すたれた職業で世界最高   作:茂塁玄格

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 予定より遅れてしまい、すいませんでした。
 私の構成力不足により、第三章開始早々に前中後の三本立てになってしまいました……。
 お待たせしてしまって申し訳ありませんが、今回もよろしくお願いします。


グリューエン大火山に恋して・中編

「……マインスイーパーってこれ、本当に?」

 

 六かける五のマス目状に敷かれた石畳の周りでは、盛んに燃える炎の旗が、風も無いのにはためいている。石板上の数字を確認する倬は、額に手を当てて意気消沈しそうになっていた。

 

 大迷宮の難易度が現代の人々にとって、非常識なまでに高度であることは理解していたつもりの倬ではあったが、試練に“算数”と“パズルゲーム”が採用される可能性までは予想出来なかった。試練に対する“悪ふざけ”、あるいは“悪ノリ”の気配を感じて、今後の攻略にまで不安を抱いてしまったのである。

 

「あるじどの! なにゆえに“はち”なのでこざるか!?」

「………………倬、二問目、どうやって解いた?」

 

 もう少しシリアスな試練内容を期待していた倬に対し、精霊様と妖精達は問題に挑戦する気満々だ。ローブの肩を引っ張る“刀剣の妖精”やっくんの眼差しに眩しさを感じつつ、倬は気を取り直す意図も含めて、問題文を読み上げる。

 

======

 問一

 以下は、ある法則に従って並べられた数である。

 

 1.1.2.3.5.□.13.21.34.55…

 

 この□に当てはまる数を答えよ。

 

======

 

「えっと、一問目は“フィボナッチ数列”って名前まであるものです。右に隣り合う数字同士を足していくって数の並びです。一足す一で二、一足す二で三、二足す三で五って具合に。問われているのは三と五の次の数なので、三足す五で“8”が答えになります」

 

======

 問二

 ある決まり事に従って並ぶ以下の数がある。

 

 523

 41□

 172

 

 この□に当てはまる数を答えよ。

 

======

 

「二問目はどんな決まりで並んでいるか考える必要がありますね。これの場合、縦横それぞれの合計が十になるように並んでいるので、空いている場所は“5”になります」

「「おー……」」

 

 倬の簡単な説明に、刃様と宵闇様が感心しきりに頷く。周りに視線を巡らせれば、他の精霊や妖精も、目をキラキラさせて感動の声を上げ、倬の解説を聞いていたようだった。

 

 こんな事で喜んでもらえるとは思わず、少々複雑な気分になっていた倬の袖を、もりくんが引っ張ってきた。隣には森司様も浮かんでいる。

 

「もりくん? どうかしましたか?」

「倬、問題を読み上げてくれ、僕達も解いてみたい」

 

 倬の質問に答えたのは、もりくんではなく、森司様の方だった。いつも持っている葉っぱの傘を何処かにしまって、着ている茶色のローブの袖を捲っていた。普段と違い、随分と気合が入っているらしい。

 

「え、そんなに気になるものですか?」

「あぁ! なるぞ! たのしそうだな!」 

 

 もりくんが元気よく答えると、他の妖精達も倬の胸元辺りにやって来た。中でも、瞳をパチパチ輝かせて倬と目を合わせてきたのは、“雷の妖精”らいくんだ。

 

「らいくんもな! らいくんからもたのむっ!」

「ま、まぁ、そんなに言うなら……」

 

 張り切る精霊様と妖精達に求められるまま、倬は解いてしまった三問目以外の、残る問題全てを声に出して読み上げていった。

 

「えーっと……、なによこれ、ほんとに答え出せるの?」

「これは難問ね~」

 

 読み終わると、問題ごとに何人かで分かれての挑戦が始まる。風姫様と空姫様が横に並んで指を折って数えていたり、刃様は石を拾い集めて並べている。つっちー達に至っては、組み合って鳥と牛を自分たちで再現しようと奮闘中だ。

 

(そういや、皆“なぞなぞ”とかも好きだったな。こう言うのも好きなのか……)

 

 “算数”に夢中で、一生懸命な精霊様と妖精達に和ませてもらった倬は、皆から離れ、おもむろに炎の旗を掴んで石畳に上る。

 

(えーっと、まずは……右上か)

 

①□②□②□☜

③□□③③①

□□□□②①

②□□□□①

■①②□②①

 

 燃える旗を振り上げ、石板に突き刺そうとする倬。その腹部に、目にも止まらぬ超高速で、小さな拳が突き刺さった。

 

「ぐほッ……!」

 

 鳩尾を手で抑えて沈み込む倬の眼前に、慌てた顔の光后様が迫る。

 

「こらっ、倬、何をやっているのだ! まだ解いている最中ではないか!!」

「痛ててて……。こ、光后様、突然何をするんです?」

「むー。それは、ひかりちゃんたちのせりふだぞー」

「そうだ、ひかり、もっと言ってやれ」

 

