戦姫絶唱シンフォギアEX-AID 運命を変える戦士   作:狼牙竜

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お待たせしました、第13話です!

エグゼイド・アナザーエンディングとシンフォギアライブ…自分はどちらも行けませんでした…

円盤待ちですね、両方とも…

ですが5月公開の『仮面ライダーアマゾンズ 最後ノ審判』は絶対に見に行きます!ライダー初の4DX上映、今から楽しみですね!


感想、評価が作者の力です!

OP EXCITE
挿入歌 PEOPLE GAME
ED hikari


第13話 仲間と絆のNEW FIGHTER!

ゲムデウスクロノスとの戦いから目が覚めた将也。

 

彼の頭の中は、思い出した記憶で溢れていた。

 

「そうだ……僕は……俺は…!」

自分は、人間ではなくバグスターのディレク。

宝条将也という人間と一体化して、その人格を乗っ取った存在。

そう考える将也の脳裏に、響達シンフォギア装者の顔がよぎった。

 

 

 

(……もう、知られてるのか…)

将也はそっと医務室のベッドから去り、ドライバーやガシャットを持って医務室を後にする。

 

何故かはわからない。だけど、今の将也はこの場所に居たくなかった。

 

響達と顔を合わせるのが怖い。拒絶されることを無意識に恐れた将也は、バグスターとしての記憶を取り戻したことで覚醒したテレポートを使い、基地から抜け出した。

 

 

――――――――――

 

荷物を持ち、本部から離れていく将也はディレクとしての過去を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

それは、檀正宗が仮面ライダークロニクルを利用しようとする前。

ディレクのデータを削除する前に彼と直接話をしたのだ。

 

 

「こうして君と話すのは初めてだったね、ディレク」

冷たい目をした正宗は、ディレクに話しかける。

 

「君は黎斗が作り上げた最高の人工知能だ。人間と変わらない知能を持ち、仮面ライダークロニクルを大いに盛り上げてくれる存在………だが、君のその高い知能こそが仮面ライダークロニクルの寿命を縮めてしまう」

 

正宗にとって、仮面ライダークロニクルは絶対に早期クリアされてはいけないゲーム。

しかしディレクを中心とした今のままでは、恐らく2、3年ほどでクリアされてしまう可能性が高い。

 

「君の存在は、いずれ黎斗を傷つける。だから………君はこの場で絶版にしてやろう」

その後、正宗によって削除されそうになったディレクは何とか幻夢のサーバーに潜み、完全に削除されることだけは免れたがこの一件はディレクの心に大きな影を作った。

 

 

将也は、過去の記憶が戻ったことでその時の痛みまで思い出してしまったのだ。

 

 

 

「……何でだよ…何で、思い出したんだよ…?」

知らない方が良かった。

この真実を知らなければ、自分はずっと人間だって信じていられた。

 

「…これが本当なら、真実なら………知らない方が良かった…!」

 

思い出すのは、宝条将也として自分を育ててくれた両親。

そして、最初のゲーム病患者として将也が治療した、実の弟の顔。

 

 

「……俺は、あの人達まで、騙してたのか…!?裏切ってたのか…!?」

ずっと向けられていた笑顔。家族の温もり。

それを受けていた自分は、偽物の存在。

 

 

 

「俺の居場所なんて…どこにもない…!?」

そう考えると、心の中がグチャグチャになっていくのを感じた。

 

 

 

すると、近くで爆発が起こる。

「……バグスター…か…」

 

将也は本能的にそれを感じ取る。

 

《爆走バイク!》

レーザーの分身体を召喚し、将也はバグスターの気配がした場所へと向かった。

 

 

 

――――――――――

 

現場には、ドレミファビートとドラゴナイトハンターZを除く8体のゲームのバグスターが暴れていた。

 

 

 

「お!来たぜ来たぜ、仮面ライダーが!」

爆弾であちこちを破壊していたモータスが見た先には、バイクから降りた将也が立っていた。

 

「お前ら…ちょうどいい」

将也はバグスターバックルを装着。

 

 

「俺と…戦え!」

バグヴァイザーを装着し、バグルドライバーに変形。

 

 

《ガッチョーン!》

《デンジャラスゾンビ!》

 

「変身!」

ガシャットを装填し、トリガーを押す。

 

《ガッシャット!バグルアップ!》

《デンジャー!デンジャー!(GENOCIDE!)デス・ザ・クライシス!デンジャラスゾンビ!(WOOOOO!)》

 

 

ゲンム・ゾンビゲーマーに変身した将也はバグスター達めがけて走り出した。

 

 

