P4μーPersona4 μ'sic All Nightー   作:りっつ

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空き時間にバンバン書いてます。
スマホのメモ帳に
大好きなP4とラブライブ、書き始めたら止まらないのはかっぱえびせん並ですよマジで…
※ナチュラルにマヨナカライブをマヨナカステージって書いてました
本家P4Dですね……すみません


#3 Forever friends

「じゃあうちらは全員終わり!次は穂乃果ちゃんで!」

千枝先輩が言う。

「高坂穂乃果です!スクールアイドルやってます!家は和菓子屋で、妹と両親と4人暮らしです!」

 

「元気いいねー!」

 

雪子先輩はなんだか楽しそう……

「あっ、先輩って付けなくていいよ!穂乃果ちゃんは友達であって学校の後輩じゃないからね」

 

「じゃあ、俺もちゃん付けで呼びますね」

「ダメ」

 

巽くんが一蹴された…

 

「ありがとうございます!μ'sでは先輩禁止なんですよ」

「先輩禁止?」

「はい!先輩ってつけない方がいいってみんなでそう決めたんです」

「なかなかすげぇな、さすがμ's!」

「てことで天城ちゃ……」

「ダメです」

「冗談っすよ冗談……」

「なんでそのマヨナカテレビ…?が解決されたのにここでこんなことが起こるんですか?」

穂乃果は疑問に思った。

「わからないな、でも、マヨナカテレビ事件となにか関係があるのは確かだと思う」

鳴上くんは答えた。

 

それからおそらく三時間くらい経ったと思う。仮眠をとったみんなは十分元気を取り戻してた。

 

「そろそろ行くか!」

私は立ち上がる。

「穂乃果ちゃんはここで待ってる?」

「大丈夫!ペルソナもあることだし、私も行くよ!」

「でも……」

雪子ちゃんは心配そうに見つめる。

「こういったらどうやっても聞かないよ、穂乃果ちゃんはそういう奴だからさ」

陽介くんが笑いながら言った。確かにその通りだな、私って。

いざことりちゃんを追って影の街を歩く。

「こっちの方向だよ!近いよ!」

りせちゃんがペルソナで的確な指示を出す。

 

慣れ親しんだはずなのに初めての闇の街。しばらく歩くと、何かが不自然な建造物を見つけた。

 

「なんだこのデザイン?イギリス?フランス?」

巽くんははてなを浮かべる。ホールのような建物の外壁にはよく見る海外からの封筒の柄が丁寧にデザインされていた。

 

「エアメール、って言うのかな………?」

赤黒い街に奇妙なほどに明るい、そんな感じ。

「間違いない、ことりちゃんはここにいるよ!」

私はごくりと生唾を飲む、それはシャドウが怖いからじゃなくて、曝された自分の本心、ことりちゃんに対する醜い心。

 

それも私、と受け入れてことりちゃんと向き合うのが、怖かった。

 

そして私たちは白い扉を開く。

 

中身はどうやら2階建てらしい。

途中でまるくてプカプカ浮いてるベロを出したシャドウを倒したりして二階に向かった。

「この扉の先に、ことりちゃんはいるよ!」

 

私は扉を勇気をもって開く。

「ことりちゃん!」

 

ちょうど音ノ木坂の体育館くらいの広さ。白い天井に吊るされた大量の衣装。でもその色はどれも9色だった。

そこの奥の大きな舞台、その上にことりちゃんはいた。

 

「ほ、穂乃果ちゃん……」

 

「大丈夫かことりちゃん!」

陽介くんがステージに駆け寄りながら叫ぶ。

 

「アレ、陽介くんだね、久しぶり……」

舞台袖から出てきたのはμ'sの衣装を着た「もう一人のことりちゃん」だった。

 

「シャドウ……」

私は思わず息を飲んだ。

 

「さあ、続きを踊ろうよ」

もう一人のことりちゃんが語りかけた。

 

「それとももう終わり?私の青春みたいに」

「もうやめて……」

 

ことりちゃんの目には涙が浮かんでいる。えっ……?青春の終わりって……?

