…

 

 

 

>放課後空いているか?

 

「へ、あ、はい……一応」

 

>渋谷に行こう

 

 

 

 

 

 

 

学校が終わり、暁はあかりと一緒に渋谷のセントラル街に向かった。

 

「えっと……どこに行くんですか?」

 

あかりが黙々と歩く暁に対して少しだけ不安になる。

とりあえずあかりは付いていくと本屋の前で止まった。

 

「え?」

 

あかりの戸惑いを無視して暁が店内に入ると、本を探し始める。

 

探し始めて、数分。暁がとある本を買い、あかりに手渡した。

 

「……『凄訳・賢人たちの言葉』……?」

 

>あげる

 

「あ、ありがとうございます……?」

 

あかりが困惑の表情をしながらそう言った。

そして、次に二人が向かった場所はファミレスだった。

 

>見られてる……

 

ファミレスに入ってみると何か悪寒を感じる。前の世界でも周りの視線には嫌といった程、感じていた。それも全て負の感情を持って見てくる視線ばかりだった。

今、感じている視線はそれだ。

 

「どうかしましたか?」

 

あかりの無邪気さに暁は首を振る。暁が向かい合って席に座ると『ほっとコーヒー』を注文した。

 

「えっと……なんでこんな所に?」

 

>取り引きの話

 

暁が聞く態勢を取りながらそう言うと、あかりも何の話か察する。

 

「分かりました。けど、この話は他言はしないで下さい」

 

「あれは日本武道の歩法と構えをベースにした動きで相手の物をスリ取る技です」

 

「まあ、私の場合は相手が攻撃した時だけに使っていますけど……」

 

なるほど……、と暁が関心をしていると突如、暁達に誰かが近づいてきた。

 

「あかりちゃん!その男は誰ですか!?」

 

長い黒髪が特徴の少女だ。黒髪の少女はあかりに詰め寄り、暁を指差して問い詰める。

 

「し、志乃ちゃん?ただの先輩だよ?」

 

>そうだ

 

あかりが志乃を落ち着かせながらそう言うと、志乃の顔が青ざめる。

 

「嘘です!ただの先輩なら本を買ってあげることなんてしません!!」

 

「え?そうなの?」

 

あかりが不思議そうに暁の方を見た。暁もそんな事は知らない。

 

「フフフフ……大丈夫ですよ。あかりちゃんに付いてる邪魔な虫は私が駆除すればいいんですよ!」

 

志乃と呼ばれた少女は暁を見ながら手に持っていた長刀を抜いた。

 

「天誅ゥーーー!!」

 

何処かで聞いたセリフを言いながら志乃が暁の頭部に刀を振り下ろす。

 

パシッ!と暁が志乃の行動に驚きながらも刀を左右の手で挟んで受け止める。

 

「し、真剣白羽取り!?」

 

暁は内心、冷や汗を掻きながらやってみるものだな、と思う。

 

「し、志乃ちゃん。落ち着いて!」

 

あかりが志乃を落ち着かせるために志乃を抑えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

暁達はファミレスの店員や客に謝りながらも店を出て、志乃の誤解を解く。

 

「うぅ……あかりちゃんに嫌われた……」

 

「だから、大丈夫だよ」

 

>もうあの店には入れなくなった

 

「す、すみません。私が誤解したばかりに……」

 

「あ、あかりちゃんは何を貰ったんですか?」

 

志乃がそう言うと、あかりがバックから一冊の本を取り出し、志乃に見せた。

 

「す、『凄訳・賢人たちの言葉』……?」

 

>知識が身に付く

 

「よ、読んだ事があるのですか?」

 

>昔に

 

「む、昔?」

 

三人はいつの間にか暗くなってきた事に気付いた。

 

>今日はもう帰ろう

 

暁の一言で三人は解散した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁が男子寮に帰っていると、白雪が中華料理を作ったらしい。

白雪がとある人物に狙われており、白雪が暁達の部屋に居座る代わりにキンジとアリアをボディーガードに付けることになっていた。

見るとテーブルではキンジが中華料理を食べ、アリアは何やら丼に入った白飯を食べていた。

 

「あ、アキラ。カレー作って」

 

アリアが帰ってきた暁を見るなりカレーを要求してきた。

 

>分かった

 

暁自身も好物のカレーを食べたかったため、アリアの要求を呑み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁はカレーを食べるとそそくさと自室に篭もり、作業机に座った。

そして、バックから「厚手の羊皮紙」と「植物の香油」を二つずつ取り出した。

 

「お、煙幕を作るんだな?」

 

暁が無言で頷くと早速作業を始める。

 

 

暁が作るものの全ては戦闘に使う物だ。キーピックでは宝箱の鍵を開けたり、煙幕では敵の視界を奪うことができる。

また、こういうものを作っていると次第と器用さが磨かれる。

磨ききった器用さは今や『超魔術』とも言われるほど、今やこれは暁の趣味の一つでもある。

 

 

暁がふと、集中力を切らすと10時少し前になっていた。

 

そこで、ジャンヌから通知が来た。

 

『定時報告を頼む』

 

暁がリビングに少し顔を出し、状況を確認してジャンヌに送る。

 

『白雪はリビングで掃除、キンジは風呂、アリアは外出中』

 

暁がそう入力した後、しばらくしてから廊下が騒がしくなった。

 

「キンジ!そ、そそ、それはボディーガードの禁止事項(タブー)よ!」

 

「な、仲良しぐらいならまだ大目に見るけど!く、依頼人(クライアント)と、そ、そ、そういう関係になるなんてーーー武偵失格!失格!大失格ゥーーーーーーっ!!」

 

「風穴祭り!」

 

パパパパァン!!

 

「アタマひやしてきなさいっ!浮き輪はあげない!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、暁はキンジを海から引き上げる手伝いをしに行き、その後、風呂に入った。

 

「今日はもう寝ようぜ」

 

モルガナの一言とともに暁はベッドに入るとそのまま目を閉じた。

 




今、思えばジョーカーって結構な努力家だよね。
ジムトレーニングで鍛えたり、人間パラメータをMAXにすると周りの反応もめちゃくちゃ変わるし。
ジョーカー並に周りに嫌われたペルソナ主人公っていたのかな?
今回はジョーカーがアリアの技を盗む回でもありました。

『ワイルド』に『女人望』の組み合わせって案外(色んな意味で)危ない……。
次回はどうしようかな?まあ、この二章、戦闘はないと思います。

それではまた、お会いしましょう

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