戦姫絶唱シンフォギアEX-AID 運命を変える戦士   作:狼牙竜

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お待たせしました、第4話です!

シンフォギアAXZ、終わってしまいましたがこの小説は始まったばかり!
XDでは待ちに待った和装イベントの始まりに心が躍ってます!

なお、今回からイメージOPとEDをつけてみることにしました。

また、活動報告を更新しましたので確認していただけると嬉しいです。

感想、評価よろしくお願いします!

OP Exterminate

ED Rebirth-day

挿入歌 Let`s try Together



第4話 限定解除のBrothers!

 

可愛らしい外見のエグゼイド・レベル1。

その外見にキャロルは思わず笑う。

 

「さっきの姿かと思えば、随分とちんちくりんになったものだな!」

 

キャロルが腕を振るうと、空母型のアルカ・ノイズが大量のコウモリ型を吐き出す。

 

 

「やれ」

 

抑揚のない声でキャロルが命令すると、エグゼイドはガシャコンブレイカーを構えた。

 

 

 

 

 

「ハアアアアァ…オリャッ!」

 

 

 

 

立ち向かうエグゼイドだが…何と背を向けて逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

「ハアッ!?おいおい何逃げてんだよ!?」

 

 

コウモリ型は一斉に体をドリルのように回転させながら迫ってくる。

 

 

「おっ!あらよっと!」

 

ずんぐりした外見に見合わず、エグゼイドは機敏な動きでアルカ・ノイズの攻撃を避け

続けた。

 

「くらえ!」

 

目の前に迫ってきたコウモリ型に対してガシャコンブレイカーを振るうエグゼイド。

ハンマーに殴られた瞬間、アルカ・ノイズは一撃で砕け散る。

 

 

「へっへ~!かかってこい!」

 

 

エグゼイドの言葉を聞いたのか、一斉に迫ってくるアルカ・ノイズの大群。

 

 

 

 

 

 

しかし砕け散ったのはエグゼイドではなく、突撃したアルカ・ノイズの方だった。

 

「なっ!?」

 

キャロルは流石にこの光景に驚く。

シンフォギアといえど、攻撃しないことにはノイズを破壊することはできない。

 

にも関わらずアルカ・ノイズはエグゼイドに触れただけで砕けた。

 

「どうなっている!?なぜアルカ・ノイズの方が砕けた!?」

 

 

 

エグゼイドは得意気に説明する。

 

 

「ただのゆるキャラボディと思って甘く見たろ?だがこのレベル1の能力は高い防御力と、『触れただけでノイズを破壊する』能力がある!」

 

 

その能力はまるでシンフォギア…それに限りなく似ていた。

 

 

 

「行くぜ!」

 

 

エグゼイドは近くに出現していたチョコブロックをハンマーで破壊する。

 

 

その中から出てきたのは、黄色いメダル。

 

 

名前は『エナジーアイテム』。ゲームエリアで出現する特殊アイテムで、エグゼイドをはじめとした特定の存在に恩恵を与えるサポート用のアイテムである。

 

 

今回会得したのは…

 

《高速化!》

 

 

目にも止まらぬスピードに、全員が驚く。

 

「くっ!一体どこに…?」

 

 

キャロルが周囲を見回すと、エグゼイドは猛スピードでダッシュしながら迫ってくるアルカ・ノイズを体当たりで破壊しながら他のブロックを攻撃。

 

 

新たに出てきた青いメダルを獲得する。

 

 

《ジャンプ強化!》

 

「よっしゃ!ジャンプ力アップ!」

エグゼイドは先程よりも高いジャンプをし、足場となるチョコブロックを出現させながら空母型に接近。

 

 

「さて、他のアイテムは!」

 

 

近くにブロックを破壊しながら空母型に接近、やがて周囲に散らばるメダルの中から目当てのものを発見し、それをゲットする。

 

 

「させるか!」

 

 

