スレイヤーズD×D   作:デンドロビウム

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コカビエル参戦・小猫の決意

 

 

メフィが暴走大暴れした翌日からは反省したのかキチンとイリナとゼノヴィアに修行を行っていた。

 

あれから一週間。私も現状の力に慣れてきたしガウリイも強くなっている。

 

うんうん、順調にいってるわね〜。

 

そんな時アザゼルが様子を見に私達の元に訪れた。

 

コカビエルを伴って。

 

「里奈達は順調にいってるみたいだな。」

 

「ゼノヴィアの力もかなり安定してるじゃないか。」

 

アザゼルとコカビエルがそれぞれ感想を述べる。

 

「里奈もそうなんだがガウリイ、イリナ、ゼノヴィアの三人も覚えが良くてな、才能は全員かなり高いレベルで持っているから教える方としてもやり甲斐があっていいな。」

 

「そうですわね。イリナさんもゼノヴィアさんもドラゴンの力の使い方が日々うまくなってますし天使の力もデュランダルの扱いも良くなってますわ。」

 

ミルさんとメフィの話を聞いていたアザゼルが私の方を向いて

 

「里奈も魔力の放出を抑えられてるみたいだが、実際どうなんだ?」

 

「取り敢えず篭手の状態は前とほぼ同じ位扱える様になってきたからそろそろ禁手(バランス・ブレイカー)を使って実戦て感じかしら?」

 

「ガウリイも禁手(バランス・ブレイカー)使わずにやってるのか?」

 

「ああ、純粋に剣の腕を上げたいからな。とはいえ里奈も禁手化(バランス・ブレイカー)を使うとなると追い付けなくなるから俺もそろそろ使う感じかな〜。剣と能力を合わせた戦いにも慣れなきゃいかんだろうし。」

 

「なる程な。これから修行も激化していきそうだしタンニーンとティアマットの負担も増えるだろうと思っての提案なんだが、コカビエルにも加わってもらおうと思うんだがどうだ?」

 

アザゼルの突然の提案にみんなが驚く。

 

なんたかんだでアザゼルに付いてきてるあたり、前のような事は無いんだろうけど・・・。

 

などと考えてるとコカビエルが口をひらいた

 

「まあ、お前等が警戒すんのもわかるし信頼できんのも当然だな。だから殺されても文句は言えない。だが、あの野郎には殺された怨みとそれからヴァルガーヴを俺自ら鍛えたい、前は途中で俺がやられちまったからな、今回は最後まで面倒見たい。」

 

ふむ。

 

「いいわよ。」

 

「本当にいいのか?」

 

あっさり答えた私に驚きながら聞いてくるコカビエル。二度も戦ったのだから当然の反応だろう。

 

「そうね〜、全面的に信用ってのは確かに難しいけれど実際に奴とやり合うことを考えると戦力は多いに越したことはないわ。それに二度も戦った私達に頼んできたのはそれなりに覚悟があっての事でしょう?それなら私に断る理由は無いわね。」

 

「里奈がそう言うんなら俺もいいぜ。人を見る目はあるからな。」

 

ガウリイは相変わらずね〜。まあ、信用してくれてるって事だし・・・嬉しいかな。

 

「ならば私も賛同しようか。人手があるのは助かるし嘘を言ってる感じもしないしな。メフィもそれでいいな?」

 

ミルさんも賛同してくれてメフィも頷いている。

 

「そうだ、あとひとつだけいい?どれくらい力戻ってるの?学園で戦ったままじゃないわよね?」

 

「その疑問も当然だな。あの頃(・・・)とまでは流石にいかないがっ!」

 

ドンッ!!