「お前達……纏めてぶっ潰してやる!」

《ガシャコンスパロー!》

ゲンムは素早くガシャコンスパローを出現させ、バグスター達に攻撃をする。

 

 

「うおおおお!!!」

弓モードで直接カイデンに斬りかかるが、カイデンはその攻撃を受け流す。

 

「甘いわ!」

カイデンの刀がゲンムの装甲を切り裂き、さらに後ろからリボルの弾丸とアランブラの炎の魔法が直撃。

 

 

続けざまにソルティとチャーリーの拳がゲンムに命中し、ゲンムは吹き飛ばされる。

 

「ぐ………ウアァ……!」

通常ならライダーゲージが大幅に減少するレベルのダメージを受けたが、デンジャラスゾンビの特殊能力によって黒い靄と共にゲンムは立ち上がる。

 

「流石にしぶといな。やはりそのガシャットは面倒だ」

ソルティが忌々しげにつぶやき、左腕のナックルに帯電させる。

 

 

「俺は…この世界に…居ていい存在じゃない…」

ゲンムは立ち上がりながらもガシャコンスパローにガシャットを装填。

 

《ガッシャット!キメワザ!》

「だけど……お前達を道連れに…俺も消える…!」

必殺の一撃を放つため、ゲンムはガシャコンスパローを向けた。

 

 

 

「お前らを倒す!それが俺にできる…せめてもの償いだ!」

 

将也の脳裏に浮かんだのは、今は亡き家族。そして友人達の顔。

全てはあの日、守りきれなかった自分のせい。

いや、そもそも自分がこの体に入らなければ、もっと違う未来があったのではないか?そう思わずにはいられなかったのだ。

 

 

《ジェット・クリティカルフィニッシュ!》

『JET・CRITICAL・FINISH!』

「バグスターは、道連れだあああ!!」

 

ガシャコンスパローから無数のミサイルが放たれ、バグスター達に襲いかかった。

 

 

「ぬうあああ!?」

 

バグスター達は吹き飛ばされるが、防御力の高いガットンが前衛に立ったため、それほどダメージは受けていない。

 

「ターゲット、確認。攻撃モードに移行します」

ガットンは右腕のアームをロケットパンチにして発射し、ゲンムの胸部に直撃する。

 

「ぐああああ!?」

地面に転がるゲンムだが、ゾンビゲーマーの能力で再び蘇生して起き上がる。

 

 

「お前ら……絶対に…!」

ゲンムはドライバーのボタンを同時押しして、素早くBボタンを押す。

 

《クリティカルデッド!》

無数のゾンビの分身が出現し、バグスターを囲む。

次の瞬間、分身が一斉に爆発してあたりを爆炎が包んだ。

 

 

 

――――――――――

 

「はあ…はあ……これで…!?」

爆炎が立ち込める中、ゲンムはバグスター達がいた場所をみつめる。

 

しかし、そこに立っていたのは今だ健在のバグスター達。

防御力の高いガットンが先頭に立ち、続けてアランブラが放った防御力アップの魔法によって盾となり、クリティカルデッドを防いだのだ。

 

 

「油断したな、ゲンム!」

一瞬の動揺が命取りとなる。

 

背後に回ったバーニアのミサイルをくらったと認識したのは、爆風で宙を舞ってからだった。

 

 

「グッアアア!?」

転げ落ちるゲンムだが、続けざまにリボルの射撃を受け、装甲に火花が散る。

 

休む暇を与えず、アランブラの拘束魔法で動きを封じられ、攻撃力に秀でたカイデンを中心として残りのバグスター達から次々と攻撃をくらい続けた。

 

 

「これで最後だ!」

ソルティの電撃を纏った拳が命中し、ついに変身が解除される。

 

 

 

――――――――――

大きなダメージを受け、倒れる将也。

バグルドライバーも外れてしまい、傷だらけの状態となった彼は、立ち上がることすら困難になっていた。

 

 

「あ……ガァ…!」

視界が霞む中、リボルが銃口を向け、モータスは専用バイクのモータスヴァイパーに乗り、アクセルを吹かす。

 

 

「これで終わりだ…ディレク!」

モータスのバイクが発進し、リボルの銃口から弾丸が放たれた。

 

 

(これで……終わりかよ…!)