キャロルは魔法陣から赤と青の炎を放ち、エグゼイドに攻撃する。

 

 

 

 

「危ない!避けて!」

 

 

響が叫ぶも、炎はエグゼイドに直撃、爆発が起きた。

 

 

 

――――――――――

 

「ああ…」

 

「そんな…!」

 

 

司令室で見ていた全員が炎に包まれたエグゼイドを見ており、その中でも切歌と調の

 

ショックは計り知れない。

 

 

 

だが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エグゼイドの反応、依然健在です!」

 

 

あおいの報告と同時に、新たな音声が聞こえる。

 

 

《鋼鉄化!》

 

 

《回復!》

 

 

爆煙から出てきたのは、無傷のエグゼイド。

 

 

赤い炎によってダメージを受けたが、青い炎が命中する直前に防御力を高める『鋼鉄化』をゲットして防御。さらにライダーゲージを回復させる『回復』のエナジーアイテムでダメージ分のゲージは戻っていた。

 

 

「もらったぜ!」

 

 

エグゼイドはドライバーからガシャットを引き抜き、キメワザスロットホルダーに装填、必殺技の体制に入る。

 

 

 

《ガッシャット!キメワザ!》

 

 

「ファーストステージ、クリアだ!」

 

 

 

《マイティ!クリティカルストライク!》

 

 

『MIGTHY CRITICAL STRIKE!!』

 

 

カラフルなエネルギーを纏った状態でエグゼイドは必殺のキックを放つ。

 

「ハアアアア!!!」

 

 

 

エグゼイドのキックが空母型アルカ・ノイズを穿いた。

 

 

――――――――――

 

 

消滅するアルカ・ノイズ。

 

その姿を背に、エグゼイドは着地する。

 

 

「…次はお前だな」

 

ガシャコンブレイカーを構えるエグゼイドに対し、キャロルはダウルダヴラの鋼糸をいつでも放てるように構えた。

 

 

 

 

「ハアッ!」

 

先に動いたのはキャロル。

鋼糸を束ねてドリル状に変化させ、エグゼイドに殴りかかる。

 

 

それに対しエグゼイドはガシャコンブレイカーで応戦する。

 

ぶつかった瞬間、何とキャロルの鋼糸が元の糸に分解された。

 

 

「くっ!」

 

(コイツの力…まだ隠している能力が存在する!?)

 

 

距離を取るキャロルだが、エグゼイドはまるでロケットのようにキャロルに体当たりをする。

 

 

キャロルに体当たりが命中すると彼女の体に『HIT!』の文字が浮かび上がった。

 

 

 

「攻撃が…効いてる?」

 

 

クリスは、エグゼイドの体当たりがキャロルに対して決して小さくないダメージを与え

ていることに気づく。

 

 

 

レベル1の本来の力。

 

それは本来戦うべき相手と人間を『分離』する力だった。

 

 

しかし、その力はキャロルには予想外の形で効果を発揮している。

 

 

それは…

 

 

 

 

 

 

 

(まずい!ダウルダヴラとオレが少しづつ『引き剥がされている』!)

 

 

 

 

聖遺物と装者を強制的に分離…即ち、対象の纏うシンフォギアやファウストローブを引き剥がす能力だった。

 

 

(こうなれば…!)

 

キャロルは魔法陣から無数の鋼糸を出現させ、何と響達へと飛ばす。

 

 

「なっ!?」

 

突然のことに響達は咄嗟に動こうとする。

 

 

しかし、イグナイトモジュールの暴発によってダメージを受けた体は動かず、先端が鋭く尖った鋼糸が彼女達を貫こうと迫ってきた。

 

 

「くっそ!ウアアアアアア!!!」

 

 

エグゼイドは全力でダッシュし、先程出現させたアイテムから『高速化』を発見、響達の方へと走りながらガシャコンブレイカーを高速化のアイテムにぶつけた。

 

《高速化!》

 

 