 

言いながら力を開放するコカビエル。

 

「どうだ?これなら文句ないだろ?」

 

不敵に笑いつつこちらを見てくる。

 

なる程、言うだけあって軽く見ても魔王クラスはある。

 

「流石に元五人の腹心ね〜。これなら文句は無いわ。それならゼノヴィアはコカビエルにお願いするわ。ゼノヴィアもそれでいいわね?」

 

「ああ。ドラゴンの力にも慣れてきたしガーヴ様に修行つけてもらえるなら文句は無い。」

 

まあ、ある意味念願叶ってって所だろうし。

 

「私もゼノヴィアと一緒でいい?」

 

話を聞いていたイリナが聞いてくる。

 

「なんで?」

 

「ゼノヴィアとのコンビネーションをもっと合わせたいのと前世の感情のせいかしら?一緒に修行したいな〜と思ったのよ。」

 

ああ〜。元がフィリアだからな〜。

 

「私も異論は無いぜ。イリナとは教会の頃からパートナーだったからな。むしろそっちの方がありがたい。」

 

ゼノヴィアも無意識でかもしれないが前世の感情が影響してるかもしれないわね。

 

「そうだな。二人は俺が担当しよう。里奈とガウリイが今後禁手(バランス・ブレイカー)を使うとなればタンニーンといえども一人で相手するのはきついだろう?」

 

コカビエルも同意してくれたので二人は任せることにして・・・そういえば

 

「ミルさんとメフィって記憶とか感情って前世寄りなの?」

 

「ああ。我らはちょっと特殊でな、人格が二つあるという感じで里奈たちの前ではこっちに切り替えている。」

 

「二重人格?」

 

「似たようなものだが少し違うな。記憶と体を二つの人格というか魂で共有してるといえばいいかな。あの方(・・・)が言うには私とメフィは魂の次元が人間よりも一つ上の存在らしくてな、少し特殊な転生になっているらしい。イリナとゼノヴィアも同じはずなんだが二人は同化しているみたいだな。多分転生の影響だろう。」

 

「ということは私とドライグみたいに心の中で会話とかできるの?」

 

「里奈とドライグ程じゃないが簡単な意思の疎通はしている。」

 

なるほど〜、転生といってもそれぞれ特徴があるのね〜。

 

「ところでアザゼル、他のみんなはどうなの?」

 

「全員順調だぜ〜、と言いたい所だがギャスパーの対人恐怖症克服がなかなか上手くいかないな。まあ少しは良くなってきてはいるから長い目で見るしかないな。ああいうのは焦っても仕方ないからな。」

 

ギャスパーの場合は内容が内容だけに仕方無い。

 

「朱乃は?」

 

「あいつが一番頑張っているな。前世の記憶が戻ったせいもあるだろうが雷光の使い方を習うために俺に相談してきてな、バラキエルとちゃんと話す事を条件に連れて行った。まあ、行き違いとかすれ違いでお互い離れていたからな、話し合って大分和解出来たみたいで今は親子で修行してるよ。」

 

朱乃が自分から行動するなんてね〜。まあ、ミリーナの時の記憶も戻った影響でしょうね。あの話もしちゃったし。

 

「あとは小猫の仙術の修行が進んでないせいかちょっと焦りが見えるな。小猫の場合、師がいないから仕方無いんだがあの子もどうにかしてやりたいな。」

 

「アザゼルのつてで誰かいないの?」

 

「いるにはいるんだが、奴はおいそれと動ける立場ではないからな。そうなると適任がいないんだよな〜。」

 

言いながら困り顔のアザゼル。ほんとお人好しよね〜、本人に言うと暇なだけだって否定するでしょうけど。

 

「小猫は今どこにいるの?」

 

「ん?今日はちょっとオーバーワーク気味だったから部屋で休んでるはずだ。どうする気だ?」

 

「私も似たような感じだったから話してみようと思ってね。」

 

「里奈も俺の事言えね〜じゃないかよ。」

 

ホントね。

 

取り敢えず今後の方針も決まったので私は小猫の部屋に向かう事にした。

 

 

 

コンコン。

 

「入るわよ〜。」

 

ノックして声をかけながら小猫の部屋に入る。

 

「里奈先輩、なにかありましたか?」

 

小猫はソファーに座ってお菓子を食べていた。

 

「アザゼルに話を聞いて様子見に来たのよ。焦ってるんだって?」

 

誤魔化しても仕方ないので正直に話すことにした。

 

小猫はちょっと驚いた顔をしていたがすぐに落ち着き話しだした。

 

「焦ってる・・・そうですね、そうかもしれませんね。それと同時に姉様のことも思い出してしまうのでそのせいもあって上手く行かなくて・・・。あの、里奈先輩は私の話は聞いてますか?」

 

