すたれた職業で世界最高   作:茂塁玄格

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何とか設定まとめましたので投稿です。
こちらも暇つぶしになれば嬉しいです。


【研究メモ(抜粋)】

【ライス・バンセルの研究メモ(抜粋)】

 

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・地球世界

 魔素と魔力に頼らない世界の一つ。

・トータス世界

 魔素と魔力に満ちた世界の一つ。

 

・“世界”の比較

 “世界”はそれぞれ独立しており、相対比較することで“上位”、“下位”と言った差が顕在化する。

 

 上位世界出身者が何らかの方法で下位世界に移動すると、下位世界の能力平均を上回る“強い力”を発揮することが出来るとされる。※発揮される力の強さは世界の差に依存する。また、上位世界出身者が“強い力”を宿さなかった事例もある。

 

 相対比較の詳細については【魔導天文学】にて定義付けがなされ、【魔力工学】に計算方法が詳しい。

 

・魔法

 魔素、魔力を用いて求める現象を引き起こす方法のこと。

 

 基本的に、求める現象に応じた魔法式を組み込んだ魔法陣に対し、式に従った詠唱で必要な魔力を注ぐことで魔法を発動させる。

 

――魔法適性

 魔法運用には人それぞれ適正が存在する。適性が高いほど、魔法発動に必要なプロセスを省略した上で強い影響力を行使することが出来る。

 

 適正により省略した魔法陣や詠唱は“イメージ”により補完される。

 

――魔法陣

 魔法陣は様々な魔法式を利用して構築される。

 

 魔法陣は紙に書き付ける場合と、鉱物に刻み込むの場合とで特徴が異なる。

 

 紙は持ち運びが容易な事と、必要に応じて複雑な魔法陣を用意し易いのが長所。ただし一度使用すると再利用は出来ず、質の高い紙であったとしても鉱物と比較すれば魔力効率は劣ってしまう。

 

 鉱物、それも、金属類に刻印したものは何度でも使用可能で、紙に比べて威力が落ちにくい。欠点は、重さと嵩張ること。また、地面に書く以外の方法では、特別な道具無しで作ることは難しい。

 

 また、魔石を粉末状にしてインクに混ぜたり、鉱物に刻み込んだりすると、魔力効率を三倍ほど高める事が出来る。

 

――魔法式

 魔法式には“基本五式”の属性、威力、射程、範囲、魔力吸収と“追加式”の誘導性、持続性等がある。殆どの人が適正を持っている為、基本的に省略される“制御式”には速度、弾道、拡散率、収束率等がある。

 必要な魔法式全てを書いた魔法陣は、初級・低級等の影響力の小さい魔法であっても、直径一メートルから二メートル程になってしまう。平均的な適正さえあれば直径十センチ程度で収めることが可能。

  

※魔法の根本原理は【魔素分類学】、適正は【魔導形質研究】に詳しい。

 

・魔物

 魔力の影響でその肉体が強化されている生物たち。

 体内には、抱え込まれた力の塊であり、結晶である魔石を持ち、固有魔法を発現している。

 

 魔物の肉は人間にとって猛毒で、肉そのものと言うよりは、魔石を介して、体内を巡り変質した魔力が毒として働くとされている。変質した魔力の肉体を強化する働きが臓腑を侵食し、身体がボロボロに砕けて死に至ると言われる。

 

 魔物の毒を克服する方法はいくつか存在するが、毒を抜いたとしても大抵は硬い肉質と肉食動物と似た臭みにより、食用には適さない。

 

※変質した魔力が生体に与える影響と、その機序については【魔導生化学】、【魔導生理学】、【魔法生物学】等を参照の事。

 

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――トータス世界の自然――

 

・トータスの大地

 一枚の広大な大地を持つ。

 北部に山岳地帯が集中し、東部に森林地帯、南部の森林寄りに雪原、西部に砂漠が広がる。砂漠と森林地帯の間には大規模な峡谷が存在し、大陸を南北に二分している。

 

――北の山脈地帯

 千から八千メートル程の標高を誇る山々がそびえる山脈。

 

――ハルツィナ樹海

 大陸東側にある木々が生い茂り、霧に漂われた森林地帯の名称。大樹と呼ばれる巨大な木が存在する。

 

――シュネー雪原

 大陸南側、樹海寄りにある雪原地帯。その奥地には【氷雪洞窟】が存在する。

 

――グリューエン大砂漠

 大陸西側にある砂漠地帯。巨大な岩のような山である【グリューエン大火山】が存在する。

 

――ライセン大峡谷

 東西に伸びる大規模な峡谷。

 

・古代の大地

 一枚の広大な大地の中央に、なだらかだが巨大な山があった。その山からは南北に大河が流れ、東西に向かって川が流れることで、大地を大きく四つに分けていたと言う。

 

