魔法先生ネギま!クロスオーバー嘘予告集   作:カゲシン

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ゲゲゲの鬼太郎×魔法先生ネギま!

「ここ、は……」

 

生まれ故郷から、忌み子として疎まれた少女がいた

 

「よお、目ぇ覚ましたか嬢ちゃん」

 

理由はそう、彼女が『半端者』だったからだ

 

髪の色も、目の色も、そして翼の色も

 

里の者とは違う

 

桜咲刹那は、半妖だった

 

「貴方は……うっ、この臭い」

 

「あん?そんなひでぇか?わりかし最近……そう、一週間前には水浴びしたはずなんだがなぁ」

 

「充分不潔過ぎます!」

 

これは彼女がもう一人の半妖と出会い、己と改めて向き合うことになった、14歳の春

 

「第一、貴方は一体……」

 

「俺か?俺は……」

 

ネギにも、そして木乃香にも心を開く前の、一月足らずの短い物語

 

「ねずみ男ってんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「馬鹿な!?関西呪術協会も……学園どころか麻帆良そのものも無い!?」

 

夢か幻か、はたまた神隠しか

 

刹那が目を覚ました場所は、刹那の知る日本にあらず

 

「だーかーら、俺様がこの世界でも生活してやれるようマネジメントしてやるっつってんだよ。同じ半妖同士、仲良くしようや」

 

「その半妖呼びはやめてください、呼ばれること自体……それに、貴方と同じ扱いにされるのも心外です」

 

「わ、わかったからそんな怖い顔すんなって。よろしく頼むぜ?相棒」

 

元の世界に帰るため、そしてそれまでこの世界で生きるため

 

刹那は、ねずみ男と行動を共にした

 

 

 

 

第1話 「ねずみ男」

 

「そら見ろ刹那!お前が退治してくれたおかげで大儲けだぜ」

「あれは退治というか、低級霊を除霊しただけで……」

 

 

 

「ねずみ男さん!あれは霊も妖怪も関係ないと言ったでしょう!?」

「こまけぇなぁ、向こうが有り難がって礼をくれたんだ、そのまま素直に受け取って何が悪いんだよ」

「しかしそれでは!」

「あのなぁ刹那、このビジネスは除霊や退魔そのものだけに価値があるわけじゃねえんだ。そういうことがちゃんと出来るお前が立ち会ってくれている、だから大丈夫だっつー安心を客に売ってんの。お前も疲れず済むし楽でいいだろ?」

「……あなたは、間違っている!」

 

 

 

「なっ、あなたさっき逃げ出したはずじゃ……」

「へっ、お前がここでやられちまうと明日からのおまんまが食い上げなんだ。それに大事な金づ、もとい妹分を……見殺しにしてたまっかよぉっ!」

「ねずみ男さ……ってうわ!何してんですかこんなとこで!?」

「俺様のとっておきをお見舞いしてやんのよ!くらえくそ妖怪!」

(やっぱりこの人は……おかしい!)

 

 

 

 

 

第2話 「ゲゲゲの鬼太郎」

 

「妖怪と人間全員が、分け隔て無く仲良く手を取り合う?」

「ああ、だから刹那ちゃんも……」

「そうしようとした先に何が待っているか……あなたは、わかっているんですか?」

「え?」

「あなたは何も、わかっちゃいない!」

 

 

 

「よせ刹那!相手は鬼太郎だぞ!」

「その結果生まれたのが私だ!父の里では疎まれ続け、そこから逃れた先でも妖の身分は隠し続けなければならなかった。幾ら綺麗事を並べたところで、所詮人は妖怪を、妖怪は人を忌避する運命からは逃れられない!」

「違う!誰もがそう思っているわけじゃない!」

 

 

 

「……私はまだ、あなたの考えを受け入れることはできません」

「刹那ちゃん……」

「ですが、頭ごなしに否定することは改めましょう。もう少し、見届けさせてください。この人と、人間とも妖怪とも違う……半端な立場、かもしれませんがそこから」

 

 

 

 

 

第5話「陰摩羅鬼」

 

「け、結婚!?遠出してしばらく戻ってこないなと思ったら、何考えてるんですか!」

「何って、将来を見据えた真剣な考えよ。俺ぁ決めたんだ、小百合ちゃんと結婚してこの寺を守るって」

「小百合さん……手紙にも書いていた、お相手の名前ですか」

「ああ、あの子は行き倒れの俺を救ってくれた天使であり、運命の相手だったっつーわけよ!」

 

 

 

「はい、今はあそこで、前は一人で暮らしていた小百合さんという方と二人で……って、どうされたんですか?」

「どうした、って……なあ?」

「んだ」

「?あの……」

「……小百合さんっちゅうたら、何年も前に死んでる筈だぁよ」

「!?」

 

 

 

「頼む、頼むよ刹那……小百合ちゃんから、その陰摩羅鬼ってやつをよぉ」

「ですが、陰摩羅鬼を離してしまえば小百合さんは……」

「わかってるよ、んなこたぁ!けどよ、小百合ちゃん苦しんでるんだよ……俺ぁ、もう、見たくねぇよ……」

「ねずみ男さん……」

「小百合ちゃんを、苦しんでる小百合ちゃんを……救って、やっ、ってくれ、刹那ぁ……」

 

 

 

 

 

第8話 「釜鳴」

 