将也は目を閉じ、自らの最期を覚悟する……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………?」

しかし、いつまでたっても爆発は聞こえず、何も起きない。

ゆっくりと顔を上げると…

 

 

 

 

 

 

 

「これ以上……将也君を傷つけさせない!」

目の前に現れたのは、立花響。

 

彼女達6人のシンフォギア装者が、将也を守るように目の前に立っていた。

 

 

「響………どうして…!?」

突然のことに驚く将也だが、調と切歌が駆け寄る。

 

「「将也先輩!!」」

2人はすぐに将也の手を握り、自分のフォニックゲインを分ける。

 

2人分のフォニックゲインによって傷が塞がり、ある程度体が動くようになった将也は響達に聞く。

 

「どうして……どうしてここに来たんだ!?」

自分は『宝条将也』ではなく、バグスター。

だからこそ、将也は偽物である自分には居場所が無いと考え、S.O.N.Gから離れたのだ。

 

それでも、彼女達が自分を助けるために現れる。

何故そこまでするのか、将也はわからなかった。

 

 

 

 

 

「そんなの、お前が『仲間』だからに決まってんだろ!」

将也の疑問に答えたのは、クリスだった。

 

 

「宝条。私達はお前の過去を、お前の正体をパラドから聞いた…だが!」

翼はカイデンの攻撃を受け止め、逆に切り返す。

 

「私達にとって、大事な仲間であることに変わりはない!」

 

切歌と調は、ふらつく将也を支える。

 

「私達の持つ力は、私達にとって大好きな人を守るためにあるんデス!」

「あの時、私と切ちゃんを助けてくれた先輩を、今度は私達が助ける番!」

 

 

降り注ぐバーニアのミサイルを、マリアが全て破壊する。

「例えどれほどの困難が待ち受けていたとしても、私達はみんなで超えていく!その中には、貴方もいるのよ!」

 

 

響は、将也と向き合った。

「あの時に言ったよね、将也君。私は、何があっても貴方の味方だって」

すっと手を伸ばす響。

 

 

「この世界に、将也君はたった一人しかいない!貴方は、偽物なんかじゃない、宝条将也君!」

 

「今の将也君は一人なんかじゃない!だから……私達の手を取って!」

何があっても諦めることなく、どこまでも手を伸ばしてくる6人。

 

 

 

自分は逃げようとした。

彼女たちから、そして自分自身からも。

 

それでも響達は自分を仲間だと言ってくれる。

 

 

 

「仲間だろうが!だったら、逃げんじゃねえよ!」

 

「もう将也君に孤独な戦いなんてさせない!貴方が皆の笑顔を守るなら、私達は貴方の笑顔を守りたいの!」

 

 

響達の言葉に、将也が選んだ答えは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だよ……どこまでも追いかけて…こんな俺でも、仲間だって言い切って…」

皆、過去に大きな傷を心に負っている。

だからこそ、彼女達はこうして誰かに手を差し延べることができるのだ。

 

 

(響……君はまるで……)

どこまでも真っ直ぐに手を伸ばす響。

 

 

自分の隠していたはずの心を照らす、太陽のようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………だったら…!」

将也は、しっかりと響の手を掴んだ。

 

 

「こんなに何度も信じてくれるなら………俺も信じないわけにはいかないな…!」

立ち上がった将也の瞳に、もう涙はなかった。

 

 

 

「響…翼…クリス…マリア…調…切歌…」

大事な仲間たちの名前を口にし、将也の心に再び炎が灯る。

 

 

 

 

 

 

「俺と……一緒に戦ってくれ!」

その言葉に、響達は力強く頷く。

 

「そうと決まれば!」

「出し惜しみは無しだな!」

「全力でぶっ飛ばす!」

6人はガシャコンギアシンフォニーを起動させ、新しいレプリカガシャットを取り出す。

 

 

《ゲキトツ・ロボッツ!》

響はゲキトツロボッツを起動。

 

《ドレミファ・ビート!》

翼はドレミファビートを。

 

《ジェット・コンバット!》

クリスはジェットコンバットを。

 

《ギリギリ・チャンバラ!》

切歌はギリギリチャンバラを。

 

《シャカリキ・スポーツ!》

調はシャカリキスポーツを。

 

《ドラゴナイトハンター!ゼーット!》

マリアはドラゴナイトハンターZをそれぞれ起動し、6人の周囲にゲーマが出現した。

 

 

「第五楽章!」

「「三連斬(デス)!」」

「スリーバレット!」

「参の太刀!」

「大・大・大変身!」

 

それぞれの掛け声と共にガシャコンギアシンフォニーにガシャットを装填し、発動させる。

《ガッチャーン!レベルアーップ!》

 

まず最初は響。

《ぶっ飛ばせ!突撃!ゲキトツパンチ!ゲ・キ・ト・ツ・ロボッツ!》

響の周囲をロボットゲーマが飛び回り、装甲として響のガングニールと合体。

左腕の籠手が外れて右腕の籠手と合体し、左腕にゲキトツスマッシャーが装着された。

 

