すたれた職業で世界最高   作:茂塁玄格

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 今回は人物設定のまとめになります。第三章開始までの暇潰しにお読み頂けると嬉しいです。



【人物まとめver2.1】

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 ライス・バンセル様、今回の人物まとめを確認させて頂きました。私の知りうる何点かを追記して“ver2.1”としています。追記は《※》以下になりますので、内容の確認をお願いします。

 

――本木亭 稲

 

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――霜中家とご近所さん――

 

霜中倬(しもなかたか)

 身長162センチ。四月一日生まれ。

 漫画、アニメ、ライトノベルを好むオタク。

 四人家族の長男で下に年子の妹がいる。

 

 現在の視力は大幅な改善により両目ともに推定4.0だが、元々使用していた眼鏡からレンズを外し、伊達眼鏡としてかけている。

 

 トータスの神、エヒトにクラスメイト達と共に召喚された王国で、訓練の傍ら、自らの天職“祈祷師”について調査・研究を行った。

 

 訓練中に南雲ハジメが何者かの悪意によって転落させられた事を確信し、更なる力を得る為、“祈祷師の里”に向う。

 

 修行の末、精霊である土司様と契約を果たし、トータスの長い歴史と“解放者”達の戦いを知った倬は、“光の精霊様”に“勇者一行”を庇う加護を願うべく、大陸を巡り精霊様を探す旅に出た。

 

 現在は“寺”を拠点に、対人戦の稽古や魔法の調査等を行っている。

 

 苦手なものは、“G(ゴ○ブリ)”と“()作り物(使徒)”。

 

 ※カエフ豆を使ったコーヒーもどきが最近のお気に入り。練乳も自作し始めた。

 

最新ステータス

光后様、治優様と契約し、“護光”発動後 

*本来の“職業”は“精霊祈祷師”だが、手を加えている

*技能欄“↑”は上昇を意味する

*普段から使用している“高速詠唱”は強化魔法の常時展開であるため、技能欄に表示されない

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霜中倬 15歳 男 レベル:1

天職:祈祷師  職業:祈祷師・冒険者(白)

筋力:1597

体力:1620

耐性:1853

敏捷:2076

魔力:636113(-250990=385123)

魔耐:210097

技能:精霊祈祷[+護光]・全属性適性[+全属性効果↑][+発動速度↑]・全属性耐性[+全属性限定無効]・物理耐性[+衝撃緩和][+絖衞]・耐状態異常・痛覚麻痺・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作][+効率↑][+魔素吸収][+吸収速度↑][+身体強化Ⅲ]・魔力感知・気配感知・反響定位・錬成・剣術・先読[+瞭顕]・念話・飛空・気配減少[+闇纏]・宵眼・熹眸・雷同・氷同・魔力回復[+瞑想(極)][+瞑想効率↑(極)][+常時瞑想]・土壌回復・範囲耕作・植物生育操作・発酵促進・魔力変換[+治癒力変換][+優癒]・変成魔法・言語理解

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*精霊祈祷-本来は“精霊使役”と表示されていた技能を倬が書きかえている。ステータスプレートにも説明が表示されず、詳細不明

*護光-即死を防ぐ精霊魔法が追加技能として表示された。“護光”の維持に250990の魔力が常に消費され、現状で普段使用できる最大魔力量は385123になる

 ⇒精霊魔法“護光”については別資料にて

*全属性限定無効-全ての属性魔法を無効に出来る。但し“限定無効”であり、魔力耐性の数値を超えた魔力量を用いた魔法は無効に出来ない

*絖衞(こうえい)-物理衝撃を防ぐ絹衣に似た障壁を着込むように展開出来る

*耐状態異常-あらゆる肉体的、精神的な状態異常――火傷、毒、麻痺、精神汚染など――に対抗することが出来る

*痛覚麻痺-任意で痛覚を麻痺させることで、痛みを無視することができる

*身体強化Ⅲ-魔力操作の追加技能で、魔力1につき基礎ステータスを3上昇できる。現時点の倬が使いこなせるステータスは+3000~4000程

*反響定位-聴覚を強化し、音の反響で周囲の状況を把握することができる

*先読-対峙する相手の行動を、より正確に予測出来るようになる

瞭顕(りょうけん)-動体視力を含めた視力を強化し、“先読”の精度を飛躍的に上昇させる

*飛空-風を操作し、自在に空を飛ぶ事ができる。超低気圧下でも活動に支障を来さない

*気配減少-自らが持つ気配を弱める事ができる

*闇纏(やみまとい)-闇を纏う事で気配を“消失”させることが出来る。多すぎる魔力を隠すのにも活用している

宵眼(よいめ)-光の入り込まない完全な闇の中であっても、視覚が働く

*熹眸(きぼう)-周囲に僅かな光があれば、任意の明るさで周囲を見渡せる。その双眸(そうぼう)自体に光を灯すことも可能。また、視力そのものの強化にも影響していて、意識すれば更に強化できる

*雷同-その身に雷と同等の性質をもたらすことで、雷の如き移動速度を発揮できる。一秒維持するのに上級魔法十回分に相当する魔力消費を要する

* 氷同-その身に氷の性質をもたらすことで、肉体が凍結することが無くなる。逆に触れたものを凍らせることも出来る。一秒維持するのに上級魔法十回分の魔力消費を要する

*土壌回復-手で土に触れることで土壌の栄養価を回復させる魔法を使用できる

*範囲耕作-手で土に触れることで範囲を指定して土を直接操作し、耕すことが出来る。有効範囲は使用する魔力量に依存する。低級魔法程度の魔力量で自分を中心に半径五十メートルほどを耕作できる

*植物育成操作-植物の生育を促進し、成長する枝や葉の向きを操作できる

*発酵促進-微生物の働きが活発になるように環境を整える事で、発酵を促進することができる

*魔力変換-魔力を派生技能に応じた“力”へと直接的に変換できる

*治癒力変換-“魔力変換”によって魔力を肉体の治癒力に変換することができる

*優癒(ゆうゆ)-“治癒力変換”による治癒力上昇で発生する肉体の負荷を大幅に軽減し、魔力効率も高める事ができる

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霜中(ひろ) 倬の妹 十四歳

 コンタクトレンズ使用。ボーイッシュな服装を好む女の子。倬とは一歳差であり、誕生日があと少しずれていれば、二人は同学年だったかもしれなかった。

 

 ご近所に同い年の幼馴染みがいる。

 

 オタクな家族の影響で、所謂ライトなオタクより古い漫画やアニメ、特撮に詳しい。

 

 現在は両親と共に倬の帰りを待つ。

 

霜中(こう) 倬の父 四十五歳 

 眼鏡。とある商社の総務部に勤めている。 

 