 ぷりぷりと怒る光后様とひかりちゃんに、倬は両手を軽く上げて、降参のポーズで逆らう意志は無いことをアピールする。

 

「お待ち下さい。落ち着いて。その、ここまで数字が出ていれば平気なんですよ。このゲームは」

「何?」

 

 両手を上げたまま石畳から降り、倬はしゃがみ込んで地面に手を触れ、技能“錬成”を発動させる。三分少々かけて、縦横三十センチ位に縮小した石畳の模型を創り上げた。

 

 模型の前に座り込んだ倬は、光后様達に向かって手招きする。

 

「たぁ様、治優も一緒に聞いてもいーい?」

「ええ、もちろん」

「仕方ない。どれ、わらわも抱っこされてやろう」

 

 光后様と治優様も一緒に胡坐の上に座ったのを確認してから、倬は説明を始める。

 

「地球でのマインスイーパーは、一つもマス目が開いていない状態から始まるので、序盤は完全に運だったりするんですが、ここの試練では前提条件が異なっています」

「もーみっつまでのマスがひらいてるもんなー」

 

①□②□②□

③□□③③①

□□□□②①

②□□□□①

■①②□②①

 

「そうです、ひかりちゃん。どうやら正解した回数で、数字を明らかにしてくれるようですが、既に噴口が無いと判明しているマスが幾つかあります」

「だけどたぁ様、さっき旗を立てようとした所は何で平気なの?」

 

 ルールを理解しきれていない治優様は、きょとんとしたままだ。

 

「えっとですね、一番右上のマスは、隣り合う全部のマスに数字が書かれているのは分かりますか?」

「うん、それくらいは治優にも分かるよー」

「隣り合うマスにいくつ噴口があるか、それが数字の意味ですが、同時に、数字が書いているマスの下には噴口は無いって事でもあるんです」

 

 そう言って、倬はマスの右上辺りを注目してもらおうと、その上でくるくる指を回す。

 

□②□

③③①

□②①

 

「真ん中の“➂”と隣接する何もないマスは、何個ですか?」

「成程、空いているマスは三つしかないな。この全てに噴口がある事になるわけだ」

「正解です、光后様。この考えに従って埋めるとすれば……」

 

 そう言って、倬は空いているマスにチェックを入れていく。

  

①□②☑②☑

③□□③③①

□□□☑②①

②□□□☑①

■①②□②①

 

「この時点で少なくても、四つは埋めることが出来ます」

 

 光后様や治優様達は、ほえ~と盤上に視線を集中させて、他に埋められる場所が無いか頭を捻る。

 

 邪魔をしても悪いかと思い、光后様の長い髪を撫でて見守っていると、向かい側に火炎様がやってきた。

 

「う~む、奇妙な遊戯があったものだな。……“2(これ)”は幾つだ?」

「“2”ですね、隣り合うマスに二つの噴口がある事になります」

「ならば……」

 

 そう言って、火炎様は右下側のマスを燃え上がる指で示した。

 

 ☑②①

☞□☑①

 □②①

 

「既に二つが埋まっているから、ここに噴口は無い、でいいな。噴口があるのはその下だ」

「むむっ! 火炎め、中々やるではないか」

「火炎様すごーい」

「ふふん、まぁな」

 

 褒められて満更でも無い様子の火炎様とも一緒に、マインスイーパーを解いていく。

 

「面白いな。奇妙な遊戯だが、よく出来てるじゃないか」  

「まぁ、このゲーム、最後の最後で運頼みの二択になっちゃう事も多いんですけどね……。まさかトータスにもあったとは思いもよりませんでしたが」

 

 マインスイーパーを解き終えて、他の精霊様の様子を確認して回る。どこから現れたのか、つっちー達が足元を埋め尽くしつつあったが、とりあえずスルーだ。

 

 見回る倬に声をかけてきたのは、雷皇様だった。

 

「倬殿、オレ達の答えを確認して欲しい」

 

 自信たっぷりな雰囲気の雷皇様の背後には、風系三姉妹の堂々とした佇まいが見える。

 

「分かりました。皆さんは“問四”でしたね」

 

======

 問四

 我が迷宮に千六名の侵入者が確認された。

 

 この侵入者達の中で、女よりも男の方が七十二人多い事が判明している時、男女それぞれは何名になるのか答えよ。

  

======

 

「私達の指だと足りなかったから、地面に傷をつけて数えてみたの~」

 

 空姫様が地面を指さした先には、無数の傷が彫りこまれていた。これだけで、何度もやり直した事が分かる。

 

「よく分かんなかったから、とりあえず千六から七十二を引いてみたわ」

「それがね、倬様、ここ。この辺!」

 

 風姫様の言った引き算の傷跡を、音々様が教えてくれる。九百三十四本の傷と、七十二本の傷が確認できた。

 

