戦姫絶唱シンフォギアEX-AID 運命を変える戦士   作:狼牙竜

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シンフォギアエグゼイド、今日はクリスマスイブですので、特別編を2日連続で投稿します!

なお、世界観はXD基準となっております。

感想、評価をお待ちしています!

OP EXCITE



クリスマス特別編 聖なる夜のMIRACLE!

12月。クリスマスが目前になり、世の子供たちは楽しみに胸を躍らせていた。

…が、そんな中でも1人頭を悩ませる男がいる。

 

 

 

 

「………さて、どうするかな…」

 

今作の主人公、宝条将也である。

彼は、自宅のアパートで炬燵に入りながら考え事をしていた。

 

 

「随分と疲れてるみたいだけど、どうかしたの?」

後ろから声をかけてきたのは、我らがオカン、たやマさんことマリア。

 

 

 

「マリアか………っていつの間に部屋に入ってきたの!?」

いつの間にか音もなく自室に入ってきたマリアに驚く将也。

 

因みに、将也の部屋の合鍵は装者6人で共有しているので、誰が部屋に入ってきても別におかしくはない。

 

「いつの間にって…その言い方はないんじゃない?せっかく将也も私も非番だから、お昼くらい作ろうと思ってたのに…」

マリアは少し拗ねた表情を浮かべる。

 

「あ…ごめん…」

「別にいいわよ。で、何か悩み事?」

 

 

別に秘密にするようなことでもないため、将也は悩みの種に関して説明した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどね…将也の研修先の病院で行うクリスマスパーティーで…」

 

魔法少女事変からおよそ2ヶ月後、将也は弦十郎のツテでリディアン近くの病院へ就職、ゲーム病治療のための特別な部署『電脳救命センター』を設立した。

 

が、基本的には小児科の研修医として仕事を行っており、もうすぐ小児科では入院している子供達を対象としたクリスマスパーティーを行うらしい。

そのパーティーのアイデアを考えている最中だったのだ。

 

 

「アイデアって言っても…僕一人じゃ限度があるし…」

いくらなんでも一人でできることなどたかがしれている。

 

「もう少し人手がいればどうにかなりそうよね…」

流石にマリアもすぐにはアイデアが思いつきそうにない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………ん?」

 

将也は、隣に座るマリアをじっと見つめる。

 

「…え?ど、どうしたの将也?」

すると、突然将也はマリアの肩を掴む。

 

 

「え!?ちょ、ちょっといくらなんでもまだ昼よ!?」

 

何を勘違いしたのか顔を赤くしてテンパるマリアだが、将也は既に脳内である計画を思いついた。

 

 

 

 

「そうだよ!これなら十分やれる!」

 

 

 

 

――――――――――

 

 

数日後、病院内のレクリエーションルームに集められた子供達。

既に部屋の中にはクリスマスパーティーの飾りつけが完了しており、子供達の殆どが楽しそうにしている。

 

 

が、その中で僅かだが不貞腐れた表情の子供もいた。

 

 

 

(…どうせ、去年と同じことだろ?)

 

子供達の中でも年長の少年、亮(10歳)はこの病院に入院して1年になる。

 

去年のクリスマスパーティーこそ楽しかったものの、その日の夜に目が覚めてしまい、自分の枕元にプレゼントを置いた人物を見てしまったのだ。

サンタクロースではなく、病院でよく見る看護師だったためにショックを受けて、そのプレゼントは封を切ることなく捨ててしまった。

 

それを思い出し、余計にイライラしてくる。

 

 

 

(…あ~あ。早く部屋に戻りたいな…)

亮は、ベッドの横の棚に隠していたCDのことを思い出す。

 

 

「せっかく兄ちゃんに頼んで買ってもらったのに…」

 

 

 

 

 

 

すると、ドアが開いて1人のドクターが入ってくる。

 

「みんな、お待たせ!」

 

入ってきた人物の姿を見て子供達が騒ぎ出す。

 