 遠征して各地の大会に参加する程のミ○四駆ファン。“肉抜き”に対する思い入れは誰にも負けない自負がある。

 “肉抜キング・コー”の名は、その道では有名。

 

霜中(あゆ) 倬の母 四十二歳 

 眼鏡。ドラックストアでパート勤務。

 

 男向け、女向けを問わずあらゆるジャンルを楽しむ生粋のオタク。最近活動できていないが、自分の同人誌サークルを持っている。

 

 霜中家にあるビデオテープは全て歩の物。お気に入りのビデオデッキの不調は自分で直す。

 

栗塚かな 尋の幼馴染み 十四歳

 ぽわっとした感じの女の子で活字マニアな一面を持つ。倬以上の“本の虫”だが、視力は良い。

 

 霜中家のご近所さんで、尋と仲が良く、霜中家のオタクな事情に理解がある。

 

――精霊様――

 

土司様 “土の精霊”改め“大地の精霊”

 灰色のディ〇ダみたいな姿の精霊様。

 かつての“過ち”以降、大地の傷を回復させる為に大量の妖精を産み出していて、自分についての記憶が曖昧。そのせいで最近まで自分を“土の精霊”だと思っていたが、実際には“大地の精霊”であり、精霊の間ではかなりの大物。

 

 倬との契約によって“土司”の名前を受け取り、“土さん”と呼ばせる。

 

 魔物の肉を利用した“真の秘薬”や、“幼精”等の言い出しっぺなのだそうだ。

 

 妖精の名前は、つっちー。見た目は“にょろにょろ”。数が多く、妖精の中でも特に幼い性質を持っている。

 

 “寝床”は“お山”全体で、元解放者の住処も管理している。

 

火炎様 “炎の精霊” “焔様”

 全身が炎で出来ている精霊様。

 “霊媒師”達が拝む精霊であり、北東での火山の噴火を抑えるべく力を殆ど使い果たしていた。

 契約を成功させた後、当時の倬の魔力回復速度を上回る量の魔力を使い、気絶させた。

 

 “霊媒師”の中でも、かつて“赤の血族”を名乗っていた一族を見守っている。

 

 契約により“眠り”につかなくて済んだ事で、倬を気に入り、友、我が友等と呼んだりする。

 

 妖精の名前は、かーくん。見た目も喋り方も“凄い魔法使いの動く城”に居そうな感じ。

 

 “寝床”は“オソレの荒山”火口付近。

 

風姫(かざひめ)様 “風の精霊” “姫様”

 毛先が銀色の青髪で、その長さは肩にかかるギリギリ程度。淡い水色のワンピースをふわりと着る、風を纏った女の子の精霊様。妙に所帯じみている所があり、家畜に鳥を飼っていたりする。

 

 “風の賢者”アモレとの思い出を守るため、住居とその周辺を隠し続けていたが、アモレの霊魂と再会出来たお礼として、倬と契約する。

 

 風の操作だけでなく、家事全般が得意。スープ料理のレパートリーが豊富だが、何が食べたいか聞いても「スープでいいです」としか言わなかったアモレの影響だそうである。

 

 妖精の名前は、ふぅちゃん。風姫様を幼くして素直にした感じの性格。

 

 “寝床”は元アモレの家とその周辺。元アモレの家とその周辺を含めたアモレの遺産は、倬に引き継がれている。

 

空姫様 “空の精霊”

 艶々した青いふわふわロングで、白い雲のような“天使の輪”が特徴的な女の子の精霊様。普段は群青色のワンピースを着ているが、空模様に合わせて柄を変えることが出来る。割と恥ずかしがり屋な所がある。

 

 風姫様に連れて来てもらった岩山で出会い、“雷の精霊”を探す事を条件に契約した。倬の事は霜様と呼ぶ。

 

 その昔“月の精霊様”と何かあったらしい。

 

 妖精の名前は、くぅちゃん。のんびりした喋り方は空姫様と同じだが、かなり子供っぽい。

 

 “寝床”は北大陸において【神山】に次ぐ高さを誇る岩山頂上付近の、金属製の頑丈な祠。

 

森司様 “森の精霊”

 背丈ほどの長髪で、色は僅かに緑が混じった黒。前髪も後ろ髪もビシッと真横に切り揃えられている。茶色のローブの前を閉じて着る。

 

 いつも傘のようにして持っている大きな葉っぱの見た目は、蓮とフキの葉に似ている。撥水性が高い葉っぱで、水を弾き、汚れない。これを杖やスコップのように使う事もある。

 

 倬と出会った時は、異世界召喚の大魔法による魔素の減少を、神がもたらす“崩壊”の予兆と認識し、再び起こされようとする悲劇に絶望していた。それにより倬と契約した精霊を相手に戦闘になる。協力していた“霧の精霊”の説得もあり、倬との契約を果たした。

 

 かつては大樹を“寝床”としていた。“大異変”により傷ついた樹海を癒すべく、妖精を多く出していた時期がある。この時期に、ある女の子と出会ったお話が、【世界樹に宿るもの】と言う児童書の物語として残されている。

 

 妖精の名前は、もりくん。落ち着いている森司様と比べて、はきはき喋る。傘の代わりにチューリップハットみたいな葉っぱの帽子をかぶっている。

 

 “寝床”は【ハルツェナ樹海】にある三本の巨木に囲まれた“お社”。森司様は、“お社”の近くで各種調味料やお酒を仕込んでいたりする。近頃は樹海に帰した亜人族の子供達がよく遊びに来るようになった。

 

霧司様 “霧の精霊”

 全身が霧で出来ており、もやもやした綿菓子か、大きなケセランパセランみたいに見える。中央に空いている三つの穴が目と口らしい。意識しないと気圧によって大きさが変わる。色の濃い飲み物を飲むと、その色の影響を受けてしまう。

 

 樹海の霧が気に入った縁で、“森の精霊”とは長い付き合い。最初は“崩壊”の予兆に落ち込んでいた“森の精霊”を気遣い、侵入してきた倬達を霧に惑わせて追い返すつもりだった。“森の精霊”を必死に説得しようとする倬を見て、泣きながら姿を現した。

 

 元は“雲の精霊”の妖精だったそうである。

 

 妖精の名前は、きーくん。滅多に呼ばれないらしい。喋り方もあんまり変わらない。

 

 “寝床”は【ハルツェナ樹海】全域。ただし、正確に転移できるのは森司様の“お社”周辺だけ。

 

音々様 “音の精霊”

 髪型は、少し癖のある無造作なショーットカットで、風姫様よりも少しだけ短い。髪色は全体が水色で毛先に黄緑色が差し込まれている。白地に柔らかく波打つような、五本の黒いラインが描かれているワンピースを着ている。