「七十二人が男であることは分かっているからな、残った九百三十四人の半分……、空姫姉さん、どこらへんに彫ったんだったかな?」

「もう仕方ないわね~、雷皇君ってば。こっちよ、こっち~」

 

 空姫様が手招きした足元には、きっちり等間隔に刻まれた傷が二段に分けられている。二段に分けて九百三十四本を数えることで、二分の一を計算したようだ。

 

「上の段の四百六十七本の方が女って事になって」

「それでねっ、それでねっ、下の段に七十二人を足して……んーっと、五百三十九人が男の子だって思うの!」

「どうだろう、倬殿!?」

「合ってるかしら~」 

 

 四人のキラキラした表情に、倬は目頭が熱くなる思いだった。周囲に刻み込まれた傷は、五千本どころでは収まらない。何度も試行錯誤を重ねての解答だったことが一目で理解できた。

 

「答えの求め方、完璧だと思います。このまま答えてみましょう」

「倬が確かめなくていいわけ?」

「きっと間違いありませんよ」

「……そ、あんたが良いって言うなら、それでいいわ」

 

 ぷいっと顔を背ける風姫様に苦笑しながら、四人に代わり倬が解答する。書き終わると同時に石畳全体が震えだし、新たな数字が浮かび上がった。

 

①□②□②□

③④□③③①

□□□□②①

②④□□□①

■①②□②①

 

「正解でしたね」

「やったー!」

「よかったわ~」

 

 音々様は努力が身を結んだ事を飛び回って喜び、空姫様は倬の頭の上に座ってホッとしている様子だ。

 正解したのを見届けた雷皇様は、つっちー達の様子が気になったらしく、既に土さんの隣に立って一緒に頭を悩ませ始めていた。

 

「……兄さん、兄さん」

「どうかしましたか? 霧司様」

「……ちょっと、な。皆、悩んでて、な」

「どこかで躓いているんですか?」

「……いや、そう言う訳では、ないんだけど、な」

「ん?」

 

 体全部がもやもやしているので分かりにくいが、どうやら困っている顔らしい霧司様と一緒に様子を見に行く。

 

 そこには、小石と厚くて硬そうな葉っぱを地面に並べ、唸っている刃様と森司様が居た。

 

「うーむ、美しくないでござるな」

「全くだ。納得いかない」

 

 二人と向かい合って座っていた治優様は、不思議そうな顔をして呟く。

 

「うちは答えられればそれで良いって思っちゃうけどなぁ」

「いやいや、治優様、これでは主殿に見せられないでござる」

「もう少し簡潔な求め方があるはずだ。“森の精霊”としてここは譲れない」

 

 どうやら、答えを出す途中の計算方法が気に入らないようだ。倬が左肩あたりにふよふよしている霧司様と目を合わせると、曖昧に笑い返してくれた。

 

「……さっきから、ずっとこんな感じ、だ」

「何と言うか、流石ですね」

『アナタ様、アナタ様、土司様の方も、なにやら可笑しな事になっている様子ですよ?』

 

 精霊様達は、倬を介して各々が許可した範囲で思考や知覚情報をある程度共有できる。これを利用して、土さん達の状況を確認した雪姫様が、心配そうに“念話”を送ってきた。

 

『あー……、さっきから視界にチラついてはいたんですが……』

 

 実のところ、皆が問題に取り組み始めた時点で、倬は怪しい雰囲気は感じていたのだ。

 

 視線を動かすと、寄り集まって奇妙なオブジェになったつっちー達が目に飛び込んできた。最早、一体何を現しているのか、今立っている角度からは見当もつかない。

 

 宵闇様と光后様まで一緒になって相談しながら、オブジェにつっちーを足しているのが見える。

 

「あの、何をやっているのかお聞きしても?」

 

 倬はたまらず、真剣にこの様子を見守っていた雷皇様に訊ねた。

 

「倬殿、これはオレ達精霊にとって画期的な発想かもしれないぞ」

「こ、これが?」

「うむ。倬、光后様から聞いたが、問題全てを答えんでもよいいのだろ? 儂らはもう少し粘ってみたいからな、先に行っててくれ」

「あ、これ本気のやつですね」 

 

 既に試練としてではなく、真剣に遊んでいるらしい事を倬は理解した。森司様や土司様が納得いくまで待っていたら、この部屋から先に進むのが何時になるのか分かったものでは無い。仕方なく、全員に“念話”を送り、全ての旗を立てていく事を伝える。

 

『それじゃあ、旗は立てちゃいますからね?』

『俺はこの先がどんなに変わってるのか気になるからな、友に付いていくぞ』

『了解した。火炎様、雪姫様、僕達の代わりに倬を頼んだぞ』

『その言い方、大袈裟過ぎでしょうが。わたし達も行くから安心しなさい。んで、倬、最初は右上だったわね』

『ええ。それじゃあ一本目は風姫様にお願いします』

 