ガシャコンブレイカーが命中したことで、アイテムは武器の持ち主であるエグゼイドを認識、効果が発動されて間一髪のところで響達の間に割り込んだ。

 

 

「グウウッ!?」

 

 

無数の鋼糸がエグゼイドのボディを貫こうと突き刺さる。

 

「ハハッ!どうやらその体、ファウストローブを剥がせてもオレの攻撃を無効化するこ

とはできないようだな!」

 

 

 

響達の盾になっている以上、エグゼイドは攻撃できない。

 

何度も鋼糸がエグゼイドの装甲を削り、ライダーゲージが少しづつ減少している。

 

「ぐ……アアアァァ…!!」

 

 

 

辛うじてこらえたエグゼイドだが、ライダーゲージは残り2割ほどとなっており、マス

クの内部では警告音が鳴っている。

 

 

 

 

 

「消え去ってしまえ!」

 

 

キャロルはさらに魔法陣を展開、巨大な炎を放つ。

 

「ウアアアアアアア!?」

 

 

 

 

響達の目の前でエグゼイドは爆発し、ボロボロになった将也が転がった。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

「エグゼイドの反応、ロストしました!」

 

司令室に送られていた映像がキャロルの放った爆発で乱れると同時にエグゼイドの放っていた波形が消滅。

 

 

 

「反応が消えた…まさか…!」

 

最悪の事態が頭によぎり、足元がふらつく調。

 

「調!」

 

 

咄嗟に切歌が支えるが、調の表情は青ざめている。

 

やがて、通信が回復して映像が戻るが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐ………ウァ…!」

 

 

白いジャケットが泥と血で汚れ、ボロボロになった将也の姿が映し出される。

 

 

 

「そんな…!」

 

 

 

「あの男でも、キャロルには勝てないというのか…!」

 

 

 

アルカ・ノイズだけでなく自動人形にも圧倒的な力で勝利したエグゼイド。

 

 

しかし、大元であるキャロルに対して倒れている姿に誰もがショックを受けている。

 

 

 

そんな中、そんな中で一人だけ違和感を感じた人物がいた。

 

 

 

 

 

(…?あの目…まるでさっきの翼達と同じ…?)

 

 

マリアは一瞬だが、将也の目がイグナイトを暴発した時の翼達と同じように『右目がオレンジ、左目が青く輝いた』ことに気づいた。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

「そんな………」

 

 

目の前で血まみれになって倒れた青年の姿を見て、響は立ち上がる気力を失ってしまう。

 

 

自分達を助けようとしてくれた人を、守ることができない。

 

ボロボロになっても必死で守ってくれた人が倒れるのを、ただ見ていることしかできなかった。

 

 

 

 

 

何もできない無力感、悔しさ…悲しい思いがこみ上げてきたが…

 

 

 

「……ッ!!」

 

 

 

突然、倒れていたはずの将也が起き上がる。

 

 

 

 

それと同時に、彼の右目と左目がそれぞれオレンジと青に輝いた。

 

 

「え…?」

 

 

響達だけでなく、キャロルも突然のことに驚きを隠せない。

 

 

 

(この男…まだ立ち上がるのか!?)

 

そんな中、将也はポケットから新しいガシャット…真っ黒な分厚いガシャットを取り出し

た。

 

 

新たなガシャットに警戒するキャロルだが、将也は響の方を向いて、ガシャットを向ける。

 

 

 

 

「……ごめんなさい。少しだけ貴女達の力をもらいます」

 

 

「え?それってどういう――!?」

 

 

 

 

 

将也がガシャットのボタンを押した瞬間、ガングニールのコアが強い光を放った!