 

 風系統の精霊の末妹で、精霊達の中では特に子供っぽい。

 

 倬とは大峡谷に近い町、ダンディーンにある小さな教会の鐘楼で出会った。契約の条件として、管理が行き届かず、放置されていた教会の掃除を倬に頼んだ。

 

 最近は教会の孫娘であるスティナに、()()()()地球の歌を聞かせていたりする。

 

 妖精の名前は、ねねちゃん。音々様が子供っぽいので、あまり差が分からないが、更に人懐っこい。名前が音々様と同じなのは、“ねーちゃん”も“ねぇちゃん”も「何か違う」と思ったからだそうである。

 

 “寝床”はダンディーンにある小さな教会の鐘楼。

 

刃様 “刀剣の精霊”

 白に近い灰色の作務衣(さむえ)に似た服を着ている。眉はやや太め。

 

 正面から見て右側三分の二が黒、左側三分の一が銀色の髪をオールバックにして、後ろの高い位置でお団子にしてまとめていたが、最近はお団子から絵に描いたチューリップみたいになっている。

 

 腰には三十センチほどの剣を下げているが、これは昔、見様見真似で自作した物らしく、かなりの完成度と切れ味を誇る。ちなみに妖精の剣も一緒に作ったもの。

 

 倬とは【ライセン大峡谷】での闇取引に使われていた荷台の中で出会った。

 

 属性は土系統で、“金物の精霊”と名乗っていた事もあり、特に鉄が好きだったらしい。刀剣が作られるようになってからは、その時々で気に入ったものに宿っている内に剣の扱いにも詳しくなった。精霊の中では体術についての知識も多い方で、倬にとっては格闘における師匠でもある。

 

 妖精の名前は、やっくん。勢いを付けて喋り、語尾に“ナリ”をつけたりする。

 

 “寝床”は宿っていた刀である“剣断ち”。

 

宵闇様 “闇の精霊”

 全身が闇で出来ている精霊様。

 頭部らしき卵型の部分に空いている三つの穴が目と口らしい。頭部から地面に向かってラッパ状に膨らむ胴体の中央に、二つの小さな手がちょこんと見える。

 

 かつて“闇の精霊”と契約していた“闇の賢者”ミーヤクの工房がある“黒死の洞窟”で出会った。地上に残る精霊の中で大物の一人。

 

 “闇の精霊”が生み出す“闇の泥”は、泥に触れたあらゆる力――魔力、熱、物体の強度、生命力や精神力等――を吸収・消滅させてしまう。これは、触れてしまうだけで正気を失いかねない。契約を成功させる為には、この“泥”を受け入れる必要がある。

 

 妖精の名前は、よいくん。見た目は火の玉をひっくり返した感じの闇。宵闇様と比べると、話す時の間が短い。

 

 “寝床”は南大陸にある、“闇の賢者”ミーヤクの工房と、“黒死の洞窟”全体。

 

雷皇様 “雷の精霊”

 髪はツンツンした短髪で、全体は黄色に近く、“危険標識”を思い起こさせるように黒髪が混ざる。つむじ辺りに、傾けたZを描くアホ毛が突き立っている。

 服装はカンフー映画で見かける様な、襟や裾が硬そうな山吹色の服。

 

 “風の精霊”と“空の精霊”の姉二人と“音の精霊”の妹に挟まれた長男。割と姉妹に振り回されてきたらしく、苦労人気質な精霊様。

 

 宿っていた“神鳴岩”が魔人族による雷の研究に利用されていて、ぐっすり眠っていた所を叩き起こされ、風姫様に言われるがまま契約することに。

 

 妖精の名前は、らいくん。やや一歩引いて周りを見ようとする雷皇様に対して、率先して倬に力を貸したがる所がある。

 

 “寝床”は南大陸にあった“神鳴岩”だったが、現在は特定の場所を持っていない。この場合、契約者が一時的な“寝床”と言う事になる。

 

雪姫様 “氷の精霊”

 髪は真っ黒な背丈ほどの長髪。ゆったりと垂らした前髪で右目が完全に隠されて、左目が半分だけ覗く。

 服装は日本の着物に似た真っ白なモノで、胸元の下から腰までを覆う、淡い水色の大きな帯を巻いている。肌色は、まるで初雪の如く極めて薄く白い。

 

 倬と出会った際は、遥か昔に医術の研究所として使われていた施設で、氷漬けにされていた者達を見守っていた。

 精霊達の“盟約”を守って悲劇を見過ごした事と、“盟約”を破り人の子に危害を加えた事の両方に心を痛めていた“氷の精霊”は、彼らを“殺し切る”事を条件に倬と契約を結んだ。

 

 契約後は倬を“アナタ様”と呼び、ごく当たり前のように甘えてくる。契約者の倬にくっつく分には平気だが、熱いのは苦手。

 

 妖精の名前は、ゆっきー。雪姫様同様に熱いのは苦手だが、抱っこされるのは好きらしい。

 

 “寝床”は【シュネー雪原】南端に皆で造った氷の城。そのお城でキラキラした粉雪を降らせる小鳥の魔物“ヒエドリ”を飼っている。

 

治優(ちゆ)様 “癒しの精霊”

 髪色はピンクがかった金色。右眉の上で前髪を分け、花びらのヘアピンで右側の前髪を留めている。髪の長さは腰まであり、首の後ろで大きな鼈甲(べっこう)の髪留めで纏めている。

 

 服装は古代ギリシャのドリス式キトン――肩から肘辺りまで生地に隙間が出来る様式――に似ている。左手首にある腕輪は“光の精霊”から貰ったもので、花びらのヘアピンは“花の精霊”から貰ったものらしい。

 

 倬とは“癒しの泉”の噂を聞いて訪れた山で出会った。産まれつき脚が弱かった獣に変成魔法による直接的な筋肉量増強を施した事で、契約を約束してくれた。

 

 妖精の名前は、ちぃちゃん。特に舌足らずな喋り方をする妖精で、倬を“ねんね”させたがる。

 

 “寝床”は大陸中央の山々に点在する“癒しの泉”。この泉を“寝床”としたのは【神結晶】に限りなく近い混合石で出来た九本の“ボトル”の管理を、“光の精霊”に頼まれたのがきっかけ。

 

光后様 “光の精霊”

 淡く輝く金髪は長く、背丈の倍はある。ふわりと流れる後ろ髪の毛先から十センチ当たりを太い輪っかでまとめ、前髪は左右にゆったり流した真ん中分けにしている。

 宝石が埋め込まれたカチューシャが、冠のように見える。カチューシャの中央には菱形の宝石がチェーンでぶら下げられ、真ん中分けになった額中央で留まっている。

 