2番目は翼。

《ド・ド・ドレミファソ・ラ・シ・ド!OK!ドレミファビート!》

ビートゲーマが天羽々斬と合体し、今までと違う蛍光イエローをベースとしたデザインのギアに変わる。

さらに右腕にはターンテーブル型の攻撃装置『ドレミファターンテーブル』が装着。

左肩にスピーカー型の武装『ワッツアップサウンダー』が装着された。

 

3番目はクリス。

《ジェット!ジェット!イン・ザ・スカイ!ジェットジェット!ジェットコンバ~ット!》

コンバットゲーマがイチイバルと合体して、背中にコンバットゲーマのウイングが装備。

腰にコンバットゲーマのガトリング砲『ガトリングコンバット』が装着された。

 

4番目は切歌。

《ギリ・ギリ・ギリ・ギリ・チャンバラ~!》

チャンバラゲーマが切歌の両手両足を覆い、切歌の手には鎌モードのガシャコンスパローが握られる。

 

5番目は調。

《シャカリキシャカリキ!バッドバッド!シャカっと!リキっと!シャカリキスポーツ!》

スポーツゲーマが調の上半身の追加装甲となり、両肩にタイヤ型のパーツが装備。

右のトリックフライホイールは一瞬だけ高速回転をした。

 

最後はマリア。

《ド・ド・ドラゴ!ナ・ナ・ナ・ナ~イト!ドラ!ドラ!ドラゴナイトハンター!ゼーット!》

ハンターゲーマがアガートラームと合体するが、エグゼイド達が使っていたものと違い、武装などが全体的に小型化しており、ドラゴナイトファングも大きく形状が変化していた。

 

左腕のドラゴナイトガンはアガートラームの籠手と一体化し、両足のドラゴナイトクローはより小さなブーツ状に変わる。

右腕のドラゴナイトブレードはマリアがエクスドライブの際に使っていたロングソードに酷似したデザインになり、その姿は『竜騎士』と呼ぶにふさわしい姿だった。

 

 

「おのれ、シンフォギア装者…またしてもガシャットの力を使うとは!」

ソルティが怒りの声を上げる。

 

「皆、いつの間にそのガシャットを…?」

将也が準備していたレプリカガシャットはレベル2の物だけであり、レベル3以降のガシャットは準備していなかった。

 

 

「エルフナインちゃん、今まで一人で作ってたんだよ。将也君が入院している間にね」

 

「あの子、これ以上貴方に負担をかけたくないって言って聞かなくてね。でも、お陰で私達ももっと強くなれる…!」

 

装者達だけじゃない。皆が力を合わせて戦っている。

 

「俺達は、もう2人だけで戦ってるわけじゃないんだ」

いつの間にか、横にはパラドが立っている。

 

「今度は、俺達全員で戦おうぜ!」

いつだって、この相棒は頼りになって本当に頭が上がらない。

 

「パラド………」

「どうした?」

 

 

将也は、パラドに対して大事な言葉を告げた。

 

 

 

「………ありがとう」

感謝の言葉とともに、将也は右拳をパラドに向ける。

 

「……ああ!」

コツンとパラドが拳をぶつけた瞬間、パラドは赤と青の光となり将也と一つになる。

 

 

「将也君とパラド君が…一つに…!」

すると、将也の目が赤く輝きバグスターウイルスの粒子が将也の周囲を漂う。

 

ウイルスは将也の目の前で集まると、マイティブラザーズと同じタイプのガシャットに変化した。

 

「ガシャットを、生み出した…!?」

「あの能力は…まるで宝条永夢の…!」

 

永夢と同じ、ガシャットを作り出す能力。

ただし、今回作り出されたガシャットは少し違った。

 

「……『ノックアウトファイター2』…これって、黎斗が作ってた…!」

檀黎斗が密かに開発していたゲーム『ノックアウトファイター2』。

パラドクスのファイターゲーマーとは異なるコンセプトで作られたガシャットで、テーマは『友情の協力プレイ』。

まさしく、今の将也とパラドに相応しいガシャットだった。

 

 

「パラド……いくよ!」

将也はゲーマドライバーを装着し、ガシャットを起動させる!