 

 

「おそいよ将也せんせー!」

宝条将也は、申し訳なさそうに手を合わせる。

 

「ほんっとうにごめんね!ちょっとパーティーを盛り上げる友達を呼んでくるのに時間がかかって…」

 

 

前もって遅れることはすでに他の大人たちは知っていたらしく、将也はドアに手をかける。

 

「じゃあみんな!今日は僕の大事な友達を連れてきたから、大きな拍手でお出迎えしてね!」

 

 

 

将也がドアを開けると、そこから8人の少女と1人の少年が入ってくる。

そのうち6人のことは全員知っている。

立花響、雪音クリス、暁切歌、月読調、小日向未来、パラド。

 

6人ともボランティア活動の一環としてよく病院の子供達に会いに来るのだ。

 

 

 

だが、次の2人の登場に全員が驚く。

 

 

 

 

「はじめまして、風鳴翼だ。今日は私の友人達の誘いで皆と会えたことを嬉しく思う」

 

 

「みんな、はじめまして。マリア・カデンツァヴァナ・イヴよ。今日のクリスマスパーティー、最後まで楽しんでいってね?」

 

 

 

 

 

世界的に有名なトップアーティストである翼とマリアの登場に子供達だけでなく大人達まで全員が驚く。

 

 

 

 

「ほ、本物の翼さんとマリアさん!?」

「すげー!宝条先生ってこの二人と友達だったの!?」

 

これこそが今回将也が計画したクリスマス会の内容。

 

 

リディアンに通う現役高校生達とトップアーティストによるスペシャルライブ及び天才ゲーマーのパラドと将也主体で行うゲームイベントの二つだった。

 

 

 

 

 

――――――――――

結論から言うと、ライブとゲームは大成功だった。

 

まずは、切歌と調が歌う『ORBITAL BEAT』から始まり、次に響と未来のデュエットで『逆光のフリューゲル』と続いた。

 

リディアン音楽院に通い、尚且つ戦闘で歌唱するシンフォギア装者(1人は元が入るが)なだけあり、プロ顔負けの歌に子供達は大興奮。

 

続いて、クリスと切歌、調の3人が歌ったのはクリスが並行世界で新たな形態のギアとともに手に入れた新曲『SAKURA BLIZZARD』。

この時、3人ともこっそりシンフォギアを纏い、新たに改造を加えた和装ギアに着替えて歌ったことで衣装チェンジまで披露。

 

会場が最大まで盛り上がったところでマリアと翼の2人が登場し、かつて歌ったデュエット曲『不死鳥のフランメ』と『星天ギャラクシィクロス』を熱唱。

 

続いて、将也が持ってきた新作ゲーム『ノックアウトファイター2』や『ボーズオブテラ』、『マキシマムマイティX』など、まだ発売されていないゲームのベータ版を体験、将也かパラドとの勝負などを行った。

 

 

 

しかし、クリスマス会も終わりの時間が近づいてきて…

 

 

「みんな!今日は最後に、翼さん達の特別な歌で今日のクリスマス会を終了します!」

当然ながら、文句を言う子供達。

 

しかし、翼が前に立つと子供達は真剣な表情になった。

 

「…皆、今日はありがとう。宝条や立花、私のかけがえのない友人や後輩達のおかげで、私は皆に会うことができた」

 

翼はその中で自分をまっすぐ見つめる少年…亮と目が合い、微笑み返す。

彼女の笑顔に顔を赤くして目を背ける亮。

 

「私の、私達の歌が皆の背中を押せたのなら、それは私にとって何よりも嬉しい。だから…聞いてください」

翼達が選んだのは、7人で歌うあの歌。

 

 

 

 

 

『虹色のフリューゲル』

 

 

 

響が、翼が、クリスが、切歌が、調が、マリアが、そして未来が。

 

7人の歌姫によってエンディングのメロディーが歌われた。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

その夜。

亮は病室のベッドでクリスマス会のプレゼントで貰った写真立てを飾っていた。

 

その中には翼とのツーショット写真、勿論サイン入りだ。

 

やがて消灯時間になり、亮は寝たふりをしている。

 

(…どうせ、またナースの誰かだろ?)