①▶②▶②▶

③④□③③①

▶▶▶▶②①

②④▶□▶①

■①②▶②①

 

 十本の燃える旗を立て終わると、文字と旗が石板に吸い込まれるかの如くに消え去った。と同時に、無地の石畳の上に光で書かれた魔法陣が浮かび上がる。中央四枚の石板から、張り付いた魔法陣が引き延ばしながら螺旋を描いて、下へ下へと潜り込んでいく。

 

 石畳の動きが止まり、魔法陣もまた霧散する。

 

 そこに完成したのは、石板を足場にした螺旋階段だ。

 

(やだ……、こう言う演出好き……) 

 

 解放者が試練にあえて“算数”を取り入れた事は少なからず不満だった倬だが、新たに出現したこの道の繋がり方で全てを許すことに決める。

 

 未だ悩んでいる様子の刃様達に見送られ、足を踏み入れた二十六階層より下は、階段に変化した石板と縦横高さが同じ位のブロックを、レンガのように積み重ねた迷路だった。

 

 ブロックの隙間からは超高温の蒸気が漏れ、倬でなければ、ここに踏み入るだけで火傷を免れないだろう。“算数”に取り組んでいる最中、暇を持て余していた雄牛型の魔物、ヴォマーにとっても、不快な湿度の高さであるらしく、少しだけ息が荒い。

 

 迷路の道中に、壁を溶かして飛びついてくるナメクジに似た魔物は、全身がマグマそのものに見える。

 

「どっかで見た様な魔物だなぁ。……よし、ヴォマー、“いってこい!”」

「ブモ゛ーーッ」

 

 倬の指示に従い、ヴォマーが“とっしん”を繰り出す。マグマナメクジは物理耐性が高いらしく、倒すには至らないが、蹴散らすにはこれで十分。ヴォマーは、倒す事に拘らず、奥へ進もうとする倬の考えを理解しているのである。

 

『“極”の洞窟と比べると、他愛ありませんね、アナタ様』

『あぁ、そう言われてみれば、氷雪洞窟の迷路が標準と言う訳でもないんですね』

『ゆっきーは、あの大きなめいろもたのしかったですよー』

『あの迷路をアトラクション扱いしちゃうの、どうなんだろうなぁ。……ッ!』

 

 この階層に下りてから二度目の分かれ道を右に三十メートル程進んだ所で、倬は微弱な魔力の気配と、天井のブロックが擦れ合う音を感じとる。咄嗟に跳び退くと、先程までいた場所に、四つのブロックが繋がって“L”字になったものが降り注ぎ、壁となって来た道を塞がれてしまった。

 

 ご丁寧な事に、新たに出来た壁の側面をマグマナメクジが這いまわることで、隙間を埋める念の入れようだ。

 

「……退路を断ってきたか」

「あらあら~、大迷宮らしいわね~」

 

 大迷宮が複数人での攻略を前提しているのだとすれば、これによって仲間同士が分断されると言う展開もあり得る。寧ろそれが目的である可能性を考慮して、倬は感知系の技能に魔力を集中させながら道を進んだ。

 

 途中にあった小さな部屋には、必ず一つ台座があった。台座の上には握り拳大の組み立てブロックが置かれており、その部屋に居た十体の魔物を倒し切ることで手に入れることが許される、と言う仕組みが用意されていた。

 

 壁の色と同化して攻撃を加えてくるマグマカメレオン達。ヴォマーはカメレオン達を直接攻撃するではなく、壁に“体当たり”をし続ける。カメレオン達が同化する壁を破壊しようしているのである。

 

「ブモ゛ォッ!」

 

 崩れた壁のブロックの表面から落下した魔物達を、ヴォマーは自慢の角で貫いていった。

 

 十体を倒し切り、倬の下へやって来るヴォマー。倬は、ヴォマーの健闘を称えながら撫で回す。

 

「何も教えてないのに、ヴォマーは凄いな。よしよし」

「ヴフゥー……」

 

 台座の上で見えない壁に阻まれていた組み立てブロックは、音々様が回収してくれている。

 

「倬様、これで四つ目だよー」

「四つ……、これで全部とは思えませんが……」

「だが、恐らくこの規模の部屋はこれが最後だぞ」

 

 ここまでで手に入れた四つのブロックは、円筒状の突起が四つの直方体のものが二つと、突起が六つで長方体のものが二つ。これだけでは、ブロック遊びをしようにも、組み立てられるものはたかが知れているだろう。

 

 通り過ぎた分かれ道が全て塞がれている以上、先に進む以外の選択肢は無い。そのまま道なり行くと、行き止まりにぶつかった。

 

「この窪みを埋めろって事で良さそうよね」

「でしょうね」

 