 精霊達の中では特に装飾品に関心が強く、身に着けている多くは、古代において契約していた王族からの捧げもの。

 服装も当時の物を参考にしており、絹のような光沢がある。両肩でピン止めをする様式で、肩が露出してしまうノースリーブである為、服の上から(つや)やかなストールを羽織っている。

 

 おおよその移動経路を絞り込み、倬と精霊達が何度も挑戦した結果、やっと目を覚ましてもらうことが出来た。姉弟である“闇の精霊”宵闇様との契約を成功している事もあり、倬の力を試す形で契約に応じてくれた。

 

 精霊魔法“護光”発動の中心となって、世界に大量の流れ星を降らせた。

 

 かつて、精霊達の言う“過ち”であり、“大異変”発生の引き金となった現場に契約者の少女と共に居た。その際に多くの力を損耗しており、ある程度回復できたのは最近の事。

 

 妖精の名前は、ひかりちゃん。逃げられた“幼精”とはまた別の妖精で、「だぞー」と語尾をのばした喋り方が特徴。

 

 “寝床”は【ハイリヒ王国】の外壁に利用されている大岩。他に【神山】にある岩や大木、女性を象った立像等を仮の“寝床”として移動出来る。

 現在の場所は、精霊界の大物である光后様が落ち着くにはあまりに人の住処に近いため、引っ越しを検討中。

 

――主要な学校関係者――

 

南雲ハジメ

 天職はトータスにおいてありふれた“錬成師”だった。

 

 【オルクス大迷宮】での訓練中、“錬成”を活用した独自の戦闘方法で女生徒を庇い、撤退に貢献した。だが、自身はクラスメイトの“火球”に吹き飛ばされ、奈落へと落ちてしまう。王国では死亡認定されているが……。

 

白崎香織

 召喚前、倬とはメッセージアプリで時々連絡をとり合っていたが、肝心の南雲ハジメのIDは聞き出せていなかったらしい。

 

 ハジメが奈落に落ちたショックにより数日間、眠り続けた。目覚めた後は、その生存を信じて【オルクス大迷宮】攻略に参加する。

 

 天職は“治癒師”。

 

八重樫雫

 倬とは偶にメッセージをやり取りする程度の仲。やり取りを二往復で終わらせようとする倬の癖に気づいていた模様。

 

 眠り続けた香織に寄り添い、親友の想いを汲んで、南雲ハジメの生存を願う。

 

 【ヘルシャー帝国】に招かれた際、皇帝と色々あった。

 

 天職は“剣士”。

 

天之河光輝

 正義感暴走系イケメン。

 

 召喚後、六十日が経過した頃に【ヘルシャー帝国】へ招かれ、御前試合を行ったが、身分を隠した皇帝に破れる。それを期に、更に訓練に励むようになった。

 

 天職は“勇者”であり、人間族の救世主として期待されている。

 

坂上龍太郎

 倬を何となく苦手だったが、一人で修行に行った根性は認めているらしい。

 

 天職は“拳士”で、光輝の親友として腕を磨いている。

 

谷口鈴

 倬との初めての会話は召喚後に【オルクス大迷宮】で身を守っていた時だった。

 

 流れ星で埋め尽くされるような空について、「何を祈ったのかは内緒」との事。

 

 天職は“結界師”。

 

中村恵里

 鈴と同様に、倬とは召喚されてから初めて会話した。

 

 天職は“降霊術師”だが、死体を操作の魔法に嫌悪を覚えるとして使用を避けている。

 

辻綾子

 【オルクス大迷宮】で倬と同じ班だった女子生徒。

 

 流星群を見て“里”の様子を気にしていたが、「メルド団長が後衛に発破をかける時に名前を出してたせい」との事。

 

 天職は“治癒師”。

 

野村健太郎

 【オルクス大迷宮】の訓練で倬と同じ班だった男子生徒。撤退時、倬から“ノムさん”、“監督”等と呼ばれてしまう。

 

 “仲良し”の永山重吾ともう一人と共に流星群を見ていた。「正直あれは怖かった」との事。

   

 天職は“土術師”。

 

永山重吾

 【オルクス大迷宮】で一人懸命に戦っていた所、倬から“ド〇ベン”と呼ばれ、後衛のカバーを任された。

 

 流星群を眺めに広場へ行った綾子を気にする健太郎を見て、もう一人の親友と笑いあった。

 

 天職は“重格闘家”。

 

吉野真央

 【オルクス大迷宮】撤退時には、倬の援護を担った。倬とまともに会話したことはまだ無い。

 

 星降る夜の綾子との会話で、倬は見る余裕が無いのではと予想していた。「願い事し放題で楽しかった」との事。

 

 天職は“付与術師”。

 

畑山愛子 二十五歳

 社会科教師。“あいちゃん”。

 畑山先生と名字で呼ぶのは倬くらいのもの。

 

 天職は非戦闘系の“作農師”であり、戦いを拒む生徒達に訓練を強制させない事を条件に、各地の土壌改善に貢献している。

 

 当時疲れから熟睡していて、流れ星は見れなかった。

 

檜山大介

 香織を気にしていて、特にハジメに絡んでいた男子生徒。

 

 現在は【オルクス大迷宮】攻略メンバーとしてホルアドに宿泊している。

 最近、何時もの四人組との付き合いが悪くなったらしい。

 

 天職は“軽戦士”。

 

中野信治

 ハジメに絡んでいた男子生徒の一人。

 

 【オルクス大迷宮】攻略メンバーの一員。

 

 天職は“炎術師”。

 

斎藤良樹

 ハジメに絡んでいた男子生徒の一人。

 

 【オルクス大迷宮】攻略メンバーの一員。

 

 天職は“風術師”。

 

近藤礼一

 ハジメに絡んでいた男子生徒の一人。

 

 【オルクス大迷宮】攻略メンバーの一員。

 

 天職は“槍術師”。

 

〇“愛ちゃん親衛隊”

 

園部優花

 やや鋭い眼つきに勝気な性格で、“ギャル”っぽく見られてしまうが、実はちゃんと周りを見ている女子。

 

 【オルクス大迷宮】の混乱の中、一早く冷静さを取り戻した。

 

 現在は各地を回る畑山愛子先生の護衛として同行する、“愛ちゃん親衛隊”の一員として活動中。

 

 天職は“投術師”。

 ⇒投擲武器は当然、“投げる”事に長けた天職。ナイフ等に属性魔法を付与して更に威力を上げることも出来る。

 

清水幸利

 もの静かな男子生徒。

 

 現在は“愛ちゃん親衛隊”の一員となっている。彼の親衛隊入りは、生徒達にとっては意外だったようだ。

 