 

「なっ!?おい、お前なにして…」

 

「一体、何を!?」

 

 

嫌な予感がして、咄嗟に将也からガシャットを奪おうとその腕を掴んだ翼とクリスだったが、それと同時に将也の目が赤く輝いた。

 

 

「「「ウッ!?アアアアッ!?」」」

 

 

あたり一面にオレンジ色の粒子が散布され、それは響達の体内に入り込むと、彼女達のシンフォギアから『あるもの』を取り込んだ状態で将也の体内に戻る。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、司令室ではこの現象を解析していた藤堯から驚きの情報が入った。

 

 

 

 

 

 

「し、司令!3人のフォニックゲインが低下…いえ、あの黒い道具に吸収されています!」

 

 

 

「何だとぉ!?」

 

 

響達のフォニックゲインが吸収され、黒いガシャットはオレンジ、青、赤の光に包まれていく。

 

 

 

 

「な、何!?この感じ…」

 

 

 

 

「私達の力が…あの装置に流れていく…?」

 

 

「どうなってんだよ…こりゃあ!?」

 

 

 

 

体から力が抜けていくという未知の感覚に戸惑う響達。

 

 

 

すると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(……ちゃ…と、感……策だって…!)

 

 

 

 

 

 

(ポッ…ー……パ…が、ゲ……をナ……ートす…よ!)

 

 

 

 

 

 

 

(…の前の…者を救……め…!)

 

 

 

 

 

雑音混じりだが、様々な声が聞こえた。

 

 

どこかあどけなさを残す少年の声。

 

 

アニメじみた雰囲気の女性の高い声。

 

 

 

力強い意思を感じる、男性の声。

 

 

 

 

そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(僕は、どこ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《仮……イダ…クロ……ル!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今の声……?」

 

 

3人は、力が抜けていく感覚の中で確かに聞こえた。

 

迷子になった、子供のような声。

 

 

そして、どこまでも低く、冷徹な電子音声が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3人のシンフォギアが解除されると同時に、黒いガシャットは一際強い輝きを放ち、オレンジと青の2色をベースカラーにした2枚重ねのようなデザインの新しいガシャットへと変化した。

 

 

「………」

 

新たなガシャットを掴み、将也は立ち上がる。

 

 

 

「…行こう…『パラド』」

 

 

将也は、己と融合していた相棒に声をかけ、ガシャットを構える。

 

 

 

 

 

 

 

「ここからは、第2ステージだ」

 

小さな、だがよく通る声で宣言し、将也はガシャットを起動させた。

 

 

 

 

 

 

《マイティブラザーズ!!ダブルエーックス!!》

 

 

 

後ろにはマイティアクションXとは異なる、新たなデモ画面が表示。

 

 

そんな中、将也は冷たい目でキャロルを見据えて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エクスドライブ………変身」

 

 

 

《ダブルガシャット!》

 

 

ガシャットをドライバーに装填すると、レベル1音声が鳴らず代わりに待機音声が鳴り響く。

 

 

 

 

 

《ガッチャーン!ダブルアーップ!》

 

 

 

いつもとは異なる音声が流れ、将也はエグゼイド・レベル2に直接変身。

 

 

すると、エグゼイドの体に変化が起きる。

 

 

 

 

 

 

《俺がお前で!》

 

 

突然、エグゼイドの体の右半身がオレンジに、左半身が青に輝く。

 

 

《お前が俺で!(ウィーアー!)》

 

 

エグゼイドの体が少しづつ分解され、『二つ』の姿へと再構成されていった。

 

 

《マイティマイティブラザーズ!(HEY!)ダブルエーックス!!》

 

 

 

立っていたのは、2人のエグゼイド。

 

 

片方はオレンジをベースカラーとし、もう片方は青をベースカラーとしていた。

 

 

いつもは背中についているレベル1の顔パーツはそれぞれ右肩と左肩に半分づつくっついており、胸のライダーゲージは3本に増えている。

 

 

 

これこそが、エグゼイドが到達した新たなレベル。

 

 

 

 

『仮面ライダーエグゼイド・ダブルアクションゲーマーレベルXX(ダブルエックス)』!!

