スレイヤーズD×D   作:デンドロビウム

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この章も後数話で終わりですね~。


カテレアの策謀

 

 

〜 アザゼル side 〜

 

魔法陣の紋様を見た時俺は笑ってしまった。

 

「レヴィアタンの魔法陣・・・。」

 

サーゼクスが苦虫和噛み潰したような顔をして呟いた。

 

まあ、そうなるわな。レヴィアタンの魔法陣だが、セラフォルー(・・・・・・)の魔法陣ではないのだから。

 

セラフォルー自身も複雑な顔をしている。

 

そして魔法陣から現れたのは予想通りの女性悪魔だった。

 

「ごきげんよう、現魔王のサーゼクス様。」

 

嫌味ったらしいこって。

 

「先代レヴィアタンの血を引く、カテレア・レヴィアタン。これはどういう事だ?」

 

サーゼクスも分かっている筈なんだが聞かずにはいられないか。

 

なんせ奴等は魔王が滅んでも徹底抗戦しようとし、結局今の新政府の奴等に旧魔王派の連中は冥界の隅に追いやられたらしいからな。

 

「旧魔王派のほとんどが禍の団(カオス・ブリゲード)に協力することに決めました。」

 

こうなるよな〜。

 

「カテレア、それは言葉通りと取っていいんだな。」

 

「その通りです。今回の攻撃も我々が受け持っております。」

 

なる程

 

「クーデターか。」

 

「カテレアなぜだ!」

 

「今日この会談の逆の結論に至っただけです。神も魔王もいないのなら我々が世界を変革すればいいと。」

 

・・・考えが俗物だな。。

 

「オーフィスの野郎はそこ迄未来を見ているのか?そこまでは至ってないと思うんだがな。」

 

オーフィスは俗世には興味が無いと思うんだがな。

 

「彼には力の象徴としての役割を担うだけです。彼の力を借り我々が世界を滅ぼし、もう一度構築します。新世界を我々が取り仕切るのです。」

 

「くっくっくっ、は〜っはっはっはっはっ!!」

 

俺はカテレアの台詞を聞いて盛大に笑ってやった。

 

「何がおかしいのです、アザゼル!!」

 

そりゃ〜

 

「全部だよ、全部。新世界だぁ〜?笑わせる。自分達の力だけじゃ出来ないからオーフィスの力を借りるくせにその世界をお前等が取り仕切るなんてな。そんな他力本願の奴の言う事聞く奴なんていね〜よ。大方セラフォルーに魔王の座を奪われたとか言うんだろ?」

 

「ええ、そうです。私が正統なるレヴィアタンの血を受け継いでいるのです。私こそが魔王に相応しかった!」

 

駄目だこいつ

 

「くくっ、くっくっくっくっ。」

 

笑いが抑えられない。

 

「アザゼル!あなた程の力があればわかると思いますが?なぜ笑うのですか!」

 

「わかんねぇな、俺は今の世界に満足してるんでな。それに、だ、現状魔王はサーゼクス達だ。仮にお前等旧魔王派が魔王に相応しいのなら政権は変わらなかった筈だ。そんなことも分かってないから笑いが止まらないんだよ。違うか?」

 

「なっ!」

 

何も言えないよなぁ?真実なんだから。

 

「身の丈に合わない野望は身を滅ぼすぜ?サーゼクス達に協力する気が無いなら隠居してたほうがよっぽど世界の為になるぜ?」

 

「降る気はないのだな?カテレア。」

 

この状態でも説得は諦められないか。まぁ、サーゼクスらしいが。

 

「ええ、サーゼクス。あなたはいい魔王だったが最高の魔王ではなかった。だから私達は新しい魔王を目指します。」

 

「そうか、残念だ。」

 

サーゼクスも諦めたようだな。

 

俺は手を突き出し窓側の壁を吹き飛ばす。

 

ドンッ!