 天職は“闇術師”。

 

菅原(すがわら)妙子(たえこ)

 おっとり系ギャル風の見た目だが根は真面目な女子生徒。

 

 “愛ちゃん親衛隊”の一員。

 

 天職は“操鞭師”。

 ⇒鞭のようなロープ等の扱いに長ける天職。

 

宮崎 奈々

 基本的にノリの軽い女子生徒。王国から外に出る事を選べる位には周囲を見れている。

 

 “愛ちゃん護衛隊”の一員。

 

相川 (のぼる)

 後述の明人と淳史と一緒に行動している男子生徒。

 

 “愛ちゃん護衛隊”の一員。

 

仁村(にむら)明人(あきと)

 “愛ちゃん護衛隊”の一員の男子生徒。

 

玉井(たまい)淳史(あつし)

 “愛ちゃん護衛隊”の一員の男子生徒。

 

 天職は“曲刀師”。

 ⇒武器格闘系の天職で、曲刀の扱いに長ける。彼は二刀流のようだ。

 

○日本にいる学校関係者

 

天歳(あまどし)マイケル 軟式庭球部員 

 倬と同学年の男子生徒で、レンズが大きめな眼鏡をかけた米国人と日本人のハーフ。

 運動神経抜群、英語・西(スペイン)語・日本語のトリリンガルで、苦手教科は古典のみと頭も良い。そばかすがチャームポイントのイケメンでもあるのだか、話題がほぼ麻雀のせいで、あまりモテない。

 

 麻雀がやりたくて父親の実家から近い日本の高校に進学した。麻雀部が無くて落ち込んでいたところ、何故か部活見学で麻雀大会を開いていたソフトテニス部を見つけて入部する。

 

 無茶な打ち方をしたがり、倬は“積み込み”と“ツバメ返し”の練習を付き合わされた事がある。

 

 部長と特に仲が良い。

 

――王国関係者――

 

メルド・ロギンス 王国騎士団団長

 現在は【オルクス大迷宮】にて生徒達に訓練を施す日々を送る。

 

 倬が書いた報告書は全て確認しており、指導の際にたまに名前を出すことがある。

 

ティネイン・マージメント 司書 二十一歳

 実質的に倬の担当司書みたいなことになっていた、前髪ぱっつんの好青年。

 

 倬が旅に出てからは、司書長ノーベルトと共に物語研究に打ち込んでいる。

 

 妻帯者で、二歳になる娘がいる。

 ※その娘はこの頃からよく喋るようになった。

 ※妻の名前はライラ。

 

ノーベルト・W・ホンスキト 司書長 七十歳くらい

 薄い白髪、長い鼻、小さな四角い眼鏡をかけた曲がった腰のおじいちゃん司書。

 

 倬が旅に出た後、ティネインと共著で書籍を執筆、出版した。

 ※この頃に出版を許された書籍のタイトルは【お伽噺の今昔(いまむかし)】。

 

ツェーヤ・オバンサ 中年魔女教官 「レディに歳なんて聞くもんじゃないよ」

 とんがり帽子に黒ローブの、如何にも魔女な姿の豪快な中年女性。三児の母。

 

 倬の“里”行きを後押しした一人。

 

 現在は“里”で倬の報告書と共に作った薬を王国に送る日々を過ごす。流星群到来を吉兆か凶兆かと師祷ソルテに尋ねていた。

 

アラン・ソミス 王国騎士

 倬の修行に賛同して、“里”までの護衛として同行した。王国からは倬が逃げ出さないように監視の任を与えられているが、師祷ソルテとの取り決めに従い、あくまでも見守る事に専念している。

 

 リアクションが良いと、師祷ソルテから頻繁に驚かされる毎日。

 

 王国でも予言できなかった流星群の意味について、判断を保留した。

 

――祈祷師の里や精霊様を知る人達――

 

ソルテ・C・ソルセル 祈祷師・師祷

 “お山”を拝む一族の長。御年九十歳を越えている。

 

 倬が試練を乗り越え、“お山様”である土司様と契約したことで、直接会って話が出来るようになった事を心から喜んでいる。

 

 ※“お山様”経由で倬から子供用の服を頼まれた際も、“里”総出で協力した。

 

 趣味は気配を弱めて誰かを驚かす事。

 

 ミドルネーム“C”は“契りし一族”という意味。

 

ニュアヴェル・C・ソルセル 祈祷師・祈り手 十八歳

 “師祷”ソルテの孫娘で、次期“師祷”。

 おかっぱ頭の物静かな少女で、ぼーっとして虚空を見つめていることが多い。

 

 当初、弟扱いしていた倬の修行に望む態度を心配していたが、心配しない事に決めたらしい。最近は、“お山様”の妖精つっちーと一緒に修行に励みながら、フルミネの心配をしている。

 

 流星群の原因が倬だと知り、何故か自慢げ。

 

フルミネ・モンド 祈祷師・祈り手 二十歳

 里出身でニュアヴェルの幼馴染。寺で修行する祈祷師の一人。長身、角刈りの生真面目な青年。

 

 試練を乗り越え、旅を続ける弟弟子の倬を何だかんだ心配してくれている。

 

 現在“第三の試練”に挑戦中。

 

リューレ・B・コンビュ 霊媒師・族長

 師祷ソルテの幼馴染で、オソレの荒山を管理する優秀な“霊媒師”であり族長。御年九十歳を越えていて、腰痛を緩和する目的で闇魔法“優痛”を愛用している。

 

 ミドルネームの“B”は“焚き上げ担いし血族”と言う意味がある。

 

 リューレは“祈祷師の里”出身だが、その才覚故に族長に選出された。ミドルネームはその時受け継いでいる。

 

 流星群の訪れを、荒山を管理する他の“霊媒師”達と共に見届けた。

 

アモレ 賢者

 【トータス童話集】第一章の二ページ目に載っている“風の大賢者”のモデルになった人物。

 

 大陸北東にある風の渓谷に墓標があり、そこに残されていた魂を呼び起こしたことで、霊体のアモレと出会うことが出来た。外見は嫌味の無い良い男だが、ノリが不思議な人でもある。

 

 天職が“賢者”であったらしく、これは非常に珍しい。もともと風魔法が得意で、その魔法を気に入った“風の精霊”と契約していた。風姫様が家事全般を得意としているのは、アモレが全くできなかったせいなのだとか。

 寝ぼけて研究中の大魔法を起動してしまった事が、童話に書かれた“豪嵐”の原因。

 

 残された膨大な研究資料の分野は多岐にわたり、倬は現在も少しずつ読み解いている所。

 

