戦姫絶唱シンフォギアEX-AID 運命を変える戦士   作:狼牙竜

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お待たせしました、やや駆け足気味になりましたが第15話です!

今回は以前募集していたバグスターから、『課した』さんの案である『サバイバー』と『ジュピター』さんの案である『デッド』を登場させます。

これからも募集していたバグスターの案は登場させますので、お楽しみに!

そしてついに、この作品でやりたかったこと第2弾ができました!

感想、評価が作者の力となります!



第15話 愛と奇跡のGungnir!

迫り来る2体のバグスターのうち、デンジャラスゾンビのバグスター『デッド』は体から黒い粒子状のウイルスを散布し、周囲の死体に感染させる。

すると、黒い靄に包まれた死体はその頭部をバグスターウイルスの形へと変化させる。

それだけではなく、先程までいたゾンビも全てバグスターウイルスの頭部に変わった。

 

「なるほど。ゾンビバグスターを増やす……それがこいつの能力か」

エグゼイドRはガシャコンキースラッシャーを持った状態でデッドを睨む。

 

「パラド!サバイバーのほうはお前に任せる」

横に立っていたパラドクスにエグゼイドは声をかける。

 

「ああ。だが奴は出自が出自なだけに、気をつけたほうがいい」

パラドクスはギアデュアルのダイヤルを回転。

《KNOCK OUT FIGHTER!》

「大変身」

ファイターゲーマーに変身するパラドクス。

 

正直、相手のレベルがわからない以上こっちとしてはエグゼイドの現時点での最大レベルであるノックアウトファイター2を使いたかったが、それだと今度はパラドクスの戦力ダウンに繋がる危険もある。

 

そのため、現在将也が使えるガシャットで一番強いのは、このマイティブラザーズである。

 

「宝条。私も助太刀する」

翼は、ドレミファビートのガシャットを起動させる。

《ドレミファ・ビート!》

「三の太刀!」

《レベルアーップ!OK!ドレミファビート!》

 

ビートゲーマーにレベルアップする翼。

 

「マリアは生存者と未来達を連れて、なるべく安全な場所に!」

「ええ!」

 

「クリスはパラドの援護を!切歌と調は駐車場の車に人が残っていないか確認しながら取り巻きのバグスターウイルスを倒して!」

「おう!」

「了解」

「ガッテンデース!」

 

 

マリアと未来は一足先に行動し、クリスとパラドはサバイバーを相手に動く。

「響と翼は俺達と一緒にデッドを狙う!」

「わかった!」

「………」

 

翼は答えるが、響はさきほどからどこか様子が変だった。

「響!」

「え!?」

ようやく気づいた響が顔を上げる。

 

「響は翼と一緒にこっちを手伝ってくれ!」

「わ、わかった!」

慌てて行動する響だが、どこかさっきから様子がおかしい。

が、考える暇もなくデッドは迫ってくる。

 

 

――――――――――

 

一方パラドクスとクリス。

サバイバーはコウモリの羽を広げ、迫って来る。

「ウウウゥゥゥ!!!」

唸り声を上げながら象の鼻を鞭のようにしならせて振ってくる。

 

「なあ、こいつのレベルってわかんねえのか!?」

クリスがサバイバーの攻撃を躱しながらパラドクスに聞く。

 

「待ってろ!今スキャンして…!」

パラドクスの瞳が光ると、サバイバーのレベルを調べ始める。

 

 

「こいつ…初期値でレベル40だと!?」

パラドクスには届かないが、元となったガシャットのおよそ10倍のレベル。

様々な動物の特徴を併せ持ったサバイバーは、生命力も桁外れでありパラドクスが炎の拳で殴ってもすぐに傷が塞がる。

 

「こいつは…思った以上に厄介なバグスターだな!」

 

 

――――――――――

 

 

「グルルルルアアァァ!!」

デッドが叫ぶと、無数のゾンビバグスターが襲いかかる。

 

「ハアアア!」

翼はターンテーブルを起動させた状態で攻撃をするが、ゾンビ1体1体がかなりの耐久力を持つため、中々倒せない。

 

