緋弾のアリア TAKE YOUR HEART   作:Million01

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タイトル名を変えました。
『緋弾のアリア TAKe YOuR heaRT』に変える予定でしたが小文字だとなんか合わないので『緋弾のアリア TAKE YOUR HEART』全て大文字にしました。


二章
魔剣と巫女


あの一件から、理子が学校に顔を出すことはなかった。

 

 

 

 

 

学校が終わると暁は装備科(アムド)棟に向かった。

「おおー!来栖くん。今日は何を持ってきたのだ?」

 

文はそういいながら目を輝かせる。暁は少しばかり気を引きながら様々な物を出す。

 

「今度は銃器の交換?」

 

>こんなのしかなくてすまない……

 

「こっちとしては予備パーツが増えて嬉しいのだ!」

 

「今回は何を教えてほしいのだ?」

 

弾倉排出(マガジン・エフェクト)を速くしたい

 

「おお!また、それは難しいことを注文してくるのだ!付いてくるのだ!!」

 

文がそう言って暁を作業台に案内され、暁は座る。

 

暁は文にカスタムの仕方を教えてもらった。

 

 

 

 

 

 

 

装備科(アムド)棟から出ると外はかなりと暗くなっていた。

 

暁は男子寮に向かいながらスマホの画面を付けると通知が一つ来ていた。

 

『唐突でごめんね。聞きたいことがあって……暁くん。キンちゃんが女の子と同棲しているってホント?』

 

……。暁が一瞬、その場に立ち止まった。

白雪からとは珍しいとは思ったが開いて内容を見れば少し危険な内容だった。

別に暁の命に関わることではない。むしろ、同じ同僚のキンジの命に関わることだった。

 

『ああ、本当だ』

 

暁は少しだけ心の中でキンジに謝る。どうせ、近い将来バレるのだ。

暁はそれを少し早くしただけにすぎない。

 

『ありがとう』

 

暁は白雪の返信を見て、スマホをポケットにしまった。

 

「ーーー動くな」

 

暁が足を一歩踏み出そうとした時、首筋に冷たいものを押し当てられ、男喋りの女の声が聞こえ、思わず足を止める。

 

「お前が来栖 暁だな」

 

>知らない名だ

 

暁が平然とした表情でそう言うと押し当てられた刃物に力が篭もる。

周りには誰一人いない。人は謎の人物と暁だけだ。

 

「とぼけても無駄だ。調べは付いている」

 

調べているなら聞かなければいいじゃないか、と暁は思ったが口には出さなかった。

 

>何者だ?

 

「……魔剣(デュランダル)。貴様も知っているだろう」

 

聞き覚えのない単語に暁は困惑する。

 

「理子から何も聞かされていないのか?」

 

理子?と暁が不審に思い、頭をフル回転させる。

 

>イー・ウーが何の用だ?

 

「!?そうだ、よく知っているな……」

 

「私に協力しろ」

 

その言葉に暁が顔を顰める。

 

>断る

 

「自分がどういう状況か分かっているのか?」

 

魔剣(デュランダル)が首筋に傷がつきそうなくらいに刃物を持っていた手に力を込めた。

 

次に間違えたら命がなさそうだ、と思いながら暁は口を開いた。

 

>モルガナ

 

「分かってる!」

 

「っ!?」

 

暁がモルガナの名を呟くと暁も謎の人物との間にあった暁のバックからモルガナが顔を出し、シャー!と威嚇をさせた。

その威嚇は見事に成功し謎の人物は暁から距離を取った。

 

その好機を逃さず暁は思い切り走った。

 

「ッ!待てっ!!」

 

このままバス停の方に走ってもバスが来てないから捕まる可能性がある……。

 

「どうすんだよ?」

 

モルガナの言葉を聞きながら建物と建物の小道に入っていく。路地裏に入った。暁は途中で足を止め、振り返る。

 

見ると、銀髪の女性がこちらに追ってきている。先程の謎の人物と同一人物だろう。

 

>仕方ない……

 

暁の体のあちこちに若干、青白い炎が見えてくる。

 

 

 

 

 

 

「ーーーペルソナ!」

 

 

 

 

 

暁がペルソナを呼び出す。青く透明な羽を背に四枚生やし、暁よりも一回りも二回りも小さいペルソナが姿を表す。

 

 

 

「ピクシー!!」

 

 

 

ピクシーが目の前の光景に呆然としている女性に電撃を放った。

 

「ーーー!?」

 

それをもろに受けた女性はその場に倒れてしまう。

 

>手加減はした

 

暁のピクシーの力はそれほど強くなく、相手を感電状態にさせる程度ぐらいの威力だった。

 

「なる……ほど……理子がお前に夢中になる理由も分かる。だが……爪が甘い」

 

ーーーパキ!パキッ!