 

 

「μ'sか留学か、決められない弱い私。こうなることは決まってたのにね」

「りゅ、留学!?ちょっと待ってよことりちゃん!」

「穂乃果ちゃん……」

 

ことりちゃんは悲痛な、それでいて小さな叫びをあげる。

 

 

「穂乃果ちゃんが悪いんでしょ!!」

 

えっ……?

 

もう一人のことりちゃんが激昂した。

 

「私のことも知らないで!気付いてよ!それが穂乃果ちゃんでしょ!私の王子様でしょ!」

 

「どういうことなの……?穂乃果が王子様?」

 

「穂乃果ちゃんはいつも私のことを分かってくれる!そんな穂乃果ちゃんじゃないなら、いらない!!」

 

「やめて!そんなこと私は思ってない!」

 

「これはことりの本心だよ、私」

 

「そんなわけないよ!あなたなんか……、あなたなんか……!」

 

「ダメです!それ以上は!」

 

直斗くんが叫んだ、でももう遅かった。

 

「あなたなんか、私じゃない!!!」

 

「ふふっ……悲しいよ私……」

シャドウは禍々しいオーラを放ち姿を変える。

 

気を失うことりちゃん、それとは対照的にシャドウは叫ぶ。

 

 

「なに?あなた達……ことりのおやつにしちゃうぞ!」

 

 

大きな白鳥の姿をしたシャドウ、孔雀のように広げられた羽の数々、首から鳥籠がぶらさげられて、真ん中にはオレンジと青色のネックレスが二つ。

「鳥籠ってなんか、既視感が……うっ!」

「なにか言いましたか?鳴上くん?」

「いえ、なにも……」

 

雪子ちゃんの蹴りが鳴上君に入る。それを見た陽介くんは口を抑えている、もしかして同じこと言いかけたのかも……

 

そっとしておこう……

 

 

みんながペルソナを召喚する。

私も右手を掲げ、舞い落ちるアルカナを握りしめる。

「ペルソナッ!!」

私のペルソナ、カリオペイア。刀を握りしめて、オレンジのマントを羽織っている。

 

これが私のペルソナ。

(ふふふ、これは新たなお客人ですかな。μ's、私もファンでございます)

(それは誠に意外です……。申し遅れましたが、穂乃果さんのアルカナは『愚者』……、それでいて、『ワイルド』……、なるほど、無謀な賭けに勝ちに行く『 『WILD STARS』……穂乃果さんにピッタリですね)

……

 

 

「はっ!?」

「どうした穂乃果ちゃん!」

「いや……いまマーガレットさんが見えたような……それと鼻の長いおじさん……」

 

「と、とりあえずっ、ことりちゃんを返してもらうよ!」

炎を剣に滾らせ、間合いを詰める。

 

「遅い、遅いよ!」

シャドウが風を起こす、その勢いで炎は掻き消された。

「なんのぉ!おりゃあ!」

剣を素早く振り下ろす。でもあまり効いていないみたい。

 

「くそっ、ガルダイン!」

しかし、疾風ははためきにより弾き返される。

「うっ……!」

 

「相手は風反射、物理耐久だよ!雷に弱い!」

 

「なるほど、ありがとうりせ!」

「行くぞイザナギ!」

 

鳴上くんが全速力でシャドウに向かっていく。

「ジオダイン!」

 

稲妻が激しく揺れ落ちる。

 

でも、それは命中せず、地面に響いた。

 

「くっ…!」

 

鳴上くんは何度も稲妻を放つ。しかし、どれもシャドウの体を捉えはしなかった。

 

「先輩!これじゃまずいよ!」

シャドウは空中から鳴上くんを見下ろし不敵な笑みを浮かべる、当たるわけなんかないと。

大丈夫かな……

 

「里中!今だ!」

「わかった!」

 

鳴上くんは千枝ちゃんを呼ぶ。彼女のペルソナ『トモエ』はいつの間にかことりちゃんのシャドウの後ろに回っていた。

 

「なっ……!」

「脳天落とし!」

重い一撃がシャドウを突き刺す。

シャドウは動かない。

「やった!混乱状態に入ったよ!」

「よし!」

 

氷—

 

物理耐久があるからいつ混乱が解けるかかわからない……

氷結で動きを封じることが出来れば―!