「お?まだ綺麗な釜ってことは、最近まで誰かが使ってたな。どれ、隅っこに米粒の一つくらい……」

「ねずみ男さん、またそんなみっともな……!?危ない!」

「どわぁっ!なんだこれ!?」

  『ほう、上質な【気】じゃないか。折角だ、汚いこいつよりお前のをもらってやる』

「ぐっ、やめろ!中に引っ張り込……うわあああああっ!」

 

 

 

「なあ刹那、確かに髪は女の命っつーけどよ?現代はカツラの技術も進歩してるし、髪がどーこー関係なしにお前は元々器量がいい。だから俺が言うのもあれだがその、済んだことは水に流してだな……」

「そんな問題じゃないんです!確かに髪も大事態ですが、それ以上にやつは夕凪を奪っていったんです!あれは京の長から譲り受けた由緒ある……あ、れ?」

「おい、刹那どうした!?」

「力が、入らな……まさかあいつ、髪と夕凪だけじゃなく!」

 

 

 

「 斬岩剣! 斬鉄閃! 雷鳴剣! 」

(くっ、まずいこのままじゃ押し切られる……)

「やはり……あいつ、私の力を根こそぎ奪ってパワーアップしている。このままじゃ鬼太郎さんが……」

「はーはっは!最強妖怪剣士、釜鳴様の誕生だぁ!」

「き、鬼太郎ーー!」

 

 

 

 

 

第17話 「折りたたみ入道」

 

「えっと、あなたもねずみ男さんなわけですから……なんとお呼びしたらいいか」

「ははっ、確かに。ねずみさんでも、弟さんでも、好きに呼んでください。けど嬉しいな、兄さんだけでなく可愛い妹まで出来た気分です」

「おーい二人とも!子泣きから酒もせびってきたし、兄弟の再会を祝して今夜は飲み明かすぞおっ!」

「あの、私はまだ未成ね……」

 

 

 

「はぁっ!?なんで妖怪アパートの住民の失踪事件で、俺の弟が疑われてんだよ!?」

「発生時期が弟さんのご入居と重なってしまったからでしょう。しかし現場に私も何度か立ち会いましたが、残っていた妖気は弟さんのものとは別物でした」

「あったりめぇだ!こうなりゃ俺達で、真犯人を見つけ出すしかねえ!やるぞ刹那!」

「はい!」

 

 

 

「頼む鬼太郎!俺のたった一人の弟なんだ許してやってくれ!こいつもきっと悪気があったわけじゃ……なあ、そうだろ!?あの妖怪に脅されてたとか何か事情が……」

(なんだ、この、嫌な予感は……)

「おい!逃げようとすんない!お前も誠心誠意頭を下げ……ん?なんだその尻尾?」

(!?まさ、か……こいつ……)

 

 

 

 

 

第??話 「吸血鬼エリート」

 

「こいつ、ただの吸血鬼じゃない。真祖であるエヴァンジェリンさんほどではないが、充分上位の……」

「そう、私は吸血鬼エリート。君も聴いていくかね?数多くのエリート美女達を虜にした、私の演奏を」

「ぐっ、なんだこれは。力が……」

「美女、というにはまだ少々幼いが、エリートの資質を秘めた美少女だ。元々の狙いの彼女と併せて二人分、持ち帰らせてもらおう」

 

 

 

「俺の……俺の、せいだ……俺が金に釣られて、刹那にもろくに話さず別行動をとって。だからあいつは、吸血鬼エリートとかち合う羽目になって……」

「ねずみ男……わかった、僕に任せてくれ。絶対に刹那ちゃん達を助けに」

「……俺も、連れてってくれ」

「おいねずみ男!相手は吸血鬼エリートじゃぞ!」

「うるせえ!エリートだかレシートだかしらねえが、大事な妹分……いや、仲間、いや…………家族を取られて、黙って待っててられっか!」

 

 

 

「ぐっ、ぬっ、エ、エリート吸血鬼は……ただでは、死なんぞ……」

「おい、馬鹿、何やってんだやめろ!」

「親愛なる妹、ティナ、よ……これまでのエリート美女の血は、使えんが……この血、だけでも受け取れ……」

「やめろおおおっ!触るんじゃねえええっっ!」

「まだ幼いが……妖怪であり、エリートである美少女の血だ。これで、お前も、俺のように一端の吸血コウモ、リからエリート吸血鬼へ、生まれ……変わ……ってく……れ……」

「刹那ぁぁぁぁぁーーーーーーっっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終話 「桜咲刹那」

 

 

 

 

 

「ねずみ男さん……今まで、本当にお世話になりました」

 

 

 

 

 

「それと、鬼太郎さんには一つ伝言をお願いできますか?ええ、『来たるべき時、彼女へ迷わず伝える決心がついた』と」

 

 

 

 

 

「では、どうかお元気で……ちょっと、握手したままじゃ私行けないじゃないですか」

 

 

 

 

「え?離そうとしないのは自分だけじゃない?何を言って……」

 

 

 

 

 

「……駄目ですね、私。こういうところはまだ、弱いま、まで、す……ね……っ」

 

 

 

 

 

「………………さようなら、ねずみ男さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲゲゲの鬼太郎 半妖鳥鼠伝

 

20XX年、公開未定




 話の舞台は、第4シリーズ(松岡鬼太郎)をイメージしてます。1・2・最終話以外のエピソードも第4シリーズから引っ張ってきてます。世代なのもありますが、千葉さんのねずみ男が一番好きですね。

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