戦姫絶唱シンフォギアEX-AID 運命を変える戦士 作:狼牙竜
前回のサンタクロースの正体…は恐らく皆さん察しが付いているかもしれませんが、明らかになります。
では、クリスマス特別編2、スタート!
感想、評価が作者の原動力となります!
12月24日、夜11時50分。
S.O.N.Gの司令室では司令官、風鳴弦十郎が腕を組んで仁王立ちしていた。
「諸君、聞こえるか?」
モニターの向こう側にいる人物たちに問う。
『はい!バッチリ聞こえてます、師匠!』
立花響が元気よく返事をし、他のメンバーもうなづく。
「よし!ではこれより……
『メリークリスマスプロジェクト』を開始するっ!」
格好良く決める弦十郎だが、その頭にはサンタクロースの帽子が装着されていた。
――――――――――
クリスマス会は響達のコンサートとゲーム大会で大成功に終わったが、ある意味こっちが将也にとっての最重要ミッションである。
「でも、このためにわざわざ並行世界から神獣鏡を借りるなんて…」
呆れ顔の未来の首にはシンフォギアのペンダントが掛けられている。
数日前、将也は並行世界を渡り、『翳り裂く閃光』の世界へと訪れて向こうの弦十郎から神獣鏡のシンフォギアを借りたのだ。
「さて、始めようか?」
将也はゲーマドライバーを装着し、マイティブラザーズXXガシャットを取り出す。
それと同時に装者達もシンフォギアを握り、パラドもドライバーを装着。
《マイティブラザーズ!!ダブルエーックス!》
周囲にエナジーアイテムが配置され、将也とパラドは同時にドライバーにガシャットを挿入。
《ダブルガッシャット!》
《デュアル・ガッシャット!》
パラドの背後にもパーフェクトパズルとノックアウトファイターの画面が表示。
「だ~い…」
「マックス大…」
「「変身!!」」
《ガッチャーン!ダブルアーップ!》
《ガッチャーン!マザルアーップ!》
将也は仮面ライダーエグゼイド・ダブルアクションゲーマーレベルXへ変身し、すぐさまレベルXのボディをパージ。
《俺がお前で!お前が俺で!(ウィーアー!)マイティマイティブラザーズ!(HEY!)ダブルエーックス!》
ダブルアクションゲーマー・レベルXXに変身。
《赤い拳強さ!青いパズル連鎖!赤と青の交差!パーフェクトノックアウト!》
パラドも、仮面ライダーパラドクス・パーフェクトノックアウトゲーマー・レベル99に変身。
響達もシンフォギアを纏うが…
「やった!上手くいったよ!」
響達のシンフォギアはいつもと違い、7人全員がサンタクロースを思わせるデザイン…通称『クリスマスギア』へと変化していた。
「よかった…!ぶっつけ本番だけどちゃんとクリスマス型になった…!」
未来の神獣鏡はバイザーパーツがサンタの帽子に変化しており、装備されていた触手状のパーツは全てリボンへと変化、周囲を飛び回るミラーデバイスもサンタやトナカイの装飾が施されていた。
「やっぱり未来さん、とんでもないデス…」
このクリスマス型を手に入れるまでひと波乱あった切歌としては物凄く複雑な気分になった。
「すごいよ未来!すっごい可愛いって!」
響は未来に駆け寄り、褒める。
「そ、そうかな…?」
「そうだって!パラド君もそう思うよね?」
「何故俺に振る!?」
急に話に巻き込まれるパラドクス。
「えっと…どう、かな?」
身長差が激しいため、どうしても上目遣いになる未来に対し、パラドクス
は…
「そ、そうだな……控え目に言って……心がときめく…」
「は、はう………//」
予想外の切り返しに目を合わせられなくなる未来とパラドクス。
「はいそこ!いつまでもイチャイチャすんな!」
見かねたエグゼイド・XXRが間に入り込む。
「あ、悪い将也!」
エグゼイドはため息をつくと、周囲のエナジーアイテムの中から目当てのモノを見つける。
「よっと!」
《分身!》
すると、XXRが3人、XXLが2人に増える。
そして5人はそれぞれ別のガシャットを取り出し、起動。
《マキシマムマイティ!エーックス!》《ハイパー!ムテキ!》
《タドルレガシー!》
《BANG・BANG・SIMULATIONS!》
《爆走バイク!》《ドラゴナイトハンター!ゼーット!》
