合宿開始してから3日目の朝アザゼルから連絡がきた。
「朝っぱらから何?」
「ああ、すまんな。この間お前が保護した子がお前に会いたいって言っててな。」
「う~ん、今合宿中なんだけど・・・。」
困ったわね。あの子私に懐いちゃったからな~。
「そっちが構わないなら魔方陣で送ってやってもいいぜ?」
「私の一存で決める訳にはいかないのよね~。ちょっと相談してくるからまた後で連絡するわ。」
「おう、わかった。それにしても懐かれてるな、お・ね・え・さ・ま。」
「やかましい!それじゃ~、一回切るわよ。」
そう言って通信を切り、相談するためにみんなの元に向かった。
30分後・・・。
「お姉さま!」
魔方陣から出て来たとたんこの子に抱きつかれた。
「アーシア~、大人しく待ってなさいって言ったじゃない。」
「でもでも、寂しくて~。」
くっ、上目遣いでうるうるした目で見られたら無碍に出来ないじゃない!
「たくも~、仕方ないわね。居てもいいけど修行の邪魔しちゃ駄目よ?」
「はい!わかりました、お姉さま!」
この子の名前はアーシア・アルジェント。ドーナシークに利用されそうになった
「そういえばアーシアって料理できたわよね?」
「え~と、簡単なものなら。」
「それならここに居る間みんなの食事当番してくれない?」
「はい!わかりました~。皆さんのお役に立てるように頑張ります!」
「てことなんだけど、みんなもいいかしら?」
「ええ、異論はないけど随分懐かれてるわね?」
「あはははは。」
保護した時に色々町案内とか遊びに付き合わせたんだけど、教会で育ったらしく見るもの全部珍しかったみたいでそれから妙に懐かれたというか尊敬の眼差しで見られるようになっちゃったのよね~。
多分、雛鳥が最初に見たものを親と思い込むのに似たような感じなんでしょうね。
それからアーシアを加えて数日後の夜、ちょっと夜風に当たりたくて外に出た。
ん~、星が綺麗ね~。街中に居るとこういう夜空って見られないのよねぇ。
ふと、テラスを見るとリアス部長が眼鏡をかけて本を読んでいた。
「先輩、目悪かったでしたっけ?」
「ああ、里奈も外に出ていたのね。これは集中したい時に着けてるだけよ。」
気分の問題か。分からなくもないかな。
「今回の事なんだけど、どうしてそんなに拒否してるの?まぁ、相手がライザーってのもあるんでしょうけど、それだけじゃないわよね?」
「ふふ、そうね。私は私の事をグレモリーでは無くリアスとして見てくれる人と結婚したいのよ。」
あ~、家柄とか大変そうだもんなぁ。私には無縁だけど。
「先輩も乙女ですね。まぁ、気持ちは分からなくも無いけど。」
「我侭なのも分かってるつもりなんだけど・・・せめて学生の間は自由に生きたいのよ。」
先輩は自分に正直なのね。
「ねぇ、里奈?私達勝てるかしら?」
「正直私抜きだと他の眷属には勝ててもライザーには勝てませんね。とはいえ、私も参加しますし、なによりライザーには誰に喧嘩売ったかきっちり教え込まなくちゃいけないわ!」
「頼りにしてるわよ!とはいえ修行したんだから私達も全力でいかせてもらうわ!」
「もちろんですよ。明日はみんなで勝ちましょう!」
先輩と拳を軽くあわせて部屋に戻った。
強引にねじ込んでしまった・・・。
一応フェニックスと会った日の後に保護ということにしてます。ちょっと無理矢理でした。
何はともあれ次回はゲーム開始です!