スレイヤーズD×D   作:デンドロビウム

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ガウリイ回です。


教師っぽいガウリイ

 

 

「それにしても、暴走の危険があってリアスが制御出来ないのによく眷属に・・・って、変異の駒(ミューテーション・ピース)?」

 

「ええ。それで眷属にはしたんだけど、私の力では制御しきれなかったのよ。」

 

それでリアスに力がつくまで封印されてたのね〜。

 

「それに、彼は類稀な才能の持ち主で日々力が高まっているのよ。上の話では将来的には禁手(バランス・ブレイカー)へ至る可能性もあるという話もあるわ。」

 

時間停止の禁手(バランス・ブレイカー)って考えただけでもゾッとしないわね。

 

「そう、危うい状態なのよ。里奈を眷属にした事とライザーとコカビエルの件を解決した事で評価が上がって制御できるかもと判断されたらしいのよ。」

 

「ライザーとコカビエルの件はともかく、そこで私の名前が出るって・・・。」

 

「そこら辺はお兄様とグレイフィアじゃないかしら?」

 

姉ちゃん!!

 

「僕の話なんて、しなくていいですぅぅぅぅ。」

 

ギャスパーの声はいつの間にか置いてあったダンボールの中からした。

 

「をい。」

 

私はダンボールを蹴る。

 

「ひぃぃぃぃぃぃ。」

 

引き篭もりの究極形態なのかしら?

 

ダンボールヴァンパイア。

 

「能力的には朱乃に次ぐんじゃないかしら?ハーフとはいえ吸血鬼の名門の家柄だし、神器(セイクリッド・ギア)もある。吸血鬼の能力も高い。その上人間の使う魔法にも秀でているわ。とてもじゃないけど僧侶の駒1個では済みそうにないわね。」

 

なるほど。才能はあるけど引き篭もり・・・もったいないわね〜。

 

「え〜と、この時間に開けれるって事はデイウォーカーよね?それと血はどうしてるの?」

 

「里奈の言う通りデイウォーカーよ。血はハーフだからそれ程飢えてないのよ。10日に一度輸血用のパックでとってるわね。元々血は苦手みたいだけど。」

 

「血、嫌いですぅぅぅぅ。生臭いの苦手ですぅぅぅぅ。レバーもきらいですぅぅぅぅ。」

 

血が嫌いとかホントに吸血鬼なのかしら?

 

「へたれヴァンパイア。」

 

小猫の容赦無い一撃!

 

「小猫ちゃんがいじめるぅぅぅぅ!!」

 

「ダンボールヴァンパイア。」

 

『ぷっ』

 

私の言葉にみんなも笑っている。

 

「先輩、ナイスです。」

 

気に入ったのか小猫がサムズアップしてくる。

 

「里奈さんまでぇぇぇぇぇ!」

 

これ、面白いわね。

 

なんて小猫とギャスパーをいじって遊んでいると

 

「とりあえず、里奈、アーシア、小猫。私達が戻ってくる間だけでもいいからギャスパーの教育をお願いできるかしら?私と朱乃は三すくみのトップ会談の打ち合わせをしてくるから。それと祐斗、あなたは私達と一緒に来て頂戴。あなたの禁手(バランス・ブレイカー)についてお兄様が詳しく聞きたいそうだから。」

 

「はい、部長。」

 

裕斗が頷く。

 

確かに普通の禁手(バランス・ブレイカー)じゃないものね〜。私の亜種とも違う発現だったものね。

 

「里奈さん、ギャスパー君の事お願いするね。」

 

「オッケー。ん〜、そうねガウリイも呼んで一から鍛えなおしてあげるわ!」

 

こういうのはガウリイは割と上手いのよね〜。前世でも剣の先生していて意外と慕われていたし。

 

「ギャスパー君、そろそろお外に慣れないといけませんわよ。」

 

「朱乃お姉様までぇぇぇ!そんなこと言わないで下さいぃぃぃぃぃ!」

 

「あらあら、困りましたわね。里奈さんよろしくお願いしますね。」

 

「まかせて〜、お、ガウリイも来たわね〜。」

 

「里奈、来たぞ〜。」

 

「実はね────」

 

ガウリイに事情を説明した。

 

「なるほどな〜。気持は分かるがみんな多かれ少なかれ持ってる問題だからな〜。里奈なんか比較になんないだろ?」

 

「そうなんだけど・・・それでどうするの?」

 

と、ガウリイに話しかけたらどこかに連絡している。

 

「───ああ、そうだ。旧校舎裏でいいか?───じゃあ、よろしく。」

 

通話が終わったガウリイに聞く。

 

「誰に連絡してたの?」

 

「ん?ああ、アザゼルだ。今ここに視察に来ててな、協力してもらう事にした。て訳で旧校舎裏に行くぞ〜。」

 

ガウリイはヒョイとギャスパーをダンボールごと抱え歩き出す。

 

「な、何事ですか!え、え、出れない!助けてぇぇぇぇぇ・・・・・・・・。」

 

呆然と見送る私達。

 

「あ、え〜と、私達も行きましょうか。」

 

ていうか、ガウリイってあんなに強引だったかしら?