「翼、頭を狙って!デッドはあくまでもゲームのキャラだ!だから取り巻きの弱点も…」

「そういうことか!」

翼は素早く飛び上がると、無数の小刀を雨のように降らせる。

 

『千ノ落涙』

 

降り注ぐ小刀は、ゾンビ達の頭を貫いた。

 

「今だ、宝条!立花!」

エグゼイドと響は同時に頷き、3人同時に走る。

 

「足止めからだ!」

エグゼイドLは、タドルクエストのガシャットをガシャコンブレイカーに装填。

 

《キメワザ!》

刃に氷のエネルギーが集まり、必殺技が発動。

 

《タドル・クリティカルフィニッシュ!》

氷の斬撃をくらい、デッドの足が凍りつく。

すかさず、エグゼイドRがプロトバンバンシューティングのガシャットをガシャコンキースラッシャーにセット。

 

《キメワザ!》

攻撃しようとしていたデッドのガトリングに狙いを定める。

《クリティカルフィニッシュ!》

 

通常より強力な、レベル20でさえ後ずさるほどの反動が来る砲撃。

デッドのガトリングは無残にも破壊される。

 

「フィニッシュを決めろ、響!」

「うん!」

響はロボットゲーマーに変身した状態で必殺技を発動。

 

 

《ゲキトツ!クリティカルストライク!》

今回はアームを射出せず、足のパワージャッキを使い加速。

「うおおおおおおお!!!!」

響の拳がデッドに命中した途端、爆発が起きた。

 

 

 

――――――――――

 

 

爆発があった場所を見つめる響達。

「はあ……はあ…これで…!?」

 

しかし、倒れていたデッドは紫の靄に包まれた状態で復活する。

「デンジャラスゾンビの、蘇生能力か…!」

 

今までこっちが使ってきた不死身の力だが、敵が使うとこうも厄介だと感じる。

 

「宝条。奴の能力に関しての対抗策は?」

「………リプログラミングだけだ。でもあのガシャットはまだ…」

バグスターの組成データそのものを書き換えるリプログラミングなら、デッドの持つ不死身の力を打ち消せるかも知れない。

 

だが、それが行えるマキシマムマイティXのガシャットはネフィリムとの戦い以降機能を停止しており、データの復旧すらまだできていない状況だった。

 

「…そうか」

「でも、奴の再生が追いつかないレベルの攻撃を繰り返せば…」

将也の記憶に残っている中で、ゾンビゲーマーのゲンムを倒した方法。

当時はレベル10だったゲンムに対し、パラドクスが必殺技を放つことで強制変身解除に追い込んだことがある。

 

「…せめてパラドがこっちに合流できれば…!」

 

――――――――――

 

 

一方、パラドクスとクリス、そして合流した切歌と調がサバイバーと戦闘を繰り広げていた。

 

「グルルアァァ!!」

コウモリの羽で飛び上がりながら体当たりをしてクリス達を吹き飛ばすサバイバー。

 

「こいつ…!」

パラドクスはギアデュアルのダイヤルを回す。

 

 

「大変身!」

《デュアルアップ!PERFECT PUZZLE!》

パズルゲーマーに変身したパラドクスは、周囲のエナジーアイテムをかき集めてその中から一つをサバイバーに投げつける。

 

《混乱!》

混乱のアイテムによってふらつくサバイバー。

 

「ずっとピヨってやがれ!決めるぞ!」

パラドクスはギアデュアルを操作し、クリスはアームドギアを連装型の弓に変化。

切歌と調は、ガシャットを作動させて必殺技を発動。

 

 

《シャカリキ!クリティカルストライク!》

《ギリギリ!クリティカルストライク!》

調と切歌は巨大な丸鋸と斬撃を同時に放ち、クリスは矢を連射。

 

『QUEEN`s INFERNO』

 

パラドクスは周囲のエナジーアイテムから3つを選択し、必殺技を発動。

 