 全体的な自然の在り方は現在と近いが、北部には丘が多く存在し、東部に森林地帯、大陸最南端に雪原、西部に砂漠があった。

 

・人類と種族

 人間族、魔人族、亜人族の三種族が存在する。

 

 人間族は北大陸一帯、魔人族は南大陸の雪原と砂漠の間に国を構え、亜人族は森林地帯【ハルツェナ樹海】の奥で暮らす。

 

 人間族は数の上で他種族を圧倒し、魔人族は高い魔法適正を誇る。亜人族は種族内に多様性を持ち、高い身体能力を示す。

 

 中でも亜人族は魔力を持たず、魔法を使えない事を理由に差別が正当化され、捕らえられた者達は奴隷にされている。

 

・七大迷宮

 トータスにおいて危険地帯と認識されている七か所をまとめてこう呼ばれる。

 

 【オルクス大迷宮】、【ハルツェナ樹海】、【グリューエン大火山】が迷宮として認識されており、【ライセン大峡谷】、【氷雪洞窟】が有力視されている。残り二か所は完全に失伝している。

 

・【神結晶】と【神水】

 【神結晶】は歴史に残る究極の秘宝の一つ。世界から失われたとされている伝説の鉱物。

 

 自然界に時折現れる“魔力溜り”に千年かけて蓄積した魔力が結晶化したものが【神結晶】。

 

 結晶が直径三十から四十センチ位まで大きくなると、結晶自体が魔力を蓄積し始める。数百年かけて飽和状態になった魔力が液体となって溢れ出したものが【神水】。

 

 【神水】の別名に“不死の霊薬”と言うものがある。トータスの神話に、神水を用いて人々を救うエヒト神のエピソードがあるのがその由来とされる。

 

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――トータス世界の社会――

 

・聖教協会及び【神山】

 人間族の唯一神であるエヒト神を崇める教会とその総本山。

 エヒト神により、上位世界から人間族を滅びの危機から救う“勇者とその同胞”がここに召喚された。

 

・ハイリヒ王国

 【神山】の麓に王都を構える王国。聖教協会と深い繋がりがあり、教皇達が伝えるエヒト神の“神託”が重視される。

 

 “勇者とその同胞”の活動拠点となった。

 

――【オルクス大迷宮】

 石自体が緑色に発光する“緑光石”の鉱脈があり、その一大産出地。内部の迷宮は地下に進むほどに魔物の強さが上昇し、魔石の質も良くなる。古くからこの事実が広く知られていて、兵士や冒険者達の訓練や腕試し、素材収集の場として管理されている。

 

――【宿場町ホルアド】

 【オルクス大迷宮】に挑む兵士や冒険者達向けの宿や商店、屋台などが並ぶ町。

 

・アンカジ公国

 グリューエン大砂漠の中にある国家で輸送の要所。

 

・海上の町エリセン

 砂漠を超え、西の海に沖合に存在する海人族の町。海人族は海産業に従事することでハイリヒ王国に保護され、町を持つことが認められた。

 

・中立商業都市フューレン

 ハイリヒ王国の東にある独立都市。

 

・ヘルシャー帝国

 フューレンの東に位置し、とある傭兵団が興した国であり、トータスにおいては新興国。

 

・王国ガーランド

 南大陸中央辺りに魔人族達が構えている国。魔人族は他種族と比べて人口が少ない為、高い魔法適性とその魔力量を活かすべく、幼少期から魔法の英才教育に力を入れることで、国民総戦士と言った様相を呈している。

 

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――トータスの文化――

 

・【トータス童話集】

 世界中のお伽噺や民間伝承を読みやすく編纂した童話集。

 

 中でも最初に書かれている“風の大賢者”のお話は、童話集が出版される以前から種族を問わず有名である。

 

・【神山道中強者一会】

  神山へ向かう軽戦士オーレヌ、重格闘家コワレン、魔法師ジュゼの三人組が、旅の道中で出会った強者達について綴った物話。

 

 物語終盤、商人を装った賊に騙されて金品を巻き上げられ、馬車から放りだされてしまった主人公たちが陥ったピンチを救う“通りすがりの魔法使い”は、この本の中で特に人気のあるキャラクターの一人。

 

 初稿では“通りすがりの祈祷師”だったらしいが、いつの間にか改変されてしまった。

 

・【世界樹に宿るもの】

 世界樹の根元で目覚めた少年が、森の妖精達と協力し、その森を再生していく様子をほのぼのと描いた物語。

 

 【樹海】が森の参考にされているのは明らかだが、亜人族は登場しない。

 

・【オアシス探訪笑遊記】

 主人公ハチヴェを含む五人の男たちが、徒歩で砂漠に点在するオアシスを訪ね歩いて海岸まで行く様子をコミカルに描いた物語。

 