スティナ・カヴァディル 教会の娘 十四歳

 髪は赤茶色のウエーブのかかったロングヘア。くりくりした目がチャームポイント。

 

 倬達が教会を掃除していた所で出会い、祖父の病を診て欲しいと頼んだ。

 

 自身が寝込んでいた本当の原因を知り、受け止め切れず家を飛び出したところ、賊に捕らわれてしまった。その後、倬によって助けられ、真実を受け入れる決意を固めた。

 

 最近では“音の妖精”ねねちゃんと一緒に町を散歩したりして、将来に備えて体力作りに励んでいる。その最中に地球の歌を口ずさんでいたら、その歌声がご近所で話題になり、不定期だが教会で歌を披露する事が恒例になった。

 

 これによって、ダンディーンの荒くれ者達も、スティナ目当てで教会にやってくるようになっているらしい。

 

ディジオ・カヴァディル 牧師 六十八歳

 白髪交じりの短髪。口の悪い頑固爺だが、情には厚い。

 

 孫娘を救うべく使用した魔道具の効果による酷い痛みで、身動きが取れなくなっていた。

 

 当初は倬を信用していなかったが、痛みを弱めた上で原因を見抜かれ、真実を語った。

 

 近頃はスティナに近づこうとする男連中を追い払う為、散歩に同行するようになった。音々様とねねちゃんの可愛らしさに骨抜きになっており、精霊崇拝に改宗しようか本気で検討しているらしい。

 

 スティナが体力作りを頑張っている理由を察して、先々の事を心配している。

 

ピグレー・ミン ミン男爵家次男 十歳

 名家・ミン男爵家の次男であり、将来を嘱望されている少年。プームと言う兄がいる。

 

 習い事の帰り道に“バーデヴァッサー”と言う賊グループによって拉致されてしまった。【ライセン大峡谷】での戦闘の末に倬によって助けられる。

 

 精霊の存在についても知っているが、誰にも言わないと約束してくれた。

 

 最近では、いつか世界を見て回りたいと魔法の勉強にも力を入れるようになった。 

 

ビアン・サディール 魔人族の少女 四歳

 魔人族領でも辺境を管理し、農業も担う家の娘。

 

 幼馴染のカーロラについて遊んでいたところを、魔人族のギャングに攫われてしまった。

 

 人間族である倬を最後まで信頼出来なかったが、助けてくれたお礼にしてくれた話は、“黒死の洞窟”へ向かう手がかりになった。

 

カーロラ・フラフズ 魔人族の少女 五歳

 魔人族領辺境における土地管理と酪農を担う家の娘。

 

 ギャングに誘拐されてしまったが、倬によって魔人族領に帰ることが出来た。

 

 精霊達に気を許して、倬の事もあまり怖がらなかった。物怖じしない性格で、ちょっと危なっかしい。倬へのお礼にお話を聞かせる事を提案したのはカーロラだったようだ。

 

ミーヤク 闇の賢者

 古代における闇魔法研究の第一人者で、“闇の精霊”との契約を成功させた人物。

 

 宵闇様から“突き抜けた研究馬鹿”と言われてしまう程で、研究の為なら倫理観を無視できてしまう。ディジオ・カヴァディルが手に入れた魔道具“烙却(らくきゃく)のこて”の製作をしたり、強力な惚れ薬も作っていた。

 

 彼の研究も倬に引き継がれている。

 

 倬が多用する闇系魔法は、ミーヤクが開発した魔法を参考にしたものが多い。

 

マイヤー・スクエ 村娘 十八歳

 【中立商業都市フューレン】近くの村の娘。

 

 魔人族領の区長ターブによって奴隷にされていた所を酒場で見かける。自分の事よりも、同時に魔人族領まで連れてこられた子供達を心配して、“お山”でも率先して子供達の相手をした。

 

 現在は夫であるオズマと共に故郷の村で暮らしている。

 

オズマ・スクエ 冒険者 二十三歳

 【中立商業都市フューレン】を拠点に、荷馬車の護衛依頼を多く受けていた冒険者。

 

 一年半の間、行方不明になった妻のマイヤーを探し続けていた。

 

 現在はマイヤーの故郷で療養中。マイヤーから倬にどうやって助けられたかの真相を聞かせてもらい、他言しない事を約束している。

 

――倬と関わった人達――

 

〇人間族

 

イルワ・チャング ギルド支部長

 金髪のオールバック、鋭い目つきで、三十代後半と言ったところの男性。冒険者ギルドフューレン支部の支部長であり、裏社会の事情にも詳しい。

 

 倬の異常な移動速度と、“フリートホーフ”傘下のグループを壊滅させた人物との共通点に気付きながら詮索することはなかった。

 

 【神山道中強者一会】に出てくる“通りすがりの魔法使い”のファンらしい。

 

ドット・クロウ 秘書長

 見るからに苦労性の男性で、イルワの秘書長。

 

 倬の事を怪しんでいたが、手続きに基づいて報酬を渡した。

 

 ※好きな童話は【世界樹に宿るもの】らしい。

 

レガニド 冒険者

 巨漢。腰に下げる大剣は、並みの冒険者では振るうのも難しい。

 冒険者ランクは“黒”。“黒のレガニド”、“暴風のレガニド”、“金好きのレガニド”などの通り名で知られているくらいには実力者で、普段はプーム・ミンの護衛をしている。

 

 二百万の報酬を得たらしいと聞いた倬を羨ましく見ていたところ、後をつける三人組に気づいて、追いかけてきた。

 

 ※倬の護衛で百万の報酬を得た後、豪遊した。残った十万ルタで賭場に行き、五千万ルタの大勝ちをしてしまう。そのまま勝ち逃げしようとして、賭場を取り仕切る闇組織“ザイルタンツェン”の下っぱ連中に目を付けられることに。流星群が降る夜も、彼は必死で逃げ回っていた。

 

エアリル・スゲイン 冒険者・治癒師 二十歳

 清楚系の美人。茶色のロングヘアを後ろで一本に編み、根元と編み込みの終わりをピンク色のリボンで結んでいる。後述のテファ、クラスト、バレツ、ラフィとは幼馴染であり、共に冒険者パーティーを組んでいる。

 

 大型の魔物討伐依頼を受けて山に入ったのだが、別の魔物に襲われ、神経毒によって身動きが取れなくなっていたところを倬の作った薬によって助けられる。

 

 商家スゲインの長女で、商売事に詳しい。その知識によって、倬の開いた露店の売り上げに大きく貢献した。

 

 お礼として倬に渡したペンは高度な魔道具であり、見る者が見ればスゲイン家の後ろ盾を悟らせるほどの一品。

 ※このペンで書いた文字を同じペンの反対側でなぞると、一時的にインクが金属粉を混ぜたかのように輝き、関係者同士の証明になる。

 