《マッスル化!鋼鉄化!高速化!》

《パーフェクト!クリティカルコンボ!》

 

 

丸鋸と斬撃がサバイバーの体を切り裂き、クリスの放つ矢が次々と命中し、ダメージを与えていく。

 

「くらえ!」

パラドクスがキックの体勢に入り、サバイバーに命中する直前…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《ステージ・セレクト!》

エグゼイド達の使うステージセレクトよりも低い音声が鳴り、パラドクスの姿が消えてしまう。

 

 

「は!?」

「ぱ、パラド先輩!?」

 

驚く3人だが、混乱の効果が切れたサバイバーがこちらを睨む。

 

「マジかよ…!一体、どうして…?」

 

――――――――――

 

パラドは変身が解除された状態で自分が飛ばされた場所を見る。

 

「ここは……俺が誕生した場所…?」

パラドがいるゲームエリアは、かつてパラドが誕生した、ネクストゲノム研究所にそっくりだった。

すると、どこからか拍手が聞こえる。

 

 

 

「正解だよ、俺」

そこにいたのは、全く同じ顔をした自分。

服装が全て黒なのを覗けば、パラドと瓜二つだった。

 

 

「俺が…もう一人…?」

 

すると、黒いパラドはあるガシャットを取り出す。

 

 

「黒い…ギアデュアル…!」

黒いパラドは『ガシャットギアデュアルアナザー』のダイヤルを回転させる。

 

《PERFECT PUZZLE!》

モノクロの画面が開き、黒いパラドは不敵に笑う。

 

「変身」

《デュアルアップ!》

《Get the Glory in the chain!PERFECT PUZZLE!》

 

 

ゲートを通過したその姿は、色が黒と灰色をベースにしていること以外はパラドクス・パズルゲーマーと全く同じ姿だった。

 

「さあ、ゲームを始めようか?」

『仮面ライダーアナザーパラドクス』と対峙するパラドは、ガシャットギアデュアルを取り出す。

 

「変身!」

パラドクス・パズルゲーマーに変身し、2人のパラドクスの拳がぶつかりあった。

 

 

 

―――――――――――

 

 

「ぐああああ!!」

デッドの爪に切り裂かれ、吹き飛ばされるエグゼイドR。

 

「させるか!」

ガシャコンブレイカーをブレードモードにして攻撃するエグゼイドLと翼だが、盾のように現れたゾンビによって妨害され、ゾンビごとデッドのガトリングで撃たれてしまう。

 

「「うあああ!!」」

 

2人のエグゼイドは、既にライダーゲージが3分の1を失っており、このまま戦い続ければどちらかのゲージが尽きてしまいかねない。

 

「これ以上は!」

響がデッドの顔面を殴るが、デッドは動じることなく響を爪で切り裂いた。

「うわあああ!!」

「響!」

エグゼイドLが響に駆け寄る。

 

 

すると、デッドは左手で何かを持つ。

 

 

「それは!」

「グルルル…フハァ…!」

笑みを浮かべるデッドは、持っていたアイテム…先ほどの戦いでファラが奪ったデンジャラスゾンビのガシャットを起動させた。

 

 

《デンジャラスゾンビ!》

画面が開き、デッドはガシャットを自らの胸に突き刺した。

 

 

「ガシャットを…取り込んだ!?」

ガシャットの影響で、黒いコートの一部が白く変化し、右腕のガトリングがより刺々しい姿に変化した。

 

「フフフ……ハハハハハハアアァァ!」

 

――――――――――

 

 

同じ頃、S.O.N.Gの本部では…

 

「通信、復旧しました!」

あおいと朔也がゲームエリアへの通信を続けていたが、デッドが変異した影響でエリアの一部に歪みが生じ、響達に通信がつながった。

 

「お前達!聞こえているか!」

弦十郎の叫びに返事が聞こえる。

 

「はい!こちら翼!」

翼は簡潔に今の状況を伝える。

 

 

「そうか…だが、通信ができたということはエリアのどこかに亀裂が入っているかもしれない!今からこちらで亀裂のある場所を探す!見つけ次第マリア君は一般人を避難させてくれ!」