 

「旧魔王の末裔『終末の怪物』の一匹。カテレア・レヴィアタン。相手としては悪くない。いっちょハルマゲドンとシャレこもうじゃないか。」

 

バサッ

 

魔力を開放し羽を出す。

 

「望む所よ!堕ちた天使の総督!」

 

そして俺達は外へ飛び出した。

 

〜 アザゼル side out 〜

 

 

 

旧校舎から出た私達の目に飛び込んできたのはアザゼルが誰かと上空で戦闘し、地上ではガウリイや裕斗や朱乃達が魔法使いと戦っている場面だった。

 

「私達も加勢・・・と行きたい所だけど先に時間停止の結界と魔法使いが出てくる魔法陣を先に何とかしないと厄介ね〜。」

 

私の呟きを聞いてギャスパーが聞いてくる。

 

「里奈先輩、これって僕の能力で打ち消す事ってできますか?」

 

出来る。が、結構な力と制御が必要になるからな〜。

 

まぁ、折角やる気出してるんだし水をさすのもね。

 

おし、ギャスパーを信じましょう。

 

「ギャスパー、相当大変よ。覚悟はある?」

 

「はい!僕もいつまでも守られてばかりは嫌です!」

 

うん、いい目ね。

 

「それならギャスパー、腕輪を外して私の血を飲みなさい。」

 

そう言いアスカロンで軽く指を切る。

 

「それから私の力でギャスパーの力を増加するわ。思いっきりやりなさい。神器(セイクリッド・ギア)は想いに答えてくれるわ。貴方の想いをぶつけなさい。」

 

私の言葉に力強く頷く。

 

そうして腕輪を外して私の血を飲む。

 

血を飲んだときギャスパーの力が膨れ上がった。

 

「どう?ギャスパー。」

 

「はい、力が増してますが、何とか制御出来そうです。」

 

おし。

 

「増幅結構溜まってるから覚悟してね?まず、気持ちで負けないこと!いい!」

 

「はい!分かりました!」

 

お〜し

 

「それじゃあいくわよ!」

 

私はギャスパーの肩に手を置く。

 

ドライグ!!

 

『Transfer!』

 

ドクン!

 

ギャスパーの力が膨れ上がる。

 

「うああああああぁぁぁぁぁ!!」

 

パキィン

 

乾いた音を立てて結界が崩れ魔法使いを出していた魔法陣も消える。連動してたんだ、ラッキー!

 

力を使い倒れるギャスパーを支える。

 

「よくやったわ、ギャスパー。」

 

「お役に立てましたか?」

 

「充分よ、貴方は休んでなさい。アーシア、小猫、ギャスパーをお願い。次は私達の番よ、リアス。」

 

「ええ。後輩に活躍させて私達が何もしない訳にはいかないわね!」

 

リアスもギャスパーにあてられたかしら?

 

「行くわよ!リアス!」

 

「ええ、里奈。」

 

私とリアスはサーゼクスの所に向かった。

 

 

 

サーゼクス達の所に着いた私達は簡単に事情を聞いた。

 

「なる程ね。やっぱりカテレアだったのね〜。」

 

リアスは祐斗達と魔法使いを倒している。

 

私が残っているのはある事情のためだ。

 

それをサーゼクス達に説明する。

 

「それが本当だとしたら・・・。」

 

ミカエルが困惑している。

 

「手はあるんだけどアザゼルが戦っているからね〜。」

 

「あの戦闘に介入するのは危険すぎる。」

 

サーゼクスは言う。なのよね〜、戦闘が激し過ぎて近付くに近づけない。

 

「アザゼルには悪いけどエサになってもらうしかないかしら?」

 

「まぁ、そう簡単には死なないさ。」

 

サーゼクスって・・・。

 

「兆候見せたら私が何とかするわ。多分魔法使いが全滅したあたりね。」

 

「それからミカエル、ゴニョゴニョ・・・」

 

ミカエルに耳打ちする。

 

「えっ!」

 

「まだ確証は無いけどそうだったらちゃんと対応してあげて。」

 

「え、ええ。分かりました。」

 

戸惑いながらも返答してくれる。

 

そうこうしているうちに魔法使い達が全滅する。

 

よしよし、そろそろかしら?

 

そうして篭手を出しつつ彼女の動向に注視する。

 

動いた!