 

 

《ノックアウトファイター・2!》

マイティアクションXと酷似したデザインのゲーム画面が開き、将也は左手前にガシャットを突き出し、両腕を大きく旋回。

 

「変身!」

素早く左手に持ち替えて、ドライバーに挿入。

 

《ダブル・ガッシャット!》

《The strongest fist!Round 2 Rock&Fire!》

いつもと違う音声が鳴り、将也は素早くレバーを開いた。

 

《ガッチャーン!ダブルアーップ!》

出現したキャラクターパネルの中で、エグゼイドの新たな姿が表示されたパネルを殴り、選択。

 

 

《「俺」と「僕」の拳!(Ah!)友情の証!超キョウリョクプレイ!ノックアウトファイター2!》

出現したゲートをくぐると、立っていたのはエグゼイドとパラドクスの2人。

 

黒とオレンジをベースにし、ロボットアクションゲーマーにどこか似たパーツを持ち、両腕にはグローブが装備されたエグゼイド。

 

ファイターゲーマーとほぼ外見は変わらないが、ゲーマドライバーを装着したパラドクス。

2人が協力して戦うことを前提としたエグゼイドとパラドクスの新フォーム。

『ダブルファイターゲーマー・レベル39』!

 

エグゼイドとパラドクス、そして6人のシンフォギア装者達は並び立つ。

「最強チームプレイで、クリアしてやるぜ!」

 

 

 

――――――――――

 

戦闘を開始するバグスター達と将也達。

まず交錯したのは響とガットン。

 

「おおりゃあああ!!」

「敵、確認。排除を開始」

ガットンの拳に対し、ゲキトツスマッシャーを装備した左手で応戦する響。

 

「負けない!将也君と一緒に、この先に進むためにも!」

響の想いを乗せた拳は、ガットンの防御を打ち砕く。

 

 

 

 

「新たな剣、受けてみよ!」

翼はターンテーブルを回転させ、BGMを流す。

 

(BGM EXCITE)

 

足踏みなどでリズムを取りつつ、ガシャコンソードとアームドギアの剣を使った二刀流でアランブラを切り裂く。

 

「ぬうっ!私とて、このままで終わるか!」

アランブラは魔法陣を展開し、火炎魔法で応戦。

 

「くらえ!モ・エール!」

翼の足元が爆発するが、ガシャコンソードが炎を全て吸収する。

 

「な、なんだと!?」

動揺するアランブラだが、その隙を翼は見逃さない。

「ハアアッ!!」

炎を纏った2つの刃は、アランブラを捉えた。

 

 

 

 

「全部まとめて撃ち落としてやる!」

バーニアが放つ無数のミサイルをクリスはアームドギアのクロスボウだけでなく、ガトリング砲も使って全て撃墜する。

 

「まだまだ行くぞ!」

スカートアーマーが開き、20発ほどのマイクロミサイルが一斉に発射。

 

「くっ!何だ、このデタラメな数は!?」

電磁竜巻で纏めて薙ぎ払うが、クリスは腰のガトリング砲を構えていた。

「こいつはサービスだ!」

数千発もの弾丸がバーニアを襲う。

 

 

 

「いざ、メッタ斬りデース!」

ガシャコンスパローを構えた切歌は、カイデンと刃を交える。

 

「お主、やりおるな!」

カイデンは刀で攻撃してくるが、切歌は全てガシャコンスパローで受け流す。

 

 

「翼さんの剣に比べれば、どうってこと無いデス!」

《ズ・ドーン!》

弓モードへと変形させ、刃で切り裂いてから至近距離で矢を放つ。

 

 

 

 

「大好きな人達を守る!この力は、そのためにある!」

調はトリックフライホイールを外してチャーリーに投げつける。

 

「ヒャッハー!その程度で俺を捉えられるわけないだろうが!」

自転車を駆使して攻撃を躱すチャーリーだが、調は丸鋸を展開、小型の鋸を発射する。

 

『α式・百輪廻』

無数の鋸が直撃し、チャーリーの自転車が一瞬でスクラップになる。

 

「Noooooo!?」

自転車を失ったチャーリーだが、調の投げたトリックフライホイールが背中に直撃。続けざまに調はガシャコンバグヴァイザーをチェーンソーモードにし、切り裂く。

 

 

 

 

 

「守ってみせる…私達の新しい力で!」

マリアは右腕の『ドラゴナイトソード』を構えると、リボルへと接近する。

 

「させるものか!」

リボルは右腕の銃で攻撃するが、マリアは弾丸を全て右手のソードと左手の『ドラゴナイトガントレット』で弾き飛ばす。

 

「なんだと!?」

驚くリボルだが、マリアは左手でリボルを殴り、さらに仕込まれた新しい力を使う。

 

「くらいなさい!」

籠手が作動し、隠されていたプラズマ砲のようなパーツが顕になる。

次の瞬間、強力な砲撃がリボルを襲った。

 