「簡単にだけどライザーの時にリアスから聞いたわ。で、それを聞いて思い出したんだけど私、小猫の姉さんと少し戦った事あるわ。」

 

「え!本当ですか!?」

 

「アザゼルからの依頼ではぐれ悪魔の追跡というか捕獲(・・)任務をやったんだけど今考えると相手は小猫の姉さんで正式にはサーゼクスから頼まれたものだったみたい。」

 

「それってどういう?」

 

「あの時は特に気にしなかったんだけど、リアスに話を聞いてからアザゼルに確認とったんだけど、悪魔側だと処罰せざるおえない状況で、とはいえ内容が内容だったのと小猫のこともあってサーゼクスとしてはなんとかしたかったらしいのよ。で、アザゼルと相談して堕天使側で捕獲、保護しようとしたらしいわ。」

 

「そんな事が・・・。」

 

最初からこれを聞いていればもっと他のやり方もあったのにな〜、と思うんだけど・・・まだ同盟前の話だったしサーゼクスとつながってる事も知らなかった時だったからね〜。

 

「で、まあ私が依頼受けて行ったんだけど私もそれ程仙術に知識があったわけじゃなかったからまんまと逃げられたのよね〜。」

 

「里奈先輩でも捕まえられなかったんですか?」

 

「私だって万能じゃないもの。まだ中学生だったし流石に知識がないと対処出来ないわよ。」

 

いくつか手傷負わせてそこそこ追い詰めたのだが最終的には逃げられてしまった。

 

「先輩、姉様はどんな感じでしたか?」

 

「ん〜、表向きは力に溺れて暴走して主を殺して逃走したことになってるけど戦った印象だと確かに戦闘は好きそうだったけど力に溺れたって感じでは無かったと思うわ。そもそも力に溺れた奴って大体は無差別に誰かを傷つけたり殺したりってパターンが多いけど、彼女は主とその眷属しか殺してないはずよ。小猫を守る為にってのはあながち間違った解釈ではないと私は思うわ。」

 

「私を守るため・・・。」

 

あ・・・。

 

「もしかして・・・聞いてなかった?」

 

「はい。私はリアス先輩やリアス先輩の家族だけでなく姉様にも守られていたのですね・・・。」

 

そう言って小猫は俯いてしまった。

 

やっちゃった〜。とはいえ言ってしまったものは仕方無い。

 

「小猫はこれからどうしたい?」

 

「これからですか?」

 

「そう、これから。守られたままでいるのか、それとも自分で切り開いていくのか。」

 

小猫は私の言葉を聞いて顔を上げ

 

「守られたままは嫌です!リアス先輩もそうですが姉様にもです!今度は私がみんなを助けられるようになりたいです!」

 

これだけ言えれば大丈夫ね。

 

「じゃあ、強くなるしかないわね。といっても無理はしちゃ駄目よ。私も最近まで色々一人でやっててでも結局バレてみんなに心配かけちゃったから。だから頼りなさい、みんなに。それで強くなってみんなに恩返ししたらいいわ。」

 

「そうですね。でも正直今のままだと仙術の修行はこれ以上は・・・。」

 

「ん〜、これが参考になるかわからいけれど小猫の姉さんと戦った時に私が見たのを教えてあげる。それと仙術だけが小猫の力ではないでしょ?アメリアの時の記憶や戦い方や考え方も使えば小猫は今以上に強くなれるわよ。直ぐには無理でしょうけどアザゼルも仙術に関しては誰か教えてくれるような人を探してるし、今だけじゃなくこれからを考えて使えるものは全部使って強くなればいいんじゃない?」

 

「そうですね。里奈先輩の話を聞いて姉様が暴走しただけじゃ無い可能性もあるとわかったので、次に会う事があったら力も気持ちも成長した所を見せてもう守られてるだけじゃないというのをみせつけたいと思います。」

 

うん、この調子なら大丈夫ね。

 

「元気になったみたいで安心したわ。とはいえ無理しちゃ駄目よ?」

 

「はい!里奈先輩と同じにならないように気をつけます。」

 

「言われちゃったわね〜。」

 

それから暫く小猫と話をして残りは私も休む事にした。




タイトルほどコカビエルは絡んでませんね。

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