 行き止まりの壁には、“F”を右に九十度倒した形の窪みがあった。その穴を覗き込む風姫様の考えに倬は同意する。

 

 四つのブロックを組み立て、その窪みに押し込む。一瞬、ブロックが奥へ吸い込まれたかと思えば、ポンッと音を立てて飛び出し、倬の手元に戻ってきた。

 

 少し遅れて、壁のブロックがガタガタと音を鳴らしながら動き始める。周囲のブロックに取り込まれるように壁が無くなると、その先に待っていたのは、打ちっぱなしのコンクリートに似た壁に囲まれる部屋だった。

 

 正面の壁にはブロックの枠があり、どうやら、向こう側もこの部屋への入り口らしい。本来ならば、分断された仲間達と、この部屋で合流することになるのだろう。

 

「……なんでしょう、ボッチ攻略が認められていない雰囲気が」

「何言ってんだよ、倬にはかーくん達がついてんだろ? ボッチじゃないじゃんか」

 

 「そうだそうだー」とかーくんの言葉に乗っかる妖精達に纏わりつかれながら、部屋の中央にあるこれまでより大きく、凝ったデザインの台座に向かう。その台座には、長方形の深い穴が空いていた。

 

「鍵穴っぽいけど、どうしたもんかな……」

「この模様がヒントみたいね~」

 

 “手に入れたブロックで鍵を組み立てろ”と要求されているのは間違いないだろう。空姫様が見つけた、台座の側面にある模様から推測出来る、必要なブロックの数は九個だった。あと五つも足りないのだ。

 

 だが、既に道は塞がっている上、反対側の道も繋がってはいない。不足している五個のブロックを回収する事は出来ない構造だった。

 

『アナタ様、ご自身でお作りなっては?』

「ブロックを自作……、それはそれで、“錬成”の良い練習になりそうですね」

 

 そうして倬は、コンクリート風の床を切り出し、不足するブロックの“錬成”に挑戦する事になった。元々“錬成”の適正は高くなく、時間はかかったものの、何とかそれらしく組み立てることは出来る程度のモノが完成する。

 

 模様を参考に組み立てた鍵を、緊張しながら台座に差し込む。ただ差し込んだだけでは何も起きない。その鍵を右に回してみると、カタンと軽い音が響き、鍵穴の奥で何かが噛み合ったのを感じた。

 

 部屋全体が細かく揺れているが、不快感は無い。この感覚を、倬はよく知っていた。

 

(転移か……!)

 

 視界がコマ送りにされるかのように流れ、続いて目に滑り込んできたのは、ここまでの迷路と同様のブロックによって囲まれた四角い空間だった。足場のブロックは乱雑に積み重ねられ、三十メートル程の高い天井部分でマグマが揺れている。

 

 天井からは雨漏りでもしているかのようにマグマが滴り落ちてくる為、この場所に安全地帯はなさそうだった。天井のマグマを警戒していると、中央がたわんで、歪な球体がマグマをまき散らしながら落下してきた。

 

 落ちてくるマグマをひょいひょいと躱しつつ、倬は落下物を観察する。

 

「さてさて、今度は何でしょう」

「……クイズ、だったら良い、のに、な」

「霧司様、自分でも解きたかったんですね」

 

 横倒しで落ち、ブロックでデコボコになった足場を滅茶苦茶に砕き、纏う炎で溶解する物体。それは、まるで何かの反動を利用するかのような奇怪な動きで、ゆらゆらしながら真っすぐに立ち上がった。

 

 それに腕は無く、それには脚も無い。

 

 自らの全身をそっと傾け、やはり反動を利用して倬に向き直ったそれは、鬼のような形相で睨みつけてきた。顔以外の全身を燃え滾らせるその姿は、まるで――。

 

「だ、だるま……?」

「Voooooooo!!!」

 

 比喩ではない、正真正銘の“火ダルマ”が全身をぶよぶよと弾ませて飛んできた。

 

「うわぁ……、何か嫌だ」

 

 倬は大きく跳び退き、体当たりを避ける。

 

 “火ダルマ”が着地したブロックが、その赤熱した体に飲み込まれる。この魔物もまた、全身の殆どが溶岩で出来ているのだ。

 

「Vooooooo!」

 

 天井を仰ぎ、口から激しく炎を吹き出す。その炎が天井のマグマに届くと、そこから次々とブロックが落され始めた。落ちてくるブロックは、真っすぐに五つ連結したものや、縦横に二列ずつの正方形になったもの、“L”字型に繋がったものなど様々だ。

 

「“落ちもの”にしてもペース速すぎるっての!」

 

 全てのブロックが、一度に複数固、高速で叩きつけられる。足場には次から次へとブロックが積み重なり、徐々に天井までの距離が短くなっていくと言うのが、この空間だったのだ。

 

 ここまでは頑張ってきたヴォマーだったが、流石にこの状況では回避に専念するしかなさそうだった。

 

