緋弾のアリア TAKE YOUR HEART   作:Million01

1 / 9
怪盗繋がりにアルセーヌ繋がりで書いてみたかっただけ。
一応、ペルソナは3は劇場版は見た。4はアニメはどっちも見た。
初ペルソナは5です。大丈夫だろうか……


一章
プロローグ


>諦めるのか?

 

そうやって何度も仲間に問いかけていた。一体、何度目なのだろうか?

 

この世界に来て新たにやる事が出来た。

 

そう今も、目の前にいる怪物に首を掴まれているツインテールの金髪の少女に問いかける。

 

「そうだよね…………諦めてたまるか…………。ここまで来たのに諦めたら申し訳ないもんね…………」

 

目の前の少女が目を見開くといつの間にか白と黄色の仮面を被っていた。

 

「ァァーーーァァァーーーーーー!!」

 

すると突如、悲鳴のような声で少女は両手で仮面を掴んだ。

 

ーーーベリ!ベリベリッ!

 

まるで剥がれないようにされているものを無理矢理剥がそうとする音。そんな中、剥がしている所から血が吹き出していく。

そして…………

 

ーーーブシャ!

 

少女の顔から仮面が完全に引き剥がされた。

その光景を見た黒コートの男は少女を見て不敵に微笑む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーprrrrr…………

 

太陽の日差しがカーテンの隙間から覗く中、来栖(くるす) (あきら)は耳に響く目覚し時計のアラームで目が覚める。

 

暁は目覚し時計のアラームを止めるとその横に置いてある黒縁伊達メガネをかけた。

二段ベッドから降りると暁に近づく一匹の黒猫がいた。

 

「よう、暁。今日はどうするんだ」

 

非常識にもその黒猫 モルガナは喋った。

 

>朝飯のカレーを作る

 

だが、モルガナという猫が喋っている事が当たり前かのように暁はそう答えるとキッチンに向かった。

 

……ピン、ポーン……

 

暁は冷蔵庫から食材を取り出すと、思わず手を止めてしまう。

 

暁の部屋のドアチャイムが鳴らされたのだ。

 

「どうする。出るのか?」

 

モルガナの問いに暁は無言で廊下に出る。

 

ーーーガチャ

 

暁がドアを開けるとそこには大和撫子がいた。純白のブラウスに臙脂色の襟とスカート。黒く長い髪が特徴な少女だった。

 

「あ、暁くん。おはようございます」

 

美しい大和撫子こと星伽 白雪はドアを開けた暁を見ると礼儀正しくお辞儀をする。

 

>おはよう、入ってどうぞ

 

思わず暁も軽く会釈をしてしまい、白雪をリビングに入れる。暁は先程、寝ていた寝室に入ると二段ベッドで寝ていた少年の肩を揺さぶる。

 

「……………………」

 

だが、少年は一切、起きようともする雰囲気は無く、目を閉じたままだった。

 

>……。

 

>モルガナ頼んだ

 

暁がモルガナを見てそう短く言うと、少年の目が大きく見開いた。

 

>早かったな

 

暁がベッドから体を起こす少年 遠山 金次にそう言い放つと、キンジは暁とモルガナを見て

 

「ああ、早く起きないと猫に引っ掻かれそうだったからな。大体、モルガナが暁の言うことをなんで理解しているのか分からないんだが」

 

トランス一丁で寝ていたキンジはせっせとワイシャツを着て、制服のズボンをはく。

 

「どうせ、大方白雪でも来たんだろ…………」

 

キンジはそう言いながら暁とともにリビングに顔を出す。

 

「キンちゃん!」

 

白雪がキンジの顔を見ると顔を明るくする。

 

「その呼び方、やめろって言ったろ」

 

「あ……ごっ、ごめんね。でも私……キンちゃんのこと考えてたから、キンちゃんを見たらつい、あっ、私またキンちゃんって……ご、ごめんね。ごめんねキンちゃん、あっ」

 

>……。

 

「毎回お馴染のが始まったぞ。どうすんだ?」

 

モルガナはもう見飽きたと言わんばかりの声で暁にそう言ってくる。

 

>カレーでも作るか

 

暁はキッチンに立つと先程、冷蔵庫から取り出した食材に手をかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼……来栖 暁は元々、この世界の人間でない。彼自身もそれは認識している。

また、彼自身が知っている異世界 メメントスやパレスとも呼ばれる異世界とも違う並行線の異世界である。

 

だが、彼自身どうしてここにいるのか分からない。

悪神を打ち倒し、地元に帰った所までは思い出せる。だが、それ以降の記憶が一切ない。それにいつこの世界に来たのかも思い出せなかった。

 

 

 

 

 

 

 