 

暁が変な音を聞き、足元を見た。いつの間にか足元を氷漬けにされ、その場から動けない状態にされていた。

 

「にしても、バックに猫を入れているとはな……銃器も入っていたくせに、よくそんなに入るな」

 

「ま、居心地が悪かったがな」

 

謎の女性の声を聞き、モルガナが愚痴りながらバックから姿を見せる。

 

>これを解け

 

「それはお前の行動次第だ」

 

暁が少しだけ間を開け、考えた。

 

>話は聞こう

 

「……理子がお前に夢中となってると聞いてな。どんな奴か気になったんだ」

 

「いざ、接触すれば、面白い力を持っているではないか」

 

暁は黙って女性の話を聞いた。モルガナも同じだった。

 

「まあ、そこはいい。なぜ、お前は理子に協力する?」

 

>ブラドから理子を頂くためだ

 

ここでイー・ウー相手に隠し事しても意味はない。イー・ウーは能力を教え合う場所であり、奴らの前では法律は意味をなさない。

 

「何?正気か?」

 

>……。

 

「その沈黙、肯定と取っておこう。だが、仮にブラドと会えたとしても、たとえ、その力があっても、お前ではブラドを倒せない」

 

>ペルソナを甘く見るな

 

「ーーーチェンジ」

 

ピクシーの姿が消えると次にジャックランタンが姿を表した。

 

「ジャックランタン」

 

暁がジャックランタンの名を呼ぶと手に持っていたランタンから火が放出され、足元の氷が溶ける。

 

「っ!?」

 

女性が驚いた表情でこちらを見開く。それに対して暁は銃を突きつけた。

だが、それと同時に女性が足払いをかけてきた。

恐らく、感電状態が解けたのだろう

 

暁は思わず反射的に跳躍し、足払いを避ける。女性は足払いが外れるとすぐさま起き上がり、背から洋剣を取り出し構えてくる。

 

「ふっ、面白い男だ。お前の発言はブラドを倒すと言っているようなもの」

 

「ならば、取り引きをしよう」

 

女性の言葉に暁は眉を寄せるが、暁の心情とはお構いなしに話を続ける。

 

「ブラドの弱点を知っているか?」

 

>弱点?

 

「やはり、理子に教えてもらっていないのか」

 

理子に?と暁が首を傾げる。

 

「弱点を潰さないと奴は死なない。それを教えてやる。その代わり私に協力しろ」

 

確かにその話が本当だと奴とそのまま戦っても勝ち目が薄くなる。

信じるか悩ましいことだが、理子もこの前言っていた。『ブラドには勝てない』と。

理子の発言を元に、女性の発言も確証が高いだろう。

しかも、理子に話を聞けない今、ブラドと対峙しても勝てないかもしれない。

 

>いいだろう

 

 

 

我は汝…汝は我…

汝、ここに新たな契りを得たり

 

契りは即ち、

囚われを破らんとする反逆の翼なり

 

我、月のペルソナの生誕の祝福の風を得たり

自由へと至る、更なる力とならん…

 

 

 

暁がそう言うとジャンヌが剣を下ろし、暁に近づいた。

 

「お前にやってもらうことはただ一つ。ホームズ、遠山、星伽の監視だ」

 

>白雪も?

 

「ああ、と言ってもこの監視は星伽がお前達の部屋に住むようになってからでいい」

 

>分かった

 

こういう事は余りやりたくないが理子のためだすまない……、と暁は心の中でキンジ達に謝る。

 

「ブラドの弱点は話すと長いのでな、お前のスマホに送ろう」

 

「改めて、私はイー・ウーの魔剣(デュランダル) ジャンヌ・ダルク30世だ。よろしく頼む、来栖 暁」

 

その言葉に暁が思わず顔を上げる。

 

「驚いたか?本当のジャンヌ・ダルクの子孫だ。ほら、スマホを出せ」

 

暁はジャンヌと連絡先を交換して男子寮に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁は男子寮に戻り、早速、夕食のカレーを作っていると……

 

「ア、アリア、に、に、にに、ににに逃げろッ!」

 

「か、何よ。なに急にガクガク震えてんのよ。キ、キモいわよキンジ……」

へ、

「ぶ、ぶ、『武装巫女』がーーーうッ。マズい……来た……!」

 

キンジが慌てているとドドドドドド、と何かがこちらに近づいてくる足音が聞こえてくる。

 

「白雪!」

 

キンジは部屋に入ってきた人物の名を叫ぶと、白雪はアリアを見て手に持った刀を構える。

 

「やっぱりーーーいた!!神崎!H!アリア!!」

 

「ま、待て!落ち着け白雪!」

 