「ぬおおお!?」

間髪入れず、マリアは右手のソードで追撃する。

 

 

「これがレベル5の力………だが、使いこなしてみせる!」

レベル2のプロトガシャットのレプリカを使っていたとはいえ、やはりレベル5以降のガシャットは負担がある。

それでも、マリアは少しづつだがこの強大な力を使いこなそうとしていた。

 

――――――――――

 

 

「お前達、今度こそ塩漬けにしてやる!」

ソルティが電撃を纏った拳で殴ってくるが、エグゼイドは右手のグローブで殴り返す。

 

「おおおおりゃあああ!!」

拮抗することなく、エグゼイドの拳がソルティを吹き飛ばした。

 

「ぬああっ!?」

転がるソルティだが、エグゼイドは怒涛のラッシュを叩き込む。

 

「ぐああっ!今まで死にかけだった貴様の、どこにそんな力が!」

 

「こいつは俺一人の力じゃない!」

 

エグゼイドは右ストレートでソルティを殴る。

「俺という存在を作るきっかけとなった永夢達!」

 

左フックでソルティをよろめかせる。

「いつだって俺を支えてくれたパラド!」

 

 

右アッパーをソルティの顎に叩き込んだ。

「そしてこれは、俺にいつだって手を差し延べてくれた、響達の力だ!」

 

最後に回し蹴りを叩き込む。

 

 

 

 

「モータス。お前は俺の心を躍らせてくれるのか?」

パラドクスはファイティングポーズを取りながらモータスを挑発する。

 

「だったら、俺様のスピードについてきな!」

モータスはバイクを走らせながらパラドクスの周囲を走り回り、どこからか取り出した鉄パイプで殴りかかる。

 

「おいおい、そんなもんで俺を攻撃するなんて…」

が、あっさりとパラドクスは右手で受け止める。

 

 

「甘く見られたもんだな!」

左手に炎を纏いながら拳を叩き込んだ。

 

「ぬああ!?」

あまりの威力にバイクごと吹き飛ばされ、一撃でバイクはスクラップになった。

 

 

「こっからは正真正銘、ガチの殴り合いでの決着と行こうか!」

 

 

 

(BGM PEOPLE GAME)

ガットンと戦闘を続けていた響は、状況を打開すべく近くのエナジーアイテムを取る。

 

「これ!」

《鋼鉄化!》

左手のアームに鋼鉄化の効果を発動させ、威力を高めたアームで殴る。

 

「はああああ!!!」

響の攻撃によって、ついにガットンのアームは破壊された。

「これで決める!」

響はガシャコンギアシンフォニーのボタンを操作。

 

《キメワザ!》

アームが赤とオレンジの光に包まれ、必殺技を発動させる。

 

《ゲキトツ!クリティカルストライク!》

『GEKITOTSU・CRITICAL・STRIKE!』

光はまるでドリルのような形になり、響は一気に左手を振り抜く。

 

 

「限界なんて、どこまでも超えてみせる!」

想いを貫く響の拳は、ガットンの装甲を一撃で粉砕した。

 

 

 

 

 

アランブラの魔法を回避していた翼は、エナジーアイテムを入手する。

 

《高速化!》

黄色いオーラに身を包み、翼は目にも止まらぬ速さでアランブラを攻撃。

 

「防人の剣、受けてみよ!」

アームドギアと共に召喚したガシャコンソードにガシャットを装填。

 

《ガッシャット!キメワザ!》

炎と氷のエネルギーに加え、音符型のエネルギーが集まる。

 

《ドレミファ!クリティカルフィニッシュ!》

『DOREMIFA・CRITICAL・FINISH!』

アームドギアとガシャコンソードを連結させ、ダブルブレードにした状態でアランブラを切り裂く。

 

「ハアアアア!!」

『風輪火斬・武勇』

 

 

翼の新たな技の前に、大魔法使いは倒れる。

「バカな……またしても、貴様に敗れるとはアアアア!?」

 

 

 

 

 

バーニアとクリスは空中で激闘を繰り広げていた。

 

「そろそろ終わりにしようぜ!」

クリスはサイドアーマーを展開し、ミサイルを放つ。

『MEGA DETH PERTY』

 

 

コンバットゲーマーの力でいつもの2倍に増えたミサイルを避けることができず、撃墜されるバーニア。

「ぬうう!これしきのことで…!」

 

当然、このチャンスを逃さないクリスではない。

「貰った!」

 

《キメワザ!》

ガトリング砲を構え、必殺技を発動させる。

《ジェット!クリティカルストライク!》

『JET・CRITICAL・STRIKE!』

 