 

 

 

 

「ぶ、分裂した!?」

 

 

「なんというか…もう滅茶苦茶…」

 

「もう何でもありデスね…」

 

 

マリア、調、切歌はエグゼイドの力に驚きを通り越してしまった。

 

 

 

二人で並んだエグゼイドは背中合わせになるように並び、キャロルを見据える。

 

 

「ここからは俺達『2人』だ!」

 

 

オレンジのエグゼイドは、力強く宣言する。

 

 

 

発せられたその声は将也のものではなく、パラドの声。

 

 

 

「僕らが揃えば、貴女にだって負けはしない!」

 

 

 

将也とパラド。2人の心を宿したエグゼイドは鏡合わせのようにポーズをとり、宣言する。

 

 

 

 

 

 

 

「「超キョウリョクプレーで、クリアしてやるぜ!」」

 

(BGM Let`s Try Together)

 

 

オレンジのエグゼイド(以下、エグゼイドR)の周辺に武器のアイコンが表示され、描かれていた武器が実体化する。

 

 

《ガシャコンキースラッシャー!》

 

 

それは、ネフィリムとの戦いで黄金のエグゼイドが使っていた武器。

 

剣、斧、銃の3形態への切り替えが可能な万能武器『ガシャコンキースラッシャー』だった。

 

 

「例え2人に増えようと!」

 

キャロルは鋼糸を駆使してエグゼイド達に攻撃を仕掛ける。

 

 

すぐさまかわし、青のエグゼイド(以下、エグゼイドL)が殴りかかった。

 

 

「甘いわ!」

 

魔法陣で攻撃を防ぐキャロルだが、エグゼイドLの狙いは違う。

 

「もらった!」

 

 

後ろから声が聞こえ、キャロルは咄嗟に振り返る。

 

 

後ろにはエグゼイドRがキースラッシャーを振りかぶっており、斬撃がキャロルに迫る。

 

 

「ちぃっ!」

 

鋼糸を剣の形へと束ね、キースラッシャーを防ぐキャロル。

 

 

しかし…

 

 

 

 

 

《ガシャコンブレイカー!》

 

突如聞こえた電子音声に気を取られ、振り返るとそこにはガシャコンブレイカーを持ったエグゼイドLがいた。

 

 

(!?こいつ、いつの間に!?)

 

 

エグゼイドLの攻撃がキャロルに命中し、一瞬だが体制がよろける。

 

 

「ハアアッ!」

 

 

エグゼイドRはキースラッシャーをアックスモードへと切り替え、オレンジのテンキー部分を3つ押した。

 

 

《ズバ・バ・バーン!》

 

 

威力を増したキースラッシャーの一撃は、キャロルとて簡単に防げるものではなかった。

 

「サンキュー、パラド!」

 

 

エグゼイドLはガシャコンブレイカーをハンマーモードに切り替え、腰のスロットに装填されていたゲキトツロボッツのガシャットをセットする。

 

 

《バ・コーン!》

 

 

 

《ガッシャット!キメワザ!》

 

 

 

 

 

「砕けろ!」

 

《ゲキトツ!クリティカルフィニッシュ!》

 

『GEKITOTSU CRITICAL FINISH!』

 

 

 

赤いオーラを纏ったガシャコンブレイカーによってキャロルのファウストローブに決して小さくない亀裂が走る。

 

 

 

「―――!」

 

 

 

(マズイ!認めたくはないが、明らかにオレが不利だ!)