「了解!」

すぐさまオペレーター達とエルフナインはゲームエリアの歪みを探し始める。

 

「頼むぞ…無茶だけはするな…!」

 

―――――――――――

 

 

「グウウルウアアア!!」

デッドは強化されたガトリングを乱れ撃ちし、流れ弾が建物や車を破壊する。

 

「くっ!」

2人でいたらダメージを受ける量も多くなると判断したエグゼイドはレベル10に戻り、3人は近くの車の陰に隠れた。

 

「何とかして奴の攻撃を掻い潜れれば…!」

近づいた状態で強力な一撃を打ち込めれば、勝機はある。

 

 

「機動力と攻撃力なら…翼!」

《爆走バイク!》

エグゼイドは爆走バイクガシャットを起動させ、レーザー・レベル1に変身。

 

 

レベル2で加速した状態でレーザーの必殺技と翼の技『騎刃ノ一閃』の合わせ技で攻撃するという作戦にでることにした。

 

「二速!」

《レベルアーップ!爆走バイク!》

 

 

翼が乗り込もうとするが…

 

 

 

 

「待って将也君!こっちの車に人がいる!」

響が隠れるときに使っていた、ひっくり返った状態の車。

その中にはまだ、避難できていなかった男女がいた。

響はすぐに車の扉を開くが、それを見逃さないデッドではない。

 

 

 

「ハアア…ヴェエヘァ!」

デッドが腕を振ると、車の影から無数のデッドの分身が出現し、響達を取り囲んだ。

 

「立花!」

翼が叫ぶが、レーザーはレベル1に戻り、ギリギリチャンバラのガシャットを使いレベル3に変身。

 

 

響達を突き飛ばし、分身体の爆発に巻き込まれた。

 

 

 

「うあああああああ!?」

 

 

 

爆発から吹き飛ばされるレーザーは、レベル3の装甲のあちこちが損壊した状態となり、ライダーゲージも残り2%となった。

 

 

「将也君…!」

レーザーは立ち上がりながら、響が助けた男女に叫ぶ。

 

 

「早く逃げろ…!他の人は、あっちの方に集まってる!」

マリア達がいる方向を指差し、男女は急いで逃げ出した。

 

 

「く…流石に、ピンチか…?」

余裕の表情を見せるデッドだが、翼はその隙を見逃さず短刀をデッドの影に突き刺す。

 

 

『影縫い』

「今だ、宝条!」

 

レーザーはギリギリチャンバラのガシャットをガシャコンスパローに装填し、鎌モードのガシャコンスパローを構える。

 

 

 

《ギリギリ!クリティカルフィニッシュ!》

チャンバラゲーマの力によって先ほどのダメージ分の攻撃力を上乗せした状態のガシャコンスパローで斬りかかる。

 

 

が、デンジャラスゾンビの力で強化されたデッドには、一時行動停止状態に陥らせることもできなかった。

 

「マジかよ…!」

「ぐうう……アアア!」

 

爪の一撃でガシャコンスパローをはじかれ、転がるレーザー。

デッドはエネルギーを爪に込めた状態で、一気にレーザーめがけて振り下ろす。

 

 

 

「ブウゥン!!」

「く……うあああああああ!!」

 

カウンターのように上段蹴りを叩き込もうとしたレーザーだが、勝てるはずもなくデッドの爪はレーザーの装甲を破壊。

 

 

 

 

 

 

 

それと同時に、ライダーゲージが底を尽きてしまった…

 

―――――――――――

 

 

 

ライダーゲージが尽きたことによって、強制的に変身が解ける将也。

 

「ぐ……うぅ…!」

多大なダメージを負ったことで、その肉体は少しづつだが消滅を始めていた。

 

 

「将也君!」

将也に駆け寄る響は、消滅を始めていた将也の手を見て愕然とする。

 

「くう…!ハアアア!」

翼はアームドギアとガシャコンソードでデッドに攻撃をする。

 

 