《マイティアクション!エーックス!》《デンジャラスゾンビ!》
8つのゲーム画面が現れ、5人のエグゼイドはそれぞれの動作を行う。
「ハイパー大!」
「術式レベルハンドレッド!」
「第伍十戦術!」
「超・爆速!」
「グレードX-0!」
「「「「「変身!!!!!」」」」」
ガシャットがドライバーにセットされ、5人の周囲をキャラクターパネルが旋回する。
《マキシマム・ガッシャット!ガッチャーン!レベルマーックス!》
エグゼイドR1はマキシマムマイティXガシャットを装填し、レバーを開いてムテキガシャットをマキシマムマイティの側面に接続し、各ガシャットの上部のスイッチを同時に押した。
《ドッキーング!パッカーン!ムーテーキー!》
巨大なエグゼイドの顔を模した鎧…マキシマムゲーマを纏ったエグゼイドは黄金の光とともにマキシマムゲーマから射出。
《輝け!流星の如く!黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキ!エグゼーイド!》
黄金に輝くボディとなったエグゼイドの超最強形態『ムテキゲーマー』へとレベルアップ。
続いて、エグゼイドL1はタドルレガシーガシャットが装填されたゲーマドライバーのレバーを展開、両手で扉を開けるように動かす。
《辿る歴史!目覚める騎士!タドルレガシー!》
純白の鎧を身に纏い、ブレイブは『レガシーゲーマーレベル100』に変身。
エグゼイドR2はガシャットギアデュアルβが装填されたゲーマドライバーのレバーを開く。
《ガッチャーン!デュアルアップ!》
ほかと違う音声が流れ、エグゼイドR2はスナイプ・レベル2に変身。周囲を戦艦型のメカ『シミュレーションゲーマ』が飛行する。
《スクランブルだ!出撃発進!バンバンシミュレーションズ!発進!》
戦艦をそのまま鎧として纏ったような外見となり、スナイプは『シミュレーションゲーマーレベル50』に進化。
エグゼイドL2は爆走バイクガシャットとプロトドラゴナイトハンターZガシャットを装填、レバーを開いてキャラクターパネルを蹴り、仮面ライダーレーザーのもう一つの姿『仮面ライダーレーザーターボ』へ。
そして、プロトハンターゲーマがレーザーターボの全身を覆う。
《爆走!激走!独走!暴走!爆走バイク!》
《アガッチャ!ド・ド・ドドド・黒・龍・剣!ドラ!ドラ!ドラゴナイトハンター!ゼーット!》
最強のプロトガシャットの力を発動させた『仮面ライダーレーザーターボ・ハンターバイクゲーマー』へとレベルアップ。
最後に、エグゼイドR3がプロトマイティアクションXガシャットオリジンとデンジャラスゾンビガシャットをゲーマドライバーにセットし、開く。
《マイティジャンプ!マイティキック!マイティーアクショーン!エーックス!》
《アガッチャ!デンジャー!デンジャー!デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!》
エグゼイドR3は体が黒い霧に包まれ、目の前にゲーマドライバーから表示されたディスプレイが出現。
勢いよくディスプレイを突き破り、仮面ライダーゲンムの強化形態『ゾンビアクションゲーマー・レベルX-0』に変身した。
「よし!準備は完了だ!」
エグゼイドが腕を軽く回し、周囲を確認。
目的のエナジーアイテムを見つけた。
そのデザインは、サンタ衣装を着てプレゼントの箱を手に持ったイラストが描かれている。
「あのアイテム…今まで見たことないけど…?」
響は、エグゼイド達が持ってきたエナジーアイテムが今まで見たことのないデザインだった事に気が付く。
「ああ。こいつは期間限定のレアアイテムだからな」
「そういうこった。今日明日しか使えない限定アイテムって奴さ」
エグゼイドとスナイプ(中身は全員将也だが)が答え、6人のライダーは同じアイテムを見つけ、発動させる。
《クリスマス!》
すると、突然雪が降り始めてライダー達の外見に変化が起きる。
エグゼイド達は全員頭にサンタの帽子を被り、エグゼイドとゲンム、ブレイブ、パラドクスにはサンタの髭が付いた。