 

私の心の氷を思え。静かなる氷を……!

我は汝、汝は我―

 

 

「ペルソナチェンジ!ジャックフロスト!」

 

「オイラはジャックフロストだホ!よろしくヒホ!」

 

あれっ……なんか、かわいい……

 

「よろしくジャックフロストくん!」

「えぇぇ!穂乃果ちゃん、鳴上と同じ能力使えんのかよ!」

陽介くんはめちゃめちゃ驚いている。

「穂乃果の方が驚きだよ……」

「と、とりあえず!凍らせて!マハブフダイン!」

 

鳥の足を中心に凍りつかせる。混乱は解けたが、シャドウが身動きをとるのにラグが生じた。

 

「そうはさせない!」

直斗くんが弾丸を放ちながらシャドウに詰め寄る。シャドウは急いで氷から足を引き抜こうと必死だ。

 

「完二!やっちゃって!」

「おうよ!ジオダイン!」

 

雷は氷が溶けた後の水をめがけて突き刺さる。水の電気伝導はシャドウに爆発的な電流を貫かせる。

 

「なんで……なんで……」

シャドウは倒れ、ことりちゃんの姿に戻っていった―

 

 

 

 

「ことりちゃん!ことりちゃん!」

ことりちゃんが目を覚ました

「大丈夫?ことりちゃん」

「穂乃果ちゃん……」

 

ことりちゃんが目を覚ました。

 

「心配したよ、ことりちゃん……!」

 

私は思わずことりちゃんに抱きついた。

何があっても、私はことりちゃんが大好き。それは絶対に真実なんだって。

 

「ごめんね穂乃果ちゃん……私……私……」

「いいんだよ、大丈夫……」

 

ことりちゃんは泣きじゃくっている。私はことりちゃんの頭を撫でた。

 

「あれは、私なの……?」

 

「うん……自分と向き合ってあげて」

 

ことりちゃんはゆっくり腰をあげると、パジャマの袖で涙を拭き、シャドウに向かっていく。

 

「あなたもことりの一部なんだね……」

「うん……」

 

認められたシャドウは嬉しそうに消えていく。

 

そして光がことりちゃんの上に輝いた。

 

ことりちゃんはそれをじっと見つめ、右手で抱きしめる。

 

自分自身と向き合える強い心が"力"へと変わる…

ことりはもう一人の自分…

困難へと立ち向かうための人格の鎧…

ペルソナ、"エラトー"を手に入れた!

 

 

 

「穂乃果ちゃん…」

ことりちゃんが倒れかける。私はことりちゃんの体をぎゅっと支えた。

 

「ありがとう……」

 

ことりちゃんは私の耳元で涙声で語る。

 

「私、ずっと、ずっと迷ってた…!服の夢を叶えに留学に行くか、みんなと夢を追いかけるのかを!……答えは出なかった……留学の日は近づいていく、そんな私を穂乃果ちゃんが気づいてくれる、それで私を引き留めてくれる。そう勝手に思ってたの!!」

 

涙を流すことりちゃんに。

「ごめん、ことりちゃん……私、何も気づいてあげられなかった……」

私の瞳にも涙が浮かんでいた。

 

 

「でも、今気付いたんだ、私は、やっぱり、μ'sで、穂乃果ちゃんたちと夢を追いかけたいって!」

 

「うん……」

 

「だから、ありがとう……穂乃果ちゃんっ……!」

 

「ことりちゃん……!うっ……うっ……」

 

うわぁぁぁん、と二人の泣き声が響く。

 

 

 

「一件落着だね!私もちょっと泣きそうだよぉ……」

「ほんとにね……」

「俺も感動だよ……でもさ、里中、天城、コレ穂乃果ちゃんたちどうやって帰るんだ?」

「あっ……」

「あっ……」

「それは大丈夫クマよ!って3人とも!さっき説明したでしょー!」

「そうだったっけか……」

「穂乃果ちゃんたちー!戻るよ!」

 

りせちゃんの声、はーい、って振り返る。

 

「ほ、穂乃果さん!鼻水が!」

どうしたんだろう直斗くん……?