ガトリング、ビーム、ミサイル。

イチイバルとジェットコンバットの大火力が合わさり、バーニアを襲う。

 

「ば、バカな!?」

爆風の中、何とか脱出するバーニアだったが、クリスはアームドギアをスナイパーライフルに変形させた状態で照準を合わせていた。

 

 

 

「じゃあな」

『RED HOT BLAZE』

止めの一撃は、寸分たがわずバーニアの頭部を撃ち抜いた。

 

 

 

カイデンとチャーリーは、いつの間にか切歌と調の連携によって追い込まれていた。

 

「くっ!まさかあの子供がここまで強いとは…!」

「子供扱いするなデース!」

 

切歌はガシャコンスパローを振り下ろし、カイデンを攻撃。

調はチャーリーをヨーヨーで捕縛して、アームドギアの丸鋸で切り裂く。

 

「必殺技だよ、切ちゃん!」

「ガッテン承知デース!」

 

調はガシャコンギアシンフォニーのボタンを押し、切歌はガシャコンスパローにガシャットを装填。

 

《キメワザ!》

《ガッシャット!キメワザ!》

切歌のガシャコンスパローが緑と黒のエネルギーを纏い、調の丸鋸とガシャコンバグヴァイザーのチェーンソーが高速回転する。

 

 

《シャカリキ!クリティカルストライク!》

《ギリギリ!クリティカルフィニッシュ!》

 

切歌は背中のバーニアを使い、さらに肩アーマーからアームを伸ばし、刃を展開。

『封伐・PィNo奇ぉ』

 

4本のアームがカイデンの動きを封じ、切歌はガシャコンスパローでバッテンを描くように斬る。

「デエエエエス!!」

『GIRIGIRI・CRITICAL・FINISH!』

 

 

 

調は脚部、頭部から円形のブレードを縦に展開し、まるでタイヤのように回転させながら突撃。

『非常Σ式・禁月輪』

 

体当たりするかのようにぶつかり、チャーリーを縦に斬る。

 

「わあああ!?」

ダメージを受けるチャーリーだが、調はトドメの一撃としてガシャコンバグヴァイザーを振り抜く。

 

「これで、終わり!」

『SHAKARIKI・CRITICAL・STRIKE!』

十字に切り裂かれ、チャーリーは倒れる。

切歌と調によって、2体のバグスターは同時に爆発した。

 

 

 

 

 

 

 

「ハアアア!」

マリアとリボル。

竜騎士となったマリアはリボルの遠距離攻撃に苦戦していた。

 

(やはり一筋縄ではいかない!だったら相手の隙を作る!)

マリアは近くのエナジーアイテムを素早く確認すると、その内の一つを左腕の銃で撃つ。

 

《透明化!》

姿を消したマリア。突然のことにリボルは狼狽える。

 

「ど、どこに行った!?」

「後ろよ」

マリアは透明化を解除し、右手のブレードでリボルの銃を破壊。

アームドギアの短剣を取り出し、横一文字に斬る。

 

「ぐおお!」

素早く左手で殴り飛ばし、ガシャコンギアシンフォニーに触れる。

 

「トドメよ」

《キメワザ!》

 

マリアの右手のブレードにエネルギーが集まり、必殺技が発動。

 

《ドラゴナイト!クリティカルストライク!》

マリアの頭上にドラゴンと無数の短剣を模したオーラが出現し、一斉に放たれる。

 

「これが、私達の力だ!」

『DRAGON,s✝CRIME』

 

 

短剣とドラゴンがリボルを襲う。

 

「おのれ……シンフォギアあああああ!!!」

リボルは断末魔の悲鳴を上げながら爆発。

 

 

―――――――――――

 

 

「なんだと!?」

ソルティとモータスは、他のバグスターが全滅した事に驚いていた。

 

「俺達の仲間を甘く見たのが間違いだったな!」

並び立つエグゼイドとパラドクスは、同時に攻撃をする。

ソルティが背後からエグゼイドを攻撃しようとすればパラドクスがそれを防ぐ。

モータスがどこからか取り出したチェーンを振ればエグゼイドが破壊する。

 

互いの死角を補い、少しづつソルティ達は追い詰められていった。

 

 

「パラド!」

「OK!」

2人は並び、ゲーマドライバーのレバーを閉じる。

 

 

《ガッチョーン!キメワザ!》

「「フィニッシュは必殺技で決まりだ!」」

同時にレバーを開く。

 

《ガッチャーン!》

《ノックアウト!クリティカルナックル!》

『CRITICAL・KNUCKLE!!』

 

エグゼイドとパラドクスの目が輝き、ソルティとモータスめがけて拳を振り抜く。

 