さらに、スナイプとレーザーターボにはトナカイの角がくっつく。
「さ、サンタクロースとトナカイに将也先輩達が変身したデスよ!?」
「…ちょっと可愛い…」
切歌と調が感想を述べる。
これこそが『メリークリスマスプロジェクト』。
期間限定のエナジーアイテム『クリスマス』と『クリスマス型ギア』を使い、子供達にプレゼントを配るという計画だった。
因みに、このために弦十郎はわざわざギャラルホルンの起動まで許可してくれるなど、一番ノリノリなのはこのオッサンだったりする。
《では、予定通り6チームに分かれて、小児科病棟の子供達の元へと向かえ!》
「了解!」
チームはエグゼイドと響、ブレイブと翼、スナイプとクリス、レーザーと切歌&調、ゲンムとマリア、パラドクスと未来。
「ノーコンティニューで、プレゼントを配るぜ!」
――――――――――
その後。
こっそり起きてた子供達の何人かに目撃されるというアクシデントはあったものの、無事に子供達にプレゼントを配り終え、基地に戻る将也達。
「あ゛~……すっごい疲れた…」
その中でも疲労困憊の将也は現在、響の膝枕で横になっている。
「将也君、今回相当無理したもんね?」
「ったく、プレゼント配るためとは言えわざわざ分身まで使って最強形態5人同時変身とかムチャが過ぎんだろうが…」
苦笑いする響と、呆れ顔のクリス。
「でも、これで私達もパーティーが出来るデス!」
「早く食べよう?もう料理が並んでるし…」
切歌と調が将也を無理矢理起こし、両腕を引っ張る。
マリアや調といった料理が得意なメンバーが腕を振るった豪勢な料理と巨大クリスマスケーキを平らげ、全員が一息つく。
「さて……」
将也はどこからともなくたくさんの箱を持ってくる。
「宝条、それは…?」
翼が気になったのか、聞いてくる。
「メリークリスマス。これは俺からのプレゼントだよ」
6人の装者、未来やパラド、弦十郎や緒川といった頼れる大人達、そして友里と藤尭といったバックヤードメンバー。
この場にいた全員にプレゼントを渡す。
「…ありがとう、将也君…」
全員が驚く中、響がお礼を言う。
「ううん。寧ろありがとうを言いたいのは僕だよ」
あの日、響達は自分を救ってくれた。
パラドをこんな手のかかる相棒をいつも助けてくれた。
弦十郎達は大人として自分をサポートしてくれた。
正直、みんなにはいくら感謝しても足りないと思う。
「あの日から、仲間として迎え入れてくれてありがとう。そして…」
将也は響達6人の装者と向き合う。
6人とも、今では大事な仲間。
そして、いつか大事な『家族』となる人達。
「身勝手な僕の我侭を受け入れてくれて、僕と一緒にいることを選んでくれて………ありがとう」
将也の言葉に、みんなが暖かな笑みを浮かべる。
12月24日。それは皆に幸せが訪れる日。
彼ら、彼女らのこれからの幸せを祈り………
メリークリスマス
だいぶ短いですが、クリスマス編の裏側とその後です。
エナジーアイテム、クリスマスの存在を感想で書かれて思い出し、今回の話を書くに至りましたが、いかがでしたか?
というより、まさか各ライダーの最強フォーム(レーザーを除く)がクリスマスの番外編で先行登場になるとは、流石に考えていませんでした…
最後に今回少しだけ登場した神獣鏡のクリスマスギアと今作のエナジーアイテム、クリスマスに関して説明を載せます。
神獣鏡(クリスマスバージョン)
小日向未来が纏う特殊なシンフォギア。
色もサンタクロースを思わせる赤に変化し、バイザーもサンタの帽子に変化。
触手やケーブルを思わせたパーツも赤いリボンに変化し、周囲に出現させられるミラーデバイスもサンタやトナカイのレリーフが淵に刻まれている。
従来の神獣鏡との大きな違いは赤い上着を着ていること。
エナジーアイテム・クリスマス
12月24日、25日にしかゲームエリアに出現しない幻のアイテム。
入手することでエリア内に雪が降り、アイテムを入手したライダーやバグスターがクリスマス仕様の特殊デザインに変化。
また、その効果は変身を解除するまで続く。
デザインの都合上か、スナイプとレーザーはサンタクロースではなくトナカイをモチーフにした姿へと変身した。