 物語の途中、路銀に困った彼らは火山内部に侵入して鉱石の採集を行ったが、火山で見つけたお宝を売り払い、調子に乗って豪遊した結果、無一文となる話がある。

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――“祈祷師”について――

 

・天職“祈祷師”

 戦闘系天職の一つ。

 

 “一般の魔法を使用すると指定外の魔力消費が発生してしまう”と言う特徴があり、中級以上の魔法はまともに使用できない。余計な魔力消費をしない為に祈祷師専用の魔法が存在するが、その殆どは初級・低級魔法程度の影響力しかない。

 

 魔法職の中では、筋力値が比較的高い。“後衛の中の前衛”と言われるが、“中衛(オールラウンダー)には厳しい”と言う意味も含まれる。

 

 世間には知られていないが、古くから“祈祷師”が修行を積む“寺”が存在する。 

 百年ほど前を境に、“祈祷師の里”以外から“祈祷師”の天職を持って生まれた者は確認されていない。

 

 かつて“寺”で修行を積んだ“祈祷師”にハイリヒ王国に仕えた者が一人だけ存在し、【祈祷師の手引き】と共に大量の魔法陣を遺していた。

 

・魔法陣構築に使用するインク

 “祈祷師”が祈祷師専用の魔法を使うためには特別なインクが必要になる。

 

 材料は、術者本人の血に、五種類の木の皮と根を煮詰めた原液と魔石を使用する。一般の紙に書いた魔法陣であっても使い捨てにならない。

 

 この性質を利用して、予め紙に書きつけた魔法陣を束ねることで魔法書を作ることが可能。

 

・詠唱の短縮

 本来、魔法陣に使用される魔法式と詠唱は対応しているので、省略した魔法式に対応する詠唱も省略できる。しかし、祈祷師専用の魔法では、式を省略した魔法陣であっても詠唱を省略できない。

 

・設置型魔法の応用

 拳大の火を灯し続ける“火種”のような魔法を設置型の魔法と言う。

 

 設置型魔法には、魔法陣の中心から少し浮いた所に出現すると言う性質があり、この性質を魔法式で強制する事で、“密閉されていない空洞を持つ”という条件で、障害物を無視し指定した座標か、その付近に魔法を出現させることが出来ることが分かっている。

 

 出現座標の距離が自身から遠ざかる程に必要な魔力が増大し、指定したはずの座標からのズレが大きくなる。魔法発動を杖などで補助している場合、その杖の先端から三十センチ以内が魔法出現のズレを抑えられる距離となる。

 出現座標強制に魔力を割り当てる必要がある為、魔法の維持に必要な魔力と含めて、一般の中級魔法以上の魔力が必要になる。

 

 現在、祈祷師用魔法の影響力の低さを補う為に活用されている。

 

・追加詠唱

 “寺”に伝わる独自の詠唱であり、魔法名を告げて、発動した後の魔法に対して更に強化や効果の付与ができる。ただし、元の魔法が追加詠唱を想定した魔法式構成になっている必要がある。

 初めから指定してさえいれば一般の付与魔法より効率が良く、自由度が高いが、その性質上、即応性は乏しい。

 

 もともと魔法適性が高く、魔法式を省略できる者との相性は良い。

 

・連鎖魔法技術

 “寺”に伝わる魔法の相互作用を体系化した技術の名称。祈祷師用魔法の効果の弱さを補うべく整理されたもの。

 その多くは、「防御力を上げ(“硬々”)移動速度を上げ(“疾駆”)体当たりすると、その威力が増す」と言った程度のことで占められている。

 優秀な魔法師であれば当たり前に利用している考え方であるため、世間では特に名称はついていない。

 

――精霊について――

・精霊とは

 魔力と魂のみでその姿を保つ存在。

 

 遥か昔から存在し、星々の成立を見守っていたと言う。トータスの大地で生命の営みを眺め、人々の営みも興味深く見ていた。

 

 かつて求められるままに人々に対して力を貸していた末に大災害が起きてしまう。その大災害を自分たちの“過ち”によるものと捉え、“決め事”に従って力の使用を制限している。

 

 現在は、殆どの精霊が大地の奥底に“潜り”、眠っている。

 

・“お山様”、土司様

 “祈祷師の里”で祀られている精霊で、全身灰色で、のっぺりとした独特な姿をしている。

 古代において現在の“C”の一族と契約し、見守ってきた。

 

・妖精

 精霊が自らの力を分けて生み出したモノ。

 大抵、精霊よりも幼く見える。

 

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原作に無い文言を当たり前のように追加していくスタイル。

第二章は11/24金曜日の夕方頃に投稿します。

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