(ホントにご丁寧な事で……)

 

 “火ダルマ”は落下してくるブロックを操れるらしく、その操作に集中して、先程からその場を殆ど動こうとしない。

 

(さて、どうやって黙らせようかな……)

 

 ブロックを“風固”等の魔法で弾き返している中、倬と“火ダルマ”の間に、緑の香りと共に、大きな葉っぱが出現する。

 

「倬、待たせたなっ!」 

「拙者達なりの答えを聞いて欲しいでござる!」 

「えっ、ちょっ、今ですかっ!?」

 

 直上に落下する“T ”字のブロックを“光網”で受け止め、慌てて適当に放り投げる。

 

「ねねさま、もう一度もんだいをきかせてほしいナリ」

「やっくん達は四つ目だったけ? えっとねー……」

 

 やっくんにお願いされた音々様は、目を閉じて、その身を細かく震えさせる。周りの空気にその揺らぎが伝わると、倬の声がこの場所で木霊(こだま)した。

 

======

 問五

 常ならばそれぞれで行動している盗賊達が、協力して奪い盗った王室献上品の織物を山分けする事となった。

 

 九枚ずつで分けると二枚が余る。

 十枚ずつで分けると五枚不足してしまう。

 

 以上の条件をもって、盗賊達は何人で、奪った織物は何枚だったのかを答えよ。 

 

====== 

 

 倬は落ちてくるブロックに対処しながら、森司様たちの解答を聞く事になってしまった。

 

「この問題、中々に面白かった。肝心なのは、どちらの枚数で分けようが、何枚余ろうが、足りなかろうが、盗賊の数も、織物の枚数も同じ。と言う事だ」

「故に、織物の枚数が同じになる人数を試していけば良いのでござる」

 

 そう言った刃様は、何時も腰にぶら下げている刀で、落下してきた“ト”字ブロックを何度も斬ってみせる。

 

 ブロックを切って作られた人型の石像が六つ足元に落ちる。石像の内三体の前にはスライスされたブロックが九枚ずつ重ねられ、傍には二枚が残った。残りの三体の前には十枚ずつ重なって落ちるが、もりくんとやっくんが五枚を適当な所へ投げ捨ててしまう。

 

「賊が三人だとすれば、九枚ずつ配った合計は二十七枚。二枚が余ると言うのが条件ならば、奪った織物は二十九枚になる」

「“十枚ずつで分けると五枚不足”との文言になぞれば、三人で奪った織物は全部で二十五枚。条件成り立たず、にござる」

「おぉ! 堅実な解き方、何だかお二人らしいです」

 

 この解き方は、倬が思いついた“算数”としての模範解答とも相違ない。倬は“算数”に触れてこなかった精霊様が、丁寧な解説を出来る事実に感動していた。

 

「……結局、僕らにはこれしか思いつかなかっただけなんだけどな」

「楽しかったのには違いないでござるが、あまり褒められても恥ずかしいでござる」

「恥じらう事なんて無いと思いますよ。答え、聞かせて貰えますか?」

「むっ、主殿!」

 

 一早く“火ダルマ”の動きに反応し、刃様が倬に警戒を促してくれた。

 

 忙しなくブロックが降り注いでいるにも関わらず、和やかな雰囲気が流れている状況に我慢できなかったのか、全身を燃え滾らせ、スピンアタックを仕掛けてきたのだ。

 

 森司様が何時も持っている葉っぱから、緑混じりの茶色で、表面のつるりとした蔓に持ち替える。

 

「どれ、たまには僕も手伝うとするか。何せ、答え合わせの真っ最中だったからな」

「全くです。主殿、瓦礫の対処は任せて欲しいでござる。……やっくんっ」

「しょうちつかまつった、ナリよ」

 

 刃様とやっくんが背中合わせになって、剣の柄に、手を添える。

 

「よろしくお願いします。では、だるまさんには転んどいて貰いましょう。__“装鉱”、__“硬々”……」

「Vooooooo!」

 

 迫る“火ダルマ”には一瞥もくれず、森司様が蔓を軽くしならせる。その蔓はたちまち肥大し、猛烈な速度で成長を始める。太い蔓となった植物は渦を巻くように伸び、天井のマグマと足場との丁度中間を埋め尽くす。高速かつ高熱で落下するブロック群を、押し留めてみせた。

 

 ブロックの殆どは依然、倬を目掛けて落下してくる。蔓の隙間を掻い潜り、焼き切って降って来るモノも少なくなかった。だが、そのブロックが倬に直撃する事は無い。全てのブロックが、刃様とやっくんの剣の前に、一刀両断されているのである。

 

「……__“硬々”、もっかい__“装鉱”。……っし、来い!」 

 

 “火ダルマ”を迎え撃つべく、倬の右腕が黒い鉱石に厚く覆われ、硬化の魔法によってその強度が引き上げられていく。

 