 

とりあえず、ガウリイを追いかけることにした。

 

 

 

〜 ガウリイ side 〜

 

「アザゼル。」

 

旧校舎裏に着いたらアザゼルが先に来ていた。

 

「わざわざすまんな。」

 

「気にするな。それに面白そうな素材じゃないか停止の邪眼(フォービトゥン・バロールビュー)なんて。」

 

アザゼルの目が爛々としている。相変わらずだな〜。

 

「それでさっきも話したが、制御出来ないらしくてな、なんか良い方法ないか?」

 

アザゼルはそうだなと言いながら辺りを見渡し、里奈の所にギャスパーの見学に来ていた匙の所で視線を止めた。

 

「ほう?おい!そこのヴリトラ使い!」

 

アザゼルは匙を呼び、匙は恐縮しながらやってくる。

 

「な、な、な、なんでしょうか?」

 

「お前の神器(セイクリッド・ギア)黒い龍脈(アブソーブション・ライン)か?」

 

「はい、そうです。」

 

「それなら、そいつのラインを邪眼使いにつけて力を吸い取ってやれば、制御しやすくなるだろうよ。あとはヴァーリでもいいな、半減。」

 

なるほど、そういう方法でいいのか。

 

「てっきり何かのアイテムでも使うのかと思ったぜ。」

 

「そういうのもあるが、さすがに今は持ってないからな、今度渡すよ。」

 

言われてみればそうだな。

 

「助かったぜ、アザゼル。」

 

「それはそうと、聖魔剣使いはいないのか?」

 

「祐斗ならリアスと一緒に打ち合わせに行ったぜ。」

 

「そっか。今度機会作ってもらって俺も見せてもらおう。」

 

なんか普通と違うみたいだからな〜、アザゼルなら興味持って当然か。

 

「それじゃあ、またな〜。」

 

「おう、助かったぜアザゼル。」

 

アザゼルは手をヒラヒラさせながら帰って行った。

 

それから暫く匙がソーナに連れて行かれるまでギャスパーの特訓を続けた。

 

 

 

「どうだ?ギャスパー。」

 

ヘロヘロになっているギャスパーに聞いてみる。

 

「やっぱり僕には無理ですぅぅ。」

 

「どうしてそう思うんだ?」

 

「何回やっても上手くいかないし、皆さんに迷惑かかるし・・・。」

 

なるほど、こいつは優しい奴なんだな。

 

「なあ、ギャスパー。迷惑だったら皆ここ迄付き合ってくれるか?リアスが眷属にするか?普通は迷惑だとか思ってたら見放すと思うぜ?義務感とかそういうのじゃ皆ここ迄気にしないと思うぜ。」

 

「でも───」

 

俺はギャスパーの言葉を遮り言う。

 

「それでも納得出来ないならもっともっと頑張って制御出来るようになってくれれば皆喜ぶと思うけどな。」

 

「・・・。」

 

「それにだ、そんな簡単に使いこなせるようにはならないだろ。俺も里奈も他の皆だってまだまだだ。」

 

「え。あれだけ使えてるのにですか?」

 

驚いた顔をして聞いてくる。

 

「基本的な部分は何回も使ってるから問題無いけどな〜、もっと効率よくとか上手く使えるようにとか色々あるからな。」

 

「そうなんですね。僕も頑張ったら制御出来るようになりますか?」

 

「当たり前だろ!さっきだって何回か成功してたんだし出来ない事はないさ。上達したかったら成功した時の感覚を覚えること、出来ると自信を持つ事。あとは恩に感じているのならリアスや皆の力になれると思えばいい。あとはこういうのは直ぐ出来るようになんて無理だからな、ちょっとずつ上達していけばいい。」

 

「わ、わかりました!ちゃんと制御出来るように頑張りますぅぅぅぅ。」

 

やる気出してくれたみたいだな。

 

「あと、挫けそうになったら皆に頼れ。その為の眷属で仲間だろ?」

 

「はい!」

 

それと──と俺は続ける

 

「里奈の魔力の状態見えるか?」

 

「えと、・・・少し乱れてます?」

 

困惑顔をするギャスパー。

 

「里奈もな、今自分の力の事で悩んでどうにかしようと努力してる。あいつは意地っ張りだから表に出すなんて事はしないだろうし、基本お人好しだから、ギャスパーの事とか色々背負っちまう。苦労してるのはギャスパーだけじゃない、皆同じ。そう考えれば出来ると思わないか?ああ、今の里奈の話は内緒な。」

 

「皆同じ・・・はい!頑張り───」

 

俺の後ろを見てギャスパーは固まる。

 

俺も振り向いて─────死を悟った。

 

「ガウリイ・・・・・・分かってるわね?」

 

「ちょ!待て!里奈!話せば分かる!」

 

「ギャスパー・・・今の話とこれから起こる事は他言無用よ?」

 

「はいぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

ギャスパーはすっかり怯えきっている。

 

返事を聞いた里奈が物凄い良い笑顔で俺に向く。

 

さよなら皆・・・・・・

 

火炎球(ファイヤー・ボール)✕10!!」

 

ドドドドドドドドドド!!!

 

「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

夕日の空に俺の叫びが響くのだった。




良い教師なんだけど・・・里奈が居る限りオチ担当になりそうです。

ちなみにガウリイの台詞は考えてじゃなくて本能で感じたまま話してます。

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