「はあああああ!!!」

「てやああああ!!!」

エグゼイドの拳はソルティを、パラドクスの拳はモータスを捉え、吹き飛ばした。

 

 

「もう一発!」

「くらいやがれ!」

再びレバーを閉じた2人は、互いに並びながら再びレバーを開く。

 

《ガッチャーン!》

《ノックアウト!クリティカルキック!》

『CRITICAL・KICK!!』

 

右足が炎に包まれ、同時にジャンプした2人は、寸分の狂いもなく同時にキックの体制に入る。

 

 

「「せああああああ!!!」」

エグゼイドとパラドクス。友情の一撃をくらい、ついにモータスとソルティは倒れる。

 

 

「俺様が…倒れるとは…」

「覚えていろ…エグゼイドおおおお!!」

 

最後の2体が爆発し、ゲームエリアにファンファーレが鳴る。

 

 

 

《ゲーム・クリアー!》

 

―――――――――――

 

 

変身を解除する将也とパラド。

後ろには、響達が立っていた。

 

「将也君……一緒に帰ろう?私達と…」

「響……皆…」

 

彼女達は、将也の正体を知ってもなお、その存在を受け入れてくれた。

 

だったら、将也に出来ることは決まっている。

 

 

 

 

 

 

 

「………ありがとう」

精一杯の感謝の言葉を告げた。

 

 

「将也君!」

「先輩!」

響は嬉しさのあまり将也の両手をつかみ、切歌と調は将也に抱きついた。

 

「え?ちょ、ちょっといきなり3人って…うわあ!?」

バランスが取れなくなり、転ぶ将也。

 

それでも、3人が怪我しないようにぎりぎり配慮した。

 

「せ、先輩ごめんなさいデス…」

「だ、大丈夫ですか…?」

慌てるあまり涙目になる切歌と調に、将也はポケットからハンカチを取り出して涙を拭く。

 

「大丈夫。だから…」

立ち上がる将也は、2人に手を伸ばす。

 

「一緒に…帰ろうか?」

 

 

 

 

 

本部からの迎えの車が到着するまで待ち続ける8人。

そんな中、将也は唐突に何かの歌を口ずさんだ。

 

 

「…ヒカリ輝く未来を、その手に掴んでギュッと…誰よりも強く今、想い願う…」

「?聞いたことない歌だけど…何の歌?」

マリアが気になったのか聞いてくる。

 

 

 

「…昔、黎斗が僕に歌ってくれた曲。仮面ライダークロニクルが、大勢の人達の未来を照らせるようにって想いを込めて、僕に教えてくれたんだ」

 

記憶を取り戻した今だからこそ思い出せる。誰も知らない、檀黎斗の隠された優しさを。

ふと、将也は響からガシャコンギアシンフォニーを借りて、自分のドレミファビートガシャットを装填。

 

 

黎斗が密かに隠していた、ドレミファビートの隠し歌として『その歌』は入っていた。

 

 

 

 

(BGM hikari)

 

「だれも皆、孤独じゃない…か」

独りで戦うつもりだった。誰かを巻き込むことを恐れて、誰かに拒絶されることを恐れた。

それでも彼女達は、自分を『仲間』として受け入れてくれる。

 

 

「仲間…か」

それは自分と彼女達との関係。だけど、自分が密かに抱いていたこの想いは本当に同じものなのだろうか?

 

「どうかしたの?将也君?」

「…ううん。何でもないよ」

 

今はまだわからない。将也はとりあえず考えることを止め、響の手をつなぐ。

ふと、空を見上げるとそこには円環に囲まれた、この世界の月があった。

 

 

(…例え、この命が人間じゃなくても…俺は最後の最後まで生き続けてみせる…!)

 

 

永夢、飛彩、大我、貴利矢、黎斗。

ずっと憧れていた英雄達の力を受け継いだことを改めて理解し、将也は固く心に誓う。

 

(この世界で…響達と一緒に…)

将也は、この世界で出会った大事な人達を見つめた。

 

 

To Be Next GAME…?

 




次回、シンフォギアエグゼイドは!

「ガシャットを作る…それが僕の能力なのか?」
覚醒した力に、疑問を抱く将也。

「さて、絶望のゲーム…スタートですわ」
そして始まる…

「くそ!僕たち、この建物に閉じ込められた!」

「だ、誰か助けてくれ!」
最悪のハンティングゲーム…

「紹介します。彼らは『デンジャラスゾンビ』と『ナイトオブサファリ』のバグスターですわ」
新種のバグスター、ついに登場!?

第14話 絶望のHUNTER!

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