暁は鍋の中身をよくかき混ぜる。暁自身の得意料理であるカレーのいい匂いが部屋中に漂う。

 

「あっ、暁くん。ごめんね。何も用意してなくて……」

 

白雪がカレーの匂いで暁に気付き、朝食を用意してないことに謝る。

 

>別に気にしてない

 

「えっ、でも……」

 

>むしろ、カレーでいい

 

暁は皿にご飯をつけ、その上にカレーをかけるとテーブルに起き、食べ始める。

 

「ーーーごちそうさまっ」

 

暁が食べ始めるとキンジが何やら慌てた様子で食後の挨拶をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁はカレーを食べ終え、自室に戻り机の引き出しに入っていたフォールディングナイフとオートマチック拳銃のR.I.ピストルを懐にしまいリビングに顔を出す。

 

そこにはテーブルでパソコンを見ているキンジがいた。

 

>先に行く

 

「ん」

 

暁はキンジに近づきそう言うと部屋を後にした。

そのまま7時58分のバスに乗り学校へと向かう。

 

 

 

暁が通う高校は武偵高こと東京武偵高校は、レインボーブリッジの南に浮かぶ南北およそ2キロ・東西500メートルの長方形をした人工浮島の上にある。

 

学園島とも呼ばれ、この人工浮島は、武装探偵こと武偵を育成する総合教育機関だ。

武偵とは凶悪化する犯罪に対して新設された国家資格で、武装免許を持つ者は武装を許可され逮捕権を有するなど、警察に準ずる活動ができる。

ただし警察と違うのは金で動くことで、金さえもらえれば、武偵法が許す範囲ならどんな荒っぽい仕事でも下らない仕事をこなす。つまりは『便利屋』である。

 

 

 

暁が武偵高の2年A組に入ると、賑やかな話し声が耳に響く。

 

「アッキー、おっはよ〜!」

 

暁がそそくさと窓側の自分の席に座ると目の前の席に座った、金髪ツインテールの少女 峰 理子が暁に話しかけてくる

 

>帰ってどうぞ

 

「ひどーい!これでも理子成績優秀なんだからね〜!」

 

「にしても、アッキー1人だけ?」

 

すると、理子がもう一人を探すかのような視線をしている。

 

>奴は死んだ。もういない

 

「え〜、ウッソだ〜。キーくんあれでも元Sランク武偵なんだよ?」

 

「そういえば今日、なんか用事ある?」

 

>別に無い

 

理子が暁の言葉に顔を明るくし、身を乗り出してくる。

 

「じゃあ、学校終わったらアキバに行かない?」

 

さて、どうするか、暁はほんの数秒だけ迷いを見せた。

 

>構わない

 

別に放課後は暇だし、理子と時間を潰そう。

 

「やった!じゃあ、学校が終わったら一緒に行こう!」

 

なんでこんなにテンションが高いんだ、と思いながら暁は無言で頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始業式も無事に終わり、教室に入る。それに少し遅れてキンジが学校に顔を出し、暁の右隣の席に座る。

 

「先生、あたしはあいつの隣に座りたい」

 

そんな中、HRが始まり新しくクラスの一人となる赤い髪のツインテールの少女 神崎・H・アリアはキンジを指差しそう言う。

 

「な、なんでだよ……!」

 

「よ……良かったなキンジ!なんか知らんがお前にも春が来たみたいだぞ!先生!オレ、転入生さんと席を変わりますよ!」

 

そう言って手を上げたのはキンジの隣にいた残念なイケメン 武藤 剛気。

 

「あらあら。最近の女子高生は積極的ねぇー。じゃあ武藤くん、席変わってあげて」

 

「キンジ、これ。さっきのベルト」

 

するとアリアがどこからかベルトを取り出し、キンジに投げ渡した。

 

「理子分かった!分かっちゃった!ーーーこれ、フラグバッキバキに立っているよ!」

 

>落ち着け

 

突如、目の前に座っていた理子が、ガタン!と席を立った。

 

「キーくん、ベルトしてない!そしてそのベルトをツインテールさんが持ってた!これ、謎でしょ謎でしょ!?でも理子には推理できた!できたゃった!」

 

「キーくんは彼女の前でベルトを取るような何らかの行為をした!そして、彼女の部屋にベルトを忘れてきた!つまり二人はーーー熱い熱い恋愛の真っ最中なんだよ!そうだよね、アッキー!?」

 

>急にこっちに話を振るな

 

「キ、キンジがこんなカワイイ子といつの間に!」「影の薄い奴だと思ったのに!」「女子どころか他人に興味なさそうなくせに、裏でそんなことを!?」「フケツ!」

 

教室がキンジを罵倒するような声で広まっていく中、暁は若干デジャブを感じ、思わず鼻で笑った。

 

ーーーパン、パァン!