亮は欲しいプレゼントとして新作ゲームソフト『タドルレガシー』が欲しいと家族に言っていた。

が、誰にも言っていないもう一つのプレゼントを望んでいた。

 

それは翼がつい先日出した新曲のCD。

タドルレガシーとのコラボ企画の一環で、彼女が主題歌を歌ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メリークリスマス」

 

突然、どこからか声が聞こえた。

 

(!?)

どことなく凛とした女性の声。

 

 

しかし、歩いてくる気配は二人。

 

うっすらと目を開け、その姿を確認する亮。

 

 

ミニスカに一般的なイメージとは異なるが、赤いサンタの服とベレー帽の様なデザインの帽子を被った女性。

 

 

だが、その姿は自分が憧れていた彼女にそっくりだった。

 

 

 

(風鳴…翼!?)

翼そっくりな女性は亮の布団をそっとかけ直す。

 

「ブレイブ。プレゼントは?」

ブレイブと呼ばれたもう1人の人物。

西洋騎士の様な姿をし、白い甲冑を纏ったヒーローだが、その背にはプレゼントが入った袋を背負っており、頭にはサンタの帽子を被っている。

 

 

「待ってろ…」

ブレイブはプレゼントの入った箱を取り出し、亮の枕元に置く。

 

「これからもいい子でな?」

 

次の瞬間、2人は窓を開け、飛び降りる。

 

「え!?」

流石に驚いた亮は勢いよく体を起こし、窓に駆け寄る。

 

が、窓はきちんと閉まっており下を見るが人影はない。

 

亮は急いでプレゼントの包みを開く。

 

 

 

 

その中に入っていたのは『タドルレガシー』の初回限定盤と…

 

 

 

 

翼が歌っていたこのゲームの主題歌『勇者の旅路』のCDだった。

 

 

「………!」

 

 

さらに、添えられていたメッセージカードには『メリークリスマス、亮君!』と書かれている。

 

 

ふと、窓の向こうを見ると…

 

空を舞う2人のサンタクロースがいた。

 

 

「…サンタって…本当にいたんだ…!」

 

 

 

 

カードには、ブレイブ・レベル1とファンタジーゲーマ、レガシーゲーマのデフォルメされた絵が描いてあった。

 

――――――――――

 

翌朝の小児科病棟。

 

「ねえ亮君!サンタ見た!?」

 

「見た見た!しかも二人組!風鳴翼にそっくりな人と、白い騎士みたいな二人だった!」

 

「違うよ!金色のキラキラした人だよ!」

 

「全身にリボン付けた女の人だったような…?」

 

「船みたいなのに乗った、クリスお姉ちゃんみたいな綺麗なサンタさんだったよ!」

 

 

「語尾にデスデス付けてた、切歌ねーちゃんみたいな人だってば!」

 

「サンタ帽子被ってた赤と青のヒーローっぽい人だったけど…」

 

 

 

それからまもなく、病院内では『ヒーローサンタと美少女サンタ』というちょっとした七不思議の様な噂が広まったのはまた別の話……

 

 

To Be Next GAME…?

 




というわけで、クリスマス特別編でした!

次回はこの舞台裏について投稿する予定です。

では、今回登場したオリキャラの亮君に関しての紹介を下に載せます。

次回もお楽しみに!
――――――――――

人物紹介

病弱で入院歴が長い少年で、兄の影響もあって風鳴翼のファンになった。
基本的に彼女が出る番組は全部網羅しており、新しいCDを楽しみにするなど、根っからの翼のファン。

また、以前ブレイブ・レガシーゲーマーに救われたこともあり、その影響でタドルクエストシリーズがお気に入りのゲームになった。

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