「立花!今のうちに宝条を連れて下がれ!」

響は将也に肩を貸し、その場から離れる。

 

「…気に…すんなって…これくらい…」

息も絶え絶えになる将也の姿に、響の心には大きな翳りが見え始めた。

 

 

 

「ごめんなさい……ごめんなさい…!」

 

避難誘導の際に死んだ人たち。そして目の前で消えかけている将也。

 

 

 

 

 

彼女の心を表すかのように、ガングニールの胸のコアが『黒く染まりかけていた』が………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…響の判断は、間違ってない…!」

 

「え…?」

建物の内部に隠れる響と将也。

息も絶えだえになりながらも、将也は響に話す。

 

 

 

「多くの命を助ける…俺達の力は…そのためのものだろ…?」

輪郭が薄くなった右手で、響の目元に浮かんだ涙を拭う。

 

 

「でも…私のせいで…あの人達が…」

 

響の脳裏に浮かんだのは、かつてのツヴァイウイングのライブ事件。

生きて帰ってきた響を待っていたのは、生存したことによる世間からのバッシングと大好きだった父親の失踪。

それらの記憶を思い出し、響の心は追い込まれていたのだ。

 

 

 

「それでも……!響の拳は…いつだって、自分の信じる正義を信じて、握り締めてきたんだろ…!」

 

右手の肘から下が消えてもなお、将也は左手で響の肩を掴む。

 

 

「だったら誰に何を言われようがブレんな…!俺の心を救ってくれた…響が信じる正義を貫いて見せろ…!」

 

将也は左手だけでゲーマドライバーを装着し、黒いガシャットを取り出す。

 

 

「大丈夫…響の笑顔を守るためなら…簡単には死なないよ…!」

 

 

 

 

 

 

響の涙を見ていると、将也はずっと胸が締め付けられる想いを抱いていた。

 

いや、響だけじゃない。

翼、クリス、マリア、調、切歌。

 

 

闇に堕ちそうになった自分を救い出してくれた6人の歌姫達は、いつしか彼の心を照らしていたのだ。

だから、将也は決めていた。

響達の笑顔を守るためなら、どんな状況でも弱音だけは吐かないと。

 

 

――――――――――

 

 

「…ありがとう…」

 

涙が溢れてくる。

 

助けようとしても、将也にはいつだって助けてもらってばかりだ。

ミカとの戦いで命を救われ、キャロルとの戦いでも助けてもらい、新しい力も授けてくれた。

 

 

感謝の気持ちだけじゃない。

 

 

 

 

(ようやくわかった…私が、将也君をどう思っていたのか…!)

 

 

 

(未来と同じだ………決して失いたくない…かけがえのない……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(私の………本当に大好きになった人…!)

 

どんな状況でも諦めない、将也の姿を見続ける。

 

 

 

(将也君の笑顔を守るために…)

(響の笑顔を取り戻すために…)

 

 

 

 

「「俺(私)は、何度だって戦う!!」」

 

響と将也。互いの想いが重なった瞬間、2人の体が強い光に包まれた。

 

 

――――――――――

 

《ドレミファ!クリティカルフィニッシュ!》

 

ガシャコンソードとアームドギアを振り下ろすが、翼の刃をくらってもデッドは再生して反撃をしてくる。

 

「うああああ!!」

ガトリングをくらい、吹き飛ばされる翼だが、デッドの横にサバイバーが現れる。

 

それと同時に、クリス、切歌、調、一般人の避難を終えたマリアが合流する。

 

「翼さん!将也先輩は…!」

切歌が聞くが、翼は首を振る。

 

 

「…先ほど、宝条のライダーゲージが尽きた。立花が安全な場所まで連れて行ったが、恐らくもう…」

 

愕然とする装者達だが、切歌と調が特に大きなショックを受けていた。

その上、2体のバグスターのうち片方はガシャットを取り込んだ影響でパワーアップしている。

 

 

 

「畜生…ここまでかよ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《た、大変です!》

突然、エルフナインから通信が入る。

 