 

突如として二つの銃声が鳴り響き、クラスの雰囲気が静かになる。

 

「れ、恋愛なんて……くっだらない! 」

 

発砲した本人であるアリアは顔を赤くしながら叫ぶ。

 

「全員覚えておきなさい!そういうバカなことを言うヤツは……」

 

「ーーー風穴あけるわよ!」

 

 

 

武偵高の授業は一般校とは違い、一限目から四限目までは一般科目の授業を行い、五限目以降からはそれぞれ専門科目に分かれて実習を行う事になっている。

 

暁の学科である強襲科(アサルト)では拳銃・刀剣その他の武器を用いた近接戦による強襲逮捕を習得する。また、日常的に激しい戦闘訓練があり、犯罪組織のアジトに突入する依頼が来るなど、他の学科と比較して、危険度は高い。卒業時の生存率が97.1パーセントと、約3%の生徒が死亡するため、『明日無き学科』とも呼ばれる。

 

 

 

放課後、学校も終わり暁と理子は秋葉原に赴いた。二人は並んでとある店に入る。

 

「「「ご主人様、お嬢様、お帰りなさいませー!」」」

 

そうーーーメイド喫茶だ。普通は女の子と一緒に入るのにそれなりの度胸がいるが、ライオンハートの度胸を持つ暁にとっては恐れることは無かった。

 

二人は奥の個室に案内され向かい合うように座る。

 

「理子はいつものパフェといちごオレ!ダーリンにはマリアージュ・フレールの春摘みダージリンでよろしく!」

 

理子がメイドにそう注文するとメイドは会釈をして個室を出た。

 

「みんな、可愛い子ばっかでしょ?」

 

>理子ほどではない

 

暁が理子の質問に対し、そう答えると理子の顔がほんの少し赤くなる。

 

「ダーリンったらお世辞がすぎるよ〜」

 

そして、突如、暁の顔が何かを聞きたそうな顔をする。

 

「どうしたの?」

 

>キンジの件

 

「……やっぱり、分かってたよね」

 

暁は理子の正体を知っているし、理子も暁の事を知っている。暁自身も理子自身も怪盗であることを。

だから、暁は理子のすべきだ事を知っている。それが自分のためであると。

だから、今は(・・)止めるべきではないと。

 

「お待たせしました〜パフェといちごオレ、そしてほっこりコーヒーでーす!」

 

「ちょっと待って……注文したのはマリアージュ・フレールの春摘みダージリンだったよ?」

 

「そ、そうでしたか!?クララ、うっかりしちゃいましたぁ〜!」

 

「でもでも、愛情いっぱいでつくったんですよぉ…ご主人様ぁ、代わりにこれじゃダメですかぁ?」

 

>許す

 

暁自身、飲めればなんでもいいのでわざわざ時間をかけて作り直す必要も無かった。

 

「わーいっ、やったぁ!優しいご主人様でよかったぁ!」

 

メイドはそう言ってそそくさと個室を出て行く。

 

「はい、ダーリン。あ〜ん」

 

理子はパフェをスプーンで掬ってこちらに向けてくる。

暁は身を乗り出して、それを口に入れた。

 

「どう?」

 

甘くて冷たいだけでなく、いちごの味が濃すぎず口の中で絶妙に広がってき、アイスクリームが溶けていく。

 

>美味しい

 

「良かったぁ。コレ理子のお気に入りだもん!」

 

暁は理子と二人きりの時間を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁が秋葉原から帰ってくると、何やら住居人が一人増えたが暁自身、どうでもよかった。

 

暁の晩御飯は今朝作ったカレーの余りものだを余りものでも温めて食べればそれなりに美味いものだ。夜に暇を持て余し、やる事がない。

暁は寝室とは別にある自室の机に座って、懐からとある物を出す。

「生糸の束」と「ブリキの留め金」だった。

 

「キーピックを作るんだな?」

 

>作る

 

モルガナの言葉に暁は頷き作業を始める。初心者ならば一個でも作るのにかなり時間がかかってしまう。

だが、暁にとってキーピックなんてお手の物。更には器用さが超魔術である暁にとっては造作もない事。

時間が許す限り作ると気が付けば6個も作っていた。

 

「じゃあ、もう今日は寝るとするか!」

 

モルガナは流石だ、と言わんばかりに暁に言い放つ。

暁は無言で頷き、そのまま寝室のベッドに入りそのまま眠りについた。




ペルソナ5アニメ化おめでとう!
嬉しいな……主人公の名前はやはり『来栖 暁』なのだろうか?ちなみに主人公の人間パラメータは全てMAXです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。