 

 

キャロルはまずキースラッシャーを使うエグゼイドRに狙いを定める。

 

「その武器は使わせん!」

 

魔法陣から炎を出してエグゼイドRへと攻撃をする。

 

「うあっつ!?」

炎によってキースラッシャーで斬りかかることができず、距離を取るエグゼイドR。

 

しかし、エグゼイドRは周囲を見ると、近くにあったチョコブロックを破壊。

 

 

《透明化!》

 

「っしゃ!アイテムゲット!」

 

エグゼイドRの輪郭がぼやけ、やがてその姿が消える。

 

 

 

「何だと…ぐあっ!?」

 

突然攻撃をくらい、怯むキャロル。

 

 

その後ろには透明化のエナジーアイテムで姿を消したエグゼイドRがいた。

 

 

「将也!パス!」

 

「パラド!これを!」

 

 

 

2人のエグゼイドは武器を交換し、エグゼイドRはガシャコンブレイカーをブレードモードに、エグゼイドLはガシャコンキースラッシャーをガンモードに切り替える。

 

《ジャ・キーン!》

 

 

《ズキュ・キュ・キューン!》

 

 

 

エグゼイドLはすかさず近くのブロックを破壊し、エナジーアイテムをゲットする。

 

 

《鋼鉄化!》

 

鋼鉄化によって威力を増したキースラッシャーの弾丸と、透明化によって見えないエグゼイドRの斬撃がキャロルを襲った。

 

 

 

 

 

 

エグゼイド達の絶妙なコンビネーションにS.O.N.Gのメンバー達も驚きを隠せない。

 

 

「凄いコンビネーション…」

 

 

「ああ…まるで互いの意思が完璧に通じ合っているようだ」

 

 

「片方の隙ができないようにそれぞれでカバーしあってる…あいつら、強すぎだろ…」

 

 

響達もコンビネーションやチームでの戦いを行うことは多かったが、彼ら二人のタッグは次元が違う。

 

 

片方が攻撃をすると、その隙をもう片方が埋める。

 

 

 

寸分の狂いもなく、互いにカバーすることでキャロルの圧倒的な力を封じていた。

 

 

 

 

 

「ぐうう…おのれえぇ…!」

 

 

強度を増した弾丸と不可視の斬撃によってキャロルのファウストローブはあちこちがひび割れていた。

 

 

アイテムの効果時間が切れ、エグゼイド達は並び立つ。

 

 

 

 

「将也。トドメはやっぱり…?」

 

「ああ。必殺技で決めるぞ!」

 

 

エグゼイド達は同時にゲーマドライバーのレバーを閉じる。

 

 

《ガッチョーン!キメワザ!》

 

 

 

 

 

同じ音声が流れ、2人は同時にレバーを開いた。

 

 

 

《ガッチャーン!》

 

 

 

 

《マイティ!ダブルクリティカルストライク!》

 

『MIGHTY DOUBLE CRITICAL STRIKE!』

 

同時にジャンプしたエグゼイドは、キャロルにキックを放つ。

 

 

「まだまだぁ!」

 

エグゼイドRがキャロルの後ろに回り込み、回し蹴りでキャロルを空中に浮かせる。

 

「ハア!」

 

 

無防備になったところをエグゼイドLが連続キックでダメージを与え、地上から二人で×字を描くようにキャロルを吹き飛ばす。

 

 

「「くらえええええ!!!」」

 

 

 

上空まで飛び上がった2人は、ダメ押しとばかりにキャロルに対して同時にキックを放った。

 

 

 

 

《パーフェクト!》

 

『PERFECT!』

 

 

 

 

――――――――――

 

ファウストローブが解除され、少女の姿に戻ったキャロルが倒れる。

 

それを確認したエグゼイド達は同時にゲーマドライバーを閉じ、ガシャットを引き抜く。

 

 

《ガッチョーン!ガッシューン!》

 

 

すると、変身が解除されてエグゼイドRはパラドに、エグゼイドLは将也の姿に戻り、ガシャットの青の部分は緑へと変化する。

 

 

 

それと同時に、荒地だったはずの空間は元の基地へと戻る。

 

 

 

「あのキャロルを倒すなんて…」

 

エルフナインは、エグゼイドの底知れない力に驚きを隠せないでいた。

 

 

「どうやら、彼なりに手加減はしていたようだ」

弦十郎の言うとおり、キャロルはファウストローブこそ解除されたが生命反応は健在。

 