 

ギイィン!

 

アザゼルに攻撃しようとした彼女の剣を止める。

 

「な、に。」

 

「んふふふ〜させないわよ、ゼノヴィア(・・・・・)。」

 

ゼノヴィアと鍔迫り合いしながら声をかける。

 

「何故わかった!」

 

「すこ〜しだけどドラゴンの気配がしたのよね〜。」

 

「なっ!」

 

さすがに動揺してるわね〜。

 

「それに、会談中平然としすぎね。あれだけ神を信じてた貴女が知ってたとはいえ神の不在の話しをしても表情一つ動かさなかったしね。」

 

「何故今迄何もしなかった?」

 

「確証なかったから。まあ、今なら禍の団(カオス・ブリゲード)に加担した理由も分かるわよ?」

 

ゼノヴィアに明らかに動揺が走る。

 

「そうね〜、こっちに協力してくれるなら何とかできるわよ?」

 

「しかし・・・。」

 

戸惑っているゼノヴィアに声がかかる。

 

「ゼノヴィア!たかが下級悪魔にそんな事ができる訳がないでしょう!」

 

カテレアがそう言うが

 

「残念だな。俺と里奈は昔からの知り合いでな、()を更迭扱いで止めているのは里奈からの要請があったからだ。こうなるかも知れないと予想してたからだよ。」

 

「だからといって更迭は解けないでしょう?」

 

カテレアの言う事はもっともだが・・・

 

「解かれたぜ?カテレア・レヴィアタン。」

 

突如アザゼルの横に魔法陣が現れ声と共に一人の堕天使が現れる。

 

「そんなばかな!!あれだけの事をしておいて更迭を解くなんて!正気なの!アザゼル!」

 

激しく狼狽するレヴィアタン。

 

「司法取引って奴よ。開放する代わりにこちらに協力してってね。元ガーヴであるコカビエルには放っておけないわよね?可愛い部下だったヴァルガーヴ(・・・・・・)の事は。」

 

私は説明する。

 

「そこまで分かってたのか?」

 

ゼノヴィアが驚きながらも聞いてくる。

 

「ええ。誰が、というのは分からなかったけれどね。こっちにいるのは分かってたからね、対策だけはしておいたのよ。」

 

「それだけの理由で寝返ったというの?!」

 

叫ぶカテレアにコカビエルが答える。

 

「んな訳ね〜だろ。俺がガーヴとしてもっとも倒したい相手が里奈のほうに力を貸せばいずれは現れるって聞いたんでな。それにヴァルガーヴの事も気になってたのも事実だしな。」

 

割と良い奴なのかしら?

 

「なら、私達と手を組まない?こちらなら色々な組織と繋がりがあるわ!情報も入るわよ。」

 

ウンザリした顔のコカビエルが

 

「バカか?お前。そんなハグレ集団信用出来るかよ。それにそっちに()側の仲間がいたらこっちが寝首掻かれて終わるだろうが!そんな事も分かんないとはな。お前等も気を付けることだな。」

 

元ガーブだけあって裏切りとかには敏感よね〜。

 

「そんで?ゼノヴィアはどうするの?」

 

と、ゼノヴィアの方を見ると

 

「くっ、カテレアァァァ、図ったな!」

 

ゼノヴィアは黒い霧の様な物に覆われて何かに耐えている。

 

「ふふ、貴女は元々教会側の戦士だから裏切ってもいいように保険を掛けておいたのよ。感謝しなさい?パワーアップもできるわよ。ただし暴走状態で、だけどね。」

 

「う、うああああぁぁぁぁぁ!!!」

 

ゼノヴィアの背中から黒い翼が生え強大な黒いオーラが噴出する。

 

ずげげっ!あれって古代竜(エンシェント・ドラゴン)のオーラじゃないのっ!

 

「ゼノヴィアに何したのよ!」

 

私の問いにカテレアは懐から小瓶を取り出し

 

「コレを使ったのよ・・・オーフィスの蛇をね。」




次回は戦闘です。一気に色々出しましょう。

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