「キンちゃんは悪くない!キンちゃんは騙されたに決まっている!」

 

「この泥棒ネコ!き、き、キンちゃんをたぶらかして汚した罪、死んで償え!!」

 

「やっ、やめろ白雪!俺はどっこも汚れてない」

 

「キンちゃんどいて!どいてくれないと、そいつを!そいつを殺せない!」

 

「き、キンジぃ!なんとかしなさいよ!な、なんなのよこの展開!」

 

その関係ない騒動にあってしまうこっちが聞きたい、と暁が心の中でそう思いながらカレーのルーを混ぜ始める。

 

「ア、ア、アリアを殺して私も死にますぅー!」

 

「だから何であたしなのっ!人違いよ!」

 

「白雪!お前、なに勘違いしてんだっうおっ!?」

 

キンジが白雪を落ち着かせようとするとアリアに思い切り背中を蹴られ壁にぶつかり転倒してしまう。

 

「キンジ、なんとかしなさいよ!あんたのせいでヘンなのがわいたじゃない!」

 

「お、俺のせいじゃねえよ!」

 

「そう!キンちゃんのせいじゃない!キンちゃんは悪くない!悪いのはーーーアリア!アリアが悪いにに決まってる!アリアなんか、いなくなれぇーっ!」

 

「天誅ぅーーーッ!!」

 

白雪が金切り声を上げながら下駄を鳴らしブン!といきなり、アリアの脳天めがけて刀を振り下ろす。

 

「み゛ゃっ!」

 

アリアは謎の悲鳴を上げながらパシッ!と日本刀を左右の手で挟んで止める真剣白羽取りを見せる。

おお、と暁が心の中で感心しながらその様子をしかと見る。

 

「この、バカ女!」

 

アリアが刀をホールドさせたままジャンプして、両脚で白雪の右腕を挟んだ。

そして、その腕をねじり上げにかかる。

 

バーリ・トゥード(バリツ)ねーーー!?」

 

白雪がアリアの流派を見抜くとその場でバックドロップを決め込んだ。

 

「う〜〜〜いなくなれ!いなくなれ泥棒ネコっ!キンちゃんの前から消えろっ!」

 

アリアを両脚で蹴り飛ばすとアリアが吹き飛びソファが壊れてしまう。

 

「や、やめろっ!やめるんだ二人ともうぉっ!」

 

パン!パン!

 

キンジがそう叫んでいるのにも関わらずアリアが白雪の方に銃弾が飛んでいく。

 

ーーーギギンッ!

 

白雪はその銃弾を、当たり前かのように刀で弾き返した。

 

「キレた!も〜〜〜キレたっ!ーーー風穴あけてやる!」

 

壊れたソファの下からアリアが飛び出し二丁拳銃を連射するが白雪乃刀によって全て弾く。

そんな中、その流れ弾は暁の方にも飛んでくる。

 

ーーーギンッ!

 

と暁が鉄製の鍋の蓋で銃弾を弾きながらカレーのルーを混ぜる。

 

「おいおい、よくこんな乱戦の中、平然としているな……」

 

そんな中、モルガナが銃弾が飛んてこないように物陰に隠れながら暁の行動に呆れる。

 

>技のオンパレードだ

 

「って、さっきの技を盗むのかよ!」

 

モルガナが暁のやりたいことがすぐに見抜かれ、驚いたか声を上げる。

 

アリアと白雪の乱戦はしばらく続いた……。

 

 

 

 

 

暁とキンジ、アリアは白雪が帰った後、カレーを食べる。

 

 

 

 

 

 

カレーを食べ終えるとスマホに通知が来ていた。

 

ジャンヌからだ。開いてみると……

 

『ブラドの弱点についてだ』

 

暁はその文章を見ると二人に怪しまれないように自室に入り込む。

 

『ブラドを倒すには、全身四ヶ所にある弱点を同時に破壊しなければならないらしい』

 

『四ヶ所の弱点のうち、三ヶ所までは判明している右肩・左肩・右脇腹だ……ヤツは昔、ヴャチカンから送り込まれた聖騎士(パラディン)に秘術をかけられて、自分の弱点に一生落ちない『目』の紋様をかけられてしまったのだ』

 

「四ヶ所同時攻撃か……でも、その内に三ヶ所までしか分かってないんだろ。どうするんだ?」

 

『あと一つは?』

 

『それについては私も分からん。済まないが自分で探してくれないか?』

 

ほしい情報が完全ではなかったな、と暁は思ってしまう。それでも、弱点は分かった。最後の一つは自分で探そう。

 

 

 




ジャンヌとのコープも入れました。
次回からAAのキャラを少し出そうかなと思います。コープアリで。

それでは、またお会いしましょう

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