救われぬ者に救いの手を。~~NOUMINが行く~~   作:オニギリ丸(花束には海苔を巻いて)

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【転生】

ふむ、朝か。これから外に出て稲を刈らないといけないな。稲を一田刈った後は朝食を食べよう。朝食を食べたら、畑を耕してから芋を掘ろう。それから、山へ登って山菜を採らなくては。その後は沢へ釣りに行き虹鱒を釣って、内臓を抜いてそのまま塩焼きにして一尾食べれば昼食となろう。残りは干物にするなり夕食や次の日の朝食にするなりすれば良い。昼食後は、夕刻まで稲を刈れば良い。

さて、此から稲刈りだ。沢まで行って顔を洗わねば…………

 

『『『『『シャキッとしなさい/せんか!(してください/しろ!)』』』』』

 

「何事だ!?」

 

 

ふむ。そう言えば、ガイア様?の配慮にてNARUTOの世界に転移させていただいたのであったな。となれば、【救われぬ者に救いの手を差し伸べる】と言えば格好いいことだが、単に自分が気に食わぬから助けたいだけなのだ。故に、私は何時も通りに立ち回れば良い。その姿が【聖人君子】や【無私無偏】などと呼ばれようが、私は只、私が気に食わぬものを全て私の気が済むようにねじ曲げているだけの我が儘な男なのだ。

その内容が、人の傷を癒す行為や人の飢えを満たす行為だとしても、私が見るに堪えない故に身勝手な施しを与えるだけなのだから。

だから私は大層な人物ではない故、妻が欲しいと思っていたのだが、ガイア様?は中々に気の利く方である。

元の世界にいる人々は、私を神の様(いえ、本当に神として奉られておりますよ)に崇め、奉るという始末。

故に、私が妻に欲しいと言えば、気持ちなんぞ無視して周りが勝手に推し進めてしまうであろうから、私は別の世界に行きたかったのだ。しかも、その行く先にて私が救いたいと思ってる者らが居るのだから、何よりも代え難いモノであろう。

 

『何時までも考えていないで、私達のことも構って欲しいのですが』

 

「すまない。少しばかり考え過ぎたようだ」

 

『ハッ。オマエはもう少し頭をカラにするくらいがちょうどよい』

 

「心得た。しかし、考えが過ぎるのは性分なのでな。そう簡単には治せそうにないが、その様に努めるとしよう」

 

『HEY! オレ様は一尾の守鶴だZE。ヨロシクゥ』

 

「ああ。宜しく頼む」

 

『私は又旅と呼んでください』

 

「そうする」

 

『僕は磯撫です。精一杯お手伝いさせていただきます』

 

「助かる」

 

『俺は水簾洞の美猿王、六道仙人より孫の法号を与えられし仙猿の王、孫悟空斉天大聖だ!』

 

「長い! 孫って呼ぶぞ」

 

『なんだと!?』

 

『騒がしいですよ、孫。わたくしは穆王です。この度はわたくしの器として、共に過ごし、共に生きることを感謝いたします』

 

「………ああ。だが、もう少し口調というか、性格を崩してくれても良いのだが………」

 

『それはできません。わたくしは貴方の良きパートナーとして共に存在するとはいえ、わたくしの方が立場は下なのです。故に、わたくしは貴方へ敬意をもって接するのです』

 

「…………ああ、わかった。」

 

『今度は俺の番やよ。俺は犀犬っていうんよ。特技は相手をドロドロに溶かすことやよ』

 

「………そうか」

 

『オイラはラッキーセブンの看板背負った唯一の尾獣!その名も重明!!ラッキーセブンのオイラが居れば、アンタもオイラも最強よ!!』

 

「……………」

 

『なんか言えよ!』

 

「…………すまない」

 

『……………………』

 

『俺は牛鬼だ。好きな物はおでんと熱燗。趣味は墨を使った習字だ』

 

「こういうのが欲しかったんだよ。よろしく、牛鬼。俺の趣味は畑を弄ったり、田圃で米を作ることだ。好きな物は、新米で作った塩味の握り飯と米焼酎だ」

 

『ワシは九喇嘛だ。オマエのことはジジイから任されたのでな、仕方ないから面倒見てやる』

 

『素直じゃありませんね。素直に言えば良いじゃないですか。宜しくお願いしますと』

 

『うるせぇぞ堅物!』

 

『やるのですか?やるのでしょう?ならば、わたくしの全力をもって倒させていただきます』

 

『オレ様もやるZE!』

 

『ラッキーセブンのおおおぉぉぉぉッ!オイラも参加するぜえええぇぇぇぇええい!!!』

 

『ではっ!私もやります!!』

 

『楽しそうだから俺も参加するやよ』

 

『…………僕は遠慮します』

 

『ウキキ!そんなこと言わねぇで磯撫もやるぞ!!』

 

『俺は熱燗とおでんで一杯やりながら観させてもらうぞ』

 

『だああぁぁぁありゃああぁぁぁあああっ!!』

 

『ナニしやがる!?』

 

『ラァァァァァァアッキィィィィィィイセブンのおおぉぉぉぉぉぉぉッ』

 

『てめぇ、表出やがれ。ミンチにしてやる』

 

「賑やかなのは良いが、私の中だということを忘れないでくれよ」

 

『騒がしくて申し訳ありません。私は天目一箇神という者です。皆この様に騒ぐのは、貴方という存在が居るからなのです。何せ、貴方のことをお頼みするためにハゴロモが私達の前に姿を見せて頭を下げてきたのですから。もう二度と会えないと思っていた彼と一時でも話せたのです。彼らが騒ぐのは、仕方がなきことでしょう。故に、お見逃しください。』

 

「………そうだったのか。だが、貴女はどうなのだ?貴女は確か【チャクラの実】を取り戻すためにカグヤを襲ったのであろう」

 

『はい。ガイア様の命により護っていたものなので、取り戻そうとしたのですが、今はガイア様の命により貴方の補助を任されましたのでご心配入りません』

 

「そうだったのか」

 

『はい。今後とも、末永くよろしくおねがいします』

 

「その言い方では、嫁入りにくるみたいではないか?」

 

『おおお、お、お嫁さんですか!? いえ、私はまだ結婚は早い気がするのですが、貴方ならば別に構いませんよ。い、いえ。そういえ訳ではないのです。あっ。ですが、貴方と結婚するのが嫌と言うわけでは無いのですよ!?』

 

『………………』ニヨニヨニヨ

 

「…………友達から始めないか?」

 

『……………はい』

 

 

 

 

 

 

 


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