「Vooo……!」

 

 先程まで回避行動に集中していた倬が、ここに来て前へ踏み込んだ事に、“火ダルマ”は驚きを隠せない。

 

「よいっ……、しょおっ!」

 

 “身体強化Ⅲ”を活用した、渾身の右ストレートが“火ダルマ”の頭部に深々と突き刺さる。

 

「Vogaaaa!」

 

 殴り飛ばされた“火ダルマ”は、その高熱の身体によって壁にめり込み、その動きを止めた。

 

 沈黙した“火ダルマ”を視界に入れたまま、腕の“装鉱”を解除する。“身体強化Ⅲ”による負荷が“痛覚麻痺”の効果範囲を超え、右手に痛みが走った。

 

「痛てて」

「たぁ様、大丈夫? 治優がナデナデしたげるね! 痛いの痛いの飛んでけー!」

 

 心配した治優様が倬の手を撫でて、痛みを和らげてくれる。

 

「有難うございます。“身体強化”、強力な技能ですが、使う機会が無いせいで加減が難しいんですよね……」

「うむ、使いこなすには鍛錬が必須だな。周囲に気兼ねすることの無い大迷宮とやらは、友にとって都合がいいじゃないか」

「そう思ってたら“算数”ですし、一筋縄ではいかなそうですけどね」

 

 “火ダルマ”は黙らせたが、天井のマグマから落ちてくるブロックが止む気配は無かった。風姫様や空姫様も、ブロックを弾く手伝いをしてくれてる。見回してみても、出口らしき場所は見つけられ無い。

 

「何か仕掛けがありそうですが……、その前に答えですね」

 

 森司様は蔓を維持したまま目を閉じて、ワザとらしい咳ばらいをする。

 

「ごほん。七人に九枚ずつ配り、六十三枚に余る二枚を加えて六十五枚」

 

 落下するブロックを思い切りよく切り飛ばし、恭しく納刀して刃様が続ける。

 

「七人に十枚配れば七十枚となり、不足する五枚を減じて六十五枚。故に……」

「「答えは盗賊七人、織物六十五枚」」

  

 どうだ! と倬の顔を覗いてくる二人。倬はメモ帳を確かめてから、笑顔で答える。迷路を歩いている間に、予め計算していたのだ。

 

「間違いありません。正解です」

「当然だな」

「頑張った甲斐があったでござる!」

 

 答え合わせが終わり正解を喜びあっていた、その時だった。

 

 突如として、足元のブロックが一ブロック分だけ消え去った。

 

「あれー? くぅちゃん何かしたー?」 

「ねねちゃんじゃないの~?」

「えー? ふたりといっしょにキチッとしてただけだよー?」

 

 辺りを見まわすと、ブロックを風で持ち上げたまま目をパチクリさせている“風の妖精”ふぅちゃんと“空の妖精”くぅちゃん、“音の妖精”ねねちゃんがいた。

 

 倬は慌てて、三人が何をしていたのか確かめに動く。

 

「三人とも、何をしていたんですか?」

「えっと~、くぅちゃんたちね、キレイに平らにしてあそんでたの~」

「そー! そしたらね、パッてきえちゃったの!」

 

 この現象を聞いた察しの良い地球人ならば、何か思い当る節があるのではないだろうか。そうそれは、かの有名な“落ちものパズルゲーム”のド定番の事。それは、倬も同じだった。

 

「テ〇リス? それも“3D”版……。解放者の時代の娯楽文化って一体……」

「妙な偶然があったもんだよなー。けど、これならかーくんにも手伝えそうだし、大歓迎だけどな!」

 

 こうして、まだ戻ってこない土さん達以外のメンバーによる“ブロック消し”が始まった。

 

 ブロックは殆どが二列組で、本来のテ〇リス以上に隙間が発生しやすい上、落下する数もタイミングもバラバラだ。仲間と協力して高温のブロックを操れる状況になければ、足場が即座に埋め尽くされ、天井のマグマにぶつかってしまう事だろう。

 

 倬達は一段一段、確実にブロックを消していった。

 

 いよいよ全てのブロックを消した先に待ち受けていたのは、底の見えない暗闇。

 

 あろうことか、足場が無くなる事で、更に深部へと落されると言う()()だったのだ。

 

「苦労して“全消し”したのに、この仕打ちとは……」

「………………解放者達、面白がって造ってるよな」

「おぉ、宵闇様。お帰りなさい」

「………………ただいま。光后姉さん達も、すぐに来る」

「皆さんの答え合わせも楽しみです」

 

 あえて“飛空”に頼らず自由落下に任せていると、周囲の壁から名作RPGで見かける様な、レンガ造り風ゴーレムが上半身だけをせり出して現れた。このゴーレム達はその場から移動できないらしく、落下する倬めがけて腕を振り回したり、ブロックを投げてくるだけだ。どうやら、あくまで障害物としての役割しかないようである。