しかし、彼女の使っていたダウルダヴラはエグゼイドの攻撃によって損傷、ファウスト

ローブとして纏うことができないほどまでボロボロにされた。

 

 

 

「ここまで…やってくれるとはな…!」

頭から血を流したキャロルは何とか立ち上がる。

 

「まあいい。ここまで破壊できれば、オレの最低限の目的は達した」

 

キャロルの言葉は強がりではなく、事実。

 

 

彼女が行った破壊行為。そして装者達との戦いで既に基地の発電施設はあちこちがダメージを受けていた。

 

 

 

「しかし、今日のところは引いてやろう。…正直、そこにいる歌女達の相手も面倒だ」

 

 

キャロルは懐からテレポートジェムを取り出す。

 

 

数時間前、レイアが使っていたものと同じだと気づいた将也はすぐさまガシャットを構えるが…

 

 

 

「逃がすか…あぐっ!?」

 

 

突然、頭を押さえて倒れこむ。

 

 

「将也!おい!、大丈夫か!?」

 

 

 

パラドがすぐさま駆け寄るが、その間にキャロルはテレポートジェムを砕いた。

 

 

 

「いずれまた会おう、仮面ライダーエグゼイド!貴様にやられた借り、いずれ何倍にもして返してやる!」

 

 

転移の光に包まれ、姿を消したキャロル。

 

 

 

追いかけようとする将也だが、凄まじいレベルの頭痛に気を失ってしまった。

 

 

 

――――――――――

 

「おい、将也!」

 

パラドが呼びかけるが、将也は一向に目を覚まさない。

 

 

体が動くようになった翼は、すぐに通信機を起動させ、弦十郎に連絡を取る。

 

「司令!大至急救護班を!宝条将也が現在意識不明に!」

 

 

《わかった!すぐに救護班を呼ぶ!》

 

クリスは将也を支えていたパラドに声をかけた。

 

 

 

「おい、そいつは大丈夫なのか!?」

 

 

 

「ああ…多分、レベルXXをエクスドライブで起動させた影響で肉体への負荷が大きかったんだろう」

 

「エクスドライブ…!?」

 

パラドが何の気なしに呟いた言葉に3人は同時に目を見張る。

 

 

「どういうこった…お前たちが使ってんのは、シンフォギアなのか…?」

 

その問い掛けに、パラドは暫く悩んだ表情を浮かべたが…

 

 

 

 

 

「……わかった。俺の知っている情報を話せる限り説明する」

パラドは鋭い目で響達を見据えた。

 

 

 

「そして………できれば将也を、助けて欲しい…」

 

 

この時、パラドが言った言葉の本当の意味を、まだ響達は理解していなかった。

 

 

そして彼女達は知る事になる。

 

 

 

宝条将也。彼の過去を…

 

 

 

 

 

ルナアタックの日に隠されたもう一人の戦士の始まり…『ゼロデイ』を。

 

 

 

To Be Next GAME…?

 




次回、シンフォギアエグゼイドは!

「俺達の力の源、それはバグスターウイルス」


ついに明かされる、ライダーシステムの秘密!


「教えてくれ!あのルナアタックの日に一体何があったんだ!?」

降りしきる雨の中…


「ちょっと…悪乗りが過ぎたみたいだな…」


消えたのはひとつの命…


「ゲムデウスは、俺達が追う最悪の敵だ」

「貴女達では、奴には絶対に勝てない」



すれ違う装者と将也―――


「私は、何があっても将也君を信じます!」

それでも、彼女は己の正義を信じ続ける!




「僕は………どうしてライダーになったんだっけ…?」


第5話 失われたOrigin!

――――――――


今回使ったマイティブラザーズ、テレビ版ではなく映画仕様となっています。

そのため、今回限りでレベルが20ではなくダブルエックスへと変化しており、テレビ本編で永夢が使っていたブラザーズよりも強くなっています。

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