「どうした、エルフナイン!」

エルフナインは、モニターに映った状況を話す。

 

 

 

 

「ひ、響さんのフォニックゲインが急速に高まっています!それと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エグゼイドの波形、確認しました!」

 

先程まで消えかけていたはずの将也。

にも関わらずエグゼイドの波形が感知されていた。

 

 

すると、建物から響と将也が出てくる。

 

しかし、先程まで消滅しかけていたはずの将也の体は完全に元に戻っていた。

これには、ゲームエリアの外から遠目に見ていたファラも、ファラの目を通して見ていたキャロルも驚いている。

 

「宝条…どうして…?」

翼が聞くと、将也は答えた。

 

「俺にもよくわからない。だけど……」

将也は、自分の右手を掴んでいた響の手を見つめる。

 

「多分、響のお陰…なのかも」

 

 

 

すると、将也の目が赤く輝き、マリアが驚きの声を出す。

 

「あれって…!」

 

将也のポケットに入っていたデータのないブランクガシャットが輝くと、響のガングニールのコアと共鳴するかのように輝く。

 

やがて、真っ黒だったガシャットはかつて永夢がマイティブラザーズを作り出したように変化し、オレンジと白をメインカラーにしたガシャットに変化。

 

 

ラベルには、ガングニールのヘッドギアをかぶったマイティと、ガングニールを纏った響のシルエットが描かれていた。

 

「このガシャットは…!」

 

 

響と将也は目を合わせ、互いに頷く。

 

そして、将也はガシャットを構えた。

 

 

 

 

「全力で、全開で、一直線に……皆の運命は、『俺達』が変える!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《マイティガングニール!ビクトリーエーックス!》

 

後ろに画面が開き、将也は大きく腕を旋回し、叫ぶ。

 

 

「スペシャル大変身!」

《ガッシャット!》

ガシャットが装填され、待機音声がなった状態で将也は思いっきりレバーを開いた。

 

《ガッチャーン!レベルアーップ!》

 

 

すると、将也の周囲にセレクトパネルが開き、その中から『エグゼイドと響が背中合わせになった』パネルを選ぶ。

 

《正義を信じ!握った拳!(全力!)》

将也はエグゼイドに変身すると、響のガングニールが輝き、ヘッドギアやガントレット、ブーツといったパーツがコピーされてエグゼイドの周囲を回転。

 

《絶対勝利のマイティ!(ファイト!)ガングニール!》

 

ガントレットが両腕に、ブーツが追加装甲として両足につき、ヘッドギアが頭に装着。

最後に、響が纏っているものと同じマフラーが展開される。

 

 

 

 

「せ、先輩が響さんのガングニールを…!」

「纏いやがった…!」

 

 

エグゼイドと、響の思いが重なったことで誕生した新形態。

 

 

 

 

『仮面ライダーエグゼイド・ガングニールゲーマーレベルSP』!

 

響とエグゼイドは並びたち、同時に宣言する。

 

「「ノーコンティニューで、クリアしてみせる!!」」

 

To Be Next GAME…?




次回、シンフォギアエグゼイドは!

想いを重ねて!ガングニールゲーマー!

「最大で!最強の!限界を超えた力だあああ!」

サバイバー、デッドとの戦いに決着…!?
そして………

「私は………将也君のことが好きです」

第16話 Heart、届くとき




仮面ライダーエグゼイド・ガングニールゲーマーレベルSP
変身音『正義を信じ!握った拳!(全力!)絶対勝利のマイティ!(ファイト!)ガングニール!』

変身に用いるのは『マイティガングニールVX』ガシャット。
曲調はダブルアクションゲーマーレベルXXと同じで、変身音の部分だけガシャットの音声が響に変わる。

基本戦闘は響と同じで、格闘戦オンリーとなる。

最大の能力は『レベルSP』。これはレベルXと同じように特定の条件によって強さが変化するが、レベルSPの場合はガシャットと同じシンフォギアを纏った装者の心の昂ぶりによって戦闘力が変化する。
弱点においては次回の後書きで書く予定です。

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