 

 一応は灼熱のゴーレムであり、触れればタダでは済まないのだろうが、倬はお構いなしに彼らを足場にして踏みつけながら下へ落ちていく。

 

「ヴォッフ! ヴォーフッ!」

 

 倬の風系魔法で補助を受けつつ、ヴォマーもゴーレム達を利用し、しっかりついてきている。

 

 ヴォマーの心配はしなくても大丈夫そうだと安心していると、倬の真横に光の玉が出現した。パッと光の玉が割れると、光后様がその姿を見せた。目を瞑ったままの光后様は、眉を寄せて悩まし気な顔だった。

 

「おや? ふむ、なにやら距離がおかしな事になっとるな」

「お帰りなさい、光后様。何か違和感が?」

「うむ、今戻ったぞ、倬。いやな、何と言ったら良いのやら分からんが、ここはこう、“ぐにゃ~”となっているのだ。この辺りがな、“ぐにょ~ん”とな」

「“ぐにゃ~”に“ぐにょ~ん”ですか……。“引き延ばされてる”って事でしょうか?」

「うむうむ、そんな所だ。倬は話が早くて良いな」

 

 光后様の感覚に従えば、この場所は大迷宮によって空間が広げられていると言う事らしい。

 

 倬も意識してみると、確かに奇妙な()()()を周囲に感じた。

 

(例えるなら、ずっと転移の間に留まってる感じに近いか……) 

 

 この例えが正しかった事は、落下先が光の全く無い深淵だったことで証明される。

 

 暗黒へと落ちていた筈の倬が、前触れなく上に向かって()()()()()()

 

 真っ先に視界に入ったのは、ゴツゴツとした岩が剥き出しの壁だ。その壁際にあった狭い足場に着地して、周囲を確認する。この大迷宮に侵入した時に似た雰囲気だが、その広大さはこれまでとは比較にならない。向かい側までの距離は、目算でも三十キロメートルは下らないのだ。

 

 この広さに加え、疎らに岩石が顔を覗かせている他はマグマで満たされている。マグマの流れが空中に張り巡らされ、足元のマグマへと流れ込んでいた。

 

 よくよく見れば、倬の左手奥の壁には広い足場と階段があった。どうやら、ここへと辿り着くルートは他にもあったらしい。

 

 特に目を引いたのは、マグマの湖面中央で周りの岩石よりも一際の高さを持つ島だ。その島は、紅蓮のマグマに丸く覆い隠され、護られているように見える。

 

「あそこがゴールかな」

「さっきの転移の仕方、面白かったな。オレ達の魔法でも出来るだろうか」

「雷皇にい様、ああ言うの好きだよねー。どうかなぁ、どうやればいいのかなぁ」

「さっきの絶叫アトラクションみたいな転移方法の再現ですか? 精霊様の魔法だと、私が制御すれば或いは……」

 

 ある地点から“投げ出される”転移について話しながら、中央の島へ向かって飛ぼうとした所に、噴き上がる火柱をすり抜けるように飛び出してきた物体があった。

 

 真っ赤な丸みを帯びたそれは、頭部が出鱈目に凹んでいる。

 

 それは、先程倒した筈の“火ダルマ”に他ならない。

 

「えー……、まだやる気なのん?」

 

 その執念と、その頑丈さに倬はと言えばドン引だった。

 

「Vogaaaaaaa!」

 

 “火ダルマ”はマグマの上に平然と立ち、雄叫びをあげる。雄叫びに呼応し、再び足元から()()()きたのは、ブロックゴーレムの残骸達だ。

 

 ゴーレムの残骸が“火ダルマ”を包み、ブロックによって肩、腕、手が形成される。持ち得なかった筈の腰、大腿、膝、脛、足までもブロックによって獲得していく。

 

「おいおい、これ、本気かよ……」

 

 周りを流れるマグマからはマグマナメクジが這い出て、ブロックの隙間を埋める。ブロックによって手に入れた全身を焼成し、“火ダルマ”は“火ダルマ・ゴーレムボディ”へと進化を遂げる。

 

 ブロックの大きな拳が激しく打ち鳴らされる。全長六メートルのボディ全てから、殺意と炎が(ほとばし)る。

 

 マグマが満ちる湖へと舞台を変え、対“火ダルマ”戦、第二ラウンドの幕が上がった。

 

 




……中途半端な終わり方になってしまって本当にすいません。
ちなみにマインスイーパーの答えは以下のようになっていました。

①▶②▶②▶
③④⑤③③①
▶▶▶▶②①
②④▶⑤▶①
■①②▶②①

“算数”の検算は次回の後書きで行う事を予定しております。

次回投稿は9/22(土)になります。次回もどうかよろしくお願いします。

ここまでお読み頂き、本当に有難うございました。

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