えっ、あっヤバ……、えへへ……

 

何はともあれテレビのスタジオのような場所、入口広場と呼ばれる場所に帰った。

 

「でもこんなにわかりやすいんスね」

 

そこには三つのテレビ。一つのテレビには「ジュネス」もう一つには「高坂家」もう一つには「南家」と書いてある。

 

てか、どんだけテレビがあるんだろう……

山積みのテレビを見て、そう思わない人はいないと思う。

 

「オッホン!さっきクマが中を確認して標識を建てたんだクマ!」

「なんだ、クマさんか……ていうか、ガムテープだし……」

「ちょっとなにそれ!ひどいクマよ!」

「てかクマお前、なんで穂乃果ちゃんとことりちゃんの家知ってんだよ!」

 

「落ちてきた所をさっき二人から聞いたクマ。それでそれで、ホノちゃんの家は和菓子の香りがするはずだからわかるし。それで家のテレビとテレビをくっつけたクマよ。ちゃんと中覗いて確認したクマ。」

 

「さっき穂乃果ちゃんの家の場所によったのはそういうことか、てかそれ家の人が見たら軽くホラーだぞ……テレビからクマが出てくるの」

「こんなプリチーなクマを怖がるわけないクマね!」

 

「いや、いきなりテレビから着ぐるみ生えてきたら誰でも怖いっつーの!」

 

ははは、と自然に笑えてきた。

 

「本当にありがとうございました。危ない所を助けてもらって」

 

私とことりちゃんは同じことを言った。

 

「全然大丈夫だよ」

「困った時はお互い様、だろ?」

 

陽介くんと鳴上くんが言う。他のみんなも優しく頷いてくれた。

 

「色々聞きたいこととかもあるけど、それはまた明日ってことで、明日楽しみにしてるからな!」

「私も楽しみだなぁ〜」

「おい里中、穂むらの饅頭に肉は入ってないないぞ……?」

「なによ花村!私が肉食獣みたいじゃない!」

すっごい楽しい人達だな〜、

ふとμ'sの顔が思い浮んだ。

今日見た特捜隊のみんなの連携プレー、あれは本当に凄かった。μ'sも負けてられない!って思った。

 

「じゃあ帰ろう!また明日ね!」

特捜隊のみんなにバイバイと手を振り、高坂家のテレビに入ろうとした私。

 

「ねぇ、みんな……」

ことりちゃんが呼びかける。

「どうしたの?ことりちゃん?」

「このこと、みんなに黙っといた方がいいのかな?もしかしたら、『マヨナカライブ』の存在を知ったことで、私たちがテレビの中に連れていかれたのかもしれないし……」

「確かにそうだな、素性がわかるまでは黙っておいた方がいいかもな」

「そうですね……、穂乃果さんに至ってはテレビでなく、DVDプレイヤーから引きずり込まれた。このことが『知る』という行為をトリガーとしている可能性もあるわけですし……」

 

陽介くんと直斗くんがそう答える。

 

確かにその可能性もある。やめといた方がいいよね…

「確かに、そうかもしれないね……そうだね、とりあえず、みんなには黙っておこう!」

「うん!おやすみ」

 

 

おやすみ、といって、私は居間のテレビから出た。クマさんはテレビとテレビをつなげることができる魔法使いなのかな…?

 

時計は朝の四時過ぎ、こっそりテレビから出て、朝の作業をするお父さんにばれないように自分の部屋に向かった。

 

……

これ、流石にちょっぴり眠いな……

 

ベットに横になる。ちょっと寝よう。

寝返りすると机の私の携帯が光るのを見た。

ことりちゃんからメッセージが来てる。

 

kotori(・8・):ほんとにありがとう、穂乃果ちゃん!ずっとずっと、友達だよ!

 

私は笑顔になる。 もちろんだよ、ことりちゃん!

返事はもう決めてある。

 

 

ほのか:こちらこそありがとう!(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑ずっとずっと永遠フレンズだよ!

 

 

 

 

 

 

 

 


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