テファ・イバート 冒険者・拳士 二十歳

 活発そうな美人で、黒に近い茶髪のストレートロング。両手のガントレットを活かして繰り出される拳は強烈。

 

 目的の魔物は討伐したものの、襲ってきた別の魔物にあばら骨を折られながら気丈に振る舞い、倬に助けを求めた。

 

 名家イバートの末娘で、他の貴族の元へ嫁ぐことを期待されているが、本人は恋愛結婚をしたいらしい。ただし“セクハラ”には鉄拳制裁を辞さない。

 

 倬へのお礼として、テファ・イバートの恩人であることを証明する手紙を倬に渡した。

 ※イバート家は王国、帝国両方に影響力を持つ程の古い名家。帝国の成立にも直接関わっている。

 

クラスト・ウドライ 冒険者・戦士 二十一歳

 金髪のツンツン頭でやや童顔だが、中々のイケメン。

 

 実力は申し分ないが突っ走り気味で、無警戒に山奥へ向かったことが結果的に悪い方に働いた。当初は山奥に現れた倬を警戒していたが、後に謝罪している。

 

 父親が商家スゲインで邸宅の警備をしていた事が縁で、エアリル達の幼馴染となった。

 

 ※傭兵団ダークズとは割と馬が合うらしく、一緒に星見酒をしたそうだ。

 

バレツ・ウォート 冒険者・狩人 二十五歳

 赤褐色に近い髪色で短いモヒカン頭の、日焼けした大男。

 

 中遠距離の戦闘では魔法に頼りがちなトータスにおいて珍しい、“弓使い”系の天職“狩人”の持ち主である。“狩人”は視力や聴力などに優れ、周辺警戒が得意なのだが、“オオムカデ”の察知に間に合わなかった。

 

 倬が何か目的があって旅をしているのだと察してくれる位には、大人な人物。

 

 仲間達と知り合ったのは両親がイバート家の土地で小作人をやっていた縁。

 ※ラフィとの結婚は身分違いのせいで色々と苦労したらしい。

 

ラフィ・ウォート 冒険者・軽業師 二十四歳

 バレツの妻であり、淡い緑色のバンダナを頭に巻いた小柄な女性。旧姓はユギサキ。まだ大きくなる前だが、お腹にはバレツの子供がいる。

 

 母親がエアリルとテファの乳母と家庭教師を兼ねていた為、ラフィは二人の姉のような存在。

 

 幼馴染の仲間を助けてくれたことを倬に感謝した。

 

 ※“軽業師”は、一撃一撃の攻撃力は無いが、軽い身のこなしを活かしながら、投擲武器も使用する珍しい天職である。

 

サラニ・アリナミ 屋台の店主 五十八歳

 見た目は威勢のいいおっちゃんだが、実はアリナミ総業と言う北大陸南寄りに影響力を持つ商業組合の前代表だったりする。三年程前に干したシイドダケの出汁(だし)に出会い、その魅力にとりつかれて代表を退き、屋台の店主に専念するようになったそうだ。

 

 ダンプタンスープの決め手であるキノコの出汁を言い当てた倬を気に入って、色々と世話をしてくれた。倬の狂言に乗っかってくれている位にはノリが良い。

 

 ※ちなみにアリナミ総業現代表は彼の息子で、コレゾ・アリナミである。

 

ルノ 傭兵団ダークズ団長 二十三歳

 「~だ、と」のように独特な語尾をつけて話す赤髪の男。【ヘルシャー帝国】出身の元ヤンキーで、仲間と共に傭兵団を立ち上げた。

 

 隊商の護衛任務で“露店街道”まで訪れ、そこで見かけたエアリルを気に入り、ナンパしようとしていた。倬によって“ヤマイワキッカラ病”を患い、それどころでは無くなった。

 薬代を露店の手伝いで相殺すると言った倬に対して、最敬礼をして見せる。

 

 傭兵団ダークズは、副団長のドルーを始め、如何にも三下っぽいウツジ、ヘルメットみたいなレザーヘルムを被るミハット、発言に品の無いヒッズの他三名が基本メンバー。

 

 ロマンチックな星降る夜も、薬の効果よって()()は使い物にならなかった。“元気になる薬”を求めて奔走中である。

 

ドルー 傭兵団ダークズ副団長 二十四歳

 スキンヘッドに丸いサングラスが特徴で、遠くから見ても彼だとすぐ分かる。ダークズの集合場所。

 

 口数は少なく、いざと言う時は容赦がないと仲間からも恐れられている。“露店街道”ではテファに一目惚れして、声をかける前に腕を掴んでしまったのが原因で、強かに殴られた。

 

 ※流星群の下でテファに交際を申し込むが、星と一緒にフラれてしまった。

 

ヴィント 露店商・錬成師

 暗めの赤いマントを纏った“錬成師”の男性で、装飾品を取り扱う露店の店主。基本的に無表情で、顔から感情を読み取れるのは妻のルツィア位。

 

 倬が持ち込んだ鉱石と、それを用いた魔道具の発想を聞かされて興味を持ち、依頼を受けた。

 

ルツィア 露店商・錬成師

 白を基調としたマントを纏った“錬成師”の女性で、ヴィントの妻。ワザとなのかと疑ってしまうほどに足が遅い。

 

 倬がヴィントに依頼したネックレスを直接持ってきてくれた。

 

 ※ヴィントが装飾品の職人を始めたのは彼女の勧めがきっかけ。

 

〇魔人族

 

サイエン・マッドソン 博士・教授 三十八歳

 魔人族の男性。天才であり、天災。雷を発生させる岩――神鳴岩――を発見して以来、“雷力”の研究に夢中。

 

 生活エネルギーとしての電力の活用方法まで単独で辿り着き、研究所には試作の電化製品が並んでいた。

 

 作り出した“雷石”は使い捨てであってもかなり強力だったが、 神鳴岩無しでは大量生産は難しいらしい。

 

 研究所焼失の責任を問われ、南の海洋調査をしていたところ、高波にのまれてしまい、現在行方不明である。

 

ヤンナ・イライーダ 元文官 二十四歳

 マッドソン研究所に都からの依頼を持って来ていた魔人族で、女性の文官。仕事そっちのけで研究に予算を使うサイエン博士のお目付け役でもあった。

 

 研究所焼失を防げなかった責任によって、研究所所属へと配置換えされてしまった。

 

 泣きべそをかきながら海洋調査をしていたところ、恋と一緒に海に落ちた。行方不明。

 

ハッセ・ディキル 研究員 二十五歳

 ヤンナ女史を除いた十三名の研究員達の中で、最も普遍的な価値観を持ちながら、マッドソン教授の考えを理解できると言う地味に凄い人物。

 

 舟から投げ出されそうになったヤンナ女史を助けた。現在は行方不明。

 

ニトナ・リュッダ 魔人族兵士 二十三歳

 髪型は襟足より少し高い位置で束ねたセミロングのポニーテール。切れ長の猫目で、身長が高く、きつそうな印象よりも凛々さを感じさせる魔人族の女性。

 

 倬とは魔人族領の“モグリ酒場”で出会い、自らの事を“フリード様のお側付きになり隊”隊長と言い、フリード・バグアーや区長ターブついて教えてくれた。

 

 “モグリ酒場”の店主を含め、一緒に呑んでいたメンバーは体力馬鹿仲間だったようだ。

 

フリード・バグアー 魔人族兵士

 【シュネー雪原】にある氷雪洞窟を攻略した、魔人族の英雄。魔人族が魔物を操り始めたのは、彼が変成魔法を獲得したための様だ。

 

 “聡明で、気高くて、慈悲深くて、強くて、そして何より美形”の好漢だとニトナ隊長は言っていた。

 

――倬と戦った者達――

 

ゲイルゾ “バーデヴァッサー”リーダー

 人身売買の元締め“フリートホーフ”傘下、チーム“バーデヴァッサー”のリーダー。

 野心家で、“フリートホーフ”から独立する為に、仲買人(ブローカー)から手に入れたアーティファクトを活用し、魔人族との取引を行い資金を稼いでいた。

 倬によって殺された。

 

 【ライセン大峡谷】での取引に赴いた“バーデヴァッサー”六人の内、五人が倬によって殺されている。

 

ホルガー 売人

 “バーデヴァッサー”の一員。目が良い。悪党。

 倬によって殺された。

 

ユスリス 売人

 “バーデヴァッサー”の一員。ガチの変態。悪党

 倬によって殺された。

 

フーディル ギャングの頭目

 魔人族側の人身売買の中心。“神”に対する信仰心の厚い魔人族では割りと珍しい純然たる悪党。魔法の才能もずば抜けている。

 倬によって殺された。

 

 【ライセン大峡谷】での取引に赴いたギャング六人の内、五人が倬によって殺されている。

 

ウメルゴ ギャング

 魔人族で、フーディルを崇拝している。悪党。

 倬によって殺される。

 

トーメル ギャング

 魔人族で、ホルガーを気に入っていた。悪党。

 倬によって殺される。

 

ターブ 区長

 魔人族領の地方を管理する区長。

 

 祖父や父は優秀な魔人族で良き区長だったが、恵まれた環境で歪んで育ってしまった男。人間族の若い女性を奴隷にして見せびらかすと言う悪趣味を持ち、魔人族の戦士としての誇りは完全に失っている。

 

 ギャングを利用した奴隷売買と金の貸付によって、区長としての報酬以上の利益を得ていた。

 

 倬がかけた闇魔法“蒙怨(ぼうおん)”の影響で、周囲に居る者の苦痛や嫌悪を直接感じさせられ、人間不信に陥った。

 

 現在は、古くから仕えるメイド長が区長の代行をしている。

 

ヒーケ 部隊長

 髭が特徴の魔人族の兵士で、部隊長。

 

 氷雪洞窟からの帰還場所を見張っていたところで、倬と遭遇し、戦闘になる。

 

 戦闘になった部隊メンバーの殆どは訓練をサボりがちな素行不良の寄せ集めだったが、ヒーケを中心にした連携の練度は高かった。

 

 倬との戦闘により死亡している。

 

カルク 魔人族兵士

 任務中でも軽口を絶やさない魔人族の兵士。

 

 倬との戦闘により死亡。

 

ウエイ 魔人族兵士

 任務をノリでこなそうとする魔人族の兵士。

 

 倬との戦闘により死亡。

 

ジーマ 魔人族兵士

 鋭い目つきの女兵士で、ヒーケの事を先輩と呼んでいた。

 

 魔法の遅延発動を強力に補助する大きな杖のアーティファクトによって、無詠唱で上級魔法を使い、倬を驚かせた。

 

 倬との戦闘により死亡。

 

ハリビ 魔人族兵士

 剃り込みの入った坊主頭で、“治癒師”の兵士。

 

 城内勤務に配置換えになったオジーナに代わり、ヒーケの部隊に配属された。ヒーケによると“治癒師”としての腕はハリビの方が上らしい。

 

 倬との戦闘により死亡。

 

ヤツイ 魔人族兵士

 十代後半の若い兵士。

 

 仲間達から唯一の優等生と言われ、ただ一人報告に走るよう命令された。

 

 追いついた倬の闇系魔法“誑惑(きょうわく)”により、戦闘した相手を魔人族の裏切り者だと思い込まされてしまった。

 

霜中倬の“鏡像”

 氷雪洞窟における最後の試練で対峙する事になる、大迷宮挑戦者の潜在意識を映し出した存在。倬の悪性を煮詰めた様な性格。

 

 大迷宮の試練であっても精霊の力は再現できず、倬によって倒された。後に倬が呼び出したシュネーのコピーに絡み、憂さ晴らしをしたらしい。

 

 自身の事をオルタ・タカ・シモナカと自称して、「俺の事は親しみを込めてオルタカ君と呼ぶと良い」だそうである。

 

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 原作アフターを見直していた所、大変な設定を見逃していた事が発覚致しました。

 それは、“彼らが召喚されたのは高校一年の中頃”と言う設定です。参考;【原作アフターⅡありふれた学生生活①】

 おそらく、アフターで起こるイベントを考慮しての追加設定なのだと思われます。

 高校二年生で転移して仮に約半年で帰還したとすると、帰還後直ぐに進学や就職などの進路を決める事になってしまって、各イベント所ではなくなってしまいますからね……。

 年齢の話に戻しますと、中学卒業後すぐに高校に進学したとすれば、高校一年時の年齢は十五から十六歳になります。

 本作主人公・霜中倬は意図的に誕生日を“四月一日の早生まれ”としているので、設定にのっとれば彼は現在十五歳。高校二年生になってやっと十六歳です。

 原作主人公・南雲ハジメさんについては、原作でも十七歳に固定されているので、“なんやかんやあってスロウスタートしてたので当時十七歳でした”でも奈落に落ちる前から見せていた鋭さの根拠としてアリな気はするのですが、原作の主要メンバーである勇者組も十七歳設定となると、年齢設定が気になって落ち着きません。

 そこで、特に原作読者様には違和感を与えてしまうとは思うのですが、ステータスプレートで判明する原作主人公及び同級生の年齢について十六歳に統一しています。

 では、ここまでお